450 / 515
第九章
影響ここにもあり2
しおりを挟む
「ピ……マスター」
「何だ?」
急にフィーネが立ち止まった。
何か空を見上げるように見ていて、圭も同じく空を見る。
「何だあれ?」
何かが空に立ち上って渦巻く紫色の雲みたいものを作り出していた。
それが何なのか分からなくて圭は眉をひそめた。
「あれ、何なのか分かるか?」
「分からん」
圭は肩に乗るルシファーに声をかけたけれどルシファーにもそれが何なのか分からなかった。
「ただ一つ言えるのはあんなものいつもはないということだ」
「つまり何かしらの異常が起きてるってことだな」
「どうにも嫌な予感がしよる」
見ていて気分の良さそうなものではないということは圭も思う。
良くないことでも自分たちに関わりがなければいいのだけどちょうど門がある町の方角に見えているのでかなり不安に思ってしまう。
「それにしてもどこから立ち上ってるんだ?」
ジャンが目を凝らして先の方を見てみるが何も見えない。
平坦なように見えて今は緩やかな丘を登っているようで紫の雲が立ち上る元のところは見えなかった。
「ともかく前に進むしかないか」
少なくとも何かがあるという可能性は大きい。
不安を抱えつつも圭たちは歩みを進める。
「……町だ。それもかなり大きい」
丘の一番上までやってきた。
高低差としてはほとんどないけれど多少周りから高くなっているので周りのことがよく見えた。
だいぶ先の方に町が見えた。
さらにその町はこれまで見てきた町よりもかなり大きい。
「あれもあそこ立ち上っているようだな」
紫の雲も町の中から上っているようであった。
規模が大きくても黒い土の建物なことに変わりはない。
むしろ規模が大きくなった分いろいろな国や時代の建物がごちゃ混ぜになった感じが強かった。
「一つ聞きたい。門はどこにある?」
「門? 観光か? 門なら向こう」
町に入ってきた圭たちは道を歩く悪魔に門の場所を聞く。
ルシファーが声をかけると悪魔はじろじろと圭たちのことを見ながらも軽く門の場所を教えてくれた。
門があるということは
「ただ今は……まあ行ってみれば分かる」
「……なんだ、あの含みのある言い方?」
別れ際に悪魔は何かを言いかけたが最後まで言うこともなく肩をすくめて去っていった。
それにもまた嫌な予感がすると思いながら圭たちは門に向かった。
「門……から出てるよな?」
「そうだな……あれから出ているように見える」
紫の雲の雲が立ち上っているところは門の方角だった。
そして歩いていくと石の巨大な門が見えた。
塔の中にあるエントランスの入り口にも似たようなものがあった記憶がある。
そして門は今少し開いていて、その隙間から紫の雲が出てきているのだ。
「少しすまぬ。門で何が起きている?」
さらに門に近づいてみると数人の悪魔が道を塞ぐように立っていた。
近づくのも物々しい雰囲気なのでその手前にいた悪魔に話を聞いてみる。
「さぁな。何があったかは知らんが門に異常があるらしい。しばらく門の方に近づくなだとよ」
悪魔は苛立ったように答えた。
圭たちが話しかけたから苛立っているのではなく、門までの道を封鎖されているから苛立っているのだった。
「仕方ない。あれに聞いてみるか」
周りにいる悪魔は事情を知らないようなので封鎖している悪魔の方に聞いてみることにした。
「これより先には通せない」
近づく圭たちを見て封鎖している悪魔が顔をしかめる。
「なぜ封鎖をしているか聞きたい」
「それも話せない」
「いつ問題は収まる?」
「問題などない」
「そんなわけ……」
「いいから立ち去れ! 問題を起こすとモルデベルド様がお怒りになるぞ!」
「……ふぅ、一度離れるぞ」
話が通じないとルシファーはため息をつく。
あまり刺激してもよくないので封鎖している悪魔から離れる。
「どうやら問題のようですね」
問題はないなどというけれど問題がないのに封鎖なんてことをするはずがない。
門に何かがあったことは確実である。
「他のところ見てみよう」
どこか封鎖されていないところがあるかもしれない。
門に近づけるところはないかと圭たちは探してみることにした。
ーーーーー
「どこにもないな。全部封鎖されている」
ジャンは盛大にため息をついた。
門に行ける全ての道を悪魔が封鎖している。
中には一触即発の空気になっているところもあって、封鎖が急であり何の説明もないことがうかがえた。
しかしモルデベルドという悪魔が背後にいるためか無理に突破しようとする悪魔もいない。
「何かというとモルデベルドという悪魔のことを押し出してくるけどなんなんだ?」
「モルデベルドは第二階層で門を管理している大悪魔だ。準魔王クラスの強さを誇っていて悪魔にしては珍しく真面目に門のことを守っている……というのが聞いた話だ」
争いになりかけてもモルデベルドという名前を出されると悪魔たちは引き下がる。
よほど強い存在なのだろうとジャンは思った。
「どうしたらいい?」
