人の才能が見えるようになりました。~いい才能は幸運な俺が育てる~

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第七章

出会い、あり6

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「チッ!」

「うわっ!」

 カレンに殴られてからというもの、ダンテは魔力を上手くコントロールできなくなっていた。
 ダンテの持つ剣もかなり品質の高いものであるのだが魔力のコントロールが出来ておらず魔力を込めない状態で波瑠のナイフを受けてしまった。

 対して波瑠のナイフは神をも殺したことがあるナイフ。
 しっかりと魔力を込めて突き出されたナイフと魔力の込められていない剣の勝負に覚醒者の能力はほとんど関係ない。

 剣の方がダメージを受けてしまうのは当然のことだった。
 しかし魔力が使えずともA級覚醒者としての能力は変わらない。

 苛立った表情のダンテは波瑠の首を鷲掴みにして乱雑に投げ捨てる。
 勢いよく投げられた波瑠は着地に失敗して地面を転がるがダメージは少なくすぐに立ち上がった。

「くそっ……俺に何をした!」

 少しずつ奇妙な違和感は軽くなってきている。
 けれども体に不調をきたした原因がわからない以上ダンテは圭たちを強く警戒せざるを得ない。

「カレン、波瑠、大丈夫か?」

「おう!」

「こっちも平気!」

 カレンのざっくりと切られた傷口もカレンの能力と薫の治療によってすっかり塞がっている。
 波瑠もダメージは小さいので薫が治してやれば全く問題なかった。

「う……」

「なんだ?」

 ダンテの腹部にじわりと血が広がっていた。
 圭たちはダンテの腹部を攻撃していないのに服ににじむほど激しく出血をしている。

[いたぞ!]

「……誰だ?」

 何かの理由で怪我をしていたのだろうダンテと睨み合いが続いていると外国人らしき男たちが走ってきた。

[もう逃さねえぞ!]

「……英語か?」

 また勝手にゲートに入ってきた不届き者たちはダンテに向かって何かを言っている。
 日本語ではなく英語のようで圭には聞き取れなかった。

 先頭に立つスキンヘッドに刺青だらけの男を見てダンテは顔をしかめた。

[無理をして傷が開いたようだな。今度こそ腹に穴開けてやるよ!]

[お前如きにやれるならやってみろ!]

[ふっ、いけ! あいつを殺すんだ!]

「どうなってるんだ!」

 入ってきた男たちは圭たちのことなど見えていないようにダンテに襲いかかり始めた。

『ギドラー・ウィリアムズ
 レベル310[222]
 総合ランクC[D]
 筋力A[C](英雄)
 体力C[E](無才)
 速度B[C](英雄)
 魔力C[D](一般)
 幸運E「E」(無才)
 スキル:千斤撃[貸与]
 才能:アイアンフィスト』

「あいつらも悪魔だ」

 正確には悪魔ではなく悪魔教で悪魔から力をもらっている覚醒者である。

「全員外国人っぽいし何が起きてるんだろ……」

 圭たちは身を寄せ合うようにして様子を見ていた。
 急に始まったダンテと男たちの戦いに呆然と見ていることしかできない。

「このまま一度逃げようか」

 圭たちのことを見ていないならそれはそれでチャンスである。
 わざわざこの状況につきあってやる必要ない。

 外に出て通報してしまえばいいと圭は考えた。

[おっと、いかせねぇよ]

 こっそりと移動しようとした圭たちの前にいかつい男が立ちはだかる。

「行かせないって言っているようです」

 薫は両親が外国にいる都合もあって英語が堪能である。
 相手の男が何を言っているのか理解していた。

 圭が見てみるとD級覚醒者だがこちらも悪魔の力を受けている。

[どの道目撃者は生かして帰すつもりはない……死ね!]

「戦うぞ!」

 何を言ってるのか圭には分からないが敵意は分かる。
 襲いかかってくる男を迎え撃つ。

「カレン、もう無理はするなよ!」

「分かってるよ!」

 仕方ない状況だったのかもしれないが自らの身を犠牲にするなんて圭もかなりヒヤリとした。
 正直あんなことはもう二度としてもらいたくないしさせたくないと思った。

 前に出たカレンは男の剣をしっかりと盾で受け止める。
 圭たちももうD級覚醒者相当の能力があるのでダンテの攻撃と違って押されることもない。

「行かせないというのならやってごらんよぅ」

 カレンのメイスを下がってかわした男に水の槍が飛んでいく。

[ぐわっ!]

 水の槍を剣でたたき落とすが全てを防ぎきれずに足に水の槍が突き刺さって男は声を上げる。

「おらっ!」

「今……だ…………」

 カレンがメイスで男を殴り倒して圭たちはゲートの方に逃げようとした瞬間世界が闇に包まれた。

「な、なんだ!?」

 圭の近くにいるカレンや波瑠たちの姿は見えるけれど、少し離れて戦っていたダンテや男たちの姿は見えなくなっている。

「みんな固まれ!」

 何かは分からないが誰かしらの攻撃であることは間違いない。
 圭たちは密着するほどに集まって周りを警戒する。

「おい」

「……なんだ!」

「お前たちはあいつらの味方じゃないのか」

 闇の中からダンテの声が聞こえてきた。

「違う!」

「悪魔の使いではないのか?」

「だから違うと言っているだろう!」

「…………俺に協力しろ」

「はぁっ?」

 いきなりの提案に圭は顔をしかめた。

「あいつらはお前たちを生かして逃すつもりはない。目撃者となったからには全員殺すつもりだ」

「お前も俺たちを殺すつもりだっただろう!」

「……それは謝罪しよう。勘違いだった」

 キョロキョロと周りを警戒するがダンテの姿は見えない。
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