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第十章
未曾有の危機
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「遠視系のスキルを持つ覚醒者が場所を特定しドローンを使っての調査を繰り返しました。何機ものドローンが撃墜されてしまいましたがようやく少しずつ相手のことが分かりました」
覚醒者協会にある大きな会議室のモニターにあるモンスターの姿が映し出される。
全裸の女性のような姿に見えるけれど背中には蜘蛛の足のようなものが生えている。
「コードネームEA01……人型アラクネの調査報告を開始します」
画面に映し出されているのは太羽島で発見された人型のアラクネであった。
日本の覚醒者協会は人型アラクネの調査を進めていた。
A級覚醒者がやられた以上慎重にならざるを得ず、ここまでで占領した場所をやや縮小してしっかりと守りを固めながら状況の把握に努めていたのである。
「従来型のアラクネの姿は一切確認できなくなってしまいました。まだゲートの中にいるという可能性は残されていますが、我々は人型アラクネが従来型のアラクネの変化、あるいは進化ものだと考えております」
調査報告をしているのは伊丹の上司でもある綾瀬であった。
魔力の影響で赤くなった髪を耳にかけるようにかき上げて次の画面を映す。
森の中を闊歩する人型アラクネの姿が最新のドローンによって綺麗に撮影されている。
「強さですが……こちらをご覧ください」
綾瀬が手に持ったリモコンで操作すると動画が映し出された。
「これは……」
太羽島にはいまだに他の高等級ゲートが存在していて高等級モンスターが溢れている。
第一次太羽島奪還攻略作戦の時に襲いかかってきたドレイクもB級のモンスターだ。
そんなドレイクが人型アラクネによって地面に撃ち落とされ頭が潰されるという衝撃的な映像に会議室にいた面々は驚きを隠せなかった。
ドレイクの翼を引きちぎった人型アラクネはそのままドレイクのことを捕食し始めた。
「ご覧のようにB級モンスターのドレイクを単独で討伐、捕食しています」
捕食のシーンを撮影しようとドローン近づいたところで人型アラクネが振り返り、姿が一瞬ぶれて映像は途切れた。
「従来型のアラクネも本来はB級相当、ドレイクと同等級のモンスターです。ですがご覧のようにドレイクを圧倒する力を持っています。A級覚醒者がやられたことも含めて我々は人型アラクネをA級モンスターと認定しました」
「それは妥当だろうな」
「もはやB級と呼ぶには強すぎる」
「つきましては計画ではアラクネのゲートをする予定でしたが再検討する必要が出てまいりました」
A級ゲートを後回しにしてB級ゲートであったアラクネのゲートを先に攻略するつもりであった。
しかし人型アラクネが現れてA級認定された今力もわからない人型アラクネを相手にするのは非常にリスクが大きい。
「進化する可能性があるのなら先に倒してしまうべきではないか?」
「しかしまだ得体の知れないモンスターだ。更なる調査が必要だろう。一度アラクネを後回しに他のモンスターを狙うのも良いかもしれない」
「他のモンスターも進化しないとも限らない。そちらから先に倒すべきかもしれないぞ」
会議室では様々な意見が飛び交っている。
モンスターの進化という予想外の出来事にどう対処すべきなのか意見がまとまらない。
「韓国側どう言っているのだ?」
「韓国側にはすでに同じ説明をしてあります。向こうは日本の計画に従うと。どのような判断であれ両国の利益になりますしどの順で攻略をしても構わないと返事がありました」
「……こちらに判断を丸投げか。いざとなれば責任を追及するつもりだろう」
前回被害に遭っているのは韓国側の覚醒者である。
てっきり復讐に燃えて作戦をリードする権限を寄越せというと思ったが意外と消極的であった。
「どうしますか、会長?」
「簡単なことではないな……」
日本の覚醒者協会の会長である黒沢智治(クロサワトモハル)は頭痛がする思いだった。
太羽島奪還は簡単なことではないと分かっていたがあまりにも問題が多すぎる。
「この際手段を選んではいられないな。モンスターが進化した可能性があることを各国に共有して協力を求めるんだこれ以上進化する前に叩いてしまいたい」
「分かりました」
「そして他のゲートでも攻略せずに閉じていないもので同様の例がないかどうかの調査も行うんだ。アラクネが特殊な例なのか、他にも起こりうることなのか調べろ」
「他のゲートでも進化が起こる可能性があると?」
「こうなってはないなどと言い切ることの方が危険だ。これまで人類は未曾有の出来事に直面してきた。何事も警戒してし過ぎることはない」
「そうですね……」
「どこか協力があれば……リスクは低いほどいい」
どこも自分の国で手一杯なことに変わりはない。
しかし進化してA級になったモンスターは下手すると全世界的な危機かもしれないと黒沢は思った。
この危機に対してどう立ち向かっていくのかいまだに考えはまとまっていなかった。
覚醒者協会にある大きな会議室のモニターにあるモンスターの姿が映し出される。
全裸の女性のような姿に見えるけれど背中には蜘蛛の足のようなものが生えている。
「コードネームEA01……人型アラクネの調査報告を開始します」
画面に映し出されているのは太羽島で発見された人型のアラクネであった。
日本の覚醒者協会は人型アラクネの調査を進めていた。
A級覚醒者がやられた以上慎重にならざるを得ず、ここまでで占領した場所をやや縮小してしっかりと守りを固めながら状況の把握に努めていたのである。
「従来型のアラクネの姿は一切確認できなくなってしまいました。まだゲートの中にいるという可能性は残されていますが、我々は人型アラクネが従来型のアラクネの変化、あるいは進化ものだと考えております」
調査報告をしているのは伊丹の上司でもある綾瀬であった。
魔力の影響で赤くなった髪を耳にかけるようにかき上げて次の画面を映す。
森の中を闊歩する人型アラクネの姿が最新のドローンによって綺麗に撮影されている。
「強さですが……こちらをご覧ください」
綾瀬が手に持ったリモコンで操作すると動画が映し出された。
「これは……」
太羽島にはいまだに他の高等級ゲートが存在していて高等級モンスターが溢れている。
第一次太羽島奪還攻略作戦の時に襲いかかってきたドレイクもB級のモンスターだ。
そんなドレイクが人型アラクネによって地面に撃ち落とされ頭が潰されるという衝撃的な映像に会議室にいた面々は驚きを隠せなかった。
ドレイクの翼を引きちぎった人型アラクネはそのままドレイクのことを捕食し始めた。
「ご覧のようにB級モンスターのドレイクを単独で討伐、捕食しています」
捕食のシーンを撮影しようとドローン近づいたところで人型アラクネが振り返り、姿が一瞬ぶれて映像は途切れた。
「従来型のアラクネも本来はB級相当、ドレイクと同等級のモンスターです。ですがご覧のようにドレイクを圧倒する力を持っています。A級覚醒者がやられたことも含めて我々は人型アラクネをA級モンスターと認定しました」
「それは妥当だろうな」
「もはやB級と呼ぶには強すぎる」
「つきましては計画ではアラクネのゲートをする予定でしたが再検討する必要が出てまいりました」
A級ゲートを後回しにしてB級ゲートであったアラクネのゲートを先に攻略するつもりであった。
しかし人型アラクネが現れてA級認定された今力もわからない人型アラクネを相手にするのは非常にリスクが大きい。
「進化する可能性があるのなら先に倒してしまうべきではないか?」
「しかしまだ得体の知れないモンスターだ。更なる調査が必要だろう。一度アラクネを後回しに他のモンスターを狙うのも良いかもしれない」
「他のモンスターも進化しないとも限らない。そちらから先に倒すべきかもしれないぞ」
会議室では様々な意見が飛び交っている。
モンスターの進化という予想外の出来事にどう対処すべきなのか意見がまとまらない。
「韓国側どう言っているのだ?」
「韓国側にはすでに同じ説明をしてあります。向こうは日本の計画に従うと。どのような判断であれ両国の利益になりますしどの順で攻略をしても構わないと返事がありました」
「……こちらに判断を丸投げか。いざとなれば責任を追及するつもりだろう」
前回被害に遭っているのは韓国側の覚醒者である。
てっきり復讐に燃えて作戦をリードする権限を寄越せというと思ったが意外と消極的であった。
「どうしますか、会長?」
「簡単なことではないな……」
日本の覚醒者協会の会長である黒沢智治(クロサワトモハル)は頭痛がする思いだった。
太羽島奪還は簡単なことではないと分かっていたがあまりにも問題が多すぎる。
「この際手段を選んではいられないな。モンスターが進化した可能性があることを各国に共有して協力を求めるんだこれ以上進化する前に叩いてしまいたい」
「分かりました」
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「他のゲートでも進化が起こる可能性があると?」
「こうなってはないなどと言い切ることの方が危険だ。これまで人類は未曾有の出来事に直面してきた。何事も警戒してし過ぎることはない」
「そうですね……」
「どこか協力があれば……リスクは低いほどいい」
どこも自分の国で手一杯なことに変わりはない。
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