人と希望を伝えて転生したのに竜人という最強種族だったんですが?〜世界はもう救われてるので美少女たちとのんびり旅をします〜

犬型大

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第七章

実家よりも頻繁に行ってるわ2

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「お前のこれまでの活動を見ていると布教に成功しているのは全部、雷の、神様ではないかー!」

 シュバルリュイードがお怒りの理由は、以前リュードにお願いした自分の布教が不十分だったことが原因だった。
 確かにと思わざるを得ない。
 
 クラーケンは雷属性で戦ったし、雷の神獣と共に活躍して雷の神殿も建てることになった。
 誰がどう見ても雷の神様の布教を行う者である。
 
 リュードとしても雷属性には散々助けられていてとても感謝している。
 だが竜人族要素はどこにもないのだ。

「別に雷の神様の布教は良いのだけれど! 俺の布教、ゼロじゃない?」

 というかむしろ変な扱いをされて他の神様に怒られた。
 愛と正義の使者みたいな扱いを一部地域でされているらしく、シュバルリュイードとしても不本意なのだ。

 そんなこと言われてもとリュードは思う。
 
「なんでなのだ!? 俺だって頑張って神様やってんだぞ!」

「なんでってそりゃ……」

「なんだよ」

「これまで旅してきて他の竜人族に会ったことないですもん」

 シュバルリュイードは口を大きく開けて驚愕の表情を浮かべる。
 まさかの盲点。

 布教する相手がいない。
 そもそも竜人族の普段の姿は真人族とそう変わらない。

 リュードのようにツノ生やしていれば別かもしれないが、たとえ同族でも見た目で竜人族だと判断するのは難しい。
 ハッキリ竜人族だと確認するには魔人化してもらねばならない。
 
 他の竜人族から見たってツノが生えてるからリュードが竜人族だとも思わないはずだ。
 さらにそもそも竜人族の絶対数は少ない。
 
 いわゆる少数民族であって丸わかりの状態で旅していたって会う確率は低い。
 そうなるともう会えないも同然の話である。。
 
 あっても分からず、会えるかも分からないのだから布教のしようもない。
 竜人族の神様を他の種族に布教したって意味はないし、どうしようもないのだ。
 
 リュードの反論のしようもない説明にシュバルリュイードはガックリと項垂れる。
 物語では知的でクールに描かれていたけど、思いの外茶目っ気たっぷりな神様である。

「そりゃ竜人族に会えたら俺も布教しますよ? でも竜人族に会えないんですもん……」

 少ない可能性としてすれ違っているぐらいの可能性はある。
 ただそんなことがあったとしても分からなきゃ意味もない。

「そうだな……俺が悪かった」

 リュードに完全論破されたシュバルリュイードは勢いがなくなってしょんぼりしている。
 信者が増え、雷属性を練習する人まで出てきて、神殿まで建った。

 雷の神様自らわざわざお礼にまで来たものだから嫉妬に狂ってしまった。

「そうか……ちゃんと考えればそうした問題があったな」

 そんな積極的に竜人族ですかと聞いて回ることはないが、リュードだって竜人族に対して常にアンテナは張っている。
 知らぬ同胞に会えるなら会いたいものだ。

「よし! いないのなら会いに行けば良い!」

「はい?」

 突拍子もなく何を言い出すのだ。

「竜人族として俺には竜人族を見守る権能がある。つまり竜人族がどこにいるのか俺には分かるのだ!」

 それに関して感心するというより竜人族公認ストーカーみたいだなとリュードは思った。

「移動する個人の居場所を教えられても困るだろう。だから移動せずその場に留まる集落のような集団ならどうだ。身を寄せ合って暮らしているものもいるし、人数も多い。なんならお前の村に誘っても良かろう」

「なるほど……」

「いくつか教えてやるから頼んだぞ!」

「まあ、やるだけやりますよ。……ん?」

「あっと、時間みたいだね」

「頼んだぞ、リュードォ!」

 グワンと視界が揺れた。
 この帰る時の世界が遠ざかるような感覚も奇妙で慣れない。

「じゃあコユキ頼むね。パーパ!」

 神様とは言えぶっ飛ばすぞと思ったが、それを口に出すことなくリュードの意識は真っ白な波に飲まれていった。
 ともあれ、コユキが危険な存在ではないことがわかった。

 そしてこれからも危険な存在でないように導いてやる必要もある。
 旅の仲間が一人増えた。

 それでいい。
 コユキにこれまでと変わらない姿を見せてやればきっと真っ直ぐ育ってくれる。

 白い意識の中、リュードは不思議なまどろみに身を任せたのであった。

 ーーー第七章完結ーーー
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