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2章 ビギシティと出会い
激戦
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「俺が道を切り開く!お前達は周りの奴らを近づけないようにしろ!
『ボディエンハンス』、『ソードリッパー』『ウェポンズブースト』!」
アレンさんが自分と剣を強化し、さらに緑色のオーラを纏う。確かあのオーラは戦士のスキル、戦闘態勢だったはず。ステータスの1つがランダムで1段階上昇するスキルだ。
「『ペネトレイト』、おらっ、くらえ!」
アレンさんがヒューデットを勢いよく斬り飛ばしているのを確認したあと、リーパーさんが『ペネトレイト』を弓に付与し、次々と周りのヒューデットに弓矢を射る。
『ペネトレイト』によって、貫通効果が付与された矢は、1発の矢で数体のヒューデットに穴を開け、ヒューデットは怯んでいる。
しかし、貫通効果が付与されただけで、『ペネトレイト』自体に矢の威力を上げる効果は無いため、時期に追い込まれる。
……なら
「〈炎を象りし赤き矢よ・猛る炎と鋭さ用いて・仇なす敵を刺し射抜け〉!」
威力の高い火属性の魔法でリーパーさんの弓により、ダメージを受けたヒューデットを狙って頭数を減らす。
攻撃力は、『ライトソード』の方が、私のEXスキルの補正も乗って1発で1体倒せるが、一振で消えてしまうし、いくら消費魔力量がEとそこまで多くなくてもすぐに魔力切れになってしまう。この数のヒューデットを相手にするなら、範囲攻撃か、手数が多い魔法、または、消費魔力量が少なく、魔法発動速度が速い魔法がベストだろう。
「よし、5体一気に倒せた!」
私の放った『ファイアアロー』がそれぞれ5体のヒューデットに直撃し、息絶える。
しかし、その代わりのヒューデットがすぐさま現れたため、表情を引き締めてさらに魔法を放つ。
「〈風よ阻め〉、〈不可視なる風よ・鋭利なる刃となりて・切り刻め〉!」
一度『ウィンドブロウ』でヒューデットを押し返し、そこに『エアブレード』を放って怯ませる。
『エアブレード』で倒したかったが、風属性は魔法攻撃力が低い。そのため、一撃で倒すことは出来無かった。
「『ダブルショット』、『バックショット』『アローショット』『アローショット』!」
弓矢を放った直後、魔力で出来た弓矢を放つ『ダブルショット』でリーパーさんがとどめを刺す。
その直後に、私の後ろを狙って、一番近くまで迫っていたヒューデットを『バックショット』でノックバックさせ、『アローショット』で追撃する。
「ありがとうございます!」
「ああ、囲まれないように注意しろよ!『ペネトレイト』、『バーストアロー』!」
リーパーさんはそう言い、限界まで弓を引き絞り、『ペネトレイト』で矢に貫通効果を付与し、今リーパーさんが使える最大攻撃の『バーストアロー』を発動して繰り出す。
放たれた1本の矢が小爆発を起こし、10分の1程の大きさの10本の矢となって数多のヒューデットに飛来する。
1発1発がかなりの攻撃力を誇り、前にいたヒューデットが3体倒れ、さらに『ペネトレイト』の効果により、後ろの方にいるヒューデットにも矢が貫通してかなりのダメージを与える。
「〈さらなる力を求む〉、〈炎を象りし赤き矢よ・猛る炎と鋭さ用いて・仇なす敵を刺し射抜け〉!」
リーパーさんの『バーストアロー』で時間が稼げたため、『マジックチャージ』で『ファイアーアロー』を強化して放ち、さらに5体倒す。
大量にヒューデットを倒したことでステータスが上昇したのかかなりの高揚感が体を支配する。
「よし……アレンのやつ手こずってんな。リーフ、俺はアレンに加勢するぞ!」
「分かりました!〈隔てよ土壁〉〈黒煙の幻影よ〉!」
ひとまず近くにいたヒューデットを撃破、足止めしていると、アレンさんの方を見たリーパーさんがアレンさんの元に加勢しに行く。
私は撃破よりも足止めを優先し、目の前のヒューデット達の前に『アースウォール』を使って僅かに足止めし、さらに『ダークスモーク』で黒煙の幻影を見せる。
『ダークスモーク』によって4体のヒューデットが幻影に引っかかり、『アースウォール』にぶつかり、うまく足止め出来ている。
だけど、今いるヒューデットの後ろからさらに追加で何十体ものヒューデットが現れ、襲いかかってくる。
