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第六章
裏切り者、裏切られる4
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それならばもう一個のゲートから出た方がいい。
もう一個のゲートはおそらくイベントスペースにあったゲートと繋がっていると思われる。
ゲートを出た先では覚醒者たちがラーナノソルジャーと戦っている。
うまくいけば大海ギルドも到着している可能性もあり、助けを求めることができるのだ。
岩山から飛び出した圭たちは見えるゲートに向かってまっすぐ走る。
「バレたぞ!」
岩山からラーナノクイーンのものだろう汚い鳴き声が聞こえてきて、ラーナノソルジャーたちが一斉に振り返った。
「夜滝ねぇ、波瑠!」
「行くよ、波瑠!」
「任せてぇ!」
薫の強化も受けて夜滝が魔法を使う。
魔力が真っ赤な火炎に変わって圭は顔に熱を感じた。
渦巻く二本の火炎が打ち出された。
人の身長ほどの太さもある太い火炎はビームのように真っ直ぐ飛んでいく。
その間を波瑠が駆け抜けていく。
「すごい……」
見たこともない覚醒者たちであるが実力は高いと浦安は驚いた。
突然後ろに現れたラーナノソルジャーは夜滝の魔法をかわすことができずに巻き込まれる。
淡いグリーンの魔力に包まれた波瑠も左右に熱を感じながらすごい速さでゲートまで駆けていく。
「残念!」
ゲートに近づく波瑠に気がついたラーナノナイツが夜滝の火のビームを掻い潜って槍を突き出した。
けれど波瑠も油断していなかった。
体操選手さながらに体をねじりながら飛び上がってかわし、ゲートに入っていく。
「チッ……後は耐えるぞ! カレン、壁で囲っちゃおう」
「ナイスアイデア!」
このまま圭たちもゲートまで駆け抜けたいところだったのだが、持ち直したラーナノソルジャーやラーナノナイツがゲート前に立ち塞がった。
全力の一撃だったので夜滝の余力もないし、怪我人の浦安がいるので突破するのは厳しい。
波瑠は外に出れたので助けが来るまで持ち堪えることにした。
カレンがスキルを使うと周りの地面が盛り上がっていく。
「これで少しは時間稼ぎになるだろねぇ」
地面がドーム状に圭たちを覆った。
夜滝が火を出して真っ暗になった中を照らす。
外からラーナノソルジャーのギャアギャアとした声が小さく聞こえてくる。
力は強いが破壊力があるタイプではないのでドーム状の壁を破壊できないでいるのだ。
「薫君、彼を治してあげて」
「分かりました」
逃げるのに必死で忘れていたが浦安の怪我は決して軽いものではない。
出血も多く顔色が悪くなってきていた。
このまま放置しておけば死んでしまうかもしれない。
どの道引きこもった状態ではできることもないので、薫に治療してもらう。
「ヒーラー……ありがとう」
「どうしてあんなことをしたんですか?」
薫が浦安の肩に手をかざす。
柔らかな光に浦安の肩が包まれて怪我がゆっくりと治っていく。
「…………ある時ゲートの中で死にかけて、声が聞こえたんだ」
少しためらったような表情を浮かべた浦安だったが項垂れると観念したように口を開いた。
「声ですか?」
「この世界は滅亡する……全てのものは死に絶えると。だがこの状況を見ている神々がいて、神々の手助けをすると世界が滅亡しても助けてもらえると言われたんだ……」
圭と夜滝は顔を見合わせた。
そんなことを言う神々はおそらくこの世界の神々ではないだろうと思った。
「実際に……急にゲートを呼び出すスキルが与えられて……呼び出したゲートから出てきたモンスターが被害を与えるほどに神は満足して救ってくれる人が増えるんだ」
「それであんなことを?」
ゲートの外では惨劇が広がっている。
自分たちが助かりたいがために人がたくさんいる商業施設のど真ん中にゲートを呼び出せる神経を圭には理解できない。
「……怖かったんだ……」
「怖いだと?」
「ゲートを呼び出すような力を与える存在に目をつけられた……一度はものの試しのように軽くやってしまったがもう戻れないと。それにやればやるほど自分が周りの人を救う救世主のように思えてきて止まらなかった……」
浦安はラーナノクイーンに殺されそうになって初めて自分がどんな相手のために動いていたのか理解した。
理由は知らないがゲートから呼び出したモンスターは浦安を襲わないのでモンスターに襲われる人というのが遠い感覚にもなっていた。
懺悔するように話す浦安だが圭はどうにも許すような気にはならない。
圭だけではなく夜滝たちもみんな複雑そうな表情をしている。
こうした状況になって初めて反省しているがそれで被害を受けた人は帰ってこない。
今した話をちゃんとしたところでしてもらうためにも浦安を守らなきゃいけないけれどなんで守らねばならないのかと思ってしまう。
ゲートを呼び出したことを認めれば今回のことだけでも大きな罪に問われることだろう。
圭たちに浦安を断罪する権利などない。
モヤモヤとした気持ちを抱えていても浦安に手を出すことはしない。
「もう一つ聞いていいか?」
「なんでも聞いてくれ……」
「あの黒い石はなんなんだ? ゲートを呼び出す時に使っていたようだが……」
