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第九章
門を探して2
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「にしてもやっぱり少し変だよな」
だいぶ悪魔の町が近くに見えてきて圭は呟いた。
悪魔の町は土や岩でできている。
ルシファーによると魔界にはあまり木がないらしい。
ただの木のように見えてもトレントのような意思を持った悪魔であることがほとんどで伐採して家を建てるようなことはまず無理なのである。
悪魔が家を作る時には周りにありふれている土や岩を魔法で固める。
そこまでは理解できるのだが悪魔の町の家の形はさまざまであるのだ。
岩を使ったような家は海外にもあってそうした形の家も悪魔の町にある。
しかしこれだけではなくまるで日本の伝統的な家を真似したような見た目をした家の形まである。
全部が黒い土でできているので大きなオモチャみたいなのが印象も受ける。
他にもビルっぽかったりデカいテントのようだったりと素材はほぼ同じなのに形だけはバリエーションが豊かなのである。
少しというか、かなり変。
「元々悪魔に家などという文化はない。だからこうしたものは全て人間から流れてきたものなのだ。そして悪魔は世界中、あるいはどのような時間にも存在していた。どの悪魔がいつどこに呼び出されたか、それによって作る家も違うのだ」
悪魔が呼び出された時代や場所によって受ける影響も変わってくる。
古い日本に呼び出されたことがある悪魔で影響を受けたものは日本風の家を作り、ヨーロッパなどに呼び出されたことがある悪魔ならヨーロッパ風の家を作る。
今ならビルだっているしどこかのテントで呼び出されたこともあるだろう。
色々な経験を持つ悪魔が各々好きなように家を建てた結果黒い土や岩で作られた文化の違う家の集合たる町が出来上がっているのである。
「だから道なんかも歪んでるのか」
道もさまざま。
車なんかないので道路なんて必要ないが道路のような形をした道があったり、道路もないようなところもある。
区画整理なんてものもされておらずに好き勝手に家を建てるので道もまっすぐじゃない。
しっかりと道がある日本を知っている圭からするとなんだか気持ち悪くも思えてしまう。
「それでどうやって情報を集める?」
ジャンも悪魔にジロジロと見られることを気にしなくなってきた。
第三階層では明らかに悪魔って感じの見た目をしたものが多かったけれど第二階層の町では人っぽいものにツノが生えていたりと人に近い姿をしている悪魔もいた。
「どこかに市場のようなものがあるはずだ。探すぞ」
そこらを歩いている悪魔に何かを尋ねても望んだ答えを得られる可能性は低い。
物を売っている悪魔なら商人として色々なところを行き来し、情報についても耳にしている可能性が高い。
それに食べ物を使った交渉もただの悪魔よりやりやすくもなる。
悪魔の町の中を歩いていくと広場のような場所に出た。
「ここならよさそうだ」
屋台のような物もあればお店っぽい物もある。
「あれのれんじゃなくてジーパンだぞ……」
お店っぽい建物の入り口にはのれんのようなものがかけられているけれどよく見たらボロボロになったジーパンであった。
「じゃあお店か何かで聞いてみましょうか」
「いーや、あやつに聞こう」
ダンテは適当なお店に入って聞こうとしたのだがルシファーが指差したのはそこらで布を敷いて商品を広げている弱そうな悪魔だった。
「なぜあんなのに聞く?」
力もなさそうだし役に立つような悪魔には見えないとジャンは首を振る。
「店を持つものが他所へ行くと思うか?」
「……いや」
「あの屋台のものも同じ形だけ似せているがタイヤも土なのだ、魔界を走り回ることはできん。対してあやつは身軽だ。商品を布で包んでどこの町にでも行ける」
悪魔は自分の興味のあること以外に興味を示さない。
店をやっていれば情報を得ることもあるだろうがくだらない世間話なんかをしないものが多いので意外と情報を持っていないのだ。
対して露店のようにやっている悪魔なら移動は自由だし道端にいれば色々な話も耳にする。
ついでに弱そうということもポイントで弱い悪魔は大体口が上手い。
情報すら金になると知っていることもあるのだ。
「まあ次にいけばいい」
聞いてみて何も分からなければ他にも聞けそうな相手はたくさんいるのだ。
「ちょっとよいか?」
「なんだい? 気になるものでもあるか?」
ルシファーを抱えた圭が悪魔に近づいてルシファーが声をかける。
「これなんかどうだい? 人間の装飾品だ」
悪魔は布の上に広げられたものから古ぼけた指輪をつまみ上げて圭に見せる。
「自分の夫を呪い殺してほしいなんて言った女が代償として差し出したものだ」
悪魔はニヤリと笑う。
悪魔というより黒くて賢いゴブリンみたいだと圭は思った。
「よい、それより聞きたいことがある」
「聞きたいこと? まあいいがタダじゃない」
「分かっておる。門のある場所がどこか知りたい」
「門? あの人間の世界と繋がるあの門か?」
「そうだ」
「……知ってるぞ」
「ならば……」
「あぁ、言っただろ。タダじゃない」
「分かっておると言っただろ?」
「これは?」
圭は缶詰を取り出した。
事前に袋から取り出しておいたものだ。
「パンの缶詰だ」
「パ、パンの缶詰!?」
悪魔は大きな声を出してしまい慌てて自分の口を手で塞ぐ。
だいぶ悪魔の町が近くに見えてきて圭は呟いた。
悪魔の町は土や岩でできている。
ルシファーによると魔界にはあまり木がないらしい。
ただの木のように見えてもトレントのような意思を持った悪魔であることがほとんどで伐採して家を建てるようなことはまず無理なのである。
悪魔が家を作る時には周りにありふれている土や岩を魔法で固める。
そこまでは理解できるのだが悪魔の町の家の形はさまざまであるのだ。
岩を使ったような家は海外にもあってそうした形の家も悪魔の町にある。
しかしこれだけではなくまるで日本の伝統的な家を真似したような見た目をした家の形まである。
全部が黒い土でできているので大きなオモチャみたいなのが印象も受ける。
他にもビルっぽかったりデカいテントのようだったりと素材はほぼ同じなのに形だけはバリエーションが豊かなのである。
少しというか、かなり変。
「元々悪魔に家などという文化はない。だからこうしたものは全て人間から流れてきたものなのだ。そして悪魔は世界中、あるいはどのような時間にも存在していた。どの悪魔がいつどこに呼び出されたか、それによって作る家も違うのだ」
悪魔が呼び出された時代や場所によって受ける影響も変わってくる。
古い日本に呼び出されたことがある悪魔で影響を受けたものは日本風の家を作り、ヨーロッパなどに呼び出されたことがある悪魔ならヨーロッパ風の家を作る。
今ならビルだっているしどこかのテントで呼び出されたこともあるだろう。
色々な経験を持つ悪魔が各々好きなように家を建てた結果黒い土や岩で作られた文化の違う家の集合たる町が出来上がっているのである。
「だから道なんかも歪んでるのか」
道もさまざま。
車なんかないので道路なんて必要ないが道路のような形をした道があったり、道路もないようなところもある。
区画整理なんてものもされておらずに好き勝手に家を建てるので道もまっすぐじゃない。
しっかりと道がある日本を知っている圭からするとなんだか気持ち悪くも思えてしまう。
「それでどうやって情報を集める?」
ジャンも悪魔にジロジロと見られることを気にしなくなってきた。
第三階層では明らかに悪魔って感じの見た目をしたものが多かったけれど第二階層の町では人っぽいものにツノが生えていたりと人に近い姿をしている悪魔もいた。
「どこかに市場のようなものがあるはずだ。探すぞ」
そこらを歩いている悪魔に何かを尋ねても望んだ答えを得られる可能性は低い。
物を売っている悪魔なら商人として色々なところを行き来し、情報についても耳にしている可能性が高い。
それに食べ物を使った交渉もただの悪魔よりやりやすくもなる。
悪魔の町の中を歩いていくと広場のような場所に出た。
「ここならよさそうだ」
屋台のような物もあればお店っぽい物もある。
「あれのれんじゃなくてジーパンだぞ……」
お店っぽい建物の入り口にはのれんのようなものがかけられているけれどよく見たらボロボロになったジーパンであった。
「じゃあお店か何かで聞いてみましょうか」
「いーや、あやつに聞こう」
ダンテは適当なお店に入って聞こうとしたのだがルシファーが指差したのはそこらで布を敷いて商品を広げている弱そうな悪魔だった。
「なぜあんなのに聞く?」
力もなさそうだし役に立つような悪魔には見えないとジャンは首を振る。
「店を持つものが他所へ行くと思うか?」
「……いや」
「あの屋台のものも同じ形だけ似せているがタイヤも土なのだ、魔界を走り回ることはできん。対してあやつは身軽だ。商品を布で包んでどこの町にでも行ける」
悪魔は自分の興味のあること以外に興味を示さない。
店をやっていれば情報を得ることもあるだろうがくだらない世間話なんかをしないものが多いので意外と情報を持っていないのだ。
対して露店のようにやっている悪魔なら移動は自由だし道端にいれば色々な話も耳にする。
ついでに弱そうということもポイントで弱い悪魔は大体口が上手い。
情報すら金になると知っていることもあるのだ。
「まあ次にいけばいい」
聞いてみて何も分からなければ他にも聞けそうな相手はたくさんいるのだ。
「ちょっとよいか?」
「なんだい? 気になるものでもあるか?」
ルシファーを抱えた圭が悪魔に近づいてルシファーが声をかける。
「これなんかどうだい? 人間の装飾品だ」
悪魔は布の上に広げられたものから古ぼけた指輪をつまみ上げて圭に見せる。
「自分の夫を呪い殺してほしいなんて言った女が代償として差し出したものだ」
悪魔はニヤリと笑う。
悪魔というより黒くて賢いゴブリンみたいだと圭は思った。
「よい、それより聞きたいことがある」
「聞きたいこと? まあいいがタダじゃない」
「分かっておる。門のある場所がどこか知りたい」
「門? あの人間の世界と繋がるあの門か?」
「そうだ」
「……知ってるぞ」
「ならば……」
「あぁ、言っただろ。タダじゃない」
「分かっておると言っただろ?」
「これは?」
圭は缶詰を取り出した。
事前に袋から取り出しておいたものだ。
「パンの缶詰だ」
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悪魔は大きな声を出してしまい慌てて自分の口を手で塞ぐ。
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