「嘘ですよね……っ、〈風よ阻め〉、〈隔てよ土壁〉、〈隔てよ土壁〉、〈隔てよ土壁〉!」
迫ってくるヒューデットの軍勢に顔を引き攣らせながらも、『ウィンドブロウ』でヒューデット達を後退させ、そのうちに『アースウォール』を使用し、土の壁を前方、右前、左前の3枚展開し、防御に備える。
「ガァァァアアアッ!」
しかし、すぐにヒューデット達は土壁を殴り、2、3発程度で壁を破壊される。
「防御力が高い土属性でもこれですか」
少しずつ追い込まれながらも必死に打開策を考えようとする。しかし、攻撃するには手数が多い魔法と、広範囲の魔法があまりなく、防御に至っては初級魔法の防御魔法以外にまともに使えるのが、水属性中級魔法の『ウォーターシールド』しかない。『ウォーターシールド』は前方の攻撃しか防げないため、もし横や後ろから攻撃されたら即アウトだ。
「〈輝け光よ〉、〈更なる魔力纏いて・爆ぜよ魔弾〉っ!」
『フラッシュアウト』でヒューデット達の視界を眩ませ、『マジックボム』を放つ。
攻撃力の高い火属性魔法でもなければ、得意属性である光属性でもないため、攻撃力は微妙なものとなってしまうが、ヒューデット達は密集していたため、5体のヒューデットの中心に『マジックボム』放ったためヒューデット達は派手に吹き飛びさらにダメージを与えることに成功する。
「アレンさんとリーパーさんは……ッ!」
一瞬隙ができたため、後ろを振り返る。
そこには大量のヒューデットがおり、2人の姿を目視することが出来ない。
戦闘音は聞こえるためまだ死んでいないと思うけど、まずいことには変わりない。
「〈我は求む〉、〈我が手に宿れ・魔を滅する・光の剣よ〉!」
かなり減っていた魔力をポケットに入れていた中級魔石を砕いて回復し、デュアルアクションを使用した『パワーライズ』で両足を強化し、加勢に向かう。
魔力を多めに使い、多少大きくなった『ライトソード』を一振し4体のヒューデットの首を斬り飛ばす。
「〈風よ阻め〉、〈不可視なる風よ・鋭利なる刃となりて・切り刻め〉!」
その直後に超至近距離で3体のヒューデッドを『ウィンドブロウ』で吹き飛ばし、『エアブレード』で別のヒューデットの胴体を斬り裂く。
すると、ヒューデット達の間からアレンさんとリーパーさんの姿がちらりと見える。
「アレンさん!リーパーさん!」
「リーフか!すまない助かった!」
声を上げると2人は私に気づき、私と2人の間にいたヒューデット達を斬り捨てながらこっちに向かってくる。
2人とも全身傷だらけで、かなり体力が消耗しているのが見て取れる。
アレンさんに至っては腕にヒューデットの噛み跡がついており、出血が多くすごく痛そうだ。しかし、動けないほどの怪我は負ってないらしい。
「リーフ村の奥に逃げるぞ、こいつら倒しても倒しても立ち塞がってくる。量が多すぎて村の入口までたどり着けないんだ!」
「どうやってだよ!?こいつらをかいくぐって奥まで行ける確証なんてないぞ!」
アレンさんの提案にリーパーが必死な表情で叫ぶ。リーパーさんはかなり追い込まれていたのか、弓を手放し護身用の短剣で戦っていたみたいで、短剣にヒューデットの血が付着していた。
「俺が囮になる。お前達は隙が出来たら逃げろ。」
ヒューデットに剣をたたきつけ、そう言った。
「そ、そんなこと……」
出来ないと私は言おうとしたが、その言葉を飲み込む。ほんの一瞬だが、じっとアレンさんは私とリーパーさんを見つめる。
それは、死の覚悟ができた1人の戦士の目だった。
「……分かった。囮は任せる。」
それを見たリーパーさんは怒りをぶつけるように、短剣でヒューデットを斬り裂く。
「私も分かりました、ですがこれくらいはさせてください。〈照らせよ・癒しを授けたる・優しき光〉」
せめて、腕の傷だけは治してあげたいと思い、アレンさんの腕に向けて『ライトヒール』を発動するが、光がアレンさんの傷を癒す直前に飛びかかってきたヒューデットがアレンさんにぶつかり、『ライトヒール』の対象がヒューデットになり、ヒューデットに対して回復魔法をかけてしまう。
「ガァァァ!?」
「え?」
目の前でヒューデットはジュー、ジューと肉が焼けるような音を立て、皮膚が爛れていき、ばたりと倒れ動かなくなる。
「まさか……通常のアンデットと同じように回復魔法が弱点なのか?」
驚愕の表情で倒れたヒューデットを見ながらアレンは言った。
回復魔法が弱点……なら!
