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第四章
秘密多き塔5
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大きな丸い目をした可愛らしい女性がヴァルキリーギルドの列を離れて圭たちの方に近づいてきた。
艶やかな黒髪の中に一房真っ白な髪が混ざっている。
視界の端に動きをとらえていた圭も気になってその女性の方を見たら目があった。
圭たちではなく圭を見ている。
「黒羽!」
そんな女性の様子を見てヴァルキリーギルドの面々もなんだと圭たちの方を見る。
こんな風に注目されるのは本意ではないが黒羽と呼ばれた女性はそのまま圭の前まで来てしまった。
「あの……何か?」
まじまじと圭の顔を観察している黒羽だが圭は黒羽に見覚えがなくてとにかく困惑する。
「黒羽、どうしたの?」
少し色素が抜けたような茶色っぽい髪をした背の高い女性が困ったような表情をして黒羽の服を引っ張る。
「この人、見たことがある」
綺麗な声だなと圭は思った。
「お、俺ですか? お会いしたことはないとおもいますけど……」
ただ声を聞いても知らない人。
顔も声も印象的で会っていたら忘れるはずがないのに全く記憶にない。
『白月黒羽
レベル255
総合ランクC
筋力B(英雄)
体力C(一般)
速度D(無才)
魔力B(一般)
幸運E(無才)
スキル:奪速転力
才能:戦いの友は壊れ知らず』
一応真実の目で確認してみた。
B級覚醒者の白月黒羽。
能力は高くて苗字の方でも覚えがない。
「ごめんなさい。この子、記憶力もいいのでもしかしたらどこかでお顔を見たのかもしれません」
「いーや、そいつはがっつり会ってる……うーん、会ってるといえば会ってるって感じだな!」
すれ違ったような記憶すらないと思っていたら鮮やかな赤い髪の大きな剣を背負った女性がポンと黒羽の肩に手を置いた。
「会って……ますか?」
今度の女性もかなり特徴的。
真っ赤な髪と勝気な顔立ちは絶対に記憶に残る。
話し振りからして黒羽と会ったことを知っている、あるいはこちらの赤い女性とも会ったことがあるかのようである。
「ああ、そりゃああんたは覚えてないだろうな」
「どういうことですか?」
「会った時、あんたは気を失っていたからだよ」
「…………あっ、まさか」
「そう、あんたを運んだの私だからな」
ヘルカトによってゲートに引きずり込まれ、ふらふらとさまよって倒れた圭を助けてくれたのはヴァルキリーギルドだった。
たまたま近くで攻略をしていて圭を見つけたものであるが塔の外まで運んでくれたのである。
ヴァルキリーギルドも忙しいので病室から手紙を書いて薫に預けて渡してもらった。
圭としては直接会ったことはないのだが圭を運んだヴァルキリーギルドの人たちは圭の顔を見ていたのである。
「赤城ミキだ。手紙もらったんで無事だとは知っていたけど元気そうだな」
その時に圭を抱えて連れていってくれたのが目の前の赤い女性、赤城ミキであった。
「だから、見た」
「そうだな。あん時黒羽もいたからな」
圭が倒れていた現場には黒羽もいた。
他の人たちは圭のことなんか忘れていたけれど黒羽は本当に記憶力が良くて圭の顔をなんとなく覚えていたのである。
「あの時はどうもありがとうございました。直接お礼にうかがえなくて申し訳ありません」
「いやいや、いいんだ。大変だっただろうからな」
ミキは豪快に笑って圭の肩をバンバンと叩く。
筋力値が高いのかミキは軽く叩いているようでも結構圭の肩は痛む。
「後遺症もなく元気にやってるならいいんだ。ほら黒羽行くぞ。ブレイブギルド待たせちゃ悪い」
「はい、分かった」
黒羽は軽く圭に微笑んでヴァルキリーギルドに戻っていく。
「急に悪かったな。塔の中は危ないから気をつけて」
「あ、はい、ありがとうございます!」
見るとブレイブギルドはすでに二階へのゲート前に着いていてヴァルキリーギルドの様子をうかがっていた。
颯爽と去っていくミキの背中を見送る。
「あれどーゆーことー?」
波瑠がジトーッとした目で圭のことを見上げている。
なぜヴァルキリーギルドが圭に話しかけて来るのだと疑いの目を向ける。
「前に話しただろ? 塔での事故のこと」
「ああ、そういえばそんな話してたな」
「そん時俺を助けてくれたのがヴァルキリーギルドだったんだよ。どうやら俺のことを覚えていてくれた人がいたみたいだ」
「ふぅーん……」
「他にヴァルキリーギルドの人と知り合いになる機会なんでないだろ? それに俺の方は気を失ってて向こうのことは全く覚えてもないしな」
「にしても可愛らしい人ではあったねえ」
「こっそり見たけどあれでもB級覚醒者だよ」
「赤城さんってヴァルキリーギルドの副ギルドマスターでしょ? 確かあの人もB級だもんね」
どうせなら赤城も見とけばよかったなと思う。
しかしホイホイと高等級覚醒者がいるのだからヴァルキリーギルドも凄い。
今回はたまたまこうしてヴァルキリーギルドと一瞬の交流はあったけれど基本的には住む世界の違う人たちなので今後会うこともないだろう。
