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第二章
病室での会話1
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リウ・カイが国際指名手配のA級覚醒者の犯罪者であることを知ったのは全てが終わった後だった。
しかし北条勝利、上杉かなみのA級覚醒者2人を投入してもカイには逃げられてしまった。
もはや逃げることは不可能だと思ったのにどういった原理なのか分かっていないがカイは意図的にダンジョンをブレイクさせた。
その隙に乗じてダンジョンを抜け出し北条とかなみを振り切って逃走を成功させた。
北条が率いる大和ギルドで大規模な捜索を続けているが確保には至っていない。
覚醒者になる前から裏の世界で生きてきたカイが姿をくらましてしまうと見つけることは困難であった。
「また病院に逆戻りとはな……」
老齢の和輝はヒーラーの治療で回復したといっても不安が残るので数日入院することとなった。
非常に不満そうではあるがカイを追跡する間の護衛もあるので病院の方が都合が良かった何て事情もあった。
「すいません……今は家も危険かもしれませんので」
「分かっている。ただ病院のメシは量が足りん」
和輝の病室にはお見舞いがてらに圭たちが集まっていた。
そこに北条がやってきた。
「それにしても大きくなったね、カレンちゃん」
まるで親戚のおじさんかのように優しい目をして北条は微笑んでいる。
「わ、私のこと知ってるんですか?」
対してカレンは有名人でもある北条を前にして緊張している。
「もちろん。会ったのは君がまた赤ん坊だった頃だ。和輝さんが可愛い孫のことを自慢していた」
戦いの時の激しさとは打って変わった穏やかさが北条にはあった。
「今でも可愛い孫には違いない」
「爺さん……」
恥ずかしそうなカレンが頬を赤くする。
「ふふふ、いい子に育ってくれているようで私も安心したよ。何気なく贈ったハムだったがそれを君が気に入ってくれているとも聞いているよ」
「それも……」
耳まで真っ赤になってカレンがうつむく。
まさか気に入っていたハムが贈り物で贈ってくれていた相手が北条だったなんて思いもしなかった。
さらに本人にそのことを言われるなんて恥ずかしくてたまらない。
「まさか今回のことがアレが原因だったとは」
北条がため息混じりに首を振る。
今回のことはカイが北条が昔和輝に渡した鉄鋼竜の心臓を狙ったものであった。
カイが国内に入ったという情報を得た時点で北条を始めとして覚醒者協会は警戒を強めていた。
特にカイは殺し屋である。
そのために覚醒者協会ではカイの調査と並行して要人の警護などにも人員を割いていた。
どうして小嶋金融で暴れたのかなど分からないことも多く、カイの目的が掴めなくて先回りもできなかった。
暗殺の仕事ではなく個人の所有するアイテムが目的であったなど調査で調べられるはずがない。
「私のせいで……申し訳ありません」
「いやお前さんのせいではないよ」
北条は自分のせいであると責任を感じていた。
「いたずらにアレを持ち続けた俺が悪いんだ。
そしてそれをバカなせがれに言ってしまったこともな」
加工してみようとする勇気もなければ鉄鋼竜の心臓を売りに出すこともしなかった。
いつか後継者になるだろうと息子に鉄鋼竜の心臓のことを伝えていたがそれが問題になるだなんて予想外であった。
「それにしてもまだ持っているなんて思いもしませんでしたよ。鉄鋼竜の装備の情報なんてなかなか聞こえてきませんからね」
「本当ならアレで何か作ってお前さんに渡すつもりだったんだ。結局手をつけられなかったがな」
「そんな……アレは和輝さんに差し上げたものなんですから」
「それなら俺がお前さんの装備作ろうと自由だろう」
「う、まあそうですが……」
「今はもうお前さんもいらんだろう」
北条もA級覚醒者として長いこと活躍してきた。
装備の変更は何度かあったけれど今の装備に落ち着いてそれなりに時間も経っている。
より良い装備を望むのは覚醒者として当然であるが使い慣れた装備も手放しにくい。
今の装備も最上級品にあたり、ここから鉄鋼竜の心臓を使った装備に変える必要性も薄い。
「けれどどうしましょうか? あんなことがあった以上鉄鋼竜の心臓を持っているのも危険かもしれません」
「そうだな」
「私の方で保管しましょうか?」
「そんな必要はない。覚醒者協会の貸金庫に預けてあるからな」
「なるほど、それなら盗むことできないはずです」
家を泥棒に入られても鉄鋼竜の心臓は見つからなかった。
それもそのはずで家には置いておらず、ちゃんとした場所に預けていたからであった。
「しかしどうしますか? このような大騒ぎになった以上はリウ・カイが現れることはしばらくないでしょう。ですがどこから鉄鋼竜の心臓のことが漏れるか……」
「確かにそう考えるとお前さんに返した方がいいのかもしれないな」
「いえいえ! アレは和輝さんのものです。お返しいただくなんでとんでもない。一度こちらが入手したように情報を公開して私に矛先を向けましょう」
北条が鉄鋼竜の心臓を持っているとなればたとえカイであっても簡単には手を出せない。
和輝たちを襲う理由もなくなる。
「アレはどうなさるおつもりだったのですか?」
「本当はお前さんの装備を作ろうと思っていたのだが今は優斗のやつに譲ろうと思っていてな。優斗には才能がある。戦いの方ではからっきしだが良い職人になるだろう」
