さるのゆめ

トマトふぁ之助

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呪紋きざみ

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 「いぐ♡アッ♡!!またイぐぅうッ♡♡♡!!やだ、もうやだァッ♡♡♡!!」
 仰向けに寝そべった大猿の腹に跨り、幡は必死に腰を振っていた。分厚く硬い毛並みの腹筋に手をついて、下からの突き上げに応え続ける。甘い暴力に似た快楽が背筋を駆け昇り、細い身体を端々まで支配していた。
 「いやと言いつつ体は正直よ。ほれ、頑張れ頑張れ」
 「ゔぅう~っ♡!!この糞野郎ッ!!ぁっあっあっ♡♡♡!!」
 「腹奥も解れて心地良いぞ……!!何度ここに注いでやった?もう覚えていないだろう?全く欲しがりな腹だ」
 「うるっせえ!!はーっ♡!はぁ、は……ッ♡♡♡~~~ッ!!!」
 (くぉ……っ♡!気持ちい、気持ちいいッ♡♡♡!!こんなになるなんて、聞いてねえ……っ♡!!)
 全身汗みずくになりながらの儀式は快楽の拷問に近かった。おそらく既に緋猿との契約は成立しているのだろうが、行為が止む気配はない。下腹部に刻まれた手のひら大の紋が熱を持ち、青年自身に行為の続きを促している。頭の裏側が真白に痺れ出した。ぱちゅんぱちゅんと腰をふり、緋猿の肉棒を腸壁に食い合わせるとき、一層激しく視界が霞む。
 幡は女が好きだ。実際付き合ったことはないが、胸が大きく優しそうな女が好みだと自覚していた。それらの性的嗜好を塗り潰すかのように異形の魔羅が内腹の弱点を鞣し尽くしていく。一回抱かれれば済む話だと思っていたのに、こんな風にされるなんて。丸太のような腕で抱えられ、自分より遥かに大きな体躯で押さえつけられ、低い声で耳殻まで犯されて、幾度も幡は絶頂を繰り返した。こんなに気落ち良くなってしまったら元の自分には戻れないかもしれない。
 突然後孔に咥えたそれが容積を増し、反射的に青年は下腹に力を入れる。直腸をみっちりと拡げた肉の槍は意志を持ったように数度痙攣すると、勢いよく精を放ち始めた。
 ビグ、ビグンッ♡♡♡……びゅくくッ♡!!ビュルルルッ……♡!!
 「ン、あっ……!!ひぃ、ひっ……♡♡♡い、いきなり……ふぁあっ……♡♡♡」
 「グおぉっ……♡たまらんなぁ♡よく締まる……ッ!!」
 腰をがっちり掴まれてしまうと逃げることも叶わない。緋猿の精気がたっぷり込められた体液を腹に直接注がれて、腰からじわじわと力が抜けていく。緋猿の精はひどく粘っこくて、いくら達しても種切れが訪れない。結腸奥に射精されると臍の下から酷く疼いて、その癖何度もその熱さが恋しくなってしまう。体の最奥から書き換えられていくような快楽だった。
 自ら弱々しく腰を振るのをやめられない幡の、倒れ込みそうになる体を太い腕が捕まえた。
 「……ぁ、……は……っ♡…………~~~ぁ、……♡♡♡」
 「おぉっと、体力切れかね。……ふぅウっ♡紋も濃く染まってきたな」
 「ふーっ……♡ん、んぅ……っ♡♡ふぁあッ♡!!ひぐっ!!あづ、熱いィッ!!」
 尻穴から溢れた粘度の高い精液を指で掬い取り、緋猿が紋へと擦り付ける。幡の下腹へ焼鏝を当てられたかの如き熱さが走った。仰け反って逃げようとするが、腰を掴まれ、叱咤するように突き上げを喰らう。緋猿自慢の巨根が薄い腹筋を内側から破らんとしていた。
 爛々と光る獣の目。紋を摩り、種汁を思う様刷り込んだ後、緋猿は一息にその根を抜き取った。
 ぞりぞり肉襞が抉られる感覚に悲鳴が上がる。ころんと布団の中央へ転がされ、腕に閉じ込めるよう緋猿が覆い被さってきた。
 「……ッう、ぅうう、ひっ……!!やぁ、嫌、やだぁ……っ!!も、こわい……きもちぃの、こえぇ……っ♡」
 長い舌が首筋をなぞる。滴る汗を啜り上げ、うまそうに口角を吊り上げる。終わりの見えない行為に心が限界を迎えた幡の耳へ、低く甘ったるい言葉を流し入れる。
 「ああ泣くな、目が溢れるだろう……儂が悪かったなァ、やりすぎたなぁ……♡見ろ、紋の色がまだ淡い。これが黒ぉく染まりきったら帰してやるからなぁ」
 「ひぐ、う、うっく……ほんと、に。それで……」
 「本当だとも。それまでの辛抱だ……」
 涙と鼻水でぐちゃぐちゃの顔を撫で、未だ痺れの走る身体へ口づけを降らす。青年の身を横たえさせ、大猿の巨体が性懲りも無く動き始めた。仰向けに寝かせた幡の太腿を抱え上げ、努めてゆっくりと柔い尻へと割り入っていく。息を詰める幡に刺激が少ないよう、それまでの乱暴狼藉とは打って変わって宥めすかすような腰振りを再開した。
 「……ふ、ぁ、あっ……♡……ん、アっ♡……あっ、あっ……♡」
 「素直に鳴くがいい。欲に抗うな……!そう、息をついて……」