ヴァルキリーギルドは二階へのゲートにブレイブギルドと共に消えていき、圭たちは来た道を引き返し始めた。
艶やかな黒髪の中に一房真っ白な髪が混ざっている。
視界の端に動きをとらえていた圭も気になってその女性の方を見たら目があった。
圭たちではなく圭を見ている。
「黒羽!」
そんな女性の様子を見てヴァルキリーギルドの面々もなんだと圭たちの方を見る。
こんな風に注目されるのは本意ではないが黒羽と呼ばれた女性はそのまま圭の前まで来てしまった。
「あの……何か?」
まじまじと圭の顔を観察している黒羽だが圭は黒羽に見覚えがなくてとにかく困惑する。
「黒羽、どうしたの?」
少し色素が抜けたような茶色っぽい髪をした背の高い女性が困ったような表情をして黒羽の服を引っ張る。
「この人、見たことがある」
綺麗な声だなと圭は思った。
「お、俺ですか? お会いしたことはないとおもいますけど……」
ただ声を聞いても知らない人。
顔も声も印象的で会っていたら忘れるはずがないのに全く記憶にない。
『白月黒羽
レベル255
総合ランクC
筋力B(英雄)
体力C(一般)
速度D(無才)
魔力B(一般)
幸運E(無才)
スキル:奪速転力
才能:戦いの友は壊れ知らず』
一応真実の目で確認してみた。
B級覚醒者の白月黒羽。
能力は高くて苗字の方でも覚えがない。
「ごめんなさい。この子、記憶力もいいのでもしかしたらどこかでお顔を見たのかもしれません」
「いーや、そいつはがっつり会ってる……うーん、会ってるといえば会ってるって感じだな!」
すれ違ったような記憶すらないと思っていたら鮮やかな赤い髪の大きな剣を背負った女性がポンと黒羽の肩に手を置いた。
「会って……ますか?」
今度の女性もかなり特徴的。
真っ赤な髪と勝気な顔立ちは絶対に記憶に残る。
話し振りからして黒羽と会ったことを知っている、あるいはこちらの赤い女性とも会ったことがあるかのようである。
「ああ、そりゃああんたは覚えてないだろうな」
「どういうことですか?」
「会った時、あんたは気を失っていたからだよ」
「…………あっ、まさか」
「そう、あんたを運んだの私だからな」
ヘルカトによってゲートに引きずり込まれ、ふらふらとさまよって倒れた圭を助けてくれたのはヴァルキリーギルドだった。
たまたま近くで攻略をしていて圭を見つけたものであるが塔の外まで運んでくれたのである。
ヴァルキリーギルドも忙しいので病室から手紙を書いて薫に預けて渡してもらった。
圭としては直接会ったことはないのだが圭を運んだヴァルキリーギルドの人たちは圭の顔を見ていたのである。
「赤城ミキだ。手紙もらったんで無事だとは知っていたけど元気そうだな」
その時に圭を抱えて連れていってくれたのが目の前の赤い女性、赤城ミキであった。
「だから、見た」
「そうだな。あん時黒羽もいたからな」
圭が倒れていた現場には黒羽もいた。
他の人たちは圭のことなんか忘れていたけれど黒羽は本当に記憶力が良くて圭の顔をなんとなく覚えていたのである。
「あの時はどうもありがとうございました。直接お礼にうかがえなくて申し訳ありません」
「いやいや、いいんだ。大変だっただろうからな」
ミキは豪快に笑って圭の肩をバンバンと叩く。
筋力値が高いのかミキは軽く叩いているようでも結構圭の肩は痛む。
「後遺症もなく元気にやってるならいいんだ。ほら黒羽行くぞ。ブレイブギルド待たせちゃ悪い」
「はい、分かった」
黒羽は軽く圭に微笑んでヴァルキリーギルドに戻っていく。
「急に悪かったな。塔の中は危ないから気をつけて」
「あ、はい、ありがとうございます!」
見るとブレイブギルドはすでに二階へのゲート前に着いていてヴァルキリーギルドの様子をうかがっていた。
颯爽と去っていくミキの背中を見送る。
「あれどーゆーことー?」
波瑠がジトーッとした目で圭のことを見上げている。
なぜヴァルキリーギルドが圭に話しかけて来るのだと疑いの目を向ける。
「前に話しただろ? 塔での事故のこと」
「ああ、そういえばそんな話してたな」
「そん時俺を助けてくれたのがヴァルキリーギルドだったんだよ。どうやら俺のことを覚えていてくれた人がいたみたいだ」
「ふぅーん……」
「他にヴァルキリーギルドの人と知り合いになる機会なんでないだろ? それに俺の方は気を失ってて向こうのことは全く覚えてもないしな」
「にしても可愛らしい人ではあったねえ」
「こっそり見たけどあれでもB級覚醒者だよ」
「赤城さんってヴァルキリーギルドの副ギルドマスターでしょ? 確かあの人もB級だもんね」
どうせなら赤城も見とけばよかったなと思う。
しかしホイホイと高等級覚醒者がいるのだからヴァルキリーギルドも凄い。
今回はたまたまこうしてヴァルキリーギルドと一瞬の交流はあったけれど基本的には住む世界の違う人たちなので今後会うこともないだろう。
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