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第九章
おかえり、圭1
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煩雑な手続きが終わり圭は日本に帰れることとなった。
シャリンも日本、ひいては圭が保護すると決まり、ダンテも日本に亡命することになった。
その裏ではアザードが人を誘拐して食していたことを公表しないという薄ら黒い取引があったことを圭は知らない。
アメリカから日本への移動は飛行機などを使わない。
圭は覚醒者なのであるから塔を使えばいいのである。
塔のエントランス前まで監視役でもあるアメリカ側の覚醒者に付き添ってもらってやってきた。
世界の各地にある塔だがその見た目はどこも同じで、中に入ると同じ場所に繋がっている。
改めて考えると非常に不思議なものである。
シャリンは両手に荷物を抱えている。
本来何も持っていないはずのシャリンがどうして荷物を抱えているのかというともらったからだ。
シャリンが日本に行ってしまうと聞いた病院スタッフたちが色々とシャリンにくれた。
悪魔教から保護されて身寄りも何も持っているものがないという話が広まって服なんかの必要なものの他に食べ物やおもちゃ、中には現金を渡してきた医者もいた。
必要なくとも悪魔はタダでもらった貢ぎ物を断らない。
だからシャリンは背中にもらったピンクのリュックと両手に紙袋を抱えているのだ。
「これで引き渡しは完了しました」
「やっと帰れるのか……」
日本の覚醒者協会の責任者である木村が最後にいくつかの書類にサインをする。
伊丹が目を細めて笑うの見てようやく帰れるのだという実感が湧いてくる。
今度は日本の覚醒者に付き添われて圭は塔の中に入った。
塔の中、一階になるとかなり見慣れた場所になる。
もう帰ってきた感じが少しある。
「……上手く言ってくれたようで助かった」
「亡命も認められてよかったよ」
塔に入ってすぐに日本のエントランスゲートがあるわけじゃない。
アメリカのエントランスゲートからは多少歩かねばならない。
のんびりと歩いているとダンテが圭の隣に距離を詰めてきた。
日本に亡命することになったダンテはこれから新しい名前などの身分を与えられて日本の覚醒者として活躍することになる。
A級覚醒者なので日本としても歓迎らしい。
魔界が混乱していて悪魔の介入が少なくなるのなら日本で悪魔教を攻撃する一層のチャンスであるとダンテは思っている。
ついでに色々とお世話になっている圭のバックアップも堂々とできるようになった。
なんなら圭のギルドに所属して活動するつもりなのである。
「ルシファー様もご無事であったし……今回生きて帰れたのはお前のおかげだ。命をかけてお前のことを手伝おう」
圭がいないままベルゼブブと戦って魔界に迷い込んでいたらと考えるとダンテは背中がゾッとする。
鍵はおろか食料や水もなくて数日で悪魔のエサになっていただろう。
圭がいたから生きて帰ることができた。
圭には助けられてばかりでそろそろ恩返しをしなくてはダンテのプライドも許せなくなってきてしまう。
「それにしても……悪魔を直接従えるとはな」
ダンテは圭を挟んで逆側にいるシャリンをチラリとみる。
シャリンが付いてきてたと聞いた時にはひどく驚いた。
ベルゼブブとの戦いで悪魔と直接戦うのは甘くないと思い知った。
シャリンが子供になっていたことも驚いたのだが本当に大丈夫なのかという心配はダンテもしていた。
とりあえず圭に懐いているうちは大丈夫だろうというルシファーの言葉を信じるしかない。
基本的には他の人に心を開かないシャリンだけどダンテに対しての態度は悪くない。
なぜなら“お姉様のものだから”らしい。
お姉様と呼んでいるルシファーの使徒だから雑に扱うことをしないようであった。
「従えてるつもりないけど今とりあえず塔に入れて安心したよ」
一応シャリンは覚醒者だと圭は説明していた。
明らかにシャリンから力を感じることがあるのでそう説明せざるを得なかったのだ。
だから塔での移動になったのだけど悪魔であるシャリンが本当に塔に入れるのかちょっと不安であった。
シャリンも無事入れたのでひとまずホッとしている。
「もうすぐ日本です」
モンスターに襲われることもなく日本のエントランスゲートまで辿り着くことができた。
モンスターの侵入や不法に入国しようとする覚醒者を防ぐためにエントランスゲート前には柵が設けられている。
柵には日本の国旗が立てられていて、日本が目の前にあって思わず感動してしまう。
木村がゲートを守る覚醒者に圭たちを連れてきたことを報告して圭たちはゲートを出た。
ゲートの外にも検問を行う場所があって軽いチェックを受けてから外に出る。
「圭!」
「お兄さん!」
「圭君!」
「圭さん!」
「フィーネモイルヨ」
検問所から外に出ると夜滝たちが待ち受けていた。
圭が帰ってくると伊丹から連絡を受けて今か今かと待っていたのである。
他の人にバレないように服の下からチラリとフィーネも姿を覗かせるけれどみんなの目には圭しか映っていない。
「うわっ!」
まずは波瑠が圭に飛び込んだ。
なんとか波瑠のことを受け止めたけれど次に夜滝と薫が飛び込んできた。
耐えきれずに倒れ込んだところに最後に恥ずかしそうにカレンも飛び込む。
「流石に……重いし……恥ずかしい……」
伊丹をはじめとした覚醒者協会の人も見ている。
久々に会ったみんなに潰されながら圭は恥ずかしさと嬉しさが混じった笑顔を浮かべていたのであった。
