341 / 515
第七章
出会い、あり6
しおりを挟む
「チッ!」
「うわっ!」
カレンに殴られてからというもの、ダンテは魔力を上手くコントロールできなくなっていた。
ダンテの持つ剣もかなり品質の高いものであるのだが魔力のコントロールが出来ておらず魔力を込めない状態で波瑠のナイフを受けてしまった。
対して波瑠のナイフは神をも殺したことがあるナイフ。
しっかりと魔力を込めて突き出されたナイフと魔力の込められていない剣の勝負に覚醒者の能力はほとんど関係ない。
剣の方がダメージを受けてしまうのは当然のことだった。
しかし魔力が使えずともA級覚醒者としての能力は変わらない。
苛立った表情のダンテは波瑠の首を鷲掴みにして乱雑に投げ捨てる。
勢いよく投げられた波瑠は着地に失敗して地面を転がるがダメージは少なくすぐに立ち上がった。
「くそっ……俺に何をした!」
少しずつ奇妙な違和感は軽くなってきている。
けれども体に不調をきたした原因がわからない以上ダンテは圭たちを強く警戒せざるを得ない。
「カレン、波瑠、大丈夫か?」
「おう!」
「こっちも平気!」
カレンのざっくりと切られた傷口もカレンの能力と薫の治療によってすっかり塞がっている。
波瑠もダメージは小さいので薫が治してやれば全く問題なかった。
「う……」
「なんだ?」
ダンテの腹部にじわりと血が広がっていた。
圭たちはダンテの腹部を攻撃していないのに服ににじむほど激しく出血をしている。
[いたぞ!]
「……誰だ?」
何かの理由で怪我をしていたのだろうダンテと睨み合いが続いていると外国人らしき男たちが走ってきた。
[もう逃さねえぞ!]
「……英語か?」
また勝手にゲートに入ってきた不届き者たちはダンテに向かって何かを言っている。
日本語ではなく英語のようで圭には聞き取れなかった。
先頭に立つスキンヘッドに刺青だらけの男を見てダンテは顔をしかめた。
[無理をして傷が開いたようだな。今度こそ腹に穴開けてやるよ!]
[お前如きにやれるならやってみろ!]
[ふっ、いけ! あいつを殺すんだ!]
「どうなってるんだ!」
入ってきた男たちは圭たちのことなど見えていないようにダンテに襲いかかり始めた。
『ギドラー・ウィリアムズ
レベル310[222]
総合ランクC[D]
筋力A[C](英雄)
体力C[E](無才)
速度B[C](英雄)
魔力C[D](一般)
幸運E「E」(無才)
スキル:千斤撃[貸与]
才能:アイアンフィスト』
「あいつらも悪魔だ」
正確には悪魔ではなく悪魔教で悪魔から力をもらっている覚醒者である。
「全員外国人っぽいし何が起きてるんだろ……」
圭たちは身を寄せ合うようにして様子を見ていた。
急に始まったダンテと男たちの戦いに呆然と見ていることしかできない。
「このまま一度逃げようか」
圭たちのことを見ていないならそれはそれでチャンスである。
わざわざこの状況につきあってやる必要ない。
外に出て通報してしまえばいいと圭は考えた。
[おっと、いかせねぇよ]
こっそりと移動しようとした圭たちの前にいかつい男が立ちはだかる。
「行かせないって言っているようです」
薫は両親が外国にいる都合もあって英語が堪能である。
相手の男が何を言っているのか理解していた。
圭が見てみるとD級覚醒者だがこちらも悪魔の力を受けている。
[どの道目撃者は生かして帰すつもりはない……死ね!]
「戦うぞ!」
何を言ってるのか圭には分からないが敵意は分かる。
襲いかかってくる男を迎え撃つ。
「カレン、もう無理はするなよ!」
「分かってるよ!」
仕方ない状況だったのかもしれないが自らの身を犠牲にするなんて圭もかなりヒヤリとした。
正直あんなことはもう二度としてもらいたくないしさせたくないと思った。
前に出たカレンは男の剣をしっかりと盾で受け止める。
圭たちももうD級覚醒者相当の能力があるのでダンテの攻撃と違って押されることもない。
「行かせないというのならやってごらんよぅ」
カレンのメイスを下がってかわした男に水の槍が飛んでいく。
[ぐわっ!]
