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第七章
うるさい魚2
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塔の外にある現実の海とは少し違う感じがあるもののやはり海はかなみにとって良い影響を与えてくれる。
「海水浴にも良さそうなんだけどね」
白い砂浜、青い海と見た目上の環境だけなら六階はかなり良い感じ。
「あれがいなきゃ……ね」
砂浜少し歩いていると噂のカエルアンコウが出てきた。
海から上がってきたのだけど上がり方がやや特殊であった。
「歩いてる……?」
「匍匐前進? はってる……?」
「あれがカエルアンコウってやつだ」
海から上がってきたのはでかい魚だった。
水中から地上に上がってくるモンスターといえばサハギンに代表されるように泳ぎが得意でありながらも二足歩行になれて足で地上を移動することもよく見られる。
やはり地上で活動する上でヒレで泳ぐ魚のままでは行動しにくいのだろう。
だが叫ぶカエルアンコウは魚だったヒレはヒレのままで足も生えていない。
叫ぶカエルアンコウはヒレで歩くのだ。
ヒレといっても尾ビレで擬似的に二足歩行を再現して立ち歩くのではなく、横になった魚のまま胸ビレを使ってはうようにして歩くのである。
現実にもカエルアンコウという種類の魚がいて同じように移動する。
そこから名前を取ったのだと思うのだけど叫ぶカエルアンコウはギェーと叫ぶのだ。
なんの声なのか知らないけど結構やかましく、遠くからでもよく聞こえる。
「来るぞ!」
圭たちに気がついた叫ぶカエルアンコウが叫び声を上げる。
真正面から口だけ見るとちょっとだけコイみたいである。
「うわっ、アブね!」
ヒレを使って体を引きずるように移動していて明らかに動きもノロそうなモンスターでどう見ても強くなさそうなのだが油断はできない。
叫ぶカエルアンコウの周りに人の頭ほどの大きさの水の玉が浮かび上がる。
そして水の玉から高速で水が打ち出される。
カレンが盾を使って防御したが体がわずかに押されて砂に跡が残る。
「この階から敵も魔法を使ってきたりと属性を持ってるから気をつけるんだ!」
これまでの階で戦ったモンスターは特別な対策がなくとも物理で対抗できる相手だった。
しかし六階からは敵のモンスターも属性を持っているものが増える。
叫ぶカエルアンコウは水であるし、例えば火を操るモンスターもこの先に出てくる。
対応力が高く強いパーティーならなんの対策もなく進むことは可能であるが、簡単に考えて進むようなパーティーだと大怪我を負ったりすることもあるのだ。
水は比較的対策しやすい属性である。
物理的な側面が大きく火に比べると熱などを気にしなくてもいいというところがある。
カレンが挑発して攻撃を引きつける前なのでみんなにランダムに攻撃が飛んでくる。
まだ叫ぶカエルアンコウとは距離があるので避けるのは難しくない。
薫ですら少し慌てながらも水を避けていた。
「こっち狙え!」
ピシュピシュと水飛ばし続ける叫ぶカエルアンコウにカレンが魔力を向けた。
「わっぷっ!」
叫ぶカエルアンコウは大きな水球をカレンに向かって飛ばした。
砂で踏ん張りの効かない中カレンは水球を受けきったのだが弾け飛んだ水を頭から被ってしまった。
ダメージはないけれど濡れるつもりもなかったので精神的なダメージが少しだけある。
「この……やばっ!?」
顔の水を手で拭ったカレンが前を見ると再び水球が飛んできていた。
カレンと同じほどの大きさの水球がカレンを大きく押し戻し、全身をびしょ濡れにする。
「くぅ~! しょっっぱ!」
周りに水があるとそれを利用できるのも水の大きな利点である。
叫ぶカエルアンコウは周りにある海水を利用して魔法を使っている。
そのために口の中に海水が入って非常に塩辛い。
「ムカつく!」
盾の正面から何度も水球がぶつかってくる。
水球そのものは盾にぶつかるからなんてことはないのだけど水球が盾にぶつかって破裂するたびにカレンは多くの水を頭からかぶることになった。
「おりゃああああっ!」
カレンが水をかぶって引きつけてくれている間に波瑠が叫ぶカエルアンコウに接近する。
何の抵抗もなく叫ぶカエルアンコウは波瑠のナイフに切り付けられて頭がずるりと砂浜に落ちた。
叫ぶカエルアンコウは魔法を使うという能力の代わりに他の能力があまり高くない。
防御力はもちろん、本体そのものの物理的な攻撃力もない。
「これが……叫ぶカエルアンコウねぇ……」
圭から渡されたタオルで頭を拭きながら叫ぶカエルアンコウを見下ろすカレンは深いため息をついた。
下着まで完全に濡れてしまっていて少し気持ちが悪い。
「だけど30体倒すならもうしょうがないよね」
「他人事だと思って……」
波瑠のいう通りではある。
これから先30体も相手にするのに全く濡れずにいるのは難しい。
夜滝や薫ならともかくカレンは多分これからも濡れることになるだろう。
多少髪の毛がベタつくことも我慢して叫ぶカエルアンコウを倒すことにした。
浜辺を歩いていると海の中から叫ぶカエルアンコウが向こうのほうから現れてくれる。
カレンが引きつけてその間に倒すというベーシックな攻略が普通に通用するので濡れることさえ厭わなきゃ倒すのは難しくなかった。
「海水浴にも良さそうなんだけどね」
白い砂浜、青い海と見た目上の環境だけなら六階はかなり良い感じ。
「あれがいなきゃ……ね」
砂浜少し歩いていると噂のカエルアンコウが出てきた。
海から上がってきたのだけど上がり方がやや特殊であった。
「歩いてる……?」
「匍匐前進? はってる……?」
「あれがカエルアンコウってやつだ」
海から上がってきたのはでかい魚だった。
水中から地上に上がってくるモンスターといえばサハギンに代表されるように泳ぎが得意でありながらも二足歩行になれて足で地上を移動することもよく見られる。
やはり地上で活動する上でヒレで泳ぐ魚のままでは行動しにくいのだろう。
だが叫ぶカエルアンコウは魚だったヒレはヒレのままで足も生えていない。
叫ぶカエルアンコウはヒレで歩くのだ。
ヒレといっても尾ビレで擬似的に二足歩行を再現して立ち歩くのではなく、横になった魚のまま胸ビレを使ってはうようにして歩くのである。
現実にもカエルアンコウという種類の魚がいて同じように移動する。
そこから名前を取ったのだと思うのだけど叫ぶカエルアンコウはギェーと叫ぶのだ。
なんの声なのか知らないけど結構やかましく、遠くからでもよく聞こえる。
「来るぞ!」
圭たちに気がついた叫ぶカエルアンコウが叫び声を上げる。
真正面から口だけ見るとちょっとだけコイみたいである。
「うわっ、アブね!」
ヒレを使って体を引きずるように移動していて明らかに動きもノロそうなモンスターでどう見ても強くなさそうなのだが油断はできない。
叫ぶカエルアンコウの周りに人の頭ほどの大きさの水の玉が浮かび上がる。
そして水の玉から高速で水が打ち出される。
カレンが盾を使って防御したが体がわずかに押されて砂に跡が残る。
「この階から敵も魔法を使ってきたりと属性を持ってるから気をつけるんだ!」
これまでの階で戦ったモンスターは特別な対策がなくとも物理で対抗できる相手だった。
しかし六階からは敵のモンスターも属性を持っているものが増える。
叫ぶカエルアンコウは水であるし、例えば火を操るモンスターもこの先に出てくる。
対応力が高く強いパーティーならなんの対策もなく進むことは可能であるが、簡単に考えて進むようなパーティーだと大怪我を負ったりすることもあるのだ。
水は比較的対策しやすい属性である。
物理的な側面が大きく火に比べると熱などを気にしなくてもいいというところがある。
カレンが挑発して攻撃を引きつける前なのでみんなにランダムに攻撃が飛んでくる。
まだ叫ぶカエルアンコウとは距離があるので避けるのは難しくない。
薫ですら少し慌てながらも水を避けていた。
「こっち狙え!」
ピシュピシュと水飛ばし続ける叫ぶカエルアンコウにカレンが魔力を向けた。
「わっぷっ!」
叫ぶカエルアンコウは大きな水球をカレンに向かって飛ばした。
砂で踏ん張りの効かない中カレンは水球を受けきったのだが弾け飛んだ水を頭から被ってしまった。
ダメージはないけれど濡れるつもりもなかったので精神的なダメージが少しだけある。
「この……やばっ!?」
顔の水を手で拭ったカレンが前を見ると再び水球が飛んできていた。
カレンと同じほどの大きさの水球がカレンを大きく押し戻し、全身をびしょ濡れにする。
「くぅ~! しょっっぱ!」
周りに水があるとそれを利用できるのも水の大きな利点である。
叫ぶカエルアンコウは周りにある海水を利用して魔法を使っている。
そのために口の中に海水が入って非常に塩辛い。
「ムカつく!」
盾の正面から何度も水球がぶつかってくる。
水球そのものは盾にぶつかるからなんてことはないのだけど水球が盾にぶつかって破裂するたびにカレンは多くの水を頭からかぶることになった。
「おりゃああああっ!」
カレンが水をかぶって引きつけてくれている間に波瑠が叫ぶカエルアンコウに接近する。
何の抵抗もなく叫ぶカエルアンコウは波瑠のナイフに切り付けられて頭がずるりと砂浜に落ちた。
叫ぶカエルアンコウは魔法を使うという能力の代わりに他の能力があまり高くない。
防御力はもちろん、本体そのものの物理的な攻撃力もない。
「これが……叫ぶカエルアンコウねぇ……」
圭から渡されたタオルで頭を拭きながら叫ぶカエルアンコウを見下ろすカレンは深いため息をついた。
下着まで完全に濡れてしまっていて少し気持ちが悪い。
「だけど30体倒すならもうしょうがないよね」
「他人事だと思って……」
波瑠のいう通りではある。
これから先30体も相手にするのに全く濡れずにいるのは難しい。
夜滝や薫ならともかくカレンは多分これからも濡れることになるだろう。
多少髪の毛がベタつくことも我慢して叫ぶカエルアンコウを倒すことにした。
浜辺を歩いていると海の中から叫ぶカエルアンコウが向こうのほうから現れてくれる。
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