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第九章
門を探して3
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「ほ、本物か?」
「どう思う? 私の目にはまだ開いてもいないように見えるが」
たとえ商人だとしても油断はできない。
商人でも悪魔は悪魔。
騙し騙されは悪魔の世界でも日常である。
食いついたからといって交渉の成功ではなく、悪魔の方も騙されているのではないかと疑っている。
「普通のパンでもなくパンの缶詰……」
悪魔は圭の手にあるパンの缶詰を凝視して悩んでいる。
「はよ決め」
「うーん……」
「疑うならいい。他に持っていくだけだ」
「ままままま、待ってくれ!」
「情報よこすのか?」
別の商人のところに行こうとした圭を悪魔が引き止める。
「も、もう二個……」
「なんだと? たかだか少し場所を教えるぐらいでまだ欲を出すか? いくぞ圭」
「そうではない!」
「ならばなんだというのだ?」
門がある場所を尋ねただけである。
どこにあると口に出すだけなのにパン三つとは過分な要求だ。
「三つでいいものをくれてやろう」
「いいものだと?」
「待ってろ! えーと……確かここらに……」
悪魔は後ろにあったボロボロのリュックを漁る。
水色をした小学生の子供が使いそうなもので悪魔が持つには似つかわしくない。
きっと何かで代償として捧げられたものなのかもしれないと圭は少し苦々しい気分になった。
「もしかしたら……人ごと捧げられたのかもな」
「やめてくれ」
圭の心中を察したようにルシファーが言葉を続けた。
あまり考えないようにしていた可能性をルシファーはさらりと指摘した。
やはり悪魔、そして魔界なのだなと改めて思う。
「あったあった」
悪魔はリュックの中から丸められた紙を取り出した。
「それは?」
「第二階層の地図だ」
「地図だと?」
ルシファーは驚いたような顔をした。
圭は地図ぐらいあってもおかしくないだろうと思ったのだけどそうではなさそうである。
「物好きな悪魔がいて回った町なんかを描き込んであるんだ。門もある町にあってここに描いてあるんだ」
「……いいだろう。三つだな」
一度圭と視線を合わせたルシファーは頷いた。
圭はさらに二つパンの缶詰を取り出して悪魔に渡す。
「へへ……これが人間の食べ物か」
圭に地図を渡した悪魔はニヤニヤと笑っている。
「門の場所だが地図の右の方にある……この町にある」
パンの缶詰を開けたい気持ちを抑えて悪魔が地図の上を指差す。
地図には簡易的な地形といくつかの町が描き込んであり、中でも大きな町のそばに石の扉のようなマークが描いてあった。
悪魔によるとこれが圭たちの探している門というやつのことらしい。
「圭……」
「わかった。おい」
「なんだ? これはもう返さないぞ?」
「そうじゃない」
そういって圭はもう一つパンの缶詰を投げ渡す。
「これは……」
「俺たちのことは忘れろ。いいな?」
「……どちら様ですか?」
悪魔はニタリと凶悪な笑みを浮かべる。
理解が速くて助かる。
「他の者に目をつけられる前に行こう」
「……そうだな」
必要なものは手に入れた。
それどころか簡易的なものであるが地図まで手に入れることができたので圭たちは足早に広場を離れていく。
「ぐへへっ……おおっ! ホンモノだ!」
悪魔は一つ缶詰を開けてみてこっそりと中身を食う。
「美味いな! 人間などくだらない生き物だが……飯を作ることだけは認めざるを得ないな。人間の食料、入荷したぞー!」
悪魔はパンの缶詰を掲げて大きく宣伝する。
人間の食料と聞いて周りの悪魔の目の色が変わる。
「へへ……良い取引だった」
悪魔にとっては地図など紙切れにすぎない。
それでこれだけのものを得られたのだから得をしたと悪魔はパンの缶詰を欲しがり群がる悪魔たちをみながら高笑いしていた。
「どう思う? 私の目にはまだ開いてもいないように見えるが」
たとえ商人だとしても油断はできない。
商人でも悪魔は悪魔。
騙し騙されは悪魔の世界でも日常である。
食いついたからといって交渉の成功ではなく、悪魔の方も騙されているのではないかと疑っている。
「普通のパンでもなくパンの缶詰……」
悪魔は圭の手にあるパンの缶詰を凝視して悩んでいる。
「はよ決め」
「うーん……」
「疑うならいい。他に持っていくだけだ」
「ままままま、待ってくれ!」
「情報よこすのか?」
別の商人のところに行こうとした圭を悪魔が引き止める。
「も、もう二個……」
「なんだと? たかだか少し場所を教えるぐらいでまだ欲を出すか? いくぞ圭」
「そうではない!」
「ならばなんだというのだ?」
門がある場所を尋ねただけである。
どこにあると口に出すだけなのにパン三つとは過分な要求だ。
「三つでいいものをくれてやろう」
「いいものだと?」
「待ってろ! えーと……確かここらに……」
悪魔は後ろにあったボロボロのリュックを漁る。
水色をした小学生の子供が使いそうなもので悪魔が持つには似つかわしくない。
きっと何かで代償として捧げられたものなのかもしれないと圭は少し苦々しい気分になった。
「もしかしたら……人ごと捧げられたのかもな」
「やめてくれ」
圭の心中を察したようにルシファーが言葉を続けた。
あまり考えないようにしていた可能性をルシファーはさらりと指摘した。
やはり悪魔、そして魔界なのだなと改めて思う。
「あったあった」
悪魔はリュックの中から丸められた紙を取り出した。
「それは?」
「第二階層の地図だ」
「地図だと?」
ルシファーは驚いたような顔をした。
圭は地図ぐらいあってもおかしくないだろうと思ったのだけどそうではなさそうである。
「物好きな悪魔がいて回った町なんかを描き込んであるんだ。門もある町にあってここに描いてあるんだ」
「……いいだろう。三つだな」
一度圭と視線を合わせたルシファーは頷いた。
圭はさらに二つパンの缶詰を取り出して悪魔に渡す。
「へへ……これが人間の食べ物か」
圭に地図を渡した悪魔はニヤニヤと笑っている。
「門の場所だが地図の右の方にある……この町にある」
パンの缶詰を開けたい気持ちを抑えて悪魔が地図の上を指差す。
地図には簡易的な地形といくつかの町が描き込んであり、中でも大きな町のそばに石の扉のようなマークが描いてあった。
悪魔によるとこれが圭たちの探している門というやつのことらしい。
「圭……」
「わかった。おい」
「なんだ? これはもう返さないぞ?」
「そうじゃない」
そういって圭はもう一つパンの缶詰を投げ渡す。
「これは……」
「俺たちのことは忘れろ。いいな?」
「……どちら様ですか?」
悪魔はニタリと凶悪な笑みを浮かべる。
理解が速くて助かる。
「他の者に目をつけられる前に行こう」
「……そうだな」
必要なものは手に入れた。
それどころか簡易的なものであるが地図まで手に入れることができたので圭たちは足早に広場を離れていく。
「ぐへへっ……おおっ! ホンモノだ!」
悪魔は一つ缶詰を開けてみてこっそりと中身を食う。
「美味いな! 人間などくだらない生き物だが……飯を作ることだけは認めざるを得ないな。人間の食料、入荷したぞー!」
悪魔はパンの缶詰を掲げて大きく宣伝する。
人間の食料と聞いて周りの悪魔の目の色が変わる。
「へへ……良い取引だった」
悪魔にとっては地図など紙切れにすぎない。
それでこれだけのものを得られたのだから得をしたと悪魔はパンの缶詰を欲しがり群がる悪魔たちをみながら高笑いしていた。
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