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番外編Ⅲ ☆結婚するつもりない⑤
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「俺も、正直何がベストなのかわからない。でもね、これで勘弁してもらえないかな」
そう言って、弦人はそっと瑞希の手を取った。
何やらコネコネと手をいじられ、その手が離された時、瑞希の指には、小さなダイヤモンドが飾られていた。
「え?これ」
「結婚指輪のつもりだよ。組長が急かして勝手に用意しようとするから、急いで自分で用意しといたものなんだけど……」
よく見れば、ダイヤの横に小さな花の細工が施されていた。ハナミズキだ。
「で、でも結婚するつもりないって……」
「書面上はね」
そう言って、弦人は瑞希を抱きしめた。
「ごめんね、不安にさせちゃったんだね。今度、ヤクザにとって書面よりも信用している契約をしにいこう」
「書面より?」
「組長の前に誓いにいこう。盃を交わそう」
弦人の言葉に、市原は珍しく大きな声で笑った。
「はっ!違いないですね。うちじゃあ神様に誓うより組長に誓ったほうが、破った時が恐え」
「ち、ちょっと!今ハナちゃんプロポーズされてる!?いいのこんなソープランドでプロポーズって!」
セイラがなぜかプリプリしながら言った。
瑞希は嬉しそうな顔をしながらセイラに言った。
「ロマンチックですよ。だって、弦人さんに初めて出会った場所だもん」
「そうだよ、俺が初めて瑞希ちゃんに刺されそうになった場所だよ」
弦人も笑う。
そんな二人を見て、セイラは肩をすくめて「こりゃお似合いだわ」と呆れたように笑った。
※※※※
後日、瑞希は、弦人の父親、黒部組組長と初めて顔を合わせた。
そして盃で酒を呑み交わした。
少し日本酒で酔ってしまった瑞希が、
「弦人さんの刺青って鬼だと思ってたんですけど、本当はお父さんの顔だったんですね」
と言ってその場にいた組合員全員に大笑いされたのは、また別の話である。
番外編③ END
そう言って、弦人はそっと瑞希の手を取った。
何やらコネコネと手をいじられ、その手が離された時、瑞希の指には、小さなダイヤモンドが飾られていた。
「え?これ」
「結婚指輪のつもりだよ。組長が急かして勝手に用意しようとするから、急いで自分で用意しといたものなんだけど……」
よく見れば、ダイヤの横に小さな花の細工が施されていた。ハナミズキだ。
「で、でも結婚するつもりないって……」
「書面上はね」
そう言って、弦人は瑞希を抱きしめた。
「ごめんね、不安にさせちゃったんだね。今度、ヤクザにとって書面よりも信用している契約をしにいこう」
「書面より?」
「組長の前に誓いにいこう。盃を交わそう」
弦人の言葉に、市原は珍しく大きな声で笑った。
「はっ!違いないですね。うちじゃあ神様に誓うより組長に誓ったほうが、破った時が恐え」
「ち、ちょっと!今ハナちゃんプロポーズされてる!?いいのこんなソープランドでプロポーズって!」
セイラがなぜかプリプリしながら言った。
瑞希は嬉しそうな顔をしながらセイラに言った。
「ロマンチックですよ。だって、弦人さんに初めて出会った場所だもん」
「そうだよ、俺が初めて瑞希ちゃんに刺されそうになった場所だよ」
弦人も笑う。
そんな二人を見て、セイラは肩をすくめて「こりゃお似合いだわ」と呆れたように笑った。
※※※※
後日、瑞希は、弦人の父親、黒部組組長と初めて顔を合わせた。
そして盃で酒を呑み交わした。
少し日本酒で酔ってしまった瑞希が、
「弦人さんの刺青って鬼だと思ってたんですけど、本当はお父さんの顔だったんですね」
と言ってその場にいた組合員全員に大笑いされたのは、また別の話である。
番外編③ END
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