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本編

耐えられない快感

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安里が手にしているのは、小指も細い金属の棒。それから嫌な思い出しかない、例のわっか。

「…それ、」

「龍にとられたままにしてただろ、おまえ。消毒済らしいから安心しろ」

あの時は我慢できなかったからな、と言いながら、安里が俺の足を広げる。恐怖でだらんとしたそれを安里が手ですくって、握ってくる。安里の綺麗な指が俺の汚いものを触るのを見て、ちょっとずつ起き上がってきた。

どうせ輪をはめるためにやってるだけなんだってわかってるのに、反応してしまう。

「…っ、」

「…よし、」

ちょっと固くなったからあの嫌な輪をはめられるのかと思ったら、安里は金属の棒の方を手にとった。消毒液も取りだして、それを拭いている。

「…?なんに使うんだよ、それ」

「……痛いらしいからな。我慢しろよ」

「…っ!」

まさかの尿道口にそれを宛がわれて、冷たさと驚きで身体が跳ねた。

「えっ、まっ待て…!ぜってぇ痛いだろ…!」

今まで液体の通り道としてしか、しかも排出ののためにしか使ったことのない場所だ。固体を捩じ込むなんて、考えるだけでゾッとする。

「お仕置きだからな。言うこと、聞けるよな?」

「…!」

「大丈夫、怖くない。龍からレクチャーは受けた」

安里が、フッと笑う。
口答えなんか出来ないけど、怖いものは怖い。どこに力入れていいのかわからないし、どんな痛みがくるか想像しがたくて怖い。

「…仕方ないな。…ほら、俺の服噛んでろ」

「…っふぐ、」

安里の左手の袖が口ん中に押し込まれたから、大人しく噛んで目を閉じた。安里のベッドのシーツも握り締めて、来るであろう激痛を静かに待つ。

「…っ、!ん!」

けど、ぴちゃ、という水音と共に来たのは、ものすごい快感だった。これってもしかして、舐められてるのか。安里が、俺のを舐めてるのか。それだけで苦しいくらいに膨らむそれ。けど、わかってる。気持ちいいので気を紛らせてくれようとしてるけど、この後に絶対痛みが来るってこと。

「…っ!!」

ピリ、と焼けるような痛みがそこから来て、安里の袖を噛む歯に力を込めた。

「ふ…っ、…っ」

今まで経験した痛みとは違う感覚に、身体が強張る。痛いんじゃなくて、熱い。

「…っあ、さと…!」

「ちゃんと噛んでろ」

「…っ」

ちょっと入れたとこで、少し止まってくれた。ピリピリと痛むそこはもうたぶん萎えてる。

「…てぇ、安里、痛ぇ…っ」

「いい子だから我慢しろ」

頭と頬を撫でられて、ちょっと力が抜けた。どのくらいまで入れる気なのか知んねぇけど、たぶん、まだまだだ。

「入りにくいから萎えんな」

そんなこと言っても、痛いものは痛いし、痛ければ萎える。

「…一気に入れるか」

「!おい待て待て待て」

「ほら、しっかり噛んでろ」

「っ、」

起こそうとした身体をベッドに押し付けられて、そのまま口を安里の手で塞がれる。抵抗しようにも、抵抗すれば怒られるかなとか思ったらどうしていいのかわかない。足の変なところに力が入る。

「っ!!」

そしたらただでさえズキズキ痛んでたそこに更に激痛が走って、視界が滲んだ。歯を食いしばって耐えようとするけど、殴られるのよりも蹴られるのよりも痛くて、噛んだ歯と口をふさぐ安里の手の間からうめき声が漏れる。

「…は、痙攣してる、ここ」

「…!、!」

「ほら、見てみろ。ちゃんと奥まで入った」

安里はなんか楽しそうに俺のもんを眺めてるけど、俺はまだそれどころじゃない。熱を持ってるみたいな痛みがずっとズキズキと俺を襲ってる。

「はっ、久しぶりに見たな、おまえのそんな顔」

ペチペチと俺の頬を叩いてくる安里。久しぶりに安里が楽しそうだから嬉しいけど、代償があまりに大きすぎる。

「…いってぇんだよ…っも、これ、勃たなくなるんじゃねぇの…、」

「完全に萎えてるな。けど、萎えてんのに無理矢理起こされてる。…なんか可愛いな」

「!……っ」

わかってる。安里が可愛いと言ってるのは俺じゃない。棒のせいで無理矢理起こされてる、俺の可哀想な息子だ。けど、頭ではわかってるのに、心臓が勝手に反応してる。可愛いとか言われて嬉しいこと自体がもうどうかしてる。

