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第九章
憤怒の悪魔6
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「鍵穴もないしな……」
みんなで門に鍵が使えそうなところを探す。
しかし鍵を差し込めそうな場所もない。
「ん?」
門に鍵を近づけてみると鍵が淡く発光し始める。
鍵が門に近づくほど発光が強くなり、圭は光が強くなるところを探す。
どうやら真ん中付近が一番光が強いらしいけれども門の真ん中に鍵を押し当ててみても光る以外の反応はない。
「あそこ……何かあるぞ!」
ジャンが門の上を指差した。
門の縦の真ん中らへんに凹みが見えた。
それは圭が持っている鍵の形とよく似ている。
「あんなところにどうやって……」
「ケイは私が運ぶ」
「おっと……」
門はデカく、凹みがあるところはかなり高い。
覚醒者である圭が飛び上がっても届くかどうかという高さにあった。
どうしようかと思っていた圭をシャリンが後ろから抱きしめた。
そして黒い翼を羽ばたかせ系を持ち上げて空を飛ぶ。
「ほんとに帰っちゃうの?」
圭にだけ聞こえるようにシャリンがポソリと呟いた。
抱きかかえられている圭には見えていないがシャリンは悲しげな目をしていた。
「ああ……俺は向こうでやらなきゃいけないことがあるんだ」
「ここじゃできない?」
「うん。ここじゃダメなんだ」
「…………」
「俺が帰ってもまた会えるさ。俺と君は繋がってるから」
圭は魂の契約を交わしたせいなのかシャリンとの繋がりを感じていた。
悪魔をどう呼び出すのか知らないけれど繋がりがあるのなら呼び出すこともできそうだ。
ルシファーが人形を使って人の世界にいるので同じような方法が使えたり、他にも何か方法があるかもしれない。
「折を見て俺たちの世界に来ればいい」
本当に呼んでいいのかという問題はあるがひとまず今のところは慰めも兼ねて言葉をかけておく。
「ケイの世界に行く……」
「そうだ。何も俺がここにいるだけが一緒にいる方法じゃないだろ?」
「一緒にいる……」
そんな会話をしている間に門の凹みの前まで上がっていた。
「鍵と同じ形だ」
軽く鍵と凹みを比べてみる。
鍵の形と凹みの形は同じであった。
鍵が放つ光も強くなっている。
「行くぞ……」
圭はゆっくりと門の凹みに鍵を嵌め込んだ。
「うっ!」
鍵を嵌め込んだ瞬間門がゆっくりと開き始めた。
門の中から強い風が吹いて圭とシャリンは少し吹き飛ばされる。
「圭、大丈夫か?」
「シャリンのおかげでなんとか……」
圭は地面に降ろしてもらう。
門は非常にゆっくりとした速度で開いていて、中は紫がかった不思議な世界が広がっている。
「門が……開いたな」
門が完全に開いた。
紫の濃淡が混ざり合うように変化していく不思議な世界は入っても大丈夫なのかという不安を煽り立てる見た目をしている。
「ここに入れば本当に帰れるんだな?」
「多分」
「た……」
「私は入ったことないからな」
「ここにきてそんなこと……」
「嫌ならやめておけ。お前たちがここにいたいというのなら歓迎するぞ」
多分という言葉にジャンが呆れたような顔をした。
ルシファーも門を通れば現世に行けると聞いているが、実際に試したことはないので本当に行けるのか確実なことは言えない。
「行くしかないよ」
ここまできていかないという選択肢はない。
「ルシファー、シャリン、クォカドオーン、ありがとう」
「どうせまたすぐに会うのだ。礼などいらん」
「私は何もしてない。むしろデルマードの存在が感じられて楽しかった」
「……シャリン」
シャリンはむくれたような顔をしたまま圭と視線を合わせない。
まだ圭が帰ることに納得いっていないようだけど、そのうち時間が解決してくれることだろうと圭は苦笑いを浮かべる。
「帰ろう」
圭は門の方を向く。
不安は大きい。
「一気に行く。走り抜けよう」
ゆっくり行くなんて不安しかない。
だから走って飛び込んでしまう。
「……門が閉じ始めているぞ」
時間制限があるようで門が勝手に閉じている。
「圭!」
「ああ、行くぞ!」
圭が走り出してダンテとジャンが続く。
フィーネは戦って疲れたらしく圭の服の中である。
圭が門の中の紫に触れた瞬間姿を消した。
ダンテとジャンも同じく姿が消える。
「お前らは私のところに来ないか?」
「……なぜ?」
「サタンに手を出した。もう他の悪魔から狙われることだろう。私のそばにいれば下手に手を出してくる悪魔などおらん」
魔王レベルのシャリンはともかく準魔王レベルのクォカドオーンは危ないかもしれないとルシファーは思った。
サタンの報復なんてことがあるかは分からないけれど何かに狙われる可能性がある。
ルシファーとしても準魔王レベルの悪魔が部下になればありがたいので誘ってみることにした。
「……そうね。そうしましょう。シャリン、あなたも……シャリン!」
しばらくルシファーのところに身を寄せてもいいかもしれない。
シャリンももう少し力をつけるのに何かの保護があればありがたいとクォカドオーンがシャリンの方を振り向いた。
シャリンは一度クォカドオーンを見てニコリと笑うと、走り出した。
ほとんど閉まりかけの門に向かって走ったシャリンは身をよじって隙間から門の中に飛び込んでいった。
「なっ……」
やけに大人しくしている。
そんなふうに思っていたがシャリンはこれを狙っていた。
こちらの世界で一緒にいられないのなら向こうの世界に行って一緒にいればいい。
