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第五章
閑話・一心に祈れば
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「またですかぁ? もういい加減メイスで殴って静かにさせましょうか?」
「こらこら、聖職者たる者がそのようなことを口にしてはなりませんよ。……とはいえ苦情が寄せられているのも確かです」
「日中夜を問わずにうるさいんですから寝不足ですよ……」
響き渡るは叫び声、泣き声、慟哭、なんでもいいけどとりあえずうるさい男の大きな声である。
教会内部に四六時中鳴り響くので色々なところからどうにかしてくれと苦情が出ている。
大司教であるオルダンタスも頭を悩ませていた。
声を上げて慟哭するはダリルという男なのだが普通の人ではなかった。
一日中声を上げて泣いてたら喉が枯れ、涙が枯れて大人しくなるだろう。
けれどダリルも疲れはしても数日間も泣き続けている。
オルダンタスを補佐してくれている修道司祭であるアドラスもゲンナリした顔をしている。
このままでは本当にメイスで殴って止めてしまいそうだ。
メイスで殴ったところでダリルなら死にもしないだろうがそんな止め方しては神様が悲しんでしまわれることだろうとため息をつく。
オルダンタスはダリルのところに向かった。
泣き続けるダリルの気持ちは分からないことではないからまた難しい。
慟哭に負けないように強めにノックをすると少女がドアを開けてくれた。
大司教であるオルダンタスを見て驚いた顔をしていたが、少女はすぐにペコリと頭を下げて礼をした。
褒めてあげたいところだがドアを開けたままだとうるさいのでまずは中に入ってドアを閉める。
質素な部屋の中で窓近くにあるベッドの上に1人の女性が寝ている。
「……相変わらずのようですね」
ゆっくりと呼吸を繰り返し、微動だにしないその姿は死んでいるようにも見えた。
そしてそのベッド横に膝をつき、声を上げて泣いているのがダリルであった。
大柄の男性で心優しい男であるけれど普段から声が大きく注意されることも多い人である。
今は特に感情の制御が聞いていないのでオルダンタスの耳も破裂しそうなほどの声が出ている。
ベッドに寝ている女性はテレサと言って少し前までは良く笑い、慈善活動にも精を出す慈愛に満ちた女性だった。
けれども今はほとんどの時間を寝て過ごしている。
とある事情から起きる時間が短くなり、寝る時間が長くなってきているのだがダリルはテレサが寝ている間こうして泣き続けているのである。
事情が事情だけにダリルを諌めにくいのも当然の話である。
「ダリル……ダリル!」
オルダンタスがダリルに声をかけるがダリルの耳には届かない。
「ダリル、聞こえますか。……ダリル。ふぅ……」
ダリルはオルダンダスが何回も声をかけたり肩を叩いたりするが全く反応を示さない。
こうした集中力は時として役立つのだがこんな時には周りに目を向けて欲しいものである。
「オルダンタス様?」
声をかけることを諦めたオルダンタスはテーブルに置いてある水差しを手に取った。
一度気でも落ち着けるのに水でも飲むかと思ったらオルダンタスはその水差しをダリルの上で逆さにした。
中に入った水がダリルに降り注ぐ。
「ダリル、お久しぶりですね」
「オ、オルダンタス様……」
水をかけられてようやくオルダンタスの慟哭が止まる。
これで止まらなかったら水差しで殴るしかなかったので気づいてくれてよかった。
「一体どのような用件でいらっしゃったのですか?」
水をかけられたことなど気にしていないダリルが普通にオルダンタスに対応する。
目の下が黒くなっているダリルは泣き続けて寝ていないことがオルダンタスにも分かった。
「いつまでそのようにしているつもりですか?」
「しかし……テレサがこのようになってしまったのは私の力不足が原因です。例えこのまま目覚めないとしたら私は、どうしたら……」
再び目に悲しみの感情が浮かび始める。
また泣き出してしまう。
「泣いて何かが変わるのですか?」
泣き出す前に止めなければならない。
「ですが何が出来るのですか?」
「私たちは何者ですか?」
「何者とは何ですか?」
「泣くぐらいなら神に祈りなさい。私たちは神に仕える聖職者なのです。一心に祈れば神も道を示してくれることでしょう。泣いていてもなんともなりませんがあなたが真摯に祈ればその思いは届くでしょう」
「…………」
「祈祷室を1つ確保しました。好きなだけ祈りなさい。テレサさんが起きた時にはあなたのことを呼びに行かせますので祈ってみてはどうですか?」
「……そうですね、テレサのために祈ります」
祈祷室は防音仕様になっているので少なくともこれでしばらく静かになる。
オルダンタスの機転にダリルは神に祈りを捧げて静かになり、教会は以前の静けさを取り戻した。
時折テレサは目を覚まして、ひどい顔をしたダリルを見て心配そうにしていた。
なのでまたオルダンタスは考えを巡らせて、テレサが起きた時に顔色が悪いとテレサの体に悪いとダリルを説得して食事と睡眠を取らせることにも成功した。
「流石にオルダンタス様を尊敬します」
「急になんだい?」
「最近すっかりダリル様も大人しくなりました。祈りを捧げながらも食事と睡眠をちゃんと取るようになりましたし、伝え方を考えるだけでうまく人を動かせる感心しました」
「つまり今までは尊敬していなかったのかい?」
「尊敬していないことはありませんが大司教なんて立場、上すぎてよくわからないですからね」
オルダンタスは穏やかな性格をして人々の信頼も厚い。
仕事っぷりも真面目でアドラスがオルダンタスに付くことになってからも苦労をかけられた経験は少ない。
大司教として大きな仕事をしていることをまだ目の前で見たことがないので大司教の凄さを分かっていなかった。
けれどもダリルに対するやり方は非常に巧みで頭の良さを感じさせた。
「うおぉおーーーー!」
「な、何ですか?」
突如として聞こえてきた雄叫び。
「この声は、ダリルですね」
あくまで冷静なオルダンタスだが書類仕事の手を止めて立ち上がると祈祷室に向かう。
声の感じからして問題が起きた雰囲気はなかったが何があったのかは把握しておかねばならない。
防音仕様の祈祷室を突き破って声が聞こえてくるほどなのだから何かがあったことは確かである。
「オルダンタス様!」
祈祷室に着いてみるとダリルの方から祈祷室から飛び出してきた。
「どうかなさいましたか?」
また泣き出したりしたらどうしようと思いながらも不安は見せずにダリルに質問する。
ただダリルの顔は明るく見えるので悪いニュースはなさそうだ。
「テレサを……テレサを救うために神の天啓がありました!」
「こらこら、聖職者たる者がそのようなことを口にしてはなりませんよ。……とはいえ苦情が寄せられているのも確かです」
「日中夜を問わずにうるさいんですから寝不足ですよ……」
響き渡るは叫び声、泣き声、慟哭、なんでもいいけどとりあえずうるさい男の大きな声である。
教会内部に四六時中鳴り響くので色々なところからどうにかしてくれと苦情が出ている。
大司教であるオルダンタスも頭を悩ませていた。
声を上げて慟哭するはダリルという男なのだが普通の人ではなかった。
一日中声を上げて泣いてたら喉が枯れ、涙が枯れて大人しくなるだろう。
けれどダリルも疲れはしても数日間も泣き続けている。
オルダンタスを補佐してくれている修道司祭であるアドラスもゲンナリした顔をしている。
このままでは本当にメイスで殴って止めてしまいそうだ。
メイスで殴ったところでダリルなら死にもしないだろうがそんな止め方しては神様が悲しんでしまわれることだろうとため息をつく。
オルダンタスはダリルのところに向かった。
泣き続けるダリルの気持ちは分からないことではないからまた難しい。
慟哭に負けないように強めにノックをすると少女がドアを開けてくれた。
大司教であるオルダンタスを見て驚いた顔をしていたが、少女はすぐにペコリと頭を下げて礼をした。
褒めてあげたいところだがドアを開けたままだとうるさいのでまずは中に入ってドアを閉める。
質素な部屋の中で窓近くにあるベッドの上に1人の女性が寝ている。
「……相変わらずのようですね」
ゆっくりと呼吸を繰り返し、微動だにしないその姿は死んでいるようにも見えた。
そしてそのベッド横に膝をつき、声を上げて泣いているのがダリルであった。
大柄の男性で心優しい男であるけれど普段から声が大きく注意されることも多い人である。
今は特に感情の制御が聞いていないのでオルダンタスの耳も破裂しそうなほどの声が出ている。
ベッドに寝ている女性はテレサと言って少し前までは良く笑い、慈善活動にも精を出す慈愛に満ちた女性だった。
けれども今はほとんどの時間を寝て過ごしている。
とある事情から起きる時間が短くなり、寝る時間が長くなってきているのだがダリルはテレサが寝ている間こうして泣き続けているのである。
事情が事情だけにダリルを諌めにくいのも当然の話である。
「ダリル……ダリル!」
オルダンタスがダリルに声をかけるがダリルの耳には届かない。
「ダリル、聞こえますか。……ダリル。ふぅ……」
ダリルはオルダンダスが何回も声をかけたり肩を叩いたりするが全く反応を示さない。
こうした集中力は時として役立つのだがこんな時には周りに目を向けて欲しいものである。
「オルダンタス様?」
声をかけることを諦めたオルダンタスはテーブルに置いてある水差しを手に取った。
一度気でも落ち着けるのに水でも飲むかと思ったらオルダンタスはその水差しをダリルの上で逆さにした。
中に入った水がダリルに降り注ぐ。
「ダリル、お久しぶりですね」
「オ、オルダンタス様……」
水をかけられてようやくオルダンタスの慟哭が止まる。
これで止まらなかったら水差しで殴るしかなかったので気づいてくれてよかった。
「一体どのような用件でいらっしゃったのですか?」
水をかけられたことなど気にしていないダリルが普通にオルダンタスに対応する。
目の下が黒くなっているダリルは泣き続けて寝ていないことがオルダンタスにも分かった。
「いつまでそのようにしているつもりですか?」
「しかし……テレサがこのようになってしまったのは私の力不足が原因です。例えこのまま目覚めないとしたら私は、どうしたら……」
再び目に悲しみの感情が浮かび始める。
また泣き出してしまう。
「泣いて何かが変わるのですか?」
泣き出す前に止めなければならない。
「ですが何が出来るのですか?」
「私たちは何者ですか?」
「何者とは何ですか?」
「泣くぐらいなら神に祈りなさい。私たちは神に仕える聖職者なのです。一心に祈れば神も道を示してくれることでしょう。泣いていてもなんともなりませんがあなたが真摯に祈ればその思いは届くでしょう」
「…………」
「祈祷室を1つ確保しました。好きなだけ祈りなさい。テレサさんが起きた時にはあなたのことを呼びに行かせますので祈ってみてはどうですか?」
「……そうですね、テレサのために祈ります」
祈祷室は防音仕様になっているので少なくともこれでしばらく静かになる。
オルダンタスの機転にダリルは神に祈りを捧げて静かになり、教会は以前の静けさを取り戻した。
時折テレサは目を覚まして、ひどい顔をしたダリルを見て心配そうにしていた。
なのでまたオルダンタスは考えを巡らせて、テレサが起きた時に顔色が悪いとテレサの体に悪いとダリルを説得して食事と睡眠を取らせることにも成功した。
「流石にオルダンタス様を尊敬します」
「急になんだい?」
「最近すっかりダリル様も大人しくなりました。祈りを捧げながらも食事と睡眠をちゃんと取るようになりましたし、伝え方を考えるだけでうまく人を動かせる感心しました」
「つまり今までは尊敬していなかったのかい?」
「尊敬していないことはありませんが大司教なんて立場、上すぎてよくわからないですからね」
オルダンタスは穏やかな性格をして人々の信頼も厚い。
仕事っぷりも真面目でアドラスがオルダンタスに付くことになってからも苦労をかけられた経験は少ない。
大司教として大きな仕事をしていることをまだ目の前で見たことがないので大司教の凄さを分かっていなかった。
けれどもダリルに対するやり方は非常に巧みで頭の良さを感じさせた。
「うおぉおーーーー!」
「な、何ですか?」
突如として聞こえてきた雄叫び。
「この声は、ダリルですね」
あくまで冷静なオルダンタスだが書類仕事の手を止めて立ち上がると祈祷室に向かう。
声の感じからして問題が起きた雰囲気はなかったが何があったのかは把握しておかねばならない。
防音仕様の祈祷室を突き破って声が聞こえてくるほどなのだから何かがあったことは確かである。
「オルダンタス様!」
祈祷室に着いてみるとダリルの方から祈祷室から飛び出してきた。
「どうかなさいましたか?」
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