人の才能が見えるようになりました。~いい才能は幸運な俺が育てる~

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第四章

犯罪覚醒者8

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「うひぃ~ベタベタ……」

 メロン汁の甘ったるい香りに包まれる。
 圭はなんとか汁がかからない位置にいたけれど女性陣3人はメロン汁まみれである。

「タオルだ」

「ありがと」

 圭は荷物の中からタオルを出してみんなに渡す。
 何にしてもボスは倒したのでこれで終わりだ。

 軽く汁を拭いてあとは帰って流せば良い。

「圭さーん」

「……呼ばれてるぞ」

「何の用だろう?」

「さあな」

「圭さぁーん」

「はぁ……」

 ボスフェイスメロンと戦っている間もピンクダイヤモンドは離れて見ていただけだった。
 よくこれでギルドなんて作ろうとしたなと怒りすら覚える。

 今も離れたところの木陰から悪びれもなく手を振って圭を呼んでいた。
 いまさら呼びつけて何をするつもりなんだと圭は深いため息をついた。

 けれど放っておくとうるさそうなので渋々ピンクダイヤモンドの方に向かう。

「何ですか?」

 思わず声に苛立ちが表れてしまうがこれぐらいはしょうがない。

「ちょっとぉ、見てほしいものがあるんですけどぉ」

 ゾワリとするような猫撫で声を出してピンクダイヤモンドのリーダーである遠藤が地面を指差した。

「何もないですけど?」

「よく見てくださいよ~」

「何なんだよ……」

 抑えきれない苛立ちを顔に出しながらももう後は別れるだけだからと必死に我慢する。
 何もないのに何かを見ろとは言わないはず。

 本当に何かが落ちているのかもしれないと遠藤が指差した辺りで膝をついて地面を確認する。

「やっぱり何も……うっ!」

 近づいてみたところで草と土があるだけ。
 くだらない冗談だったのかもしれないと振り返ろうとした圭の頭に強い衝撃があった。

「ぐっ……何を……」

 気絶はしなかったが手もつけずに地面に顔から倒れ込んでしまった。

「へぇ、気を失わなかったんだ」

「まあいいわ。さっさとやっちゃいましょう。みんなちゃんと隠してね」

「はぁーい」

「なにを……するつもりだ……」

 視界がぐわんと歪む。
 体に力が入らなくて起き上がれない。

 聞こえてくるピンクダイヤモンドの女性たちの声の温度が途端に下がったことだけしか圭にはわからない。
 倒れた圭をピンクダイヤモンドは冷たく見下ろしている。

 ピンクダイヤモンドの遠藤が圭に前に回り込み、他のメンバーが並んで圭を隠す。
 夜滝たちから木の影になっている上にピンクダイヤモンドが立ちはだかっているので圭の姿は見えていなかった。

「うぅ……」

 遠藤は圭のあごに手を添えて顔を持ち上げた。
 笑みを浮かべているのに先ほどまでとは違う。

「ふふ、思ったよりやってくれたから楽に済んだわ」

「何が目的だ……」

 少しずつ視界の歪みが戻ってきてもう少しで動けそうな程度に回復してきた。
 1人でピンクダイヤモンドの4人全員を同時に相手するのは厳しいが声でも出して夜滝たちが気づいてくれれば制圧も出来る。

「ダメよ……あなたは今から私のものになるの……」

 遠藤の目の縁が紫色に染まる。

「男って……みんなバカ……」

 ーーーーー

「あいつら何してんだ?」

「さあ……」

「まさか色仕掛けでもされてんじゃないだろな?」

「ゲートの中でイヤらしい行為はしないとは思うし圭がそんなのに惑わされるとは思わないけどねぇ……」

 夜滝たちはタオルで体についた汁を拭き取りながらピンクダイヤモンドの動向を見ていた。
 何の目的で圭を呼んだのかは知らないがこの期に及んで言い訳でもしてるのかもしれないと思っていた。

 もしかしたら力づくで何かしようとしているのかもしれない可能性も考える。
 それぞれ1人なら圭も負けないだろうがピンクダイヤモンド全員に襲われたら流石に厳しいだろう。

 ちょうど圭が木の影になってなる。
 そこにピンクダイヤモンドの女性が重なって姿が確認できなくなってしまった。

 何をしているのかいぶかしむようにカレンが覗き込むが圭の姿は見えない。

「さすがに何してんだか気になるな」

 そろそろ1発言ってやるかと思っているとピンクダイヤモンドがカレンたちの方に歩いてきた。

「なんだ?」

「おーい、圭さーん!」

 一方で圭は木の側に立ったままぼんやりとしている。
 波瑠が呼びかけても圭に反応はない。

「おい、お兄さ……圭に何……はあっ?」

 圭に何をしたんだとピンクダイヤモンドに詰め寄ったカレン。
 ピンクダイヤモンドの1人がフラリと近づいてきた瞬間お腹が熱くなった。

 視線を下げるとカレンの腹部にナイフが突き刺さっていた。
 カレンにナイフを突き刺したピンクダイヤモンドの1人はニヤリと笑った。

「てめ……何を」

「カレン!」

「あんたデカくてキモいんだよ」

 ナイフを抜きながらカレンに対して暴言を言い放つ。
 カレンが手に持ったタオルを落とし、膝をついて地面に倒れる。

「波瑠!」

「くっ!」

 ピンクダイヤモンドの2人が波瑠に切りかかり、波瑠はなんとかそれをかわして距離を取る。

「お前たち……PK覚醒者だね」

「ふふ、あなたたちF級なのに強いのは良い装備を身につけてるからでしょ? それ、私たちがもらってあげるわ」

「だから最初から怪しかったんだね……」

「圭に何をした!」
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