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第一章
ゴブリンは嫌われているようです2
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なんだかんだとウルフの皮を剥ぎ取った。
コボルトたちも腹が減っているのかドゥゼアが解体した肉をよだれを垂らし、尻尾を振りながら見つめている。
その姿を見るとワーウルフもコボルトも大差ないなとドゥゼアはユリディカのことを見る。
「……友よ、この肉を美味しく食べるために木の枝を集めてきてほしい!
出来れば地面に落ちていて乾燥してるやつだ!」
「グガ、ワカッタ!」
生でも肉は美味いがちょっと焼いてやるとまた格別になる。
コボルトたちにお願いすると早く肉を食べるためにとすぐさま行動を開始してくれる。
ただお前はいいんだぞ、ユリディカとドゥゼアは小さくため息をついた。
手で持ってくればいいのに何故か咥えてくる枝は焚き火用にする。
ちゃんと手で持ってきた枝で細いものはウルフの肉をざっくりと切って枝に刺して串がわりにする。
コボルトとユリディカのおかげでそれなりに枝も集まったのでドゥゼアはとりあえず肉を適当に切って串に刺すのをレビスを中心とした比較的手先器用組に任せることにした。
その間にドゥゼアは火おこしをする。
なんてことはない。
冒険者の持ち物の中に火おこしセットがあったのでそれを使うのみである。
火打ち石があるのでロープの一部を切ってほぐし、それに着火する。
コボルトたちが集めてきた小枝に火を移して焚き火を大きくしていけば完成である。
魔法だ!なんてコボルトたちは言っていたけど魔法でもなんでもない技術である。
「ほれ、内臓は食ってもいいぞ」
内臓を串焼きにするのはちょっと面倒。
コボルトたちの目が怖くなってきたので少し先に内臓を解禁する。
我先にと食べ始めるけどウルフも結構な量がいたのでちゃんと行き渡るだけの量もある。
焚き火の周りの地面に串を刺して火に当てて焼いていく。
多少雑に焼いてもいい。
そもそも生でも食えるのだから焼きが不十分でレアな状態でも全く問題はない。
むしろレアぐらいが美味くていい。
コボルトたちは歓喜している。
ウルフの方が格上の魔物なので味としてはかなり美味いはずだ。
「うーん、いい感じ」
肉が焼ける匂いが辺りに漂い始める。
そろそろいいかなと思う串を一本手に取る。
串を鼻に近づけてスーッと大きく匂いを嗅ぐ。
そして一口。
なぜかみんなして無言でドゥゼアの様子を伺っている。
「……美味い!」
ドッとコボルトたちが雄叫びを上げる。
なんでそんな大騒ぎなのか知らないけど今回の戦いの功労者であるドゥゼアが食べて初めて勝利の宴が始まったのかもしれない。
コボルトたちにも串焼きを分けてやる。
焼いた肉というのが初めてなコボルトたちはハフハフしながらお肉を食べて感動していた。
あとは自分で焼けというとドゥゼアを見習って地面に串を刺して焼こうと試みる。
中には串を倒して焚き火の燃料にしちゃうやつもいるけどそれはご愛嬌である。
生で食べたいコボルトにもお肉を解放してみんなでワイワイと食事する。
負けていれば食べられていたのは逆だったと考えると中々感慨深い光景である。
これが人間なら酒の1つでもあるんだけど残念ながら肉しかないのでひたすら肉を食う。
「レビス、ユリディカ」
「なぁに?」
「なんです……モグモグ……か……モグモグ」
「ほい、これ食ってみ」
ドゥゼアはレビスとユリディカに串を一本ずつ渡す。
なんの変哲もない串だけどドゥゼアからもらったものだ。
レビスは一口パクリとして、目を見開いた。
「美味しい……!」
遥かな旨味。
見た目に他と変わりがないのにすごく美味しい。
「え、え?
パクリ……美味っ!」
珍しくレビス驚いているので慌ててユリディカも串焼きを口にする。
肉そのものは変わった感じがしないのに口の中が幸せになる。
「何したの?」
「これさ」
ドゥゼアは横に置いてある石を指差した。
「……?」
石でどうして美味くなるのだと思ったけどよく見ると石の上に細かい砂状の何かが乗っている。
「これはウルフの魔石を砕いたものだよ」
ドゥゼアはウルフの魔石を石で殴りつけて砕いた。
そしてその粉を焼きあがった串にふりかけたのである。
塩みたいなものである。
ただやっぱり魔石は美味いので砕いて串にかけるとそれもまた美味いのである。
他のコボルトにはナイショのご馳走だ。
「もうちょっとだけあるから、食べちゃうぞ」
ーーーーー
「んが……」
満腹になるまで肉を食った。
そして腹が満たされると眠くなった。
戦いでの疲れもあったし、レビスやユリディカ、コボルトたちも同じだったようで不用心にみんなして寝てしまった。
「気持ちいいな、これ」
ドゥゼアはユリディカに抱きつくようにして寝ていた。
最初はユリディカがドゥゼアに抱きついて寝ていたのだけどモフモフ感が気持ち良くていつの間にかドゥゼアの方が抱きついてしまっていた。
かなり長いこと寝こけてしまったようで日が高いところまで昇っていた。
ユリディカを起こさないようにそっと離れて起き上がる。
お腹いっぱい食べたせいか体の調子はいい。
ウルフに押し倒された背中も痛くはない。
コボルトたちも腹が減っているのかドゥゼアが解体した肉をよだれを垂らし、尻尾を振りながら見つめている。
その姿を見るとワーウルフもコボルトも大差ないなとドゥゼアはユリディカのことを見る。
「……友よ、この肉を美味しく食べるために木の枝を集めてきてほしい!