「アレンさん、囮作戦はなしです。回復魔法なら得意なので、私が隙を作ります!
〈我らを癒せ・光り輝く・癒しの陣よ〉!」
中級光属性魔法の『サークルリカバリー』を発動する。
私を中心とした半径5mの地面に魔法陣が出現し、魔法陣にいる者を回復させる。
実際、アレンさんとリーパーさんの傷が『サークルリカバリー』によって癒される。
しかし、ヒューデット達は――
「「「「ガァァァァァァァ!?」」」」
20体近くのヒューデット達が『サークルリカバリー』によって倒れていく。『サークルリカバリー』は『ヒール』や『ライトヒール』などの単体回復魔法ではなく、範囲回復魔法のため、単純な回復力は『ライトヒール』に負ける。そのため、既にダメージを負っていた10体ほどのヒューデットしか倒せなかったが、退路はできた。
「ナイスだリーフ!行くぞ2人とも!」
アレンさんに続き、私とリーパーさんはヒューデットの攻撃を避けながら村の奥目掛けて必死に走り続けた。
今回使用した戦技・魔法
ペネトレイト 中級戦技
戦技制御力 D-
戦技発動速度 D--
消費魔力量 E+
戦技効果時間 E++
説明
剣や槍、弓などの武器に貫通効果を付与する。
バーストアロー 中級戦技
戦技攻撃力 C
戦技制御力 D
消費魔力量 D+
戦技発動速度 C-
射程 E-(12)
説明
1本の矢を放ち瞬間に小爆発を起こし、10本の矢に分裂させる。矢の大きさは10分の1になる。
サークルリカバリー 中級光属性魔法
魔法回復力 E
魔法制御力 D+
魔法効果範囲 D
消費魔力量 D--
魔法発動速度 E+
詠唱
我らを癒せ・光り輝く・癒しの陣よ
説明
自分を中心とした半径5mに回復の効果が込められた魔法陣を展開し、効果範囲内にいるものの傷を癒す。
『ボディエンハンス』、『ソードリッパー』『ウェポンズブースト』!」
アレンさんが自分と剣を強化し、さらに緑色のオーラを纏う。確かあのオーラは戦士のスキル、戦闘態勢だったはず。ステータスの1つがランダムで1段階上昇するスキルだ。
「『ペネトレイト』、おらっ、くらえ!」
アレンさんがヒューデットを勢いよく斬り飛ばしているのを確認したあと、リーパーさんが『ペネトレイト』を弓に付与し、次々と周りのヒューデットに弓矢を射る。
『ペネトレイト』によって、貫通効果が付与された矢は、1発の矢で数体のヒューデットに穴を開け、ヒューデットは怯んでいる。
しかし、貫通効果が付与されただけで、『ペネトレイト』自体に矢の威力を上げる効果は無いため、時期に追い込まれる。
……なら
「〈炎を象りし赤き矢よ・猛る炎と鋭さ用いて・仇なす敵を刺し射抜け〉!」
威力の高い火属性の魔法でリーパーさんの弓により、ダメージを受けたヒューデットを狙って頭数を減らす。
攻撃力は、『ライトソード』の方が、私のEXスキルの補正も乗って1発で1体倒せるが、一振で消えてしまうし、いくら消費魔力量がEとそこまで多くなくてもすぐに魔力切れになってしまう。この数のヒューデットを相手にするなら、範囲攻撃か、手数が多い魔法、または、消費魔力量が少なく、魔法発動速度が速い魔法がベストだろう。
「よし、5体一気に倒せた!」
私の放った『ファイアアロー』がそれぞれ5体のヒューデットに直撃し、息絶える。
しかし、その代わりのヒューデットがすぐさま現れたため、表情を引き締めてさらに魔法を放つ。
「〈風よ阻め〉、〈不可視なる風よ・鋭利なる刃となりて・切り刻め〉!」
一度『ウィンドブロウ』でヒューデットを押し返し、そこに『エアブレード』を放って怯ませる。
『エアブレード』で倒したかったが、風属性は魔法攻撃力が低い。そのため、一撃で倒すことは出来無かった。
「『ダブルショット』、『バックショット』『アローショット』『アローショット』!」
弓矢を放った直後、魔力で出来た弓矢を放つ『ダブルショット』でリーパーさんがとどめを刺す。
その直後に、私の後ろを狙って、一番近くまで迫っていたヒューデットを『バックショット』でノックバックさせ、『アローショット』で追撃する。