 それから緋猿は長い時間をかけて幡を抱いた。
 神域に訪れる朝も夜もなく、種を仕込むが如きしつこさで青年の腹を耕し続けた。どれほど時が経っただろうか、抱かれ続ける幡は疲労困憊で、いつしか生活の介助を全て契約上の夫に委ねるしかなくなっていた。
 ろくに腰が立たないので便所に風呂にと運んでもらわねばならないし、夕餉の時など口移しに飯を食わされる。それをぼんやりと、雛鳥のように受け入れるのだから自分もおかしくなっているのだろう。それ以外の時間は本当にずっと体を重ねている。二つの肉はすっかり馴染んで、今や同じ生き物のように呼吸を合わせられる。
 「もう休むか?」
 「ん、まだ……色、黒く染まってねえ、から……♡」
 「ひひ、そうだなあ……口を吸ってやる。膝に乗れ」
 「う、うん……。ン、ちゅ……♡……はぷ、んくっ♡ぁ、はぁっ……♡♡♡」
 舌を目一杯絡めて快楽を追う。心地良さに上手く身を任せることができるようになると、体が格段に楽になった。舌の吸い方、息継ぎの仕方は緋猿が教えてくれる。異形はくったり力を抜いて身を預ける幡に上機嫌だ。身の委ね方も、奉仕の仕方だって、こいつの知らない色事はないように思われた。

 幡の洞、その深くまで緋猿が埋める。揺すぶるたびに青年らしい生意気そうな顔が解け、喘ぎが漏れた。どっぷり肉悦に沈められた幡はとても素直だ。最近は色惚けが激しく、体を繋げていない時もどこか体を触れさせていないと落ち着かないらしい。すっかり懐いた腹を撫でる。臍についた妙な金具と相まって、呪紋の見栄えが実に扇情的だ。緋猿が満足そうにニンマリとする。濃い紅に染まった紋様は、立派に育ちきっていた。
 「あっ♡もっと♡やめんじゃねえよっ♡!!まだ黒くなってない!!出して、いっぱいっ♡全部くれよぉッ♡♡♡!!」
 初夜に着ていた白無垢姿で青年が乱れる。緋猿はわざと爪であちこち裂きながら人間の妻を抱いた。上手く育ったもので、紋がいつまで経っても黒色に変化しないことに疑問すら抱く余裕がないようだ。これに召し替えさせるとき、いつもの軽装と違う着物に青年は不思議そうな顔をした。ここへ来た目的などとうに忘れているのだろう。
 見せつけてやろうなあ。そう嘯いて、禍つ神は種納めに腰を震わせた。
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