329 / 515
第七章
うるさい魚3
しおりを挟む
「……濡れるな」
叫ぶカエルアンコウ結構めんどくさい。
そんな風に思いながら圭は濡れた髪をかき上げた。
カレンが引きつけるとカレンの方を攻撃するのだけど広範囲攻撃だったり、近づいてきた圭や波瑠をふと狙ってきたりもした。
防御も回避もできたので怪我はないのだけど代わりに圭も波瑠もカレンと同じくびしょびしょになってしまった。
どうして自分が望んだわけではない濡れってこうも気分が悪いのかと奇妙なものである。
自分で濡れに行けばそんなに不愉快にも感じないものなのに。
「濡れて透ける服じゃなくてよかったよ」
チラリと自分の服を確認して波瑠は小さくため息をついた。
「言っといてくれたらな~」
「そーだよな」
「そりゃ悪かったよ。俺もこうなるとは思ってなかったんだ」
濡れると分かっていたならそれ相応の服装をしてきた。
流石に水着で戦うなんてことはしないけれど濡れても下着が透けないと自信を持って言える服ぐらい着てきたと波瑠とカレンは文句を言う。
濡れる危険はあったけれど多少濡れるぐらいなら大丈夫だろうと男性である圭は軽く見ていたのである。
幸い波瑠もカレンも透けてはいない。
水で服が張り付いて下着のラインが出てしまっているので圭は目を逸らしている。
装備を身につけているのでよく見ないと分からないからとりあえずこのまま続行することにはなったけど申し訳ないことをしたなと圭は反省した。
「…………」
「それはダメだよぅ?」
「……バレた?」
圭と波瑠とカレンの会話を見ていたかなみがそっと海の方に視線を向けた。
そんなかなみの考えを見抜いたように夜滝が細い目をしている。
「自分も濡れて透けさせればなんて考えてるんだろぅ?」
「あなた人の考えが読めるのかしら?」
「読まなくても分かるさ」
「あっ、分かった。あなたも同じこと考えてたのね」
「……それはどうだろう」
図星だった。
濡れ透けで意識させるということが頭をよぎったのはかなみだけではなかった。
今日の格好なら上手く透けるかなと考えていたのは夜滝も同じだったのである。
「二人でこっそり濡れてみる?」
「……それはどうだろうねぇ?」
同じ濡れ透けをされてしまうとかなみに負けてしまうかもしれないと夜滝は考えた。
なぜかやるやらないではなくやった後の心配が先に来ている。
「あらぁ?」
ニヤリと笑うかなみは夜滝に近寄った。
「自信ないのかしらぁ~?」
「ぐぬ……」
かなみが夜滝の頬をプニプニとつつく。
正直自信ない。
頬に指を刺されながら夜滝は悔しそうな顔をした。
モデルをできるほどの体型の持ち主と濡れ透け対決をして勝てるなどと思えるほど夜滝も思い上がっていない。
覚醒者として外に出るようになって少しだけお腹はシュッとしたけど流石に悩殺ボディではない自覚はある。
波瑠曰くリアル感がある体らしいが褒められている気はしなかった。
「あっ、うわぁっ!?」
「薫くん!?」
どこからか水の玉が飛んできて薫に直撃した。
不意の出来事に完全に油断していた薫は砂の上を転がる。
「大丈夫か?」
「いてて……大丈夫です」
薫はズボッと砂から顔を上げる。
叫ぶカエルアンコウが飛ばした水の玉だろうけど距離が離れていたために威力を失ってただの水の塊になっていたようだ。
周りの海水を利用して作った水の玉なので水が残っていて衝突した衝撃があった。
「ぺっ……砂が口に」
薫は着ていたローブを脱いで砂を払う。
「……先越されちゃったわね」
「……そうだねぇ」
「あっ、ちょっと! 恥ずかしんで見ないでくださいよぅ……」
頭から水をかぶった薫。
魔法使いであり比較的装備として軽装だった薫の服は濡れて透けていた。
薫は男なのでもちろん上に下着など着けていない薫は直接地肌が透けていた。
みんなに見られて顔を赤く体を隠す薫は今のところ一番ヒロインであった。
ーーーーー
「これで20体か」
不思議な孤島を一周回って叫ぶカエルアンコウを20体倒した。
残りは10体となった。
「にしてもあれはありがたいな」
「そうだな」
急に人が圭たちのことを監視し始めた。
なんだろうと思っていたらスマホの翻訳機能を使って話しかけてきた。
相手はヨーロッパの欧州連盟の覚醒者ギルドの人でどうやら倒した叫ぶカエルアンコウを買い取りたいという話であった。
叫ぶカエルアンコウは肝をメインに食材となる。
六階にまで来ると倒したモンスターを下まで運んでいくのは圭たちの規模では難しく、魔石だけ取り出して放置しようと思っていた。
ただそれではもったいないので倒した叫ぶカエルアンコウを安く引き取りたいという提案を受けたのである。
圭たちとしては捨てておくものだったのでそれが安くてもお金になるのなら文句はない。
相手としては自分たちで労力を使わずに運ぶだけで叫ぶカエルアンコウを手に入れられる。
ウィンウィンな関係である。
なので圭たちが叫ぶカエルアンコウを倒し、欧州連盟の覚醒者がせっせと叫ぶカエルアンコウを回収するという繰り返しになっていた。
圭たちは叫ぶカエルアンコウを綺麗に早く倒すから欧州連盟の覚醒者からもありがたがられている。
叫ぶカエルアンコウ結構めんどくさい。
そんな風に思いながら圭は濡れた髪をかき上げた。
カレンが引きつけるとカレンの方を攻撃するのだけど広範囲攻撃だったり、近づいてきた圭や波瑠をふと狙ってきたりもした。
防御も回避もできたので怪我はないのだけど代わりに圭も波瑠もカレンと同じくびしょびしょになってしまった。
どうして自分が望んだわけではない濡れってこうも気分が悪いのかと奇妙なものである。
自分で濡れに行けばそんなに不愉快にも感じないものなのに。
「濡れて透ける服じゃなくてよかったよ」
チラリと自分の服を確認して波瑠は小さくため息をついた。
「言っといてくれたらな~」
「そーだよな」
「そりゃ悪かったよ。俺もこうなるとは思ってなかったんだ」
濡れると分かっていたならそれ相応の服装をしてきた。
流石に水着で戦うなんてことはしないけれど濡れても下着が透けないと自信を持って言える服ぐらい着てきたと波瑠とカレンは文句を言う。
濡れる危険はあったけれど多少濡れるぐらいなら大丈夫だろうと男性である圭は軽く見ていたのである。
幸い波瑠もカレンも透けてはいない。
水で服が張り付いて下着のラインが出てしまっているので圭は目を逸らしている。
装備を身につけているのでよく見ないと分からないからとりあえずこのまま続行することにはなったけど申し訳ないことをしたなと圭は反省した。
「…………」
「それはダメだよぅ?」
「……バレた?」
圭と波瑠とカレンの会話を見ていたかなみがそっと海の方に視線を向けた。
そんなかなみの考えを見抜いたように夜滝が細い目をしている。
「自分も濡れて透けさせればなんて考えてるんだろぅ?」
「あなた人の考えが読めるのかしら?」
「読まなくても分かるさ」
「あっ、分かった。あなたも同じこと考えてたのね」
「……それはどうだろう」
図星だった。
濡れ透けで意識させるということが頭をよぎったのはかなみだけではなかった。
今日の格好なら上手く透けるかなと考えていたのは夜滝も同じだったのである。
「二人でこっそり濡れてみる?」
「……それはどうだろうねぇ?」
同じ濡れ透けをされてしまうとかなみに負けてしまうかもしれないと夜滝は考えた。
なぜかやるやらないではなくやった後の心配が先に来ている。
「あらぁ?」
ニヤリと笑うかなみは夜滝に近寄った。
「自信ないのかしらぁ~?」
「ぐぬ……」
かなみが夜滝の頬をプニプニとつつく。
正直自信ない。
頬に指を刺されながら夜滝は悔しそうな顔をした。
モデルをできるほどの体型の持ち主と濡れ透け対決をして勝てるなどと思えるほど夜滝も思い上がっていない。
覚醒者として外に出るようになって少しだけお腹はシュッとしたけど流石に悩殺ボディではない自覚はある。
波瑠曰くリアル感がある体らしいが褒められている気はしなかった。
「あっ、うわぁっ!?」
「薫くん!?」
どこからか水の玉が飛んできて薫に直撃した。
不意の出来事に完全に油断していた薫は砂の上を転がる。
「大丈夫か?」
「いてて……大丈夫です」
薫はズボッと砂から顔を上げる。
叫ぶカエルアンコウが飛ばした水の玉だろうけど距離が離れていたために威力を失ってただの水の塊になっていたようだ。
周りの海水を利用して作った水の玉なので水が残っていて衝突した衝撃があった。
「ぺっ……砂が口に」
薫は着ていたローブを脱いで砂を払う。
「……先越されちゃったわね」
「……そうだねぇ」
「あっ、ちょっと! 恥ずかしんで見ないでくださいよぅ……」
頭から水をかぶった薫。
魔法使いであり比較的装備として軽装だった薫の服は濡れて透けていた。
薫は男なのでもちろん上に下着など着けていない薫は直接地肌が透けていた。
みんなに見られて顔を赤く体を隠す薫は今のところ一番ヒロインであった。
ーーーーー
「これで20体か」
不思議な孤島を一周回って叫ぶカエルアンコウを20体倒した。
残りは10体となった。
「にしてもあれはありがたいな」
「そうだな」
急に人が圭たちのことを監視し始めた。
なんだろうと思っていたらスマホの翻訳機能を使って話しかけてきた。
相手はヨーロッパの欧州連盟の覚醒者ギルドの人でどうやら倒した叫ぶカエルアンコウを買い取りたいという話であった。
叫ぶカエルアンコウは肝をメインに食材となる。
六階にまで来ると倒したモンスターを下まで運んでいくのは圭たちの規模では難しく、魔石だけ取り出して放置しようと思っていた。
ただそれではもったいないので倒した叫ぶカエルアンコウを安く引き取りたいという提案を受けたのである。
圭たちとしては捨てておくものだったのでそれが安くてもお金になるのなら文句はない。
相手としては自分たちで労力を使わずに運ぶだけで叫ぶカエルアンコウを手に入れられる。
ウィンウィンな関係である。
なので圭たちが叫ぶカエルアンコウを倒し、欧州連盟の覚醒者がせっせと叫ぶカエルアンコウを回収するという繰り返しになっていた。
圭たちは叫ぶカエルアンコウを綺麗に早く倒すから欧州連盟の覚醒者からもありがたがられている。
46
あなたにおすすめの小説
シスターヴレイヴ!~上司に捨て駒にされ会社をクビになり無職ニートになった俺が妹と異世界に飛ばされ妹が勇者になったけど何とか生きてます~
尾山塩之進
ファンタジー
鳴鐘 慧河(なるがね けいが)25歳は上司に捨て駒にされ会社をクビになってしまい世の中に絶望し無職ニートの引き籠りになっていたが、二人の妹、優羽花(ゆうか)と静里菜(せりな)に元気づけられて再起を誓った。
だがその瞬間、妹たち共々『魔力満ちる世界エゾン・レイギス』に異世界召喚されてしまう。
全ての人間を滅ぼそうとうごめく魔族の長、大魔王を倒す星剣の勇者として、セカイを護る精霊に召喚されたのは妹だった。
勇者である妹を討つべく襲い来る魔族たち。
そして慧河より先に異世界召喚されていた慧河の元上司はこの異世界の覇権を狙い暗躍していた。
エゾン・レイギスの人間も一枚岩ではなく、様々な思惑で持って動いている。
これは戦乱渦巻く異世界で、妹たちを護ると一念発起した、勇者ではない只の一人の兄の戦いの物語である。
…その果てに妹ハーレムが作られることになろうとは当人には知るよしも無かった。
妹とは血の繋がりであろうか?
妹とは魂の繋がりである。
兄とは何か?
妹を護る存在である。
かけがいの無い大切な妹たちとのセカイを護る為に戦え!鳴鐘 慧河!戦わなければ護れない!
転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです
NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた
現実世界にダンジョンが出現したのでフライングして最強に!
おとうふ
ファンタジー
2026年、突如として世界中にダンジョンが出現した。
ダンジョン内は無尽蔵にモンスターが湧き出し、それを倒すことでレベルが上がり、ステータスが上昇するという不思議空間だった。
過去の些細な事件のトラウマを克服できないまま、不登校の引きこもりになっていた中学2年生の橘冬夜は、好奇心から自宅近くに出現したダンジョンに真っ先に足を踏み入れた。
ダンジョンとは何なのか。なぜ出現したのか。その先に何があるのか。
世界が大混乱に陥る中、何もわからないままに、冬夜はこっそりとダンジョン探索にのめり込んでいく。
やがて来る厄災の日、そんな冬夜の好奇心が多くの人の命を救うことになるのだが、それはまだ誰も知らぬことだった。
至らぬところも多いと思いますが、よろしくお願いします!
天城の夢幻ダンジョン攻略と無限の神空間で超絶レベリング ~ガチャスキルに目覚めた俺は無職だけどダンジョンを攻略してトップの探索士を目指す~
仮実谷 望
ファンタジー
無職になってしまった摩廻天重郎はある日ガチャを引くスキルを得る。ガチャで得た鍛錬の神鍵で無限の神空間にたどり着く。そこで色々な異世界の住人との出会いもある。神空間で色んなユニットを配置できるようになり自分自身だけレベリングが可能になりどんどんレベルが上がっていく。可愛いヒロイン多数登場予定です。ガチャから出てくるユニットも可愛くて強いキャラが出てくる中、300年の時を生きる謎の少女が暗躍していた。ダンジョンが一般に知られるようになり動き出す政府の動向を観察しつつ我先へとダンジョンに入りたいと願う一般人たちを跳ね除けて天重郎はトップの探索士を目指して生きていく。次々と美少女の探索士が天重郎のところに集まってくる。天重郎は最強の探索士を目指していく。他の雑草のような奴らを跳ね除けて天重郎は最強への道を歩み続ける。
焔の幽閉者!自由を求めて最強への道を歩む!!
雷覇
ファンタジー
とある出来事で自身も所属する焔木一族から幽閉された男「焔木海人」。
その幽閉生活も一人の少女の来訪により終わりを迎える。
主人公は一族に自身の力を認めさせるため最強の力を求め続ける。
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編
荷物持ちだけど最強です、空間魔法でラクラク発明
まったりー
ファンタジー
主人公はダンジョンに向かう冒険者の荷物を持つポーターと言う職業、その職業に必須の収納魔法を持っていないことで悲惨な毎日を過ごしていました。
そんなある時仕事中に前世の記憶がよみがえり、ステータスを確認するとユニークスキルを持っていました。
その中に前世で好きだったゲームに似た空間魔法があり街づくりを始めます、そしてそこから人生が思わぬ方向に変わります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる