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大仕事⑨
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仕事、御神木を生き返らせること。
ジャスには未だにそんな事ができるとは信じられないでいた。
御神木の所に着くと、村長や村の偉い人らしい人が何人か待っていた。
「お待ちしておりました」
村長はアウルに丁寧にお辞儀をする。アウルはそれを無視して御神木の前に立つ。
「ちょっと離れてろ。邪魔だ」
無礼な言い方だが村長は素直に従う。
アウルは荷物から何やら液体の入った大きな瓶を取り出すと、御神木の周りを囲うように振りまいていく。
そして、御神木の根本を両手で掴むと、突然強い光がアウルと御神木両方を包み込んだ。
「何も見えない……」
ジャスは思わず呟く。光が強すぎて何が起こっているかわからない。
しかし次第にその強い光が形を変えていった。根本から折れているはずの御神木の光の輪郭が、みるみるうちに高く高くなっていったのだ。
「オオォ」
周りの人々から感嘆の声が上がる。
突然、光が消えた、
そこには、立派にそびえ立つ、立派な大木があった。
「御神木が蘇った……」
周りにいた人が呟いた。
「本当に、御神木が生き返った!」
その言葉を皮切りに、周りにいた人々はわっと沸いた。
「さすが大魔法使いだ!」
周りの人が大騒ぎする一方で、アウルは疲れた顔で御神木の幹に寄りかかっていた。
クロウが静かにアウルに近づく。
「平気?」
「ああ」
短く答えると、アウルはゆっくり体を幹から離した。そして興奮している村長に
「じゃあ、仕事終わったから帰る」
とだけ言うと、荷物を仕舞いだした。村長は慌ててアウルに駆け寄る。
「ありがとうございます。何が食事でも召し上がって行きませんか」
「いらねぇ。それより支払いをきっちりしてくれりゃいい。コイツを通して払え」
アウルはクロウを指さして言った。クロウは村長にニッコリしてみせる。
「後日代金回収に向かいますのでー。一銭もまけれないよ」
そして、クロウはアウルのしまった荷物に魔法をかける。
「ジャスくん、今度は軽くする魔法かけてあげたから、アウルの荷物持ってあげて」
急に話しかけられてジャスは慌てて荷物を持つ。本当に、昨日とは比べ物にならないくらい軽くなっている。まるで羽でも持っているかのようだ。
「あれ、そういえば、クロウに魔法かけてもらうと高くつくんだっけ…?」
ジャスがつぶやくと、クロウは笑った。
「初回限定だよ。嫌なら解くけど?」
「いえ!ありがたく!」
「おい、早く行くぞ」
アウルはもうすでに先に行ってしまっている。
クロウとジャスは慌ててその後を追う。
ジャスは村から出る途中、遠くの方にオーブの姿を見た。オーブはこちらを向くと、丁寧におじぎをして、口を大きく動かした。『ありがとう』と言っているようだった。
彼女が今後この村でどうするかはわからない。少しでも幸せになってくれたらいいな、と思った。
ジャスには未だにそんな事ができるとは信じられないでいた。
御神木の所に着くと、村長や村の偉い人らしい人が何人か待っていた。
「お待ちしておりました」
村長はアウルに丁寧にお辞儀をする。アウルはそれを無視して御神木の前に立つ。
「ちょっと離れてろ。邪魔だ」
無礼な言い方だが村長は素直に従う。
アウルは荷物から何やら液体の入った大きな瓶を取り出すと、御神木の周りを囲うように振りまいていく。
そして、御神木の根本を両手で掴むと、突然強い光がアウルと御神木両方を包み込んだ。
「何も見えない……」
ジャスは思わず呟く。光が強すぎて何が起こっているかわからない。
しかし次第にその強い光が形を変えていった。根本から折れているはずの御神木の光の輪郭が、みるみるうちに高く高くなっていったのだ。
「オオォ」
周りの人々から感嘆の声が上がる。
突然、光が消えた、
そこには、立派にそびえ立つ、立派な大木があった。
「御神木が蘇った……」
周りにいた人が呟いた。
「本当に、御神木が生き返った!」
その言葉を皮切りに、周りにいた人々はわっと沸いた。
「さすが大魔法使いだ!」
周りの人が大騒ぎする一方で、アウルは疲れた顔で御神木の幹に寄りかかっていた。
クロウが静かにアウルに近づく。
「平気?」
「ああ」
短く答えると、アウルはゆっくり体を幹から離した。そして興奮している村長に
「じゃあ、仕事終わったから帰る」
とだけ言うと、荷物を仕舞いだした。村長は慌ててアウルに駆け寄る。
「ありがとうございます。何が食事でも召し上がって行きませんか」
「いらねぇ。それより支払いをきっちりしてくれりゃいい。コイツを通して払え」
アウルはクロウを指さして言った。クロウは村長にニッコリしてみせる。
「後日代金回収に向かいますのでー。一銭もまけれないよ」
そして、クロウはアウルのしまった荷物に魔法をかける。
「ジャスくん、今度は軽くする魔法かけてあげたから、アウルの荷物持ってあげて」
急に話しかけられてジャスは慌てて荷物を持つ。本当に、昨日とは比べ物にならないくらい軽くなっている。まるで羽でも持っているかのようだ。
「あれ、そういえば、クロウに魔法かけてもらうと高くつくんだっけ…?」
ジャスがつぶやくと、クロウは笑った。
「初回限定だよ。嫌なら解くけど?」
「いえ!ありがたく!」
「おい、早く行くぞ」
アウルはもうすでに先に行ってしまっている。
クロウとジャスは慌ててその後を追う。
ジャスは村から出る途中、遠くの方にオーブの姿を見た。オーブはこちらを向くと、丁寧におじぎをして、口を大きく動かした。『ありがとう』と言っているようだった。
彼女が今後この村でどうするかはわからない。少しでも幸せになってくれたらいいな、と思った。
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