水の槍を剣でたたき落とすが全てを防ぎきれずに足に水の槍が突き刺さって男は声を上げる。
「おらっ!」
「今……だ…………」
カレンがメイスで男を殴り倒して圭たちはゲートの方に逃げようとした瞬間世界が闇に包まれた。
「な、なんだ!?」
圭の近くにいるカレンや波瑠たちの姿は見えるけれど、少し離れて戦っていたダンテや男たちの姿は見えなくなっている。
「みんな固まれ!」
何かは分からないが誰かしらの攻撃であることは間違いない。
圭たちは密着するほどに集まって周りを警戒する。
「おい」
「……なんだ!」
「お前たちはあいつらの味方じゃないのか」
闇の中からダンテの声が聞こえてきた。
「違う!」
「悪魔の使いではないのか?」
「だから違うと言っているだろう!」
「…………俺に協力しろ」
「はぁっ?」
いきなりの提案に圭は顔をしかめた。
「あいつらはお前たちを生かして逃すつもりはない。目撃者となったからには全員殺すつもりだ」
「お前も俺たちを殺すつもりだっただろう!」
「……それは謝罪しよう。勘違いだった」
キョロキョロと周りを警戒するがダンテの姿は見えない。
「うわっ!」
カレンに殴られてからというもの、ダンテは魔力を上手くコントロールできなくなっていた。
ダンテの持つ剣もかなり品質の高いものであるのだが魔力のコントロールが出来ておらず魔力を込めない状態で波瑠のナイフを受けてしまった。
対して波瑠のナイフは神をも殺したことがあるナイフ。
しっかりと魔力を込めて突き出されたナイフと魔力の込められていない剣の勝負に覚醒者の能力はほとんど関係ない。
剣の方がダメージを受けてしまうのは当然のことだった。
しかし魔力が使えずともA級覚醒者としての能力は変わらない。
苛立った表情のダンテは波瑠の首を鷲掴みにして乱雑に投げ捨てる。
勢いよく投げられた波瑠は着地に失敗して地面を転がるがダメージは少なくすぐに立ち上がった。
「くそっ……俺に何をした!」
少しずつ奇妙な違和感は軽くなってきている。
けれども体に不調をきたした原因がわからない以上ダンテは圭たちを強く警戒せざるを得ない。
「カレン、波瑠、大丈夫か?」
「おう!」
「こっちも平気!」
カレンのざっくりと切られた傷口もカレンの能力と薫の治療によってすっかり塞がっている。
波瑠もダメージは小さいので薫が治してやれば全く問題なかった。
「う……」
「なんだ?」
ダンテの腹部にじわりと血が広がっていた。
圭たちはダンテの腹部を攻撃していないのに服ににじむほど激しく出血をしている。
[いたぞ!]
「……誰だ?」
何かの理由で怪我をしていたのだろうダンテと睨み合いが続いていると外国人らしき男たちが走ってきた。
[もう逃さねえぞ!]
「……英語か?」
また勝手にゲートに入ってきた不届き者たちはダンテに向かって何かを言っている。
日本語ではなく英語のようで圭には聞き取れなかった。
先頭に立つスキンヘッドに刺青だらけの男を見てダンテは顔をしかめた。
[無理をして傷が開いたようだな。今度こそ腹に穴開けてやるよ!]
[お前如きにやれるならやってみろ!]
[ふっ、いけ! あいつを殺すんだ!]
「どうなってるんだ!」
入ってきた男たちは圭たちのことなど見えていないようにダンテに襲いかかり始めた。
『ギドラー・ウィリアムズ
レベル310[222]
総合ランクC[D]
筋力A[C](英雄)
体力C[E](無才)
速度B[C](英雄)
魔力C[D](一般)
幸運E「E」(無才)
スキル:千斤撃[貸与]
才能:アイアンフィスト』
「あいつらも悪魔だ」
正確には悪魔ではなく悪魔教で悪魔から力をもらっている覚醒者である。
「全員外国人っぽいし何が起きてるんだろ……」
圭たちは身を寄せ合うようにして様子を見ていた。
急に始まったダンテと男たちの戦いに呆然と見ていることしかできない。
「このまま一度逃げようか」
圭たちのことを見ていないならそれはそれでチャンスである。
わざわざこの状況につきあってやる必要ない。
外に出て通報してしまえばいいと圭は考えた。
[おっと、いかせねぇよ]
こっそりと移動しようとした圭たちの前にいかつい男が立ちはだかる。
「行かせないって言っているようです」
薫は両親が外国にいる都合もあって英語が堪能である。
相手の男が何を言っているのか理解していた。
圭が見てみるとD級覚醒者だがこちらも悪魔の力を受けている。
[どの道目撃者は生かして帰すつもりはない……死ね!]
「戦うぞ!」
何を言ってるのか圭には分からないが敵意は分かる。
襲いかかってくる男を迎え撃つ。
「カレン、もう無理はするなよ!」
「分かってるよ!」
仕方ない状況だったのかもしれないが自らの身を犠牲にするなんて圭もかなりヒヤリとした。
正直あんなことはもう二度としてもらいたくないしさせたくないと思った。
前に出たカレンは男の剣をしっかりと盾で受け止める。
圭たちももうD級覚醒者相当の能力があるのでダンテの攻撃と違って押されることもない。
「行かせないというのならやってごらんよぅ」
カレンのメイスを下がってかわした男に水の槍が飛んでいく。
[ぐわっ!]