「ではその時まで私が持っていることにしましょう」
「何もかも悪いな」
「元はと言えば私から始まったことです」
「始まりなんぞ考えても詮ないことだ」
とりあえず鉄鋼竜の心臓をどうするのかは決まった。
しかし北条勝利、上杉かなみのA級覚醒者2人を投入してもカイには逃げられてしまった。
もはや逃げることは不可能だと思ったのにどういった原理なのか分かっていないがカイは意図的にダンジョンをブレイクさせた。
その隙に乗じてダンジョンを抜け出し北条とかなみを振り切って逃走を成功させた。
北条が率いる大和ギルドで大規模な捜索を続けているが確保には至っていない。
覚醒者になる前から裏の世界で生きてきたカイが姿をくらましてしまうと見つけることは困難であった。
「また病院に逆戻りとはな……」
老齢の和輝はヒーラーの治療で回復したといっても不安が残るので数日入院することとなった。
非常に不満そうではあるがカイを追跡する間の護衛もあるので病院の方が都合が良かった何て事情もあった。
「すいません……今は家も危険かもしれませんので」
「分かっている。ただ病院のメシは量が足りん」
和輝の病室にはお見舞いがてらに圭たちが集まっていた。
そこに北条がやってきた。
「それにしても大きくなったね、カレンちゃん」
まるで親戚のおじさんかのように優しい目をして北条は微笑んでいる。
「わ、私のこと知ってるんですか?」
対してカレンは有名人でもある北条を前にして緊張している。
「もちろん。会ったのは君がまた赤ん坊だった頃だ。和輝さんが可愛い孫のことを自慢していた」
戦いの時の激しさとは打って変わった穏やかさが北条にはあった。
「今でも可愛い孫には違いない」
「爺さん……」
恥ずかしそうなカレンが頬を赤くする。
「ふふふ、いい子に育ってくれているようで私も安心したよ。何気なく贈ったハムだったがそれを君が気に入ってくれているとも聞いているよ」
「それも……」
耳まで真っ赤になってカレンがうつむく。
まさか気に入っていたハムが贈り物で贈ってくれていた相手が北条だったなんて思いもしなかった。
さらに本人にそのことを言われるなんて恥ずかしくてたまらない。
「まさか今回のことがアレが原因だったとは」
北条がため息混じりに首を振る。
今回のことはカイが北条が昔和輝に渡した鉄鋼竜の心臓を狙ったものであった。
カイが国内に入ったという情報を得た時点で北条を始めとして覚醒者協会は警戒を強めていた。
特にカイは殺し屋である。
そのために覚醒者協会ではカイの調査と並行して要人の警護などにも人員を割いていた。
どうして小嶋金融で暴れたのかなど分からないことも多く、カイの目的が掴めなくて先回りもできなかった。
暗殺の仕事ではなく個人の所有するアイテムが目的であったなど調査で調べられるはずがない。
「私のせいで……申し訳ありません」
「いやお前さんのせいではないよ」
北条は自分のせいであると責任を感じていた。
「いたずらにアレを持ち続けた俺が悪いんだ。
そしてそれをバカなせがれに言ってしまったこともな」
加工してみようとする勇気もなければ鉄鋼竜の心臓を売りに出すこともしなかった。
いつか後継者になるだろうと息子に鉄鋼竜の心臓のことを伝えていたがそれが問題になるだなんて予想外であった。
「それにしてもまだ持っているなんて思いもしませんでしたよ。鉄鋼竜の装備の情報なんてなかなか聞こえてきませんからね」
「本当ならアレで何か作ってお前さんに渡すつもりだったんだ。結局手をつけられなかったがな」
「そんな……アレは和輝さんに差し上げたものなんですから」
「それなら俺がお前さんの装備作ろうと自由だろう」
「う、まあそうですが……」
「今はもうお前さんもいらんだろう」
北条もA級覚醒者として長いこと活躍してきた。
装備の変更は何度かあったけれど今の装備に落ち着いてそれなりに時間も経っている。
より良い装備を望むのは覚醒者として当然であるが使い慣れた装備も手放しにくい。
今の装備も最上級品にあたり、ここから鉄鋼竜の心臓を使った装備に変える必要性も薄い。
「けれどどうしましょうか? あんなことがあった以上鉄鋼竜の心臓を持っているのも危険かもしれません」
「そうだな」
「私の方で保管しましょうか?」
「そんな必要はない。覚醒者協会の貸金庫に預けてあるからな」
「なるほど、それなら盗むことできないはずです」
家を泥棒に入られても鉄鋼竜の心臓は見つからなかった。
それもそのはずで家には置いておらず、ちゃんとした場所に預けていたからであった。
「しかしどうしますか? このような大騒ぎになった以上はリウ・カイが現れることはしばらくないでしょう。ですがどこから鉄鋼竜の心臓のことが漏れるか……」
「確かにそう考えるとお前さんに返した方がいいのかもしれないな」
「いえいえ! アレは和輝さんのものです。お返しいただくなんでとんでもない。一度こちらが入手したように情報を公開して私に矛先を向けましょう」
北条が鉄鋼竜の心臓を持っているとなればたとえカイであっても簡単には手を出せない。
和輝たちを襲う理由もなくなる。
「アレはどうなさるおつもりだったのですか?」
「本当はお前さんの装備を作ろうと思っていたのだが今は優斗のやつに譲ろうと思っていてな。優斗には才能がある。戦いの方ではからっきしだが良い職人になるだろう」
「ではその時まで私が持っていることにしましょう」
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