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2章 ビギシティと出会い
癒しの神 サナーシ
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「……ん、癒しの間?」
目を開けると薄暗い空間で僕は横になっていた。この場所は神界の癒しの間――神界に住む精霊や僕達神が大きな怪我や病気になった時に運び込まれる神界唯一の治療施設だ。この神界では怪我や病気になることなどほとんどない。そのためいつもこの癒しの間には管理者である癒しの神であるサナーシしかいない。
「目が覚めましたか、べシール。」
透き通った声が空間に響く。
「僕がここにいるってことは僕はなにかやらかしてしまったってことかな?」
そう言って声のした方を振り返る。振り返ると予想通り真っ白な髪を腰まで伸ばしており、身長180cm越えで20代後半の見た目をした大人の女性、癒しの神のサナーシがいた。
「えぇ、あなたはやらかしました。ワタクシはべシールの治療に力を使い、疲れきっています。とても迷惑です。」
溜息をつき目を閉じた後、キッとサナーシは僕を睨みつける。
「いてて……えーと、僕は一体何をしてしまったんだっけ?気絶する直前の記憶が抜け落ちているんだ。」
そう、今の僕は気絶前の記憶が無い。ユウキをこの世界に連れてきて、その後ノッジィと話した所までは覚えているが、それ以降の記憶が曖昧だ。思い出そうとすると頭が痛くなる。
ここに運ばれてきたということはかなりの重症を負った可能性が高い。体を見回すも特に傷というものはなく、恐らくサナーシが治してくれたのだろう。
「さぁ?ワタクシはべシールの怪我を治しただけ。ここに運び込んできたのはノッジィです。なんでも懺悔の間で倒れていたとか……。べシール、一体何をしたんです?」
爪をいじりながらサナーシは説明をして、眉をひそめて僕に聞いてきた。
「この神界では記憶が無くなるなんて普通はありえない。
そして懺悔の間。あそこで倒れるような事態になることもありえないことです。おまけにここに運び込まれた時、べシールは神としての、そして器の権能も使用できなくなっていました。」
「うっそ、そこまで僕の体はヤバい状態なの?」
とんでもないことをサナーシは口にしてくる。神である僕達は精霊界、人間界、魔界そして邪神界を監視している。精霊界、人間界の監視は基本楽に出来るが、魔界と邪神界……特に邪神界は邪気が多く、かなりの力を要する。
その他にも色々と神のするべきことがあるが、全身に力を込めるも僅かにしか力は湧いてこなかった。それどころか魔法を使おうとしてもマナを魔力に変換するのも遅く、万全の状態とは程遠い。
「あまり無茶はしないでください、ワタクシが治療しましたが神としての力は今は殆ど使えません。時間がかかります。この癒しの間でしばらくは大人しくすることです。」
「今すぐ治すことは出来ない?今は休んでいる暇は無いんだ。」
「……今が大事な時期なのは知っています。特にべシールとノッジィは『アレ』の開発にも携わっていますしね。ですが無理をすると一生力も戻らなくなります。
我々神は不死身、一生力が戻らないとなるともはやただの生きているだけの生物。今無理をすればべシールは神として力を失い、これからの計画の足手まといとなる。お分かりですか?」
傍から見ればサナーシの言葉には刺があるように見える。だけどノッジィの言葉を思い出し、サナーシの本音を理解した。
僕達神はそれぞれ『司るものに人格が引き寄せられる』、サナーシは癒しの神、要するにサナーシは遠回しに心配してくれているんだ。最近の僕はかなり忙しかった。そして力の大部分を失い無理をしては行けない状況になってしまった。だから、冷たい言葉で本音を隠しながらサナーシは遠回しに休めと言ってくれているんだ。
サナーシともかなり付き合いが長く、彼女は癒しの神でありながら、他人を傷付けさせたくない、もし傷を負ったのなら癒したい。そんな気持ちを隠そうとしているツンデレなんだ。今もちらちらと僕の方を見ているのが何よりの証拠だ。
「……確かにここ最近は忙しかった。力が戻らないんじゃ仕方ないか。少し休ませてもらうとするよ。」
「それがいいです。もし暇なのであればこれからの計画、ワタクシも協力しなければならないのでしょう?前にワタクシのやるべき事は聞きましたが、あの時よりも計画は進行している。より詳細にワタクシのやるべき事を教えてください。」
休むとサナーシに言うと、これまでの冷たい態度が嘘のように引っ込み、僅かに笑みを浮かべながら僕に話しかけてきた。
「そうだね、じゃあとりあえず今の状況を伝えようか。」
