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大天使ミカエル
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水華とよろしくの儀を交わした俺は、
その後数時間医務室を自分の部屋のように寝ていた。
起きたのは午後7時半。
まだ気分が優れない。
医務室のおばちゃんが起こしてくれたのだが、
それもそれで胸糞悪い。
家に帰っても暇なので帰り際に会場のホールに寄ってみることにした。
——会場はすっかり片付けられていた。
あのどでかい決勝の壇上さえ無くなっている。
もちろん表彰台もだ。
あわよくば、表彰台に乗ってはしゃいでやろうかと思っていたのだが、、。
それは悲しくなりそうだ。
それこそ負け惜しみってやつだな。
ふふ…あんなに自信があった俺が恥ずかしい。
それにしても、
天使 水華は不思議なやつだった。
音ゲーに対する気持ちでこうも変わるのかと実感させられたのだ。
るんからきいたのだが、
水華の達成率は101.0%だったらしい。
いわば、『AP』だ。
たったの0.1、2%ぐらいと思う人もいるだろうが、
音ゲー界ではこの0.1、2%で命取りとなる場合が多いのだ。
大した女の子だよな。
全く、、感心しちゃうね。
しばらく感傷に浸っていた。
これからどうしようか?
今まで大会の賞金は俺の家計となっていた。
しかし、これから水華が活躍するとなると少々困ることになる。
はー、と長いため息をついた。
こんなに重く深いため息をついたのは久しぶりだった。
もっと周りを見ようと歩き始めると脚にコツンと何かが当たった。
何かと思い頭を垂らすとあるものを見つけた。
白い羽根だ。
白といっても本当に純粋な白だ。
むしろ透明に近い。
会場は既に消灯してあり暗いのだが、その羽根はきらきらと白く輝いていて眩しくも思える。
何とも綺麗なんだろうか、
さっきまでの重暗い気持ちは何処かへ消えてしまった。
なぜ光っているのか?と言う疑問は生まれない。
まるで子供の頃の様に純粋で素直な気持ちになっているからだ。
今どんだけ罵声を浴びせられても笑顔で居られる。
なんなら、気持ち悪い笑顔で追っ払える気まで湧いてきた。
何者かに操られているかのように足が動いた。
……と一歩踏み出した時、
パキンッ!
「げぇっ」
嫌な会場に音が響き渡る。
やっべ、さっきの羽根を踏んじゃった。
外見はふわふわして気持ち良さそうなのに、
これはガラス製だったらしい。
不思議なものもあるものだ。
……は!
もしかしたらどっかの金持ちが、
有名なガラス細工職人を呼んで特注でつくらせた軽く一億円とかするちょーヤバいのとかだったらどうしよう?
…え?マジでどうしよう!?
一億割ったよ?…俺。
ヤバい、、
悪事働いて怖い先生に見つかった以来こんな焦ったのは初めてだ。
そん時はどう回避しただったけ?
………そうだ!思い出した!
これぞ最強の武器!
《言い訳》だ!
早速言い訳の題材を探そう。
アリバイや裏工作も必要だな(?)
そうゆう時に刑事ドラマとか、
推理小説を読んどいてよかったー!
まずは、、、
現物をしっかり確認しようと足元を見ようとしたのだ。
しかし、そこに羽らしきものはなかった。
たしかに今ここで目視していた。
まさか、、、
ここでまた俺の妄想が始まる。
——まさか、、ソード●ート・オン●インの様に、
倒されてしまった(割れてしまった)後に、
粒子になって消えていったのでは?
、、と全く推理小説には出てこない設定が出てきた。
つまり、
推理小説を読んでいる意味がないことを表す。
やはり、コ●ン君には勝てっこなさそうだ。
無念。
——まあ、被害者がいない限り俺の罪もバレることはないだろう。
「とうとう俺も前科一犯となってしまったか、」
そんな推理小説じみた台詞を言って焦りを誤魔化す。
そろそろ会場も施錠されてしまうので出るとしよう。
そうして自宅に向け歩き出した。
全く別の話になるが、
高校生ぐらいになると夜の街にあこがれを持つ人も少なくはないのではないか?
実際のところ俺もそうだ。
大人になれた気がして爽快だからな。
でも、
夜の街ってのはいいところの反面、
悪いところもあるってことぐらい知っていると思う。
言わなくてもわか…痛い!
一人語りの最中に強烈な痛み。
目の前には電柱が堂々たる姿で立っていた。
曰く、
俺は電柱に見事なヘッドショット食らったのだ。
痛みに耐えず踠く、
はたから見れば駄々をこねたガキである。
うー、痛い。
「ふふ、無様ですね。」
突然、透き通る様な声が聞こえてきた。
それは夜の街を突き刺す様な辛辣な言葉と共に。
その後数時間医務室を自分の部屋のように寝ていた。
起きたのは午後7時半。
まだ気分が優れない。
医務室のおばちゃんが起こしてくれたのだが、
それもそれで胸糞悪い。
家に帰っても暇なので帰り際に会場のホールに寄ってみることにした。
——会場はすっかり片付けられていた。
あのどでかい決勝の壇上さえ無くなっている。
もちろん表彰台もだ。
あわよくば、表彰台に乗ってはしゃいでやろうかと思っていたのだが、、。
それは悲しくなりそうだ。
それこそ負け惜しみってやつだな。
ふふ…あんなに自信があった俺が恥ずかしい。
それにしても、
天使 水華は不思議なやつだった。
音ゲーに対する気持ちでこうも変わるのかと実感させられたのだ。
るんからきいたのだが、
水華の達成率は101.0%だったらしい。
いわば、『AP』だ。
たったの0.1、2%ぐらいと思う人もいるだろうが、
音ゲー界ではこの0.1、2%で命取りとなる場合が多いのだ。
大した女の子だよな。
全く、、感心しちゃうね。
しばらく感傷に浸っていた。
これからどうしようか?
今まで大会の賞金は俺の家計となっていた。
しかし、これから水華が活躍するとなると少々困ることになる。
はー、と長いため息をついた。
こんなに重く深いため息をついたのは久しぶりだった。
もっと周りを見ようと歩き始めると脚にコツンと何かが当たった。
何かと思い頭を垂らすとあるものを見つけた。
白い羽根だ。
白といっても本当に純粋な白だ。
むしろ透明に近い。
会場は既に消灯してあり暗いのだが、その羽根はきらきらと白く輝いていて眩しくも思える。
何とも綺麗なんだろうか、
さっきまでの重暗い気持ちは何処かへ消えてしまった。
なぜ光っているのか?と言う疑問は生まれない。
まるで子供の頃の様に純粋で素直な気持ちになっているからだ。
今どんだけ罵声を浴びせられても笑顔で居られる。
なんなら、気持ち悪い笑顔で追っ払える気まで湧いてきた。
何者かに操られているかのように足が動いた。
……と一歩踏み出した時、
パキンッ!
「げぇっ」
嫌な会場に音が響き渡る。
やっべ、さっきの羽根を踏んじゃった。
外見はふわふわして気持ち良さそうなのに、
これはガラス製だったらしい。
不思議なものもあるものだ。
……は!
もしかしたらどっかの金持ちが、
有名なガラス細工職人を呼んで特注でつくらせた軽く一億円とかするちょーヤバいのとかだったらどうしよう?
…え?マジでどうしよう!?
一億割ったよ?…俺。
ヤバい、、
悪事働いて怖い先生に見つかった以来こんな焦ったのは初めてだ。
そん時はどう回避しただったけ?
………そうだ!思い出した!
これぞ最強の武器!
《言い訳》だ!
早速言い訳の題材を探そう。
アリバイや裏工作も必要だな(?)
そうゆう時に刑事ドラマとか、
推理小説を読んどいてよかったー!
まずは、、、
現物をしっかり確認しようと足元を見ようとしたのだ。
しかし、そこに羽らしきものはなかった。
たしかに今ここで目視していた。
まさか、、、
ここでまた俺の妄想が始まる。
——まさか、、ソード●ート・オン●インの様に、
倒されてしまった(割れてしまった)後に、
粒子になって消えていったのでは?
、、と全く推理小説には出てこない設定が出てきた。
つまり、
推理小説を読んでいる意味がないことを表す。
やはり、コ●ン君には勝てっこなさそうだ。
無念。
——まあ、被害者がいない限り俺の罪もバレることはないだろう。
「とうとう俺も前科一犯となってしまったか、」
そんな推理小説じみた台詞を言って焦りを誤魔化す。
そろそろ会場も施錠されてしまうので出るとしよう。
そうして自宅に向け歩き出した。
全く別の話になるが、
高校生ぐらいになると夜の街にあこがれを持つ人も少なくはないのではないか?
実際のところ俺もそうだ。
大人になれた気がして爽快だからな。
でも、
夜の街ってのはいいところの反面、
悪いところもあるってことぐらい知っていると思う。
言わなくてもわか…痛い!
一人語りの最中に強烈な痛み。
目の前には電柱が堂々たる姿で立っていた。
曰く、
俺は電柱に見事なヘッドショット食らったのだ。
痛みに耐えず踠く、
はたから見れば駄々をこねたガキである。
うー、痛い。
「ふふ、無様ですね。」
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それは夜の街を突き刺す様な辛辣な言葉と共に。
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