出来れば地面に落ちていて乾燥してるやつだ!」
「グガ、ワカッタ!」
生でも肉は美味いがちょっと焼いてやるとまた格別になる。
コボルトたちにお願いすると早く肉を食べるためにとすぐさま行動を開始してくれる。
ただお前はいいんだぞ、ユリディカとドゥゼアは小さくため息をついた。
手で持ってくればいいのに何故か咥えてくる枝は焚き火用にする。
ちゃんと手で持ってきた枝で細いものはウルフの肉をざっくりと切って枝に刺して串がわりにする。
コボルトとユリディカのおかげでそれなりに枝も集まったのでドゥゼアはとりあえず肉を適当に切って串に刺すのをレビスを中心とした比較的手先器用組に任せることにした。
その間にドゥゼアは火おこしをする。
なんてことはない。
冒険者の持ち物の中に火おこしセットがあったのでそれを使うのみである。
火打ち石があるのでロープの一部を切ってほぐし、それに着火する。
コボルトたちが集めてきた小枝に火を移して焚き火を大きくしていけば完成である。
魔法だ!なんてコボルトたちは言っていたけど魔法でもなんでもない技術である。
「ほれ、内臓は食ってもいいぞ」
内臓を串焼きにするのはちょっと面倒。
コボルトたちの目が怖くなってきたので少し先に内臓を解禁する。
我先にと食べ始めるけどウルフも結構な量がいたのでちゃんと行き渡るだけの量もある。
焚き火の周りの地面に串を刺して火に当てて焼いていく。
多少雑に焼いてもいい。
そもそも生でも食えるのだから焼きが不十分でレアな状態でも全く問題はない。
むしろレアぐらいが美味くていい。
コボルトたちは歓喜している。
ウルフの方が格上の魔物なので味としてはかなり美味いはずだ。
「うーん、いい感じ」
肉が焼ける匂いが辺りに漂い始める。
そろそろいいかなと思う串を一本手に取る。
串を鼻に近づけてスーッと大きく匂いを嗅ぐ。
そして一口。
なぜかみんなして無言でドゥゼアの様子を伺っている。
「……美味い!」
ドッとコボルトたちが雄叫びを上げる。
なんでそんな大騒ぎなのか知らないけど今回の戦いの功労者であるドゥゼアが食べて初めて勝利の宴が始まったのかもしれない。
コボルトたちにも串焼きを分けてやる。
焼いた肉というのが初めてなコボルトたちはハフハフしながらお肉を食べて感動していた。
あとは自分で焼けというとドゥゼアを見習って地面に串を刺して焼こうと試みる。
中には串を倒して焚き火の燃料にしちゃうやつもいるけどそれはご愛嬌である。
生で食べたいコボルトにもお肉を解放してみんなでワイワイと食事する。
負けていれば食べられていたのは逆だったと考えると中々感慨深い光景である。
これが人間なら酒の1つでもあるんだけど残念ながら肉しかないのでひたすら肉を食う。
「レビス、ユリディカ」
「なぁに?」
「なんです……モグモグ……か……モグモグ」
「ほい、これ食ってみ」
ドゥゼアはレビスとユリディカに串を一本ずつ渡す。
なんの変哲もない串だけどドゥゼアからもらったものだ。
レビスは一口パクリとして、目を見開いた。
「美味しい……!」
遥かな旨味。
見た目に他と変わりがないのにすごく美味しい。
「え、え?
パクリ……美味っ!」
珍しくレビス驚いているので慌ててユリディカも串焼きを口にする。
肉そのものは変わった感じがしないのに口の中が幸せになる。
「何したの?」
「これさ」
ドゥゼアは横に置いてある石を指差した。
「……?」
石でどうして美味くなるのだと思ったけどよく見ると石の上に細かい砂状の何かが乗っている。
「これはウルフの魔石を砕いたものだよ」
ドゥゼアはウルフの魔石を石で殴りつけて砕いた。
そしてその粉を焼きあがった串にふりかけたのである。
塩みたいなものである。
ただやっぱり魔石は美味いので砕いて串にかけるとそれもまた美味いのである。
他のコボルトにはナイショのご馳走だ。
「もうちょっとだけあるから、食べちゃうぞ」
ーーーーー
「んが……」
満腹になるまで肉を食った。
そして腹が満たされると眠くなった。
戦いでの疲れもあったし、レビスやユリディカ、コボルトたちも同じだったようで不用心にみんなして寝てしまった。
「気持ちいいな、これ」
ドゥゼアはユリディカに抱きつくようにして寝ていた。
最初はユリディカがドゥゼアに抱きついて寝ていたのだけどモフモフ感が気持ち良くていつの間にかドゥゼアの方が抱きついてしまっていた。
かなり長いこと寝こけてしまったようで日が高いところまで昇っていた。
ユリディカを起こさないようにそっと離れて起き上がる。
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ウルフに押し倒された背中も痛くはない。
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