ハッピーエンド･ラブコメディー！

忘れかけの大会

大会当日

会場は例年より参加者が多い為なのか、あの覆面野郎の噂のせいか、いつもより騒がしい。

今日は3回戦目。
ファイナライズは団体が、俺には個人でのシード権を獲得していたことにより一、二回戦目はお休みということだ。
1～6回戦まであり、準々決勝、準決勝、決勝戦の順で流れていく。

今まで色んな大会を見てきたが、今回の大会はひと味違う…。
完全に対策させているのだ。
得意な曲、技巧、ノーツ速度まで熟知させてると見て間違いないだろう。
こりゃ参った。

そんなわけでもなんら問題もなく勝ち進んでいった。

今、準決勝が終了したところだ。
戦績、今までオールパーフェクト&フルコン。
準決勝はフルコンクリアしたがグレートを一つ出してしまうという結果だった。

そして、、、。
この大会、6度目の決勝戦。
壇上にいたのはやはり覆面プレイヤー

ANGELだった。

真っ白な狐の仮面に真っ黒なジャージという不気味な服装。

フードでよく見えないが髪は薄青銀はくせいぎんに輝いている…？

小柄で白い腕？

……女の子のように見えるのは気のせいか？

いや、今そんなことを考える暇はなさそうだ。
相手にはるんを倒したというチートスキルがある。
前回の決勝戦みたいに簡単には行けないだろう。

俺は壇上に上がり、戦闘心を素っ裸にしてANGELを睨みつける。
ANGELは仮面をしているので表情は不明だが、微妙に足が震えている。筋肉痛かな？
そんな、誰でもできる推理は名探偵コ●ン君の千分の一の頭脳にはできないらしい。

先攻後攻を決めるのはシンプルにじゃんけん。
ANGELは、チョキ。
自分はグー。

先攻は俺。

先攻には曲を選べる権利が与えられるので、自分は勝負曲【Oshama  scramble！】を選ぶ。
この曲はやってて楽しい曲なのだが、大会の課題曲にもなるほど程よく難しく(ここ大事)、
この曲のレベルMasterの初見フルコンを逃し号泣したことがある。（その後二回目でオールパーフェクトクリアした。）
そんな思い出のある曲で俺はANGELに挑んだ。

試合開始だ