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第五章

倒して出るか、死んで終わるか3

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 レッドゲートであるということは手前の町で出たようなモンスターで終わるはずがない。
 より強いモンスターの出現も念頭に置いてお城のある町に入っていく。

 お城ある町も手前の町と同じくぼろぼろになっている。
 古さもあるのだけど自然と壊れたというより何かの戦いでもあって壊れたように見える。

「12時の方向、モンスターが出現しました」

「数は?」

「増え続けていて詳細な数は把握できません。どうやら町の中心にある城から出てきているようです」

 町は大きなお城を中心として広がる城下町である。
 手前の町では町にある家の中からモンスターが出てきていたけれど、今回ドローンが撮影したモンスターはお城から出てきていた。

「敵の様子は? こちらに向かってきているか?」

「…………いえ」

「どうした?」

「モンスターが……隊列を組んでいます」

 攻略隊が進んでいるのは町の大きな通りでまっすぐ先にお城が見えている。
 城には堀があって橋がかけられているのだが、その橋の前にモンスターは集まっていた。

 ただそこに集まっているだけではない。
 攻略隊の方を正面にして綺麗に整列して並んでいるのである。

「モンスターは全て鎧を身につけて武器を持っています。さらに後方には……馬、のようなものに乗った個体も何体かいます」

 こちらはドローンがあるので先に相手の情報が分かる。
 手前の町では装備を身につけたモンスターはほとんど見られなかったが、ドローンで見えているモンスターに装備を身につけていないものはない。

「まるで軍隊だな……」

 城の前で整然と並ぶ鎧を身につけた集団。
 中身がモンスターであることを除けば人間の軍隊のような動きをしている。

 しかし圭はそこでふと思い出した。
 真実の目で見た時に相手は元人間だったモンスターであることを。

 つまり人間的な行動を取ることも不可能ではないのかもしれない。

「モンスターは橋の前から動きません。こちらを待ち受けているようです」

「ならば望み通り向かってやろう。奇襲への警戒や退路の確保のためにドローンでの後ろの監視を強めてくれ」
 
「了解しました」

 遠くにモンスターの兵士たちが見えてきた。
 立てて槍を持っていたモンスターたちが一斉に槍を構える。

「……こりゃあ完全に統制が取られているねぇ」

 槍先を攻略隊に向けながらもモンスターはまだ動かない。
 指示を待っているかのような異常な様子は攻略隊にも圧力を感じさせている。

 サポート部隊となる圭たちは攻略隊の後方で戦いの邪魔にならないようにする。
 しばし睨み合うような時間が続く。

 このままでは時間ばかりかかってしまう。
 北条が前進の指示を出して攻略隊が前に進みはじめた。

 タンクが盾を構えながら進んで圧をかけるけれど依然としてモンスターが攻撃を仕掛けてくる気配がない。

「手を上げた……」

 モンスターの後方に位置取っている馬に乗った騎士のようなモンスターがおもむろに頭の高さに手を上げた。

「……タンク、守れ! 後衛も防御を!」

 行け、とでも指示するかのように手を前に出して振った瞬間先頭に立っていた槍をもっていたモンスターがさっと膝をついて座り、後ろの弓矢を持ったモンスターが立ち上がった。
 目一杯引き絞られた矢が放たれた。

 タンクが魔力を放つ。
 一種の魔法のようなもので魔力を強く放つことで魔力の壁を発生させることが出来る。

 カレンはスキルで岩の壁を作り出せるのでこうしたことはしないが別にタンクでなくとも一定以上の魔力があれば誰でも出来るのだ。
 ただしこの防御方法はメインのものではない。

 当たれば爆発するような攻撃や吹き飛ばせるぐらいのものなら有効なのだが、威力が高かったり貫通力が高い攻撃だとそのまま突き抜けてしまうことが多い。
 それに防御できる範囲も限られる。

 モンスターが放った矢はタンクの防御膜を突き抜けて中間にいる接近戦闘職に迫った。
 後衛の魔法使いたちがシールドを張ったが間に合わなかった。

 ちゃんと防げた人もいたけれど何人かが矢に射抜かれてしまう。

「ケガ人を下げて治療しろ!」

 気づけば次は槍を持ったモンスターが目の前まで迫ってきていた。
 かなり戦略的な戦い。

 タンクがモンスターを防いでいる間に矢が刺さった人を後ろまで下げる。

「そっちから引き抜くな! 矢羽を切り落として矢尻の方から抜くんだ!」

 一撃で死ななければ大和ギルドにもヒーラーがいるので助けられる。
 医療班が肩に刺さった矢を引き抜いて傷口を治療する。

 先頭の方ではタンクがモンスターを押し返して戦いが始まる。
 相手が戦略的行動を取ってきたことで先手を取られてしまったが、モンスターそのものの戦闘力は高くないようで形勢はすぐに逆転した。

「後ろのモンスターが動いたぞ!」

 後ろで戦い見ていた馬に乗ったモンスターが動き始めたことに誰かが気がついた。
 馬を走らせて勢いをつけて剣を振り下ろした。

「拓郎!」

 盾で剣を受け止めたタンクがそのまま後ろに吹き飛ばされた。

「あのモンスター、力が強いぞ!」

 吹き飛ばされた覚醒者はC級だった。
 それなりに能力値も高いはずなのにそれでも受け止めきれなかったのである。
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