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第五章
ブラックマーケットデート2
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「こちらをお持ちください」
「これは?」
渡されたのは少し古いタイプのスマホだった。
「情報がいつ入るか分かりません。お客様のお望みの情報が入ればこちらにご連絡が入るようになっております」
ブラックマーケット相手なのだ、住所も携帯番号も教えたくないという人がほとんどである。
オークションと違って決まった時に来れば情報を得られるというわけではない。
何回も足を運ぶのも面倒であるので連絡用の端末を渡しているのだ。
「こちらの袋に付属品が入っております。充電だけ欠かさぬようにしていただければと思います」
「分かりました」
「ご用は以上でよろしかったでしょうか?」
「あとはミスリルの入荷はありますか?」
フィーネの強化のためには今のところミスリルが一番可能性が高そう。
表の流通を見てもミスリルは少ない。
しかもかなり高額で、買おうと思うと用途まで聞かれる。
今や大企業や大規模ギルドしか手を出せないようなものになっている。
だが裏のルートならば何か流通しているものがあるかもしれない。
ダメ元で聞いてみることにした。
「ミスリルはブラックマーケットでも流通量が大変少ないのです。通常出回っているものはほとんどございません」
「そうですか」
「ご希望に添えず申し訳ございません」
店員は頭を下げるがミスリルがないだろうことは分かっていた。
「じゃあ装備品を見て周りたいのでどこかオススメのお店を教えてください。あとはお昼を食べるのにもいいところがあれば」
「分かりました」
店員はメモ用紙に何件かお店の名前を書いて圭に渡した。
「それじゃあオープナーの情報お願いしますね」
「かしこまりました」
「なあなあなあ、お兄さん何者?」
店を出た圭にカレンが疑問をぶつける。
仮面の奥から見える目は非常にキラキラしていた。
「俺は俺だよ。お金は……ちょっと色々あってな」
たまたま目の前に落ちてきたモンスターの死体を漁って手に入れた魔石を売って手に入れたお金である。
だからブラックマーケットにお金は預けてあるもののなんとなく自分の物だと堂々という勇気もない。
ブラックマーケット限定で使えるポイントをたくさん持っているぐらいの気持ちだ。
「とりあえず装備も見てみようか」
幸い圭には真実の目がある。
もしかしたら掘り出し物が見つかる可能性も十分に考えられる。
そろそろ圭たちの装備も一つ上のものにしてもいい頃合いであるので何か見つかればと思っていた。
狙う装備としては波瑠のナイフや薫の杖。
ナイフ系の武器は色々とあるので掘り出し物も見つかる可能性はあるかもしれない。
薫は武器として弓を使っているけれど本来はヒーラーである。
杖は魔力を使う補助具としての役割もあるので治療や強化も杖があればより安定的に使える。
店員にお薦めしてもらったお店に行って装備を見てみることにした。
「色々あるな」
「なんか……性能尖ってるな」
ブラックマーケットには色々なものが集まる。
その中には表で売れないような武器もあるのだ。
単に出どころが怪しいというものだけではなく表のお店では中々売れないような性能の武器も売っているのである。
『芸術は爆発だ!
深見都が作った短剣。
魔力を込めて一定時間が経過すると大きな爆発を起こす。
一回使うと壊れてしまう。
稀にすぐに爆発してしまうので注意が必要である。』
「こんなもん誰が使うんだ?」
大きな赤い魔石が埋め込まれた短剣を手に取って圭はため息をついた。
自爆するナイフは意外と値段も高いのに使い捨てで運が悪いと即爆発する危険性まである。
リスクもコストも見合っていない。
武器を見ていると同じ名前が何回か出てくる。
どれもかなり性能として特殊であり、表で売れないからこのブラックマーケットに持ち込んでいるかもしれないと圭は思った。
圭も何かいい剣はないかとブラックマーケットの武器屋を見て回る。
中には性能的に良さそうなものもあるけれど持った感じが合わないなどしっくりくるものが見つからない。
「これなんかどうだ?」
今度はメインの装備品ではなく魔道具などの細かな装備も見てみた。
代表的な装備でいえば指輪なんかがある。
身体能力の強化や魔力を込めると魔法が発動するものなどこちらも色々とあるのだ。
指輪の一つ二つなら身につけても邪魔にはならないなと思いながら見てみると能力値がわずかに上がるような効果を持つものが意外と置いてある。
主に体力値や筋力値が上がるようなものの中で速度値が上がるものがあった。
カレンは体力値と筋力値共に高く、これからも伸びていくだろうが速度値は伸びが悪い。
得意である体力値を伸ばすか、苦手である速度値を伸ばすのか悩みどころであるが、速度値を上げる装飾品は見た感じ少ないのでちょっとカレンに勧めてみる。
「どれどれ……」
「ん、ほい」
「あっ……」
指輪を受け取ろうとカレンは手を出したが圭はそれを勘違いした。
カレンの手を取って人差し指に指輪をはめてあげる。
途端にカレンは顔を真っ赤にした。
仮面で隠れていない耳も見てわかるほどに赤い。
「どうだ?」
一方で圭は自分が何をやったのか気づいていない。
もしこれが薬指にでもはめられていたらカレンは倒れていたかもしれない。
「う……にゅ、あんまり効果は分かんないな」
「んー、そうか」
『八重樫カレン
レベル28
総合ランクF
筋力D(D+)(伝説)
体力D(D+)(神話)
速度E(E+)(一般)
魔力E(英雄)
幸運F(一般)
スキル:大地の力
才能:不屈の再生力を持つ肉体』
一応カレンのステータスを確認してみるとちゃんと反映はされている。