ただバレると止められるからギリギリのタイミングを狙って飛び込んでやろうとシャリンは考えていたのである。
みんなで門に鍵が使えそうなところを探す。
しかし鍵を差し込めそうな場所もない。
「ん?」
門に鍵を近づけてみると鍵が淡く発光し始める。
鍵が門に近づくほど発光が強くなり、圭は光が強くなるところを探す。
どうやら真ん中付近が一番光が強いらしいけれども門の真ん中に鍵を押し当ててみても光る以外の反応はない。
「あそこ……何かあるぞ!」
ジャンが門の上を指差した。
門の縦の真ん中らへんに凹みが見えた。
それは圭が持っている鍵の形とよく似ている。
「あんなところにどうやって……」
「ケイは私が運ぶ」
「おっと……」
門はデカく、凹みがあるところはかなり高い。
覚醒者である圭が飛び上がっても届くかどうかという高さにあった。
どうしようかと思っていた圭をシャリンが後ろから抱きしめた。
そして黒い翼を羽ばたかせ系を持ち上げて空を飛ぶ。
「ほんとに帰っちゃうの?」
圭にだけ聞こえるようにシャリンがポソリと呟いた。
抱きかかえられている圭には見えていないがシャリンは悲しげな目をしていた。
「ああ……俺は向こうでやらなきゃいけないことがあるんだ」
「ここじゃできない?」
「うん。ここじゃダメなんだ」
「…………」
「俺が帰ってもまた会えるさ。俺と君は繋がってるから」
圭は魂の契約を交わしたせいなのかシャリンとの繋がりを感じていた。
悪魔をどう呼び出すのか知らないけれど繋がりがあるのなら呼び出すこともできそうだ。
ルシファーが人形を使って人の世界にいるので同じような方法が使えたり、他にも何か方法があるかもしれない。
「折を見て俺たちの世界に来ればいい」
本当に呼んでいいのかという問題はあるがひとまず今のところは慰めも兼ねて言葉をかけておく。
「ケイの世界に行く……」
「そうだ。何も俺がここにいるだけが一緒にいる方法じゃないだろ?」
「一緒にいる……」
そんな会話をしている間に門の凹みの前まで上がっていた。
「鍵と同じ形だ」
軽く鍵と凹みを比べてみる。
鍵の形と凹みの形は同じであった。
鍵が放つ光も強くなっている。
「行くぞ……」
圭はゆっくりと門の凹みに鍵を嵌め込んだ。
「うっ!」
鍵を嵌め込んだ瞬間門がゆっくりと開き始めた。
門の中から強い風が吹いて圭とシャリンは少し吹き飛ばされる。
「圭、大丈夫か?」
「シャリンのおかげでなんとか……」
圭は地面に降ろしてもらう。
門は非常にゆっくりとした速度で開いていて、中は紫がかった不思議な世界が広がっている。
「門が……開いたな」
門が完全に開いた。
紫の濃淡が混ざり合うように変化していく不思議な世界は入っても大丈夫なのかという不安を煽り立てる見た目をしている。
「ここに入れば本当に帰れるんだな?」
「多分」
「た……」
「私は入ったことないからな」
「ここにきてそんなこと……」
「嫌ならやめておけ。お前たちがここにいたいというのなら歓迎するぞ」
多分という言葉にジャンが呆れたような顔をした。
ルシファーも門を通れば現世に行けると聞いているが、実際に試したことはないので本当に行けるのか確実なことは言えない。
「行くしかないよ」
ここまできていかないという選択肢はない。
「ルシファー、シャリン、クォカドオーン、ありがとう」
「どうせまたすぐに会うのだ。礼などいらん」
「私は何もしてない。むしろデルマードの存在が感じられて楽しかった」
「……シャリン」
シャリンはむくれたような顔をしたまま圭と視線を合わせない。
まだ圭が帰ることに納得いっていないようだけど、そのうち時間が解決してくれることだろうと圭は苦笑いを浮かべる。
「帰ろう」
圭は門の方を向く。
不安は大きい。
「一気に行く。走り抜けよう」
ゆっくり行くなんて不安しかない。
だから走って飛び込んでしまう。
「……門が閉じ始めているぞ」
時間制限があるようで門が勝手に閉じている。
「圭!」
「ああ、行くぞ!」
圭が走り出してダンテとジャンが続く。
フィーネは戦って疲れたらしく圭の服の中である。
圭が門の中の紫に触れた瞬間姿を消した。
ダンテとジャンも同じく姿が消える。
「お前らは私のところに来ないか?」
「……なぜ?」
「サタンに手を出した。もう他の悪魔から狙われることだろう。私のそばにいれば下手に手を出してくる悪魔などおらん」
魔王レベルのシャリンはともかく準魔王レベルのクォカドオーンは危ないかもしれないとルシファーは思った。
サタンの報復なんてことがあるかは分からないけれど何かに狙われる可能性がある。
ルシファーとしても準魔王レベルの悪魔が部下になればありがたいので誘ってみることにした。
「……そうね。そうしましょう。シャリン、あなたも……シャリン!」
しばらくルシファーのところに身を寄せてもいいかもしれない。
シャリンももう少し力をつけるのに何かの保護があればありがたいとクォカドオーンがシャリンの方を振り向いた。
シャリンは一度クォカドオーンを見てニコリと笑うと、走り出した。
ほとんど閉まりかけの門に向かって走ったシャリンは身をよじって隙間から門の中に飛び込んでいった。
「なっ……」
やけに大人しくしている。
そんなふうに思っていたがシャリンはこれを狙っていた。
こちらの世界で一緒にいられないのなら向こうの世界に行って一緒にいればいい。
ただバレると止められるからギリギリのタイミングを狙って飛び込んでやろうとシャリンは考えていたのである。
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