ゲートを呼び出せることはスキルとして確認した。
だから圭はゲートを呼び出す能力よりも呼び出す時に使われた黒い石の正体がなんなのか気になっていた。
もう一個のゲートはおそらくイベントスペースにあったゲートと繋がっていると思われる。
ゲートを出た先では覚醒者たちがラーナノソルジャーと戦っている。
うまくいけば大海ギルドも到着している可能性もあり、助けを求めることができるのだ。
岩山から飛び出した圭たちは見えるゲートに向かってまっすぐ走る。
「バレたぞ!」
岩山からラーナノクイーンのものだろう汚い鳴き声が聞こえてきて、ラーナノソルジャーたちが一斉に振り返った。
「夜滝ねぇ、波瑠!」
「行くよ、波瑠!」
「任せてぇ!」
薫の強化も受けて夜滝が魔法を使う。
魔力が真っ赤な火炎に変わって圭は顔に熱を感じた。
渦巻く二本の火炎が打ち出された。
人の身長ほどの太さもある太い火炎はビームのように真っ直ぐ飛んでいく。
その間を波瑠が駆け抜けていく。
「すごい……」
見たこともない覚醒者たちであるが実力は高いと浦安は驚いた。
突然後ろに現れたラーナノソルジャーは夜滝の魔法をかわすことができずに巻き込まれる。
淡いグリーンの魔力に包まれた波瑠も左右に熱を感じながらすごい速さでゲートまで駆けていく。
「残念!」
ゲートに近づく波瑠に気がついたラーナノナイツが夜滝の火のビームを掻い潜って槍を突き出した。
けれど波瑠も油断していなかった。
体操選手さながらに体をねじりながら飛び上がってかわし、ゲートに入っていく。
「チッ……後は耐えるぞ! カレン、壁で囲っちゃおう」
「ナイスアイデア!」
このまま圭たちもゲートまで駆け抜けたいところだったのだが、持ち直したラーナノソルジャーやラーナノナイツがゲート前に立ち塞がった。
全力の一撃だったので夜滝の余力もないし、怪我人の浦安がいるので突破するのは厳しい。
波瑠は外に出れたので助けが来るまで持ち堪えることにした。
カレンがスキルを使うと周りの地面が盛り上がっていく。
「これで少しは時間稼ぎになるだろねぇ」
地面がドーム状に圭たちを覆った。
夜滝が火を出して真っ暗になった中を照らす。
外からラーナノソルジャーのギャアギャアとした声が小さく聞こえてくる。
力は強いが破壊力があるタイプではないのでドーム状の壁を破壊できないでいるのだ。
「薫君、彼を治してあげて」
「分かりました」
逃げるのに必死で忘れていたが浦安の怪我は決して軽いものではない。
出血も多く顔色が悪くなってきていた。
このまま放置しておけば死んでしまうかもしれない。
どの道引きこもった状態ではできることもないので、薫に治療してもらう。
「ヒーラー……ありがとう」
「どうしてあんなことをしたんですか?」
薫が浦安の肩に手をかざす。
柔らかな光に浦安の肩が包まれて怪我がゆっくりと治っていく。
「…………ある時ゲートの中で死にかけて、声が聞こえたんだ」
少しためらったような表情を浮かべた浦安だったが項垂れると観念したように口を開いた。
「声ですか?」
「この世界は滅亡する……全てのものは死に絶えると。だがこの状況を見ている神々がいて、神々の手助けをすると世界が滅亡しても助けてもらえると言われたんだ……」
圭と夜滝は顔を見合わせた。
そんなことを言う神々はおそらくこの世界の神々ではないだろうと思った。
「実際に……急にゲートを呼び出すスキルが与えられて……呼び出したゲートから出てきたモンスターが被害を与えるほどに神は満足して救ってくれる人が増えるんだ」
「それであんなことを?」
ゲートの外では惨劇が広がっている。
自分たちが助かりたいがために人がたくさんいる商業施設のど真ん中にゲートを呼び出せる神経を圭には理解できない。
「……怖かったんだ……」
「怖いだと?」
「ゲートを呼び出すような力を与える存在に目をつけられた……一度はものの試しのように軽くやってしまったがもう戻れないと。それにやればやるほど自分が周りの人を救う救世主のように思えてきて止まらなかった……」
浦安はラーナノクイーンに殺されそうになって初めて自分がどんな相手のために動いていたのか理解した。
理由は知らないがゲートから呼び出したモンスターは浦安を襲わないのでモンスターに襲われる人というのが遠い感覚にもなっていた。
懺悔するように話す浦安だが圭はどうにも許すような気にはならない。
圭だけではなく夜滝たちもみんな複雑そうな表情をしている。
こうした状況になって初めて反省しているがそれで被害を受けた人は帰ってこない。
今した話をちゃんとしたところでしてもらうためにも浦安を守らなきゃいけないけれどなんで守らねばならないのかと思ってしまう。
ゲートを呼び出したことを認めれば今回のことだけでも大きな罪に問われることだろう。
圭たちに浦安を断罪する権利などない。
モヤモヤとした気持ちを抱えていても浦安に手を出すことはしない。
「もう一つ聞いていいか?」
「なんでも聞いてくれ……」
「あの黒い石はなんなんだ? ゲートを呼び出す時に使っていたようだが……」
ゲートを呼び出せることはスキルとして確認した。
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