効果としてはわずかに上がるのみのようなのでつけてすぐ体に変化を感じるのは難しいようだ。
「これは?」
渡されたのは少し古いタイプのスマホだった。
「情報がいつ入るか分かりません。お客様のお望みの情報が入ればこちらにご連絡が入るようになっております」
ブラックマーケット相手なのだ、住所も携帯番号も教えたくないという人がほとんどである。
オークションと違って決まった時に来れば情報を得られるというわけではない。
何回も足を運ぶのも面倒であるので連絡用の端末を渡しているのだ。
「こちらの袋に付属品が入っております。充電だけ欠かさぬようにしていただければと思います」
「分かりました」
「ご用は以上でよろしかったでしょうか?」
「あとはミスリルの入荷はありますか?」
フィーネの強化のためには今のところミスリルが一番可能性が高そう。
表の流通を見てもミスリルは少ない。
しかもかなり高額で、買おうと思うと用途まで聞かれる。
今や大企業や大規模ギルドしか手を出せないようなものになっている。
だが裏のルートならば何か流通しているものがあるかもしれない。
ダメ元で聞いてみることにした。
「ミスリルはブラックマーケットでも流通量が大変少ないのです。通常出回っているものはほとんどございません」
「そうですか」
「ご希望に添えず申し訳ございません」
店員は頭を下げるがミスリルがないだろうことは分かっていた。
「じゃあ装備品を見て周りたいのでどこかオススメのお店を教えてください。あとはお昼を食べるのにもいいところがあれば」
「分かりました」
店員はメモ用紙に何件かお店の名前を書いて圭に渡した。
「それじゃあオープナーの情報お願いしますね」
「かしこまりました」
「なあなあなあ、お兄さん何者?」
店を出た圭にカレンが疑問をぶつける。
仮面の奥から見える目は非常にキラキラしていた。
「俺は俺だよ。お金は……ちょっと色々あってな」
たまたま目の前に落ちてきたモンスターの死体を漁って手に入れた魔石を売って手に入れたお金である。
だからブラックマーケットにお金は預けてあるもののなんとなく自分の物だと堂々という勇気もない。
ブラックマーケット限定で使えるポイントをたくさん持っているぐらいの気持ちだ。
「とりあえず装備も見てみようか」
幸い圭には真実の目がある。
もしかしたら掘り出し物が見つかる可能性も十分に考えられる。
そろそろ圭たちの装備も一つ上のものにしてもいい頃合いであるので何か見つかればと思っていた。
狙う装備としては波瑠のナイフや薫の杖。
ナイフ系の武器は色々とあるので掘り出し物も見つかる可能性はあるかもしれない。
薫は武器として弓を使っているけれど本来はヒーラーである。
杖は魔力を使う補助具としての役割もあるので治療や強化も杖があればより安定的に使える。
店員にお薦めしてもらったお店に行って装備を見てみることにした。
「色々あるな」
「なんか……性能尖ってるな」
ブラックマーケットには色々なものが集まる。
その中には表で売れないような武器もあるのだ。
単に出どころが怪しいというものだけではなく表のお店では中々売れないような性能の武器も売っているのである。
『芸術は爆発だ!
深見都が作った短剣。
魔力を込めて一定時間が経過すると大きな爆発を起こす。
一回使うと壊れてしまう。
稀にすぐに爆発してしまうので注意が必要である。』
「こんなもん誰が使うんだ?」
大きな赤い魔石が埋め込まれた短剣を手に取って圭はため息をついた。
自爆するナイフは意外と値段も高いのに使い捨てで運が悪いと即爆発する危険性まである。
リスクもコストも見合っていない。
武器を見ていると同じ名前が何回か出てくる。
どれもかなり性能として特殊であり、表で売れないからこのブラックマーケットに持ち込んでいるかもしれないと圭は思った。
圭も何かいい剣はないかとブラックマーケットの武器屋を見て回る。
中には性能的に良さそうなものもあるけれど持った感じが合わないなどしっくりくるものが見つからない。
「これなんかどうだ?」
今度はメインの装備品ではなく魔道具などの細かな装備も見てみた。
代表的な装備でいえば指輪なんかがある。
身体能力の強化や魔力を込めると魔法が発動するものなどこちらも色々とあるのだ。
指輪の一つ二つなら身につけても邪魔にはならないなと思いながら見てみると能力値がわずかに上がるような効果を持つものが意外と置いてある。
主に体力値や筋力値が上がるようなものの中で速度値が上がるものがあった。
カレンは体力値と筋力値共に高く、これからも伸びていくだろうが速度値は伸びが悪い。
得意である体力値を伸ばすか、苦手である速度値を伸ばすのか悩みどころであるが、速度値を上げる装飾品は見た感じ少ないのでちょっとカレンに勧めてみる。
「どれどれ……」
「ん、ほい」
「あっ……」
指輪を受け取ろうとカレンは手を出したが圭はそれを勘違いした。
カレンの手を取って人差し指に指輪をはめてあげる。
途端にカレンは顔を真っ赤にした。
仮面で隠れていない耳も見てわかるほどに赤い。
「どうだ?」
一方で圭は自分が何をやったのか気づいていない。
もしこれが薬指にでもはめられていたらカレンは倒れていたかもしれない。
「う……にゅ、あんまり効果は分かんないな」
「んー、そうか」
『八重樫カレン
レベル28
総合ランクF
筋力D(D+)(伝説)
体力D(D+)(神話)
速度E(E+)(一般)
魔力E(英雄)
幸運F(一般)
スキル:大地の力
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効果としてはわずかに上がるのみのようなのでつけてすぐ体に変化を感じるのは難しいようだ。
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