突破はできるだろう。
しかし門についても何も知らず、調べるつもりでここにきていた。
突破したところで門から帰る方法が分からなければいらぬ争いを生むだけなのだ。
「何だ?」
急にフィーネが立ち止まった。
何か空を見上げるように見ていて、圭も同じく空を見る。
「何だあれ?」
何かが空に立ち上って渦巻く紫色の雲みたいものを作り出していた。
それが何なのか分からなくて圭は眉をひそめた。
「あれ、何なのか分かるか?」
「分からん」
圭は肩に乗るルシファーに声をかけたけれどルシファーにもそれが何なのか分からなかった。
「ただ一つ言えるのはあんなものいつもはないということだ」
「つまり何かしらの異常が起きてるってことだな」
「どうにも嫌な予感がしよる」
見ていて気分の良さそうなものではないということは圭も思う。
良くないことでも自分たちに関わりがなければいいのだけどちょうど門がある町の方角に見えているのでかなり不安に思ってしまう。
「それにしてもどこから立ち上ってるんだ?」
ジャンが目を凝らして先の方を見てみるが何も見えない。
平坦なように見えて今は緩やかな丘を登っているようで紫の雲が立ち上る元のところは見えなかった。
「ともかく前に進むしかないか」
少なくとも何かがあるという可能性は大きい。
不安を抱えつつも圭たちは歩みを進める。
「……町だ。それもかなり大きい」
丘の一番上までやってきた。
高低差としてはほとんどないけれど多少周りから高くなっているので周りのことがよく見えた。
だいぶ先の方に町が見えた。
さらにその町はこれまで見てきた町よりもかなり大きい。
「あれもあそこ立ち上っているようだな」
紫の雲も町の中から上っているようであった。
規模が大きくても黒い土の建物なことに変わりはない。
むしろ規模が大きくなった分いろいろな国や時代の建物がごちゃ混ぜになった感じが強かった。
「一つ聞きたい。門はどこにある?」
「門? 観光か? 門なら向こう」
町に入ってきた圭たちは道を歩く悪魔に門の場所を聞く。
ルシファーが声をかけると悪魔はじろじろと圭たちのことを見ながらも軽く門の場所を教えてくれた。
門があるということは
「ただ今は……まあ行ってみれば分かる」
「……なんだ、あの含みのある言い方?」
別れ際に悪魔は何かを言いかけたが最後まで言うこともなく肩をすくめて去っていった。
それにもまた嫌な予感がすると思いながら圭たちは門に向かった。
「門……から出てるよな?」
「そうだな……あれから出ているように見える」
紫の雲の雲が立ち上っているところは門の方角だった。
そして歩いていくと石の巨大な門が見えた。
塔の中にあるエントランスの入り口にも似たようなものがあった記憶がある。
そして門は今少し開いていて、その隙間から紫の雲が出てきているのだ。
「少しすまぬ。門で何が起きている?」
さらに門に近づいてみると数人の悪魔が道を塞ぐように立っていた。
近づくのも物々しい雰囲気なのでその手前にいた悪魔に話を聞いてみる。
「さぁな。何があったかは知らんが門に異常があるらしい。しばらく門の方に近づくなだとよ」
悪魔は苛立ったように答えた。
圭たちが話しかけたから苛立っているのではなく、門までの道を封鎖されているから苛立っているのだった。
「仕方ない。あれに聞いてみるか」
周りにいる悪魔は事情を知らないようなので封鎖している悪魔の方に聞いてみることにした。
「これより先には通せない」
近づく圭たちを見て封鎖している悪魔が顔をしかめる。
「なぜ封鎖をしているか聞きたい」
「それも話せない」
「いつ問題は収まる?」
「問題などない」
「そんなわけ……」
「いいから立ち去れ! 問題を起こすとモルデベルド様がお怒りになるぞ!」
「……ふぅ、一度離れるぞ」
話が通じないとルシファーはため息をつく。
あまり刺激してもよくないので封鎖している悪魔から離れる。
「どうやら問題のようですね」
問題はないなどというけれど問題がないのに封鎖なんてことをするはずがない。
門に何かがあったことは確実である。
「他のところ見てみよう」
どこか封鎖されていないところがあるかもしれない。
門に近づけるところはないかと圭たちは探してみることにした。
ーーーーー
「どこにもないな。全部封鎖されている」
ジャンは盛大にため息をついた。
門に行ける全ての道を悪魔が封鎖している。
中には一触即発の空気になっているところもあって、封鎖が急であり何の説明もないことがうかがえた。
しかしモルデベルドという悪魔が背後にいるためか無理に突破しようとする悪魔もいない。
「何かというとモルデベルドという悪魔のことを押し出してくるけどなんなんだ?」
「モルデベルドは第二階層で門を管理している大悪魔だ。準魔王クラスの強さを誇っていて悪魔にしては珍しく真面目に門のことを守っている……というのが聞いた話だ」
争いになりかけてもモルデベルドという名前を出されると悪魔たちは引き下がる。
よほど強い存在なのだろうとジャンは思った。
「どうしたらいい?」
突破はできるだろう。
しかし門についても何も知らず、調べるつもりでここにきていた。
突破したところで門から帰る方法が分からなければいらぬ争いを生むだけなのだ。
15
あなたにおすすめの小説
シスターヴレイヴ!~上司に捨て駒にされ会社をクビになり無職ニートになった俺が妹と異世界に飛ばされ妹が勇者になったけど何とか生きてます~
尾山塩之進
ファンタジー
鳴鐘 慧河(なるがね けいが)25歳は上司に捨て駒にされ会社をクビになってしまい世の中に絶望し無職ニートの引き籠りになっていたが、二人の妹、優羽花(ゆうか)と静里菜(せりな)に元気づけられて再起を誓った。
だがその瞬間、妹たち共々『魔力満ちる世界エゾン・レイギス』に異世界召喚されてしまう。
全ての人間を滅ぼそうとうごめく魔族の長、大魔王を倒す星剣の勇者として、セカイを護る精霊に召喚されたのは妹だった。
勇者である妹を討つべく襲い来る魔族たち。
そして慧河より先に異世界召喚されていた慧河の元上司はこの異世界の覇権を狙い暗躍していた。
エゾン・レイギスの人間も一枚岩ではなく、様々な思惑で持って動いている。
これは戦乱渦巻く異世界で、妹たちを護ると一念発起した、勇者ではない只の一人の兄の戦いの物語である。
…その果てに妹ハーレムが作られることになろうとは当人には知るよしも無かった。
妹とは血の繋がりであろうか?
妹とは魂の繋がりである。
兄とは何か?
妹を護る存在である。
かけがいの無い大切な妹たちとのセカイを護る為に戦え!鳴鐘 慧河!戦わなければ護れない!
転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです
NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた
現実世界にダンジョンが出現したのでフライングして最強に!
おとうふ
ファンタジー
2026年、突如として世界中にダンジョンが出現した。
ダンジョン内は無尽蔵にモンスターが湧き出し、それを倒すことでレベルが上がり、ステータスが上昇するという不思議空間だった。
過去の些細な事件のトラウマを克服できないまま、不登校の引きこもりになっていた中学2年生の橘冬夜は、好奇心から自宅近くに出現したダンジョンに真っ先に足を踏み入れた。
ダンジョンとは何なのか。なぜ出現したのか。その先に何があるのか。
世界が大混乱に陥る中、何もわからないままに、冬夜はこっそりとダンジョン探索にのめり込んでいく。
やがて来る厄災の日、そんな冬夜の好奇心が多くの人の命を救うことになるのだが、それはまだ誰も知らぬことだった。
至らぬところも多いと思いますが、よろしくお願いします!
天城の夢幻ダンジョン攻略と無限の神空間で超絶レベリング ~ガチャスキルに目覚めた俺は無職だけどダンジョンを攻略してトップの探索士を目指す~
仮実谷 望
ファンタジー
無職になってしまった摩廻天重郎はある日ガチャを引くスキルを得る。ガチャで得た鍛錬の神鍵で無限の神空間にたどり着く。そこで色々な異世界の住人との出会いもある。神空間で色んなユニットを配置できるようになり自分自身だけレベリングが可能になりどんどんレベルが上がっていく。可愛いヒロイン多数登場予定です。ガチャから出てくるユニットも可愛くて強いキャラが出てくる中、300年の時を生きる謎の少女が暗躍していた。ダンジョンが一般に知られるようになり動き出す政府の動向を観察しつつ我先へとダンジョンに入りたいと願う一般人たちを跳ね除けて天重郎はトップの探索士を目指して生きていく。次々と美少女の探索士が天重郎のところに集まってくる。天重郎は最強の探索士を目指していく。他の雑草のような奴らを跳ね除けて天重郎は最強への道を歩み続ける。
焔の幽閉者!自由を求めて最強への道を歩む!!
雷覇
ファンタジー
とある出来事で自身も所属する焔木一族から幽閉された男「焔木海人」。
その幽閉生活も一人の少女の来訪により終わりを迎える。
主人公は一族に自身の力を認めさせるため最強の力を求め続ける。
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編
荷物持ちだけど最強です、空間魔法でラクラク発明
まったりー
ファンタジー
主人公はダンジョンに向かう冒険者の荷物を持つポーターと言う職業、その職業に必須の収納魔法を持っていないことで悲惨な毎日を過ごしていました。
そんなある時仕事中に前世の記憶がよみがえり、ステータスを確認するとユニークスキルを持っていました。
その中に前世で好きだったゲームに似た空間魔法があり街づくりを始めます、そしてそこから人生が思わぬ方向に変わります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる