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第四章
実は君のこと2
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「あのね、みんなにお話があるの」
まったりとした時間が流れて、ラストもこれから暇になったら自分も料理ぐらいできなきゃダメだなと考えていた。
そんな時にレストがゆっくりと口を開いた。
真剣で少し迷いも見える目をしている。
「……なに、お姉ちゃん?」
いつもニコニコとしているレストにしては珍しい表情でラストも真剣な顔をする。
みんなもレストの方に視線を向ける。
「驚かないで聞いてほしいんだ。私ね、その……」
言いにくそうにモゴモゴとするレストはほんのりと頬が赤い。
何があったのかとラストは気が気でない。
他のみんなもジッとレストの言葉を待つ。
「私、バロワ君と結婚しようと思ってるの」
「……え、えぇぇぇぇ!」
みんなが驚く中一番驚いたのはラストだった。
「な、なになに、どういうこと!?」
「け、結婚ってあの結婚だよね! どうしてバロワと?」
「まさか政略結婚でもするつもり?」
ラストの顔が青くなる。
最終的には味方してくれていたけれどバロワは基本的には無関心、あるいは敵側だった。
なぜバロワとレストが結婚するのか、パッと思いついた理由が政略結婚だった。
大領主から王を出さねばならないという決まりはない。
けれど歴史上ほとんどの王が大領主を経て王となっているのであり、実質的に大領主にならずして王になることはない。
ラストはベギーオもプジャンもいなくなった今、王になる第一候補でラストに比肩する候補は他にいないのが現状である。
今回の騒動についてバロワは敵側なのか味方なのかよく分かっていない。
レストを身をていして守ったことがあるので処分自体は保留になっていて、混乱を避けるためにこのまま領主として悪いところが見つからなければ不問に付されるだろうという見方が強い。
しかしバロワの立場は微妙なものとなることは避けられない。
危うい立場に追いやられたバロワが今後王になるであろうラストの姉であるレストと結婚することで自分の身を守る。
そのための結婚であるとラストは考えたのだ。
「いやいや、そもそもレストとバロワは兄妹じゃん!」
クゼナがツッコミをいれる。
ラストたち兄弟姉妹は基本的には異母兄弟になる。
ラストとレストは母も父も同じ姉妹だけどレストとバロワは母が違えど父が同じ兄妹になる。
はるか昔ならいざ知らず、現代においては近親婚は禁忌とされている。
真人族でも魔人族であっても今は近親婚は禁じられた行いなのである。
血の濃さを守るためにやっている少数部族もあるけれど当然に血人族でも近親婚はタブーなのだ。
合法的な結婚など望めない。
「んーとね、一つずつ説明するわ」
混乱に包まれポカンとするみんなの顔がおかしくてレストはクスリと笑った。
「まずね、バロワ君は私たちの兄妹じゃないの」
「え、えええっ!」
「話していいのかちょっと微妙だけどみんなを信頼して話すわ。どうせ結婚しようと思ったら公表しなきゃいけないのだし」
「バロワが兄じゃないって、どど、ということ!」
「もーお、落ち着きなさい」
落ち着いていられるかとラストは思う。
兄だと思っていた人が兄ではないとはどういうことなのか。
つまりバロワはヴァンの息子ではないのに、息子のように振る舞い、領地まで与えられていることになる。
一体どういうことなのか事情が飲み込めない。
でも、言われてみればとラストは思った。
バロワがいつからいるのかラストの記憶には定かではなかった。
ラストは末の娘、兄弟姉妹の中でも一番下で遅くに生まれた子である。
物心つくまでの間に兄姉たちには会っていたような記憶が朧げながらあるのにバロワに関してはないなと気づいた。
物心ついてから、ある時いきなり会った気がする。
思い出そうとしてみるとレストが手を引いて連れてきていたような気もする。
そしてバロワの母親や出身氏族に関してもラストは知らなかった。
王候補になったラストのことを嫌っている母親たちが多かったのでそちらの方はあまり会った記憶がないが、レストとよくいた気がするバロワの母親を紹介されたことはなかった。
所属する出身氏族も弱小氏族なら弱小氏族なりに名前が出てくるものだけど、バロワについては一切話題に上がったことがない。
生まれた時から兄としていたのでなく、ある時から兄になった。
思い返すとバロワについてそう思えてきた。
「バロワ君はね、私たちのお祖父様の弟の孫になるの」
「オジイサマノオトウトノマゴ……」
一回じゃ関係性を理解できずにラストが遠い目をして繰り返した。
バロワはヴァンの実の子ではなかった。
バロワはラストたち兄弟姉妹から見ておじいさん、つまりヴァンの父親である先王の弟の孫になる。
先王の弟は兄弟姉妹で権力を争うことを嫌って王位継承権を放棄して一般の市民として暮らしていた。
先王の弟にも愛する人がいて子をなし、そしてその子もまたさらに子をなした。
それがバロワであった。
しかし幼いバロワを不幸が襲った。
バロワの母親は体が弱かった。
そのためにバロワを産んですぐに亡くなってしまい、バロワは父親の手によって育てられていた。
けれど父親もまた事故によって亡くなってしまう。
幼いバロワは1人残されたのであるが先王の弟が王位継承権を放棄した時に、先王の弟の出身氏族はひどく怒り先王の弟との関係を絶った。
そんな裏切り者みたいな先王の弟の息子と結婚したバロワの母親もまた自分の氏族から絶縁をされていた。
住んでいるところの周りにいる人にはよくされたけれど頼れる親族がいなかった。
一方で先王と先王の弟は先王の弟が世俗に下った後も交流があった。
王であることを気にせずに会うことができる相手が弟だったのだ。
ひっそりと続く交流は互いの子供同士でも続いた。
そのためにヴァンとバロワの父親も交流があったのである。
事故に遭い、亡くなる間際の遺言でバロワの父親はヴァンにバロワを託した。
その真意は養ってくれる人たちを探してほしいぐらいの意味であったのだが、ヴァンはなんとバロワを引き取ったのである。
年齢的にも他の子と近く一人ぐらい増えても問題はないだろうと思ったし、バロワのことを放ってもおけなかったのだ。
多少の工作はあったがラストの記憶通り、バロワはいきなりラストの兄になったのであった。
「だから私とバロワ君は……ちょっとだけ血は繋がってるけど兄妹ではないの」
「バロワ兄さんは兄さんじゃない……?」
「今はお兄さんだけど、そうじゃなくなることもできるのよ」
「……分かっ、た?」
分かってない顔をしているラスト。
分からないのではなくて分かりたくないのかもしれない。
「だから結婚はできるんだけど、別に今すぐって話じゃなくて、もっと国のことが安定して、もっとお互いのことを知ってから……ってことになったの」
「そ、それはいいけど、どうしていきなり結婚って話になったのさ!」
「それは……バロワ君に告白されて…………」
レストは顔を赤く染めて乙女の顔をしていた。
ーーーーー
まったりとした時間が流れて、ラストもこれから暇になったら自分も料理ぐらいできなきゃダメだなと考えていた。
そんな時にレストがゆっくりと口を開いた。
真剣で少し迷いも見える目をしている。
「……なに、お姉ちゃん?」
いつもニコニコとしているレストにしては珍しい表情でラストも真剣な顔をする。
みんなもレストの方に視線を向ける。
「驚かないで聞いてほしいんだ。私ね、その……」
言いにくそうにモゴモゴとするレストはほんのりと頬が赤い。
何があったのかとラストは気が気でない。
他のみんなもジッとレストの言葉を待つ。
「私、バロワ君と結婚しようと思ってるの」
「……え、えぇぇぇぇ!」
みんなが驚く中一番驚いたのはラストだった。
「な、なになに、どういうこと!?」
「け、結婚ってあの結婚だよね! どうしてバロワと?」
「まさか政略結婚でもするつもり?」
ラストの顔が青くなる。
最終的には味方してくれていたけれどバロワは基本的には無関心、あるいは敵側だった。
なぜバロワとレストが結婚するのか、パッと思いついた理由が政略結婚だった。
大領主から王を出さねばならないという決まりはない。
けれど歴史上ほとんどの王が大領主を経て王となっているのであり、実質的に大領主にならずして王になることはない。
ラストはベギーオもプジャンもいなくなった今、王になる第一候補でラストに比肩する候補は他にいないのが現状である。
今回の騒動についてバロワは敵側なのか味方なのかよく分かっていない。
レストを身をていして守ったことがあるので処分自体は保留になっていて、混乱を避けるためにこのまま領主として悪いところが見つからなければ不問に付されるだろうという見方が強い。
しかしバロワの立場は微妙なものとなることは避けられない。
危うい立場に追いやられたバロワが今後王になるであろうラストの姉であるレストと結婚することで自分の身を守る。
そのための結婚であるとラストは考えたのだ。
「いやいや、そもそもレストとバロワは兄妹じゃん!」
クゼナがツッコミをいれる。
ラストたち兄弟姉妹は基本的には異母兄弟になる。
ラストとレストは母も父も同じ姉妹だけどレストとバロワは母が違えど父が同じ兄妹になる。
はるか昔ならいざ知らず、現代においては近親婚は禁忌とされている。
真人族でも魔人族であっても今は近親婚は禁じられた行いなのである。
血の濃さを守るためにやっている少数部族もあるけれど当然に血人族でも近親婚はタブーなのだ。
合法的な結婚など望めない。
「んーとね、一つずつ説明するわ」
混乱に包まれポカンとするみんなの顔がおかしくてレストはクスリと笑った。
「まずね、バロワ君は私たちの兄妹じゃないの」
「え、えええっ!」
「話していいのかちょっと微妙だけどみんなを信頼して話すわ。どうせ結婚しようと思ったら公表しなきゃいけないのだし」
「バロワが兄じゃないって、どど、ということ!」
「もーお、落ち着きなさい」
落ち着いていられるかとラストは思う。
兄だと思っていた人が兄ではないとはどういうことなのか。
つまりバロワはヴァンの息子ではないのに、息子のように振る舞い、領地まで与えられていることになる。
一体どういうことなのか事情が飲み込めない。
でも、言われてみればとラストは思った。
バロワがいつからいるのかラストの記憶には定かではなかった。
ラストは末の娘、兄弟姉妹の中でも一番下で遅くに生まれた子である。
物心つくまでの間に兄姉たちには会っていたような記憶が朧げながらあるのにバロワに関してはないなと気づいた。
物心ついてから、ある時いきなり会った気がする。
思い出そうとしてみるとレストが手を引いて連れてきていたような気もする。
そしてバロワの母親や出身氏族に関してもラストは知らなかった。
王候補になったラストのことを嫌っている母親たちが多かったのでそちらの方はあまり会った記憶がないが、レストとよくいた気がするバロワの母親を紹介されたことはなかった。
所属する出身氏族も弱小氏族なら弱小氏族なりに名前が出てくるものだけど、バロワについては一切話題に上がったことがない。
生まれた時から兄としていたのでなく、ある時から兄になった。
思い返すとバロワについてそう思えてきた。
「バロワ君はね、私たちのお祖父様の弟の孫になるの」
「オジイサマノオトウトノマゴ……」
一回じゃ関係性を理解できずにラストが遠い目をして繰り返した。
バロワはヴァンの実の子ではなかった。
バロワはラストたち兄弟姉妹から見ておじいさん、つまりヴァンの父親である先王の弟の孫になる。
先王の弟は兄弟姉妹で権力を争うことを嫌って王位継承権を放棄して一般の市民として暮らしていた。
先王の弟にも愛する人がいて子をなし、そしてその子もまたさらに子をなした。
それがバロワであった。
しかし幼いバロワを不幸が襲った。
バロワの母親は体が弱かった。
そのためにバロワを産んですぐに亡くなってしまい、バロワは父親の手によって育てられていた。
けれど父親もまた事故によって亡くなってしまう。
幼いバロワは1人残されたのであるが先王の弟が王位継承権を放棄した時に、先王の弟の出身氏族はひどく怒り先王の弟との関係を絶った。
そんな裏切り者みたいな先王の弟の息子と結婚したバロワの母親もまた自分の氏族から絶縁をされていた。
住んでいるところの周りにいる人にはよくされたけれど頼れる親族がいなかった。
一方で先王と先王の弟は先王の弟が世俗に下った後も交流があった。
王であることを気にせずに会うことができる相手が弟だったのだ。
ひっそりと続く交流は互いの子供同士でも続いた。
そのためにヴァンとバロワの父親も交流があったのである。
事故に遭い、亡くなる間際の遺言でバロワの父親はヴァンにバロワを託した。
その真意は養ってくれる人たちを探してほしいぐらいの意味であったのだが、ヴァンはなんとバロワを引き取ったのである。
年齢的にも他の子と近く一人ぐらい増えても問題はないだろうと思ったし、バロワのことを放ってもおけなかったのだ。
多少の工作はあったがラストの記憶通り、バロワはいきなりラストの兄になったのであった。
「だから私とバロワ君は……ちょっとだけ血は繋がってるけど兄妹ではないの」
「バロワ兄さんは兄さんじゃない……?」
「今はお兄さんだけど、そうじゃなくなることもできるのよ」
「……分かっ、た?」
分かってない顔をしているラスト。
分からないのではなくて分かりたくないのかもしれない。
「だから結婚はできるんだけど、別に今すぐって話じゃなくて、もっと国のことが安定して、もっとお互いのことを知ってから……ってことになったの」
「そ、それはいいけど、どうしていきなり結婚って話になったのさ!」
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レストは顔を赤く染めて乙女の顔をしていた。
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