255 / 515
第五章
ブラックマーケットデート3
しおりを挟む
「でも……これ欲しいな」
カレンは顔を赤くしたままなぞるように指輪を指先で撫でる。
「気に入ったのか? なら買っていこうか」
効果がさほど高くないためか値段もお手頃である。
このステータスアップがどこかのタイミングで生死を分けるかもしれないので買っておくことにする。
「こういうものは作れないのか?」
「……うーん、できそうな気はするな」
これまで基本的に剣や防具などのメインとなる装備しか作ってこなかった八重樫工房。
こうした装飾品で能力を持つものも作れれば役に立つかもしれない。
むしろしっかりと作ればここで売っているものよりも効果の高いものが作れそうな気がカレンにはしていた。
「……ねぇ、お兄さん?」
「なんだ?」
「サンプルとしてもうちょい欲しいかな?」
作れそうだけど見本となるものは欲しい。
一個指輪を買ってもらえることになった手前でお願いするのは少し気が引けるけれど必要なものは必要である。
「じゃあいくつか買っていこうか」
みんなにも一つずつぐらいあればいいかなと思っていた。
指輪だけでなくネックレス系のものもいくらか見繕って購入した。
「これは高いな」
安いものだけでなく高いものも当然売っている。
武器などの装備も含めて事前に鑑定を行なって能力や効果が高そうだと判別されたものは丈夫な防弾ガラスのケースに入れられて展示されている。
圭もそこそこお金を持っているがそれでも届かないような装備を見てカレンも圭も呆けたような顔をする。
「いつか強くなってあんな装備持ちたいよな」
「そうだな。私もあんなの作れるかな?」
「俺は装備製作分かんないからな……」
カレンや優斗ならいい装備も作れそうだけど簡単に作れるとも言い難い。
「いい素材……ミスリル、あったらな…………」
未だにミスリル事件はカレンの中で少し尾を引いている。
「いつかどっかのゲートで見つけよう」
フィーネのため、カレンのためにミスリルもどこかで手に入れたいものである。
ちょっと落ち込むようなカレンの背中に優しくポンと手を添える。
「美味い!」
色々見て回ると意外と時間が経つのも早い。
お昼はブラックマーケットで食べることにした。
装備を扱う店のついでにご飯を食べられるお店も聞いていたのでそこに来てみた。
オススメの肉料理を複数頼んでカレンとシェアして食べる。
ブラックマーケットにあるお店だからと侮るなかれ。
もちろんちょっと雑なお店もあるのだけど高級なお店もある。
ブラックマーケットでは通常表に出てこないモンスターの肉が食べられたりする。
というのも一般に広くモンスターの素材を食材として出すにはかなり厳重な審査が必要で、食べられるけどお店などでは出てこないようなものもあるのだ。
その点ブラックマーケットでは毒でない限り出してもいい。
なのでモンスター料理に取り憑かれたような料理人も店を出しているのだ。
モンスター料理に取り憑かれている時点でやや狂っているけれど腕は確かだから店は出せるのである。
お店は他のお客を気にしなくていいように個室になっていて仮面を外して自由に食べられる。
どの料理も美味しいのだけどお値段は割とリーズナブル。
というのも表では出てこないモンスターの肉なのでお安く提供できるのである。
「あとは次にどうするかだな」
「なんの話だ?」
「レベル上げだよ。俺や夜滝ねぇはD級になったしそろそろD級のモンスターに挑んでいかなきゃなって」
ゲートというだけではない自由狩猟特別区域や塔という選択肢もある。
家に帰ったらまた色々調べて重恭と相談しなきゃなと思った。
「あんまり無理すんなよ? 世界を救うのも大事かもしれないけどその前に自分が壊れちゃ意味がない」
「……そうだな、気をつけるよ」
自分としてはそんなに切羽詰まってやっているつもりはないが、最近頭を悩ませることが多くて麻痺していたかもしれない。
「なんかデザートも頼むか?」
「いいのか? じゃあ……」
カレンはメニューと睨めっこする。
「一個じゃなくてもいいぞ」
「ん……じゃあ、これとこれと……これかな?」
「好きなだけ頼め」
ちょっと世界のことは忘れてこうした時間も楽しもう。
お腹いっぱい食べて圭たちはブラックマーケットを後にしたのであった。
カレンは顔を赤くしたままなぞるように指輪を指先で撫でる。
「気に入ったのか? なら買っていこうか」
効果がさほど高くないためか値段もお手頃である。
このステータスアップがどこかのタイミングで生死を分けるかもしれないので買っておくことにする。
「こういうものは作れないのか?」
「……うーん、できそうな気はするな」
これまで基本的に剣や防具などのメインとなる装備しか作ってこなかった八重樫工房。
こうした装飾品で能力を持つものも作れれば役に立つかもしれない。
むしろしっかりと作ればここで売っているものよりも効果の高いものが作れそうな気がカレンにはしていた。
「……ねぇ、お兄さん?」
「なんだ?」
「サンプルとしてもうちょい欲しいかな?」
作れそうだけど見本となるものは欲しい。
一個指輪を買ってもらえることになった手前でお願いするのは少し気が引けるけれど必要なものは必要である。
「じゃあいくつか買っていこうか」
みんなにも一つずつぐらいあればいいかなと思っていた。
指輪だけでなくネックレス系のものもいくらか見繕って購入した。
「これは高いな」
安いものだけでなく高いものも当然売っている。
武器などの装備も含めて事前に鑑定を行なって能力や効果が高そうだと判別されたものは丈夫な防弾ガラスのケースに入れられて展示されている。
圭もそこそこお金を持っているがそれでも届かないような装備を見てカレンも圭も呆けたような顔をする。
「いつか強くなってあんな装備持ちたいよな」
「そうだな。私もあんなの作れるかな?」
「俺は装備製作分かんないからな……」
カレンや優斗ならいい装備も作れそうだけど簡単に作れるとも言い難い。
「いい素材……ミスリル、あったらな…………」
未だにミスリル事件はカレンの中で少し尾を引いている。
「いつかどっかのゲートで見つけよう」
フィーネのため、カレンのためにミスリルもどこかで手に入れたいものである。
ちょっと落ち込むようなカレンの背中に優しくポンと手を添える。
「美味い!」
色々見て回ると意外と時間が経つのも早い。
お昼はブラックマーケットで食べることにした。
装備を扱う店のついでにご飯を食べられるお店も聞いていたのでそこに来てみた。
オススメの肉料理を複数頼んでカレンとシェアして食べる。
ブラックマーケットにあるお店だからと侮るなかれ。
もちろんちょっと雑なお店もあるのだけど高級なお店もある。
ブラックマーケットでは通常表に出てこないモンスターの肉が食べられたりする。
というのも一般に広くモンスターの素材を食材として出すにはかなり厳重な審査が必要で、食べられるけどお店などでは出てこないようなものもあるのだ。
その点ブラックマーケットでは毒でない限り出してもいい。
なのでモンスター料理に取り憑かれたような料理人も店を出しているのだ。
モンスター料理に取り憑かれている時点でやや狂っているけれど腕は確かだから店は出せるのである。
お店は他のお客を気にしなくていいように個室になっていて仮面を外して自由に食べられる。
どの料理も美味しいのだけどお値段は割とリーズナブル。
というのも表では出てこないモンスターの肉なのでお安く提供できるのである。
「あとは次にどうするかだな」
「なんの話だ?」
「レベル上げだよ。俺や夜滝ねぇはD級になったしそろそろD級のモンスターに挑んでいかなきゃなって」
ゲートというだけではない自由狩猟特別区域や塔という選択肢もある。
家に帰ったらまた色々調べて重恭と相談しなきゃなと思った。
「あんまり無理すんなよ? 世界を救うのも大事かもしれないけどその前に自分が壊れちゃ意味がない」
「……そうだな、気をつけるよ」
自分としてはそんなに切羽詰まってやっているつもりはないが、最近頭を悩ませることが多くて麻痺していたかもしれない。
「なんかデザートも頼むか?」
「いいのか? じゃあ……」
カレンはメニューと睨めっこする。
「一個じゃなくてもいいぞ」
「ん……じゃあ、これとこれと……これかな?」
「好きなだけ頼め」
ちょっと世界のことは忘れてこうした時間も楽しもう。
お腹いっぱい食べて圭たちはブラックマーケットを後にしたのであった。
54
あなたにおすすめの小説
シスターヴレイヴ!~上司に捨て駒にされ会社をクビになり無職ニートになった俺が妹と異世界に飛ばされ妹が勇者になったけど何とか生きてます~
尾山塩之進
ファンタジー
鳴鐘 慧河(なるがね けいが)25歳は上司に捨て駒にされ会社をクビになってしまい世の中に絶望し無職ニートの引き籠りになっていたが、二人の妹、優羽花(ゆうか)と静里菜(せりな)に元気づけられて再起を誓った。
だがその瞬間、妹たち共々『魔力満ちる世界エゾン・レイギス』に異世界召喚されてしまう。
全ての人間を滅ぼそうとうごめく魔族の長、大魔王を倒す星剣の勇者として、セカイを護る精霊に召喚されたのは妹だった。
勇者である妹を討つべく襲い来る魔族たち。
そして慧河より先に異世界召喚されていた慧河の元上司はこの異世界の覇権を狙い暗躍していた。
エゾン・レイギスの人間も一枚岩ではなく、様々な思惑で持って動いている。
これは戦乱渦巻く異世界で、妹たちを護ると一念発起した、勇者ではない只の一人の兄の戦いの物語である。
…その果てに妹ハーレムが作られることになろうとは当人には知るよしも無かった。
妹とは血の繋がりであろうか?
妹とは魂の繋がりである。
兄とは何か?
妹を護る存在である。
かけがいの無い大切な妹たちとのセカイを護る為に戦え!鳴鐘 慧河!戦わなければ護れない!
転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです
NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた
現実世界にダンジョンが出現したのでフライングして最強に!
おとうふ
ファンタジー
2026年、突如として世界中にダンジョンが出現した。
ダンジョン内は無尽蔵にモンスターが湧き出し、それを倒すことでレベルが上がり、ステータスが上昇するという不思議空間だった。
過去の些細な事件のトラウマを克服できないまま、不登校の引きこもりになっていた中学2年生の橘冬夜は、好奇心から自宅近くに出現したダンジョンに真っ先に足を踏み入れた。
ダンジョンとは何なのか。なぜ出現したのか。その先に何があるのか。
世界が大混乱に陥る中、何もわからないままに、冬夜はこっそりとダンジョン探索にのめり込んでいく。
やがて来る厄災の日、そんな冬夜の好奇心が多くの人の命を救うことになるのだが、それはまだ誰も知らぬことだった。
至らぬところも多いと思いますが、よろしくお願いします!
天城の夢幻ダンジョン攻略と無限の神空間で超絶レベリング ~ガチャスキルに目覚めた俺は無職だけどダンジョンを攻略してトップの探索士を目指す~
仮実谷 望
ファンタジー
無職になってしまった摩廻天重郎はある日ガチャを引くスキルを得る。ガチャで得た鍛錬の神鍵で無限の神空間にたどり着く。そこで色々な異世界の住人との出会いもある。神空間で色んなユニットを配置できるようになり自分自身だけレベリングが可能になりどんどんレベルが上がっていく。可愛いヒロイン多数登場予定です。ガチャから出てくるユニットも可愛くて強いキャラが出てくる中、300年の時を生きる謎の少女が暗躍していた。ダンジョンが一般に知られるようになり動き出す政府の動向を観察しつつ我先へとダンジョンに入りたいと願う一般人たちを跳ね除けて天重郎はトップの探索士を目指して生きていく。次々と美少女の探索士が天重郎のところに集まってくる。天重郎は最強の探索士を目指していく。他の雑草のような奴らを跳ね除けて天重郎は最強への道を歩み続ける。
焔の幽閉者!自由を求めて最強への道を歩む!!
雷覇
ファンタジー
とある出来事で自身も所属する焔木一族から幽閉された男「焔木海人」。
その幽閉生活も一人の少女の来訪により終わりを迎える。
主人公は一族に自身の力を認めさせるため最強の力を求め続ける。
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編
荷物持ちだけど最強です、空間魔法でラクラク発明
まったりー
ファンタジー
主人公はダンジョンに向かう冒険者の荷物を持つポーターと言う職業、その職業に必須の収納魔法を持っていないことで悲惨な毎日を過ごしていました。
そんなある時仕事中に前世の記憶がよみがえり、ステータスを確認するとユニークスキルを持っていました。
その中に前世で好きだったゲームに似た空間魔法があり街づくりを始めます、そしてそこから人生が思わぬ方向に変わります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる