人の才能が見えるようになりました。~いい才能は幸運な俺が育てる~

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第七章

うるさい魚3

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「……濡れるな」

 叫ぶカエルアンコウ結構めんどくさい。
 そんな風に思いながら圭は濡れた髪をかき上げた。

 カレンが引きつけるとカレンの方を攻撃するのだけど広範囲攻撃だったり、近づいてきた圭や波瑠をふと狙ってきたりもした。
 防御も回避もできたので怪我はないのだけど代わりに圭も波瑠もカレンと同じくびしょびしょになってしまった。

 どうして自分が望んだわけではない濡れってこうも気分が悪いのかと奇妙なものである。
 自分で濡れに行けばそんなに不愉快にも感じないものなのに。

「濡れて透ける服じゃなくてよかったよ」

 チラリと自分の服を確認して波瑠は小さくため息をついた。

「言っといてくれたらな~」

「そーだよな」

「そりゃ悪かったよ。俺もこうなるとは思ってなかったんだ」

 濡れると分かっていたならそれ相応の服装をしてきた。
 流石に水着で戦うなんてことはしないけれど濡れても下着が透けないと自信を持って言える服ぐらい着てきたと波瑠とカレンは文句を言う。

 濡れる危険はあったけれど多少濡れるぐらいなら大丈夫だろうと男性である圭は軽く見ていたのである。
 幸い波瑠もカレンも透けてはいない。

 水で服が張り付いて下着のラインが出てしまっているので圭は目を逸らしている。
 装備を身につけているのでよく見ないと分からないからとりあえずこのまま続行することにはなったけど申し訳ないことをしたなと圭は反省した。

「…………」

「それはダメだよぅ?」

「……バレた?」

 圭と波瑠とカレンの会話を見ていたかなみがそっと海の方に視線を向けた。
 そんなかなみの考えを見抜いたように夜滝が細い目をしている。

「自分も濡れて透けさせればなんて考えてるんだろぅ?」

「あなた人の考えが読めるのかしら?」

「読まなくても分かるさ」

「あっ、分かった。あなたも同じこと考えてたのね」

「……それはどうだろう」

 図星だった。
 濡れ透けで意識させるということが頭をよぎったのはかなみだけではなかった。

 今日の格好なら上手く透けるかなと考えていたのは夜滝も同じだったのである。

「二人でこっそり濡れてみる?」

「……それはどうだろうねぇ?」

 同じ濡れ透けをされてしまうとかなみに負けてしまうかもしれないと夜滝は考えた。
 なぜかやるやらないではなくやった後の心配が先に来ている。

「あらぁ?」

 ニヤリと笑うかなみは夜滝に近寄った。

「自信ないのかしらぁ~?」

「ぐぬ……」

 かなみが夜滝の頬をプニプニとつつく。
 正直自信ない。

 頬に指を刺されながら夜滝は悔しそうな顔をした。
 モデルをできるほどの体型の持ち主と濡れ透け対決をして勝てるなどと思えるほど夜滝も思い上がっていない。

 覚醒者として外に出るようになって少しだけお腹はシュッとしたけど流石に悩殺ボディではない自覚はある。
 波瑠曰くリアル感がある体らしいが褒められている気はしなかった。

「あっ、うわぁっ!?」

「薫くん!?」

 どこからか水の玉が飛んできて薫に直撃した。
 不意の出来事に完全に油断していた薫は砂の上を転がる。

「大丈夫か?」

「いてて……大丈夫です」

 薫はズボッと砂から顔を上げる。
 叫ぶカエルアンコウが飛ばした水の玉だろうけど距離が離れていたために威力を失ってただの水の塊になっていたようだ。

 周りの海水を利用して作った水の玉なので水が残っていて衝突した衝撃があった。

「ぺっ……砂が口に」

 薫は着ていたローブを脱いで砂を払う。

「……先越されちゃったわね」

「……そうだねぇ」

「あっ、ちょっと! 恥ずかしんで見ないでくださいよぅ……」

 頭から水をかぶった薫。
 魔法使いであり比較的装備として軽装だった薫の服は濡れて透けていた。

 薫は男なのでもちろん上に下着など着けていない薫は直接地肌が透けていた。
 みんなに見られて顔を赤く体を隠す薫は今のところ一番ヒロインであった。

 ーーーーー

「これで20体か」

 不思議な孤島を一周回って叫ぶカエルアンコウを20体倒した。
 残りは10体となった。

「にしてもあれはありがたいな」

「そうだな」

 急に人が圭たちのことを監視し始めた。
 なんだろうと思っていたらスマホの翻訳機能を使って話しかけてきた。

 相手はヨーロッパの欧州連盟の覚醒者ギルドの人でどうやら倒した叫ぶカエルアンコウを買い取りたいという話であった。
 叫ぶカエルアンコウは肝をメインに食材となる。

 六階にまで来ると倒したモンスターを下まで運んでいくのは圭たちの規模では難しく、魔石だけ取り出して放置しようと思っていた。
 ただそれではもったいないので倒した叫ぶカエルアンコウを安く引き取りたいという提案を受けたのである。

 圭たちとしては捨てておくものだったのでそれが安くてもお金になるのなら文句はない。
 相手としては自分たちで労力を使わずに運ぶだけで叫ぶカエルアンコウを手に入れられる。

 ウィンウィンな関係である。
 なので圭たちが叫ぶカエルアンコウを倒し、欧州連盟の覚醒者がせっせと叫ぶカエルアンコウを回収するという繰り返しになっていた。

 圭たちは叫ぶカエルアンコウを綺麗に早く倒すから欧州連盟の覚醒者からもありがたがられている。
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