やがて王になりし転生ゴブリン〜何度転生してもゴブリンだけど次のゴブ生こそ魔王を倒してみせる〜

犬型大

文字の大きさ
30 / 301
第一章

ゴブリンはゴブリンに会いに行きます1

しおりを挟む
 見た目的には違うが弱くて集団を成し、似たような性質もあるゴブリンとコボルトであるが違う点もある。
 それは溜め込むか、溜め込まないかである。

 ゴブリンは貯め込む。
 戦利品など、例えば冒険者に勝ったらその持ち物を巣に持ち帰って溜めておいたりする。

 そのためにドゥゼアが生まれたゴブリンの巣でも古臭い武器などが置いてあったりした。
 収集癖とでもいうのか、そのゴブリンの集団によってどこまで集めるのかは違いがあるけれど何かしら集めておくことがほとんどである。

 対してコボルトは集めない、溜め込まない。
 これはゴブリンに比べて移動することも多いためなのだろう。

 コボルトは自分の武器さえあれば他の戦利品を持ち帰ることは少ない。
 だからゴブリンがコボルトの後に残ったものを持ち帰るようなこともある。

 つまり何が言いたいかというと。

「何もねえな」

「……申し訳ない」

 コボルトたちはウルフに抵抗するために使えそうな道具も持っていないということになる。
 予備の武器なんか少しだけは道具もあるけれどこれもコボルト全体で抵抗しようと思ったら使ってしまう。

 真っ向勝負でコボルトがウルフには勝てない。
 ならば味方を増やして戦うか、知恵を絞るしかない。

「やっぱりゴブリンだな」

 自力でどうにかする方法は考えるがせめてもう少し武器ぐらい欲しい。
 ゴブリンそのものが手伝ってくれなくても溜め込んでいるものぐらいなら持って行ってもいいだろう。

 というから大体溜め込むだけで使いもしないのだから。

「俺がゴブリンのところに行ってみるつもりだ」

 物ぐらいの手助けならしてもらえる可能性がある。
 同族のゴブリンのドゥゼアが交渉したならゴブリンそのものが手伝ってくれる可能性もまだある。

 ウルフも直ぐに攻めてはこない。
 というのもウルフは先に先発隊を送り込んで来てコボルトを襲い、その後にこの場所を明け渡すように言ってきた。

 本隊は狩りをしながら少しずつコボルトの巣に近づいているようであった。
 なのでまだ数日余裕はありそうだった。

「何があるかも分からない道具だけ期待はしていられない。

 だからお前たちも準備はするんだ」

 まずドゥゼアはコボルトの確認をする。
 命をかけた戦いなのでこの際子供だろうと年寄りだろうと戦う。

 それでも総数としては30ちょっとでコボルトの群れとしては頑張っているがウルフを相手にしようと思ったら多くはない。
 装備は貧弱。

 最初にあったコボルトはまだマシで武器を持たないコボルトもいる。
 まあゴブリンよりも爪や牙で戦うことが多いのでしょうがない側面はある。

 次に場所の確認。
 ほとんど変わり映えのしない場所ではあるがどこを中心にするかによって多少の変化はある。

 逆に変わり映えがしなく見えるからその中でも攻めにくいところを上手く選んで陣取れば相手が気づかない有利を取れる。
 ついでに周りの自然環境にどんなものがあるかも確認しておく。

「それじゃあ頼んだぞ」

 コボルトの仲間であることを証明して、かつ道具を使う許可を取れたらそれを運ぶ必要がある。
 なので何人かコボルトを貸してもらってドゥゼアたちはゴブリンの巣に向かった。

「ユリディカ、大丈夫かな?」

「この森の魔物のレベルなら問題はないだろう。

 ウルフも攻撃しなきゃワーウルフの方に手を出したりはしない」

 そして今ユリディカはドゥゼアたちと一緒にいない。
 何をしているのかというとウルフの偵察に行ってもらったのだ。

 渋りはしたけどユリディカにしか出来ない。
 足も早く目もいい。

 見つかってもウルフの方から手を出してくる可能性も低く、まさかワーウルフがコボルトのために偵察をしているなんて思いもしない。
 位置や数を知っておく必要がある。

 あまりにもウルフの数が多いといかに策を弄しても勝てないこともある。
 最終的にはユリディカにしか出来ないことだとドゥゼアが押し切るとやる気を出してくれたので大丈夫なはずだ。

 それにワーウルフが一緒ではゴブリンたちも怯えてしまう。

「アッチ」

 最初に出会ったコボルトが道案内をしてくれた。
 コボルトの中でも有望株らしくて他のコボルトからも期待を寄せられている個体だった。

 けれどやはり低知能の魔物らしく個体ごとに名前などない。
 ひとまずドゥゼアはこのコボルトのことをひっそりとコボルトエースと呼んで一応他と分けていた。

 1番まともに戦えそうだし積極的に動いてくれる。
 コボルトの群れが生き残ったら未来のリーダーになるかもしれない。

「ココ、ゴブリンノス」

「へぇ……」

 また珍しいところに巣を作ったものだと感嘆の声を漏らした。
 ゴブリンの巣は大きな木の根元に空いた穴の中に作られていた。

 大きな木の根元には根っこだけが残されて土が流されたりした、ある種の洞窟に近いような空洞ができることがある。
 ゴブリンはそれを見つけて巣にしたのだろう。

 若干穴の周りの土が盛り上がっているところを見ると自分たちで拡張もしているようだ。
 ゴブリンの中でも賢いタイプなら見張りなどがいたりもするが今回はいない。

 飛び抜けて賢いゴブリンではなさそうである。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

狼になっちゃった!

家具屋ふふみに
ファンタジー
登山中に足を滑らせて滑落した私。気が付けば何処かの洞窟に倒れていた。……しかも狼の姿となって。うん、なんで? 色々と試していたらなんか魔法みたいな力も使えたし、此処ってもしや異世界!? ……なら、なんで私の目の前を通る人間の手にはスマホがあるんでしょう? これはなんやかんやあって狼になってしまった私が、気まぐれに人間を助けたりして勝手にワッショイされるお話である。

高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません

下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。 横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。 偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。 すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。 兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。 この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。 しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました! 【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】 皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました! 本当に、本当にありがとうございます! 皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。 市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です! 【作品紹介】 欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。 だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。 彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。 【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc. その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。 欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。 気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる! 【書誌情報】 タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』 著者: よっしぃ イラスト: 市丸きすけ 先生 出版社: アルファポリス ご購入はこちらから: Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/ 楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/ 【作者より、感謝を込めて】 この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。 そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。 本当に、ありがとうございます。 【これまでの主な実績】 アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得 小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得 アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞 第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過 復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞 ファミ通文庫大賞 一次選考通過

大和型戦艦、異世界に転移する。

焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。 ※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。

処理中です...