「ありがとうございます!」
「ああ、囲まれないように注意しろよ!『ペネトレイト』、『バーストアロー』!」
リーパーさんはそう言い、限界まで弓を引き絞り、『ペネトレイト』で矢に貫通効果を付与し、今リーパーさんが使える最大攻撃の『バーストアロー』を発動して繰り出す。
放たれた1本の矢が小爆発を起こし、10分の1程の大きさの10本の矢となって数多のヒューデットに飛来する。
1発1発がかなりの攻撃力を誇り、前にいたヒューデットが3体倒れ、さらに『ペネトレイト』の効果により、後ろの方にいるヒューデットにも矢が貫通してかなりのダメージを与える。
「〈さらなる力を求む〉、〈炎を象りし赤き矢よ・猛る炎と鋭さ用いて・仇なす敵を刺し射抜け〉!」
リーパーさんの『バーストアロー』で時間が稼げたため、『マジックチャージ』で『ファイアーアロー』を強化して放ち、さらに5体倒す。
大量にヒューデットを倒したことでステータスが上昇したのかかなりの高揚感が体を支配する。
「よし……アレンのやつ手こずってんな。リーフ、俺はアレンに加勢するぞ!」
「分かりました!〈隔てよ土壁〉〈黒煙の幻影よ〉!」
ひとまず近くにいたヒューデットを撃破、足止めしていると、アレンさんの方を見たリーパーさんがアレンさんの元に加勢しに行く。
私は撃破よりも足止めを優先し、目の前のヒューデット達の前に『アースウォール』を使って僅かに足止めし、さらに『ダークスモーク』で黒煙の幻影を見せる。
『ダークスモーク』によって4体のヒューデットが幻影に引っかかり、『アースウォール』にぶつかり、うまく足止め出来ている。
だけど、今いるヒューデットの後ろからさらに追加で何十体ものヒューデットが現れ、襲いかかってくる。
「嘘ですよね……っ、〈風よ阻め〉、〈隔てよ土壁〉、〈隔てよ土壁〉、〈隔てよ土壁〉!」
迫ってくるヒューデットの軍勢に顔を引き攣らせながらも、『ウィンドブロウ』でヒューデット達を後退させ、そのうちに『アースウォール』を使用し、土の壁を前方、右前、左前の3枚展開し、防御に備える。
「ガァァァアアアッ!」
しかし、すぐにヒューデット達は土壁を殴り、2、3発程度で壁を破壊される。
「防御力が高い土属性でもこれですか」
少しずつ追い込まれながらも必死に打開策を考えようとする。しかし、攻撃するには手数が多い魔法と、広範囲の魔法があまりなく、防御に至っては初級魔法の防御魔法以外にまともに使えるのが、水属性中級魔法の『ウォーターシールド』しかない。『ウォーターシールド』は前方の攻撃しか防げないため、もし横や後ろから攻撃されたら即アウトだ。
「〈輝け光よ〉、〈更なる魔力纏いて・爆ぜよ魔弾〉っ!」
『フラッシュアウト』でヒューデット達の視界を眩ませ、『マジックボム』を放つ。
攻撃力の高い火属性魔法でもなければ、得意属性である光属性でもないため、攻撃力は微妙なものとなってしまうが、ヒューデット達は密集していたため、5体のヒューデットの中心に『マジックボム』放ったためヒューデット達は派手に吹き飛びさらにダメージを与えることに成功する。
「アレンさんとリーパーさんは……ッ!」
一瞬隙ができたため、後ろを振り返る。
そこには大量のヒューデットがおり、2人の姿を目視することが出来ない。
戦闘音は聞こえるためまだ死んでいないと思うけど、まずいことには変わりない。
「〈我は求む〉、〈我が手に宿れ・魔を滅する・光の剣よ〉!」
かなり減っていた魔力をポケットに入れていた中級魔石を砕いて回復し、デュアルアクションを使用した『パワーライズ』で両足を強化し、加勢に向かう。
魔力を多めに使い、多少大きくなった『ライトソード』を一振し4体のヒューデットの首を斬り飛ばす。
「〈風よ阻め〉、〈不可視なる風よ・鋭利なる刃となりて・切り刻め〉!」
その直後に超至近距離で3体のヒューデッドを『ウィンドブロウ』で吹き飛ばし、『エアブレード』で別のヒューデットの胴体を斬り裂く。
すると、ヒューデット達の間からアレンさんとリーパーさんの姿がちらりと見える。
