ハッピーエンド・ラブコメディー!

エイチケー

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革命並の強さ

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まだ夏の暑さが残る9月の中旬、、、

この時期になるとグループメールが騒がしくなる。

『そろそろ練習行きますかね?』だとか、

『体なまってきちゃってヤバいわー』だとか… 。 
おっと、失礼。
語彙力のない奴等ですまんな。

『そろそろ《音ゲーの》練習行きますかね?』
これでわかるだろうが、このグループは音ゲーのプレイグループである。

通称、ファイナライズ。

全国大会優勝経験者だけが集められている。
そして、リーダーはこの俺、神音 綾かみね りょう

一応5年連続maimai部門で優勝をしている身だ。
正直、自分は強いと思っている。
だって本当だもん。
そんな事を考えながら一人、ニヤニヤとする。
そういえば、まだ自己紹介をしていなかったな。

~神音 綾の自己紹介~ 
神音 綾かみね りょう
年齢    しゃんしゃい!   嘘      18歳
職業    プロゲーマー       
主に大会の賞金で生計を立てている。
得意な音ゲー   maimai
訳あって一人暮らし

ってな感じでいいだろう。 
自己紹介も終わったことなので、次に「9月中旬の行事」の事を話そうと思う。
この時期にはmaimaiプレイヤーの頂点を決める大会がある。
予選は当然、個人、団体共に優勝。
全国大会出場レッツゴー!てなわけだが、自分はシード権を持っているので一、二回戦はお休みだ。

ここまで上手く行き過ぎるとニヤけが止まらん。

…いかん。またニヤニヤしてきてしまった。
顔の緩みもそろそろ締めていかないと…。
さっきから喫茶店のマスターに凄い目で見られてる気がする。

「ガッチャン!!!!」
喫茶店のドアが勢いよく空いた。


「おい、今回ヤバいのがいるぞ…!」
自分に話しかけてきたのは、昔からの音ゲーフレンズ、志田 舞人だった。

自分の次に音ゲーが上手いであろうプレイヤーだ。

「ヤバいのって?」
実は全く心配はしていないのだが、興味本意で聞いてみた。

「謎の覆面プレイヤーが…。」

「…が?」

「るんちゃんに勝った。」

ガチャン!!!
コーヒーをおもっきし落としてしまった。

「…パーデゥン   ミー?」
おい、驚きで英語が出てきてしまったぞ。

ちなみに志田の言う“るんちゃん”とは、自分の幼馴染み。亜栄 るんあさか るんのことを指す。女子プレイヤーの中でも一二を争う程の実力者である。 

そして話は続く。

「『おい、今回ヤバいのがいるぞ』って言ったけど?」
「そこじゃねーよ。」
定番かよ!この野郎!
「ああ、『覆面プレイヤーがるんちゃんを倒した』って言ったけど?」
そういえば、こいつは冗談が最強に下手なので全て事実なのだが、とても信じ難い。

さて、そのるんを上回ったプレイヤーとは誰なんだろうか?
ネットでその存在は大きく取り上げられていた。
その覆面の名前は         “ANGEL”
久しく心に無かったわ感情が込み上げてくる。

焦り…
怒り…
恐怖…

全てが入り混ざり、訳が分からなってきた。

「まぁ…いい…。」
いや、ダメだ。さっきまでの自信が消え去っている…。

「やってやろうじゃねーか」
心と裏腹に誤魔化しの言葉が出ている。

「だ、大丈夫か?」
志田が話しかける。 

「お前、もしかして…怖いのか?」
「へぁ?怖くねぇーし!!」
志田の嘲笑が癪に触った。
クソッ!プライドってもんは!反射的に嘘がつけてしまう。

「はぁ?なんなら勝ってやるしー。」
自分で言って思うのだが、小学生だろこれ?

「とにかく、明日からだろ?大会。頑張れよ?」
「あっ、」
そうだすっかり忘れていた。
明日は俺の試合だった。
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