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第九章
憤怒の悪魔7
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「シャリン!」
クォカドオーンは門に駆け寄ったが門はピッタリと閉じてしまった。
「あの小娘……なんてことを……」
流石のルシファーも驚きを禁じ得ない。
「……まあいいか」
「いいのですか?」
「元々門は悪魔が現世にいくものだ。シャリンが通ったところで問題はない。あとは圭がなんとかするだろうて。それよりも問題はこっちだ」
ルシファーがサタンにトドメを刺さず圭たちに門に行くように促したのには理由があった。
ルシファーの視線の先には空に浮かぶ一体の悪魔がいた。
「くだらぬ調停者のお出ましか」
それはまるで鎧を身につけたような奇妙な悪魔であった。
ルシファーの前に降りてきた悪魔は見上げるほどの大きさがある。
「ルシファー、この世界のバランスを崩すつもりか?」
「そんなつもりはない。私はただ少し門見たかっただけなのにあやつが門に近づくなと邪魔をしたのだ」
「そのようなことで魔王の一柱を半殺しにしたと?」
「私と敵対するということはそれぐらいの覚悟があるということだろう?」
ルシファーやサタンにも劣らぬ強い魔力を持っている鎧の悪魔にクォカドオーンは顔をしかめていた。
「争いと欺瞞の世界で調停者を担う変わり者め」
「誰かが止めねばこの世界は崩壊する」
「そうなればそういうものだったという話だ」
ルシファーの放つ魔力と鎧の悪魔が放つ魔力がぶつかり合って耳鳴りのような甲高い音が鳴る。
直接向けられているわけじゃないからギリギリ大丈夫であるが、少しでも圧力が自分に向けばまた膝を屈してしまうことになるとクォカドオーンは思っていた。
「ただもう用事は終わった。サタンも殺してはおらぬ。調停者たるお前が争いを望むなら喜んで受けるが……」
「争いを止めるのなら……私も貴方とは争わない」
「ふっふっ、相変わらず堅物だ。その力があればお前も魔王になれるのに」
「私は何かを支配するつもりはない。早くここから立ち去るといい」
「嫌だ」
「なに?」
「ここは私がもらう」
ルシファーはニヤリと笑った。
「勝者の権利……サタンは負けた。ここは私のものだ」
門を使う機会があるのかはわからない。
しかしもしかしたらまた使うようなことがある可能性もある。
サタンが門の前に城を構えていたのではまた不要な争いが起こるかもしれない。
シャリンの助けはあったもののルシファーはサタンに勝利した。
命は奪わないけれど負けたものが勝ったものに何かを奪われても文句は言えない。
サタンが支配していた領域をルシファーに奪われても何もいうことはできない。
むしろそれぐらいで済むのならいいかもしれないぐらいである。
「好きにしろ」
鎧の悪魔は魔力を引っ込めてルシファーに背を向ける。
そして地面に倒れるサタンを抱えて飛んでいってしまった。
「あれは……」
「調停者だ。強い悪魔同士の戦いが起こると周りが消し飛んでしまう。そんな時に止めに入るのがあの悪魔……名前も分からず普段どこにいるのかも誰も知らない。ただ調停者と呼ばれている変わり者の悪魔だ」
調停者が圭たちをどうするのかルシファーには予想がつかない。
それに調停者の前でサタンにトドメを刺せば敵対しているとみなされてしまう。
「目的も謎だが……あやつは強い。敵に回すことなどない」
調停者が近づいていると感知したからサタンを放っておいて圭たちを先に脱出させたのである。
「ふん……まあしばらくサタンは動けないだろう。圭たちも帰った。万事解決」
「シャリンは……」
「それは後々考えよう」
その問題は残っているなと思いながらルシファーは門の方をチラリと見た。
「まあ圭がいるから大丈夫だろう」
クォカドオーンは門に駆け寄ったが門はピッタリと閉じてしまった。
「あの小娘……なんてことを……」
流石のルシファーも驚きを禁じ得ない。
「……まあいいか」
「いいのですか?」
「元々門は悪魔が現世にいくものだ。シャリンが通ったところで問題はない。あとは圭がなんとかするだろうて。それよりも問題はこっちだ」
ルシファーがサタンにトドメを刺さず圭たちに門に行くように促したのには理由があった。
ルシファーの視線の先には空に浮かぶ一体の悪魔がいた。
「くだらぬ調停者のお出ましか」
それはまるで鎧を身につけたような奇妙な悪魔であった。
ルシファーの前に降りてきた悪魔は見上げるほどの大きさがある。
「ルシファー、この世界のバランスを崩すつもりか?」
「そんなつもりはない。私はただ少し門見たかっただけなのにあやつが門に近づくなと邪魔をしたのだ」
「そのようなことで魔王の一柱を半殺しにしたと?」
「私と敵対するということはそれぐらいの覚悟があるということだろう?」
ルシファーやサタンにも劣らぬ強い魔力を持っている鎧の悪魔にクォカドオーンは顔をしかめていた。
「争いと欺瞞の世界で調停者を担う変わり者め」
「誰かが止めねばこの世界は崩壊する」
「そうなればそういうものだったという話だ」
ルシファーの放つ魔力と鎧の悪魔が放つ魔力がぶつかり合って耳鳴りのような甲高い音が鳴る。
直接向けられているわけじゃないからギリギリ大丈夫であるが、少しでも圧力が自分に向けばまた膝を屈してしまうことになるとクォカドオーンは思っていた。
「ただもう用事は終わった。サタンも殺してはおらぬ。調停者たるお前が争いを望むなら喜んで受けるが……」
「争いを止めるのなら……私も貴方とは争わない」
「ふっふっ、相変わらず堅物だ。その力があればお前も魔王になれるのに」
「私は何かを支配するつもりはない。早くここから立ち去るといい」
「嫌だ」
「なに?」
「ここは私がもらう」
ルシファーはニヤリと笑った。
「勝者の権利……サタンは負けた。ここは私のものだ」
門を使う機会があるのかはわからない。
しかしもしかしたらまた使うようなことがある可能性もある。
サタンが門の前に城を構えていたのではまた不要な争いが起こるかもしれない。
シャリンの助けはあったもののルシファーはサタンに勝利した。
命は奪わないけれど負けたものが勝ったものに何かを奪われても文句は言えない。
サタンが支配していた領域をルシファーに奪われても何もいうことはできない。
むしろそれぐらいで済むのならいいかもしれないぐらいである。
「好きにしろ」
鎧の悪魔は魔力を引っ込めてルシファーに背を向ける。
そして地面に倒れるサタンを抱えて飛んでいってしまった。
「あれは……」
「調停者だ。強い悪魔同士の戦いが起こると周りが消し飛んでしまう。そんな時に止めに入るのがあの悪魔……名前も分からず普段どこにいるのかも誰も知らない。ただ調停者と呼ばれている変わり者の悪魔だ」
調停者が圭たちをどうするのかルシファーには予想がつかない。
それに調停者の前でサタンにトドメを刺せば敵対しているとみなされてしまう。
「目的も謎だが……あやつは強い。敵に回すことなどない」
調停者が近づいていると感知したからサタンを放っておいて圭たちを先に脱出させたのである。
「ふん……まあしばらくサタンは動けないだろう。圭たちも帰った。万事解決」
「シャリンは……」
「それは後々考えよう」
その問題は残っているなと思いながらルシファーは門の方をチラリと見た。
「まあ圭がいるから大丈夫だろう」
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