媚薬魔法の優しい使い方

りりぃこ

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覚悟

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 アウルとキスをしなくなってから一週間以上経過した頃、ジャスは荒い息で薬棚を漁っていた。

 そう、毎日キスしていたのが急にしなくなったので、また中毒症状が出てきたのだ。

 なんとか冷たい水やら気づけ薬で対処してきたが、正直アウルを見るだけで、いつも飲んでいるコーヒーの匂いをかぐだけで、意識が朦朧としてしまう。

 幸い、ここ数日クロウから貰った仕事でアウルが部屋に籠もりっきりなので、ほぼ顔を合わせない日が続いているのでなんとかなっている。

「中毒性抑える薬……在庫無いのか……」

 ジャワは薬棚の前でガックリと膝をついた。素直に薬を作ってもらうように頼めばいいのだろうが、素直に作ってくれるかどうかも怪しい。

「はあ……でももう限界だ」

 ジャスはヨロヨロとアウルの部屋へ向かった。



「アウル、ごめん忙しいところ」

 アウルは、ジャスが部屋へ入ってきたのを見て、作業の手を止めた。

「何だ」

 アウルが振り向くと、フラフラとジャスが近づいてきた。顔は真っ赤だ。

「どうした。体調悪いのか」

「お願いが、あって。あの、中毒症状抑える薬、作ってもらえないかな」

 バツが悪そうな顔でジャスは頼んだ。

「中毒症状って……ああ、そうかキスしてねえからか。最近寝てるときに手も出してねえからな」

「寝てるとき何してんだよ……ってか、今はそれはいいや。頼む……ちょっと限界で」

 ジャスはアウルの前にしゃがみこんだ。

 アウルはジャスを見下ろし、少し考え込むと、ニヤリと笑った。

「断る」

「はっ!?」

「今、テメェは何したい?」

「な、何したいって……」



「言ってみな。何してえんだ?いや、何されたい?」



 クロウはジャスの顎を掴んで顔を近づけた。

「前にテメェは言ったじゃねえか。契はちゃんと起きているときに意識してやりてえって」

「そ、それは……その前にこっちの覚悟が……」

「今テメェは俺にキスしてえだろ?いや、されてえ方か?むしろもっと先もやって欲しいって思うほどに症状が進んでんじゃねえか?」

「そ、そんな事!!」

 ジャスは首を振ろうとしたが、がっしりと顎を掴まれている上に力がはいらなくて動かせなかった。

「してえ、されてえと思ってるときにセックスすんなら、怖くねえんじゃねえか?なあ」

「だっ……でもっ覚悟がまだ」

「覚悟なんてどうにでもなんだろ。とにかく試してみようぜ」

 そう言ってアウルは、あっという間に力の入らないジャスを自分のベットに投げ込んだ。

 アウルはジャスの様々なところを優しく触れた。ジャスはふるふると震えながらも抵抗できなかった。

「な、何でキスはしてくれねえんだよ……」

 恥ずかしそうにしながらも細い声でジャスは、訴えた。キスしてもらわないと、中毒症状は収まらなく、ただただ衝動が強くなるだけなのだ。

「してほしいのか?」

 ニヤニヤと笑うアウルに、クソ、と心の中で悪態を就きながら、ジャスは悔しそうに頷いた。

 すると、アウルはジャスの頬を優しく包むと、乱暴に深く深くキスをした。

「んっ……あっ、ん、そこまで深いのは……」

 ジャスは一瞬抵抗したが、すぐに力がはいらなくなってしまった。

「おおかた、中毒症状抑えるくらいの軽いキスをお望みだったんだろうけどな。この流れでそんなもんで済ませるわけねえだろ」

 アウルはそう言うと、また強くジャスに強く魔力を込めて深い口付けをした。

 ジャスは一切力がはいらなくなり、ただただアウルの優しい手付きを感じるだけになった。

 そのぼんやりとした頭で、初めてアウルにキスされた時のことを思い出していた。



 ――あの時とほとんど変わってないじゃないか。何が怖がらせないだ。結局あいつの自分勝手は変わらない……。

 このまま契を結んでしまうのかとジャスがガックリと絶望した時だった。



「覚悟が、決まったら言え」

 アウルそう言うと、突然キスをやめ、身体を触るのもやめ、ジャスに毛布を被せて優しく頭を撫で始めた。

「か、カクゴ?」

 ぼんやりとした頭で、ジャスはぽかんとオウム返しをした。

「何だよ、テメェが言ったんだろうが。覚悟したいって」

「あ、ああ。……てっきり……このまま契のセックスに持ち込まれるのかと……」

「試してみようってさっき言っただろうが。だから試しただけだ」

「はあ」

 ジャスはホッとして力が抜けた。

「お前は、本当に……」

「何だよ。早く覚悟決めろ」

 そう言いながら、アウルはジャスを撫で続けた。

「さっきよりは中毒症状良くなってんだろ?ちゃんと考えて早く覚悟決めろよ」

 確かに、さんざんキスされたせいで、キスを欲する衝動は無くなっていた。だからといって簡単に覚悟を決めれるはずもない。そうジャスが文句を言おうとしたときだった

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