水の槍を剣でたたき落とすが全てを防ぎきれずに足に水の槍が突き刺さって男は声を上げる。
「おらっ!」
「今……だ…………」
カレンがメイスで男を殴り倒して圭たちはゲートの方に逃げようとした瞬間世界が闇に包まれた。
「な、なんだ!?」
圭の近くにいるカレンや波瑠たちの姿は見えるけれど、少し離れて戦っていたダンテや男たちの姿は見えなくなっている。
「みんな固まれ!」
何かは分からないが誰かしらの攻撃であることは間違いない。
圭たちは密着するほどに集まって周りを警戒する。
「おい」
「……なんだ!」
「お前たちはあいつらの味方じゃないのか」
闇の中からダンテの声が聞こえてきた。
「違う!」
「悪魔の使いではないのか?」
「だから違うと言っているだろう!」
「…………俺に協力しろ」
「はぁっ?」
いきなりの提案に圭は顔をしかめた。
「あいつらはお前たちを生かして逃すつもりはない。目撃者となったからには全員殺すつもりだ」
「お前も俺たちを殺すつもりだっただろう!」
「……それは謝罪しよう。勘違いだった」
キョロキョロと周りを警戒するがダンテの姿は見えない。
26
あなたにおすすめの小説
シスターヴレイヴ!~上司に捨て駒にされ会社をクビになり無職ニートになった俺が妹と異世界に飛ばされ妹が勇者になったけど何とか生きてます~
尾山塩之進
ファンタジー
鳴鐘 慧河(なるがね けいが)25歳は上司に捨て駒にされ会社をクビになってしまい世の中に絶望し無職ニートの引き籠りになっていたが、二人の妹、優羽花(ゆうか)と静里菜(せりな)に元気づけられて再起を誓った。
だがその瞬間、妹たち共々『魔力満ちる世界エゾン・レイギス』に異世界召喚されてしまう。
全ての人間を滅ぼそうとうごめく魔族の長、大魔王を倒す星剣の勇者として、セカイを護る精霊に召喚されたのは妹だった。
勇者である妹を討つべく襲い来る魔族たち。
そして慧河より先に異世界召喚されていた慧河の元上司はこの異世界の覇権を狙い暗躍していた。
エゾン・レイギスの人間も一枚岩ではなく、様々な思惑で持って動いている。
これは戦乱渦巻く異世界で、妹たちを護ると一念発起した、勇者ではない只の一人の兄の戦いの物語である。
…その果てに妹ハーレムが作られることになろうとは当人には知るよしも無かった。
妹とは血の繋がりであろうか?
妹とは魂の繋がりである。
兄とは何か?
妹を護る存在である。
かけがいの無い大切な妹たちとのセカイを護る為に戦え!鳴鐘 慧河!戦わなければ護れない!
現実世界にダンジョンが出現したのでフライングして最強に!
おとうふ
ファンタジー
2026年、突如として世界中にダンジョンが出現した。
ダンジョン内は無尽蔵にモンスターが湧き出し、それを倒すことでレベルが上がり、ステータスが上昇するという不思議空間だった。
過去の些細な事件のトラウマを克服できないまま、不登校の引きこもりになっていた中学2年生の橘冬夜は、好奇心から自宅近くに出現したダンジョンに真っ先に足を踏み入れた。
ダンジョンとは何なのか。なぜ出現したのか。その先に何があるのか。
世界が大混乱に陥る中、何もわからないままに、冬夜はこっそりとダンジョン探索にのめり込んでいく。
やがて来る厄災の日、そんな冬夜の好奇心が多くの人の命を救うことになるのだが、それはまだ誰も知らぬことだった。
至らぬところも多いと思いますが、よろしくお願いします!
天城の夢幻ダンジョン攻略と無限の神空間で超絶レベリング ~ガチャスキルに目覚めた俺は無職だけどダンジョンを攻略してトップの探索士を目指す~
仮実谷 望
ファンタジー
無職になってしまった摩廻天重郎はある日ガチャを引くスキルを得る。ガチャで得た鍛錬の神鍵で無限の神空間にたどり着く。そこで色々な異世界の住人との出会いもある。神空間で色んなユニットを配置できるようになり自分自身だけレベリングが可能になりどんどんレベルが上がっていく。可愛いヒロイン多数登場予定です。ガチャから出てくるユニットも可愛くて強いキャラが出てくる中、300年の時を生きる謎の少女が暗躍していた。ダンジョンが一般に知られるようになり動き出す政府の動向を観察しつつ我先へとダンジョンに入りたいと願う一般人たちを跳ね除けて天重郎はトップの探索士を目指して生きていく。次々と美少女の探索士が天重郎のところに集まってくる。天重郎は最強の探索士を目指していく。他の雑草のような奴らを跳ね除けて天重郎は最強への道を歩み続ける。
焔の幽閉者!自由を求めて最強への道を歩む!!
雷覇
ファンタジー
とある出来事で自身も所属する焔木一族から幽閉された男「焔木海人」。
その幽閉生活も一人の少女の来訪により終わりを迎える。
主人公は一族に自身の力を認めさせるため最強の力を求め続ける。
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編
【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜
KEINO
ファンタジー
貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。
~あらすじ~
世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。
そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。
しかし、その恩恵は平等ではなかった。
富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。
そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。
彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。
あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。
妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。
希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。
英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。
これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。
彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。
テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。
SF味が増してくるのは結構先の予定です。
スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。
良かったら読んでください!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる