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第十章
お酒の使い道
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「かはーっ! 店開けそうだな!」
一月経ったので再びイスギスのところに呼び出された。
圭は買い込んだお酒をテーブルの上に次々と出していった。
あまり総量というものを考えていなかったけれども収納袋から取り出してみるとかなり大量のお酒となってしまっている。
作業に使う大きなテーブルに収まりきらないほどのお酒を見てイスギスは目を輝かせていた。
要望通り日本酒を中心として各種取り揃えてみた。
呑兵衛なら大喜びのよりどりみどりの状況だ。
「で、お酒でどうするんだ?」
お酒を持ってきてくれと言われたがお酒でどうやって優斗を呼ぶのか、お酒が優斗を呼ぶことに繋がるのかと疑問である。
「あ? ああ、心配すんな。私が飲みたいから要求したわけじゃない」
ほんの少しだけイスギスが飲みたいから要求したという疑いもあった。
だけど圭の心配を見抜いたようにイスギスは笑った。
「この世界に現実の人を呼ぶのは簡単なことじゃない。お前は私と繋がりがあるしお前自身に神の力があるからこうして呼び出すことにも消費は少ない」
イスギスは意外と簡単に圭のことをひょいひょい呼び出しているが実はそう簡単にできることではなかった。
神の領域に人を呼ぶのは力を使うので呼び出すことも難しく、呼び出せる時間も短い。
ただ圭に関しては事情が違った。
神がする約束にはただの口約束でも拘束力が発生する。
エスギスを救う代わりに剣を直すという約束によって圭とイスギスの間には繋がりができていた。
少なくとも剣を直すまでの間はイスギスには圭を呼ぶ理由があるのだ。
ついでに圭にはラクスの力が宿っている。
神の力を持っていて人の中では神にも近い存在であった。
そんなところからイスギスが自分の領域に圭を呼び出すことに関しては消耗が少なく済んでいる。
ただ優斗を呼ぶとなると話が違う。
優斗とイスギスの間にはなんの関係もなく、優斗はただの人である。
呼び出すのには大きな力がいる。
しかしイスギスにはそんなに力もない。
優斗を呼ぶことで鉄鋼竜の心臓を使えるならそうするつもりなのだが優斗を呼ぼうと思ったら作戦が必要だった。
「知らない奴を呼ぶには色々大変でな。そこで酒なんだよ」
「お酒で何を……」
「賄賂だよ、賄賂」
「わ、賄賂?」
「そう、賄賂だよ。前にも言ったと思うけど酒を手に入れるのも楽じゃないんだ。特に自分の世界を失った神は入手の手段が限られる。酒や食べ物が欲しいからゲームに参加してる神だっているんだ」
「そんな神まで……」
何も強制されている神やゲームに刺激を求めている神ばかりが参加しているのではない。
ゲームの舞台となった世界の物を目的としている神も一定数存在していた。
しかし異界の神に何かを捧げてくれる奇特な存在を確保するのは難しい。
そこで神々の間でも多少の取引なりはあるのだ。
「酒はわかりやすい。欲しがる奴も多いしな。これを持ってってちょっくら他の神と仲良くなったり、ゲームの中でこうした呼び寄せなんかを担当している神に賄賂として渡すんだよ」
「なんというか……その」
「随分と俗物的だろ? 人も神もそんなに変わりはしない。私のように人から昇華して神になった奴もいるんだ」
確かにイスギスは神と言いながらだいぶ人間臭い。
元々人であったし、神様ぶる感じもない。
もちろん神様らしい神様もいるのだろうがお酒を賄賂にできるぐらいの人間らしさを持った神様も多いのである。
「多分こんだけありゃ足りんだろうけど……ダメだったらまたお酒お願いするわ」
「分かったけど……なんで日本酒多めがよかったんだ?」
「今一部の神の間では日本酒が流行ってんだ」
「そうなの?」
「そーなの」
試飲だとつぶやきながらイスギスがお酒を一本開ける。
「ワインが好きなやつ、ビールが好きなやつ、色々いるけどな。この世界でいう中世レベルの食文化しかなくてクソ不味いミードしかなくて初めてこの世界の酒を飲んで感動したような神もいる」
食文化も世界によって異なる。
圭の世界は比較的文明として発達していて食べ物やお酒もかなり多種多様にあった。
日本酒は発展の乏しい世界の神様にも人気であったのだ。
「神になったってやることはない。好き勝手に影響は及ぼせないし食べるか飲むだけだ。ちなみにこの世界のオセロも人気だぞ」
「そうなのか……」
世界を巻き込んだゲームに理解を示すつもりはない。
だが暇を持て余すとこうした刺激が欲しくなるということはわかる気がする。
「その優斗ってのに伝えときな、いつ呼び出すか分からないってな」
「分かった。頼むよ」
「にしてもアダマンタイトリアンドラゴンの心臓を使うとこ見せてほしいとは変わってんな」
「優斗も昔から鍛冶職人志望だからな」
「先輩としていいところ見せないとな。ひとまずもう少し待ってくれ」
こうして優斗を招くための色々はイスギスに任せることにして圭はもう少しお酒を集めておこうと思ったのであった。
一月経ったので再びイスギスのところに呼び出された。
圭は買い込んだお酒をテーブルの上に次々と出していった。
あまり総量というものを考えていなかったけれども収納袋から取り出してみるとかなり大量のお酒となってしまっている。
作業に使う大きなテーブルに収まりきらないほどのお酒を見てイスギスは目を輝かせていた。
要望通り日本酒を中心として各種取り揃えてみた。
呑兵衛なら大喜びのよりどりみどりの状況だ。
「で、お酒でどうするんだ?」
お酒を持ってきてくれと言われたがお酒でどうやって優斗を呼ぶのか、お酒が優斗を呼ぶことに繋がるのかと疑問である。
「あ? ああ、心配すんな。私が飲みたいから要求したわけじゃない」
ほんの少しだけイスギスが飲みたいから要求したという疑いもあった。
だけど圭の心配を見抜いたようにイスギスは笑った。
「この世界に現実の人を呼ぶのは簡単なことじゃない。お前は私と繋がりがあるしお前自身に神の力があるからこうして呼び出すことにも消費は少ない」
イスギスは意外と簡単に圭のことをひょいひょい呼び出しているが実はそう簡単にできることではなかった。
神の領域に人を呼ぶのは力を使うので呼び出すことも難しく、呼び出せる時間も短い。
ただ圭に関しては事情が違った。
神がする約束にはただの口約束でも拘束力が発生する。
エスギスを救う代わりに剣を直すという約束によって圭とイスギスの間には繋がりができていた。
少なくとも剣を直すまでの間はイスギスには圭を呼ぶ理由があるのだ。
ついでに圭にはラクスの力が宿っている。
神の力を持っていて人の中では神にも近い存在であった。
そんなところからイスギスが自分の領域に圭を呼び出すことに関しては消耗が少なく済んでいる。
ただ優斗を呼ぶとなると話が違う。
優斗とイスギスの間にはなんの関係もなく、優斗はただの人である。
呼び出すのには大きな力がいる。
しかしイスギスにはそんなに力もない。
優斗を呼ぶことで鉄鋼竜の心臓を使えるならそうするつもりなのだが優斗を呼ぼうと思ったら作戦が必要だった。
「知らない奴を呼ぶには色々大変でな。そこで酒なんだよ」
「お酒で何を……」
「賄賂だよ、賄賂」
「わ、賄賂?」
「そう、賄賂だよ。前にも言ったと思うけど酒を手に入れるのも楽じゃないんだ。特に自分の世界を失った神は入手の手段が限られる。酒や食べ物が欲しいからゲームに参加してる神だっているんだ」
「そんな神まで……」
何も強制されている神やゲームに刺激を求めている神ばかりが参加しているのではない。
ゲームの舞台となった世界の物を目的としている神も一定数存在していた。
しかし異界の神に何かを捧げてくれる奇特な存在を確保するのは難しい。
そこで神々の間でも多少の取引なりはあるのだ。
「酒はわかりやすい。欲しがる奴も多いしな。これを持ってってちょっくら他の神と仲良くなったり、ゲームの中でこうした呼び寄せなんかを担当している神に賄賂として渡すんだよ」
「なんというか……その」
「随分と俗物的だろ? 人も神もそんなに変わりはしない。私のように人から昇華して神になった奴もいるんだ」
確かにイスギスは神と言いながらだいぶ人間臭い。
元々人であったし、神様ぶる感じもない。
もちろん神様らしい神様もいるのだろうがお酒を賄賂にできるぐらいの人間らしさを持った神様も多いのである。
「多分こんだけありゃ足りんだろうけど……ダメだったらまたお酒お願いするわ」
「分かったけど……なんで日本酒多めがよかったんだ?」
「今一部の神の間では日本酒が流行ってんだ」
「そうなの?」
「そーなの」
試飲だとつぶやきながらイスギスがお酒を一本開ける。
「ワインが好きなやつ、ビールが好きなやつ、色々いるけどな。この世界でいう中世レベルの食文化しかなくてクソ不味いミードしかなくて初めてこの世界の酒を飲んで感動したような神もいる」
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圭の世界は比較的文明として発達していて食べ物やお酒もかなり多種多様にあった。
日本酒は発展の乏しい世界の神様にも人気であったのだ。
「神になったってやることはない。好き勝手に影響は及ぼせないし食べるか飲むだけだ。ちなみにこの世界のオセロも人気だぞ」
「そうなのか……」
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だが暇を持て余すとこうした刺激が欲しくなるということはわかる気がする。
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