「アレンさん!リーパーさん!」
「リーフか!すまない助かった!」
声を上げると2人は私に気づき、私と2人の間にいたヒューデット達を斬り捨てながらこっちに向かってくる。
2人とも全身傷だらけで、かなり体力が消耗しているのが見て取れる。
アレンさんに至っては腕にヒューデットの噛み跡がついており、出血が多くすごく痛そうだ。しかし、動けないほどの怪我は負ってないらしい。
「リーフ村の奥に逃げるぞ、こいつら倒しても倒しても立ち塞がってくる。量が多すぎて村の入口までたどり着けないんだ!」
「どうやってだよ!?こいつらをかいくぐって奥まで行ける確証なんてないぞ!」
アレンさんの提案にリーパーが必死な表情で叫ぶ。リーパーさんはかなり追い込まれていたのか、弓を手放し護身用の短剣で戦っていたみたいで、短剣にヒューデットの血が付着していた。
「俺が囮になる。お前達は隙が出来たら逃げろ。」
ヒューデットに剣をたたきつけ、そう言った。
「そ、そんなこと……」
出来ないと私は言おうとしたが、その言葉を飲み込む。ほんの一瞬だが、じっとアレンさんは私とリーパーさんを見つめる。
それは、死の覚悟ができた1人の戦士の目だった。
「……分かった。囮は任せる。」
それを見たリーパーさんは怒りをぶつけるように、短剣でヒューデットを斬り裂く。
「私も分かりました、ですがこれくらいはさせてください。〈照らせよ・癒しを授けたる・優しき光〉」
せめて、腕の傷だけは治してあげたいと思い、アレンさんの腕に向けて『ライトヒール』を発動するが、光がアレンさんの傷を癒す直前に飛びかかってきたヒューデットがアレンさんにぶつかり、『ライトヒール』の対象がヒューデットになり、ヒューデットに対して回復魔法をかけてしまう。
「ガァァァ!?」
「え?」
目の前でヒューデットはジュー、ジューと肉が焼けるような音を立て、皮膚が爛れていき、ばたりと倒れ動かなくなる。
「まさか……通常のアンデットと同じように回復魔法が弱点なのか?」
驚愕の表情で倒れたヒューデットを見ながらアレンは言った。
回復魔法が弱点……なら!
「アレンさん、囮作戦はなしです。回復魔法なら得意なので、私が隙を作ります!
〈我らを癒せ・光り輝く・癒しの陣よ〉!」
中級光属性魔法の『サークルリカバリー』を発動する。
私を中心とした半径5mの地面に魔法陣が出現し、魔法陣にいる者を回復させる。
実際、アレンさんとリーパーさんの傷が『サークルリカバリー』によって癒される。
しかし、ヒューデット達は――
「「「「ガァァァァァァァ!?」」」」
20体近くのヒューデット達が『サークルリカバリー』によって倒れていく。『サークルリカバリー』は『ヒール』や『ライトヒール』などの単体回復魔法ではなく、範囲回復魔法のため、単純な回復力は『ライトヒール』に負ける。そのため、既にダメージを負っていた10体ほどのヒューデットしか倒せなかったが、退路はできた。
「ナイスだリーフ!行くぞ2人とも!」
アレンさんに続き、私とリーパーさんはヒューデットの攻撃を避けながら村の奥目掛けて必死に走り続けた。
今回使用した戦技・魔法
ペネトレイト 中級戦技
戦技制御力 D-
戦技発動速度 D--
消費魔力量 E+
戦技効果時間 E++
説明
剣や槍、弓などの武器に貫通効果を付与する。
バーストアロー 中級戦技
戦技攻撃力 C
戦技制御力 D
消費魔力量 D+
戦技発動速度 C-
射程 E-(12)
説明
1本の矢を放ち瞬間に小爆発を起こし、10本の矢に分裂させる。矢の大きさは10分の1になる。
サークルリカバリー 中級光属性魔法
魔法回復力 E
魔法制御力 D+
魔法効果範囲 D
消費魔力量 D--
魔法発動速度 E+
詠唱
我らを癒せ・光り輝く・癒しの陣よ
説明
自分を中心とした半径5mに回復の効果が込められた魔法陣を展開し、効果範囲内にいるものの傷を癒す。
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