「むむ……」
そしてシャリンはその様子を険しい顔で見つめていたのである。
ーーーーー
シャリンも日本、ひいては圭が保護すると決まり、ダンテも日本に亡命することになった。
その裏ではアザードが人を誘拐して食していたことを公表しないという薄ら黒い取引があったことを圭は知らない。
アメリカから日本への移動は飛行機などを使わない。
圭は覚醒者なのであるから塔を使えばいいのである。
塔のエントランス前まで監視役でもあるアメリカ側の覚醒者に付き添ってもらってやってきた。
世界の各地にある塔だがその見た目はどこも同じで、中に入ると同じ場所に繋がっている。
改めて考えると非常に不思議なものである。
シャリンは両手に荷物を抱えている。
本来何も持っていないはずのシャリンがどうして荷物を抱えているのかというともらったからだ。
シャリンが日本に行ってしまうと聞いた病院スタッフたちが色々とシャリンにくれた。
悪魔教から保護されて身寄りも何も持っているものがないという話が広まって服なんかの必要なものの他に食べ物やおもちゃ、中には現金を渡してきた医者もいた。
必要なくとも悪魔はタダでもらった貢ぎ物を断らない。
だからシャリンは背中にもらったピンクのリュックと両手に紙袋を抱えているのだ。
「これで引き渡しは完了しました」
「やっと帰れるのか……」
日本の覚醒者協会の責任者である木村が最後にいくつかの書類にサインをする。
伊丹が目を細めて笑うの見てようやく帰れるのだという実感が湧いてくる。
今度は日本の覚醒者に付き添われて圭は塔の中に入った。
塔の中、一階になるとかなり見慣れた場所になる。
もう帰ってきた感じが少しある。
「……上手く言ってくれたようで助かった」
「亡命も認められてよかったよ」
塔に入ってすぐに日本のエントランスゲートがあるわけじゃない。
アメリカのエントランスゲートからは多少歩かねばならない。
のんびりと歩いているとダンテが圭の隣に距離を詰めてきた。
日本に亡命することになったダンテはこれから新しい名前などの身分を与えられて日本の覚醒者として活躍することになる。
A級覚醒者なので日本としても歓迎らしい。
魔界が混乱していて悪魔の介入が少なくなるのなら日本で悪魔教を攻撃する一層のチャンスであるとダンテは思っている。
ついでに色々とお世話になっている圭のバックアップも堂々とできるようになった。
なんなら圭のギルドに所属して活動するつもりなのである。
「ルシファー様もご無事であったし……今回生きて帰れたのはお前のおかげだ。命をかけてお前のことを手伝おう」
圭がいないままベルゼブブと戦って魔界に迷い込んでいたらと考えるとダンテは背中がゾッとする。
鍵はおろか食料や水もなくて数日で悪魔のエサになっていただろう。
圭がいたから生きて帰ることができた。
圭には助けられてばかりでそろそろ恩返しをしなくてはダンテのプライドも許せなくなってきてしまう。
「それにしても……悪魔を直接従えるとはな」
ダンテは圭を挟んで逆側にいるシャリンをチラリとみる。
シャリンが付いてきてたと聞いた時にはひどく驚いた。
ベルゼブブとの戦いで悪魔と直接戦うのは甘くないと思い知った。
シャリンが子供になっていたことも驚いたのだが本当に大丈夫なのかという心配はダンテもしていた。
とりあえず圭に懐いているうちは大丈夫だろうというルシファーの言葉を信じるしかない。
基本的には他の人に心を開かないシャリンだけどダンテに対しての態度は悪くない。
なぜなら“お姉様のものだから”らしい。
お姉様と呼んでいるルシファーの使徒だから雑に扱うことをしないようであった。
「従えてるつもりないけど今とりあえず塔に入れて安心したよ」
一応シャリンは覚醒者だと圭は説明していた。
明らかにシャリンから力を感じることがあるのでそう説明せざるを得なかったのだ。
だから塔での移動になったのだけど悪魔であるシャリンが本当に塔に入れるのかちょっと不安であった。
シャリンも無事入れたのでひとまずホッとしている。
「もうすぐ日本です」
モンスターに襲われることもなく日本のエントランスゲートまで辿り着くことができた。
モンスターの侵入や不法に入国しようとする覚醒者を防ぐためにエントランスゲート前には柵が設けられている。
柵には日本の国旗が立てられていて、日本が目の前にあって思わず感動してしまう。
木村がゲートを守る覚醒者に圭たちを連れてきたことを報告して圭たちはゲートを出た。
ゲートの外にも検問を行う場所があって軽いチェックを受けてから外に出る。
「圭!」
「お兄さん!」
「圭君!」
「圭さん!」
「フィーネモイルヨ」
検問所から外に出ると夜滝たちが待ち受けていた。
圭が帰ってくると伊丹から連絡を受けて今か今かと待っていたのである。
他の人にバレないように服の下からチラリとフィーネも姿を覗かせるけれどみんなの目には圭しか映っていない。
「うわっ!」
まずは波瑠が圭に飛び込んだ。
なんとか波瑠のことを受け止めたけれど次に夜滝と薫が飛び込んできた。
耐えきれずに倒れ込んだところに最後に恥ずかしそうにカレンも飛び込む。
「流石に……重いし……恥ずかしい……」
伊丹をはじめとした覚醒者協会の人も見ている。
久々に会ったみんなに潰されながら圭は恥ずかしさと嬉しさが混じった笑顔を浮かべていたのであった。
「むむ……」
そしてシャリンはその様子を険しい顔で見つめていたのである。
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