こうして僕はサナーシに計画のことについて話しながらゆっくりと体を休ませていった。
目を開けると薄暗い空間で僕は横になっていた。この場所は神界の癒しの間――神界に住む精霊や僕達神が大きな怪我や病気になった時に運び込まれる神界唯一の治療施設だ。この神界では怪我や病気になることなどほとんどない。そのためいつもこの癒しの間には管理者である癒しの神であるサナーシしかいない。
「目が覚めましたか、べシール。」
透き通った声が空間に響く。
「僕がここにいるってことは僕はなにかやらかしてしまったってことかな?」
そう言って声のした方を振り返る。振り返ると予想通り真っ白な髪を腰まで伸ばしており、身長180cm越えで20代後半の見た目をした大人の女性、癒しの神のサナーシがいた。
「えぇ、あなたはやらかしました。ワタクシはべシールの治療に力を使い、疲れきっています。とても迷惑です。」
溜息をつき目を閉じた後、キッとサナーシは僕を睨みつける。
「いてて……えーと、僕は一体何をしてしまったんだっけ?気絶する直前の記憶が抜け落ちているんだ。」
そう、今の僕は気絶前の記憶が無い。ユウキをこの世界に連れてきて、その後ノッジィと話した所までは覚えているが、それ以降の記憶が曖昧だ。思い出そうとすると頭が痛くなる。
ここに運ばれてきたということはかなりの重症を負った可能性が高い。体を見回すも特に傷というものはなく、恐らくサナーシが治してくれたのだろう。
「さぁ?ワタクシはべシールの怪我を治しただけ。ここに運び込んできたのはノッジィです。なんでも懺悔の間で倒れていたとか……。べシール、一体何をしたんです?」
爪をいじりながらサナーシは説明をして、眉をひそめて僕に聞いてきた。
「この神界では記憶が無くなるなんて普通はありえない。
そして懺悔の間。あそこで倒れるような事態になることもありえないことです。おまけにここに運び込まれた時、べシールは神としての、そして器の権能も使用できなくなっていました。」
「うっそ、そこまで僕の体はヤバい状態なの?」
とんでもないことをサナーシは口にしてくる。神である僕達は精霊界、人間界、魔界そして邪神界を監視している。精霊界、人間界の監視は基本楽に出来るが、魔界と邪神界……特に邪神界は邪気が多く、かなりの力を要する。
その他にも色々と神のするべきことがあるが、全身に力を込めるも僅かにしか力は湧いてこなかった。それどころか魔法を使おうとしてもマナを魔力に変換するのも遅く、万全の状態とは程遠い。
「あまり無茶はしないでください、ワタクシが治療しましたが神としての力は今は殆ど使えません。時間がかかります。この癒しの間でしばらくは大人しくすることです。」
「今すぐ治すことは出来ない?今は休んでいる暇は無いんだ。」
「……今が大事な時期なのは知っています。特にべシールとノッジィは『アレ』の開発にも携わっていますしね。ですが無理をすると一生力も戻らなくなります。
我々神は不死身、一生力が戻らないとなるともはやただの生きているだけの生物。今無理をすればべシールは神として力を失い、これからの計画の足手まといとなる。お分かりですか?」
傍から見ればサナーシの言葉には刺があるように見える。だけどノッジィの言葉を思い出し、サナーシの本音を理解した。
僕達神はそれぞれ『司るものに人格が引き寄せられる』、サナーシは癒しの神、要するにサナーシは遠回しに心配してくれているんだ。最近の僕はかなり忙しかった。そして力の大部分を失い無理をしては行けない状況になってしまった。だから、冷たい言葉で本音を隠しながらサナーシは遠回しに休めと言ってくれているんだ。
サナーシともかなり付き合いが長く、彼女は癒しの神でありながら、他人を傷付けさせたくない、もし傷を負ったのなら癒したい。そんな気持ちを隠そうとしているツンデレなんだ。今もちらちらと僕の方を見ているのが何よりの証拠だ。
「……確かにここ最近は忙しかった。力が戻らないんじゃ仕方ないか。少し休ませてもらうとするよ。」
「それがいいです。もし暇なのであればこれからの計画、ワタクシも協力しなければならないのでしょう?前にワタクシのやるべき事は聞きましたが、あの時よりも計画は進行している。より詳細にワタクシのやるべき事を教えてください。」
休むとサナーシに言うと、これまでの冷たい態度が嘘のように引っ込み、僅かに笑みを浮かべながら僕に話しかけてきた。
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こうして僕はサナーシに計画のことについて話しながらゆっくりと体を休ませていった。
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