「……」

視線を下に落としてみたら、安里にじーっと観察されてる。安里が手を伸ばしてきた。どうするんだ?と悠長に思ってたら。

ピンッと、指で弾かれた。

「……いッ!!」

脳天まで駆け抜けるみたいな激痛。
さっきまでのは管を通るのが痛かったけど、今のは奥をえぐられた感じでもっとえげつない。

「はははっ痛そうだな」

「…………!!」

痛すぎて霞む視界。俺が悶えているのに、不釣り合いな楽しそうな笑い声が聞こえる。終わったと思って油断してた。

「ふ、身体もびくびくしてる」

「…ぅあ、」

仰け反らせてた喉を安里に触られて、くすぐったくて変な声が出た。そのまままたベッドに倒されて、安里が上に覆い被さってくる。

「よしよし、よく頑張ったな」

「…っ」

優しく頭を撫でられた。そんな風に褒められたら、どんなことでも我慢できる気がする。ご褒美があるなら、安里が喜ぶならなんでもしたい。

「海斗、」

安里の顔が近づいてきて、キスされた。舌を舐められたら、背筋がぞくぞくして気持ちいい。安里はいじめて満足したあとは優しい。

「海斗、気持ちいいのは好きか?」

「…え、」

いつもならちょっとの警戒はしたかもしれないけど、完全にご褒美の時間だと思い込んでた俺は、なんの疑いも持たなかった。

「そりゃ、好きだけど」

「よし。なあ海斗、今入れたコレ、実は振動機能付きなんだ」

「…しん、どう」

振動。入ってるだけでこんなに痛いのに、振動したらどうなるって言うんだ。

「いい、いい、要らねぇ!」

「最初は痛いかもな。けどすぐ気持ちよくなる」

そんな怖いことを笑いながら言われて、制止しようとして伸ばした手はやんわりと退けられた。モノから飛び出た部分にあるらしいスイッチに、安里が触れる。

ちょっと身構えた瞬間、身体中を駆け抜けるような、痺れるくらいの痛みと快感が走って、咄嗟に反応もできなかった。

「ぃ…っ!…っぁああ゙、ア、アッ」

「はは、震えてる。見てみろよ」

安里が楽しそうになにか言ってるのは聞こえてるのに、それの意味は入ってこなくて、必死でその衝撃に耐えることで精一杯だった。

刺さったそれが奥を抉るのは確かに痛いのに、尿道を震わすのは気持ちいい。両方ともが強烈で、処理しきれない。

「…ぅあ゙ッ安里、あさと…!」

「先走りが隙間から溢れてる。…まだイくなよ」

「…ッ無理、だッ…て!」

「ほら、これつけてやるから」

「…ッ!」

頭が真っ白になるような感覚の中でも、安里が出してきたもののヤバさは簡単に理解できた。それは例のリングで、たぶん、中に棒を入れられたままの俺の息子ごと締め付ける気だ。

そしたら確実に、ずっと快感は与えられ続けるけどイけない時間が続く。

棒を突っ込まれたあの痛みがお仕置きってわけじゃなかったらしい。たぶん、さっきの痛みに負けないくらいの苦痛がまだ来るんだ。

「……うぁぁ、あっ、」

安里がリングをはめていく。すでに破裂しそうなそれは、本当に爆発でもするんじゃないかってくらいに腫れている。

嫌だ嫌だと動く俺の額に安里がキスをしてきて、宥められる。それは苦しさを紛らすけど、ゼロにはならない。

「ほら、ちゃんと我慢しろ」

「……っぁ、…っちゃんと我慢、すっから…イけなくていいから…ッ!!ぁ、あっ、震えんのは…っいやだ…っ」

せめて、この押し寄せるみたいな快感だけは何とかしてほしい。どこに処理していいのかさえわからなくて、痛みよりもつらい。

「…ふ、殴っても蹴っても平気そうなくせに、快感には弱いんだな」

「…ぁぁああ…っぁ、あ」

安里の手が伸びてきて口元をくすぐってくる。トんだ頭でそれを舐めようとして口を開けたら、声が出た。

「…は、はッ、ぁぁあ…っ、はッ、」

息があがる。自然と声が出る。

目の前の綺麗な指を舐めたい。

今は機嫌が悪いような感じでもないけど、お仕置きってくらいなんだから、やっぱり怒ってるのか。俺は自由に動いていいのか、舐めたら、怒られるのかな。

とかって働いてない頭で考えてたら、安里が指で舌をくすぐってきた。いいから舐めろって言ってるみたい で、心臓が締め付けられた感じになる。

「……っは、ぁ、はッ」

安里の指に舌を這わせる。押し寄せる快感と苦痛はかわらないのに、落ち着く気がする。

そのまま安里の指が俺の舌を摘まむ。表面をくすぐって、もっと奥へと侵入してくる。

喉の奥まで指が入ってきてえずきそうになるし生理的な涙が出るけど、見上げた安里の顔はちょっと熱を持ってる感じがして、もっと興奮した。

「…っ、んん゙…!」

痛いし、苦しいのに、震えるそれは気持ちいい。イけないから解放されることがなくて、身体の中に容赦なく溜まっていく。

出ていった安里の人差し指と中指を掴まえて舐めてたら、だらだら溢れる涎を親指で拭われた。

「海斗、苦しいか?」

「…ッは、ぁッッくるし…いッ、あさと、も…ッ頼むから…ッ」

頭ん中は考える余裕もないほどにぐちゃぐちゃで、ただただ懇願した。

「俺の犬なら、俺以外のやつに尻尾振るなよ、海斗」

「…ぁぁっあ…ッ、わかった、…ッ、も…ッ、変になる…ッ安里…!」

「そんなに嫌か?」

「…っ!嫌だ、これ、嫌だ…!」

必死で答えたら、安里が笑いながら手を伸ばして、震えてるもののスイッチを切ってくれた。

「…っぁ、…はっ!はっ、ぅあ~…っ」

振動は止まったはずなのに、ずっと震えさせられてたそれはじんじんと痛んで、まだ震えてるみたいに錯覚してしまう。

「ふ、どうだった?」

「…っは、すっげぇつらい…っも、ぜってぇやだ…!」

「…へえ、絶対?」

「絶対!」

安里が本当に楽しそうに笑ってる。そしてそのまま俺の額にキスして、頭を撫でてくれた。

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