ハッピーエンド･ラブコメディー！

太鼓の凡人

「うーん『!!!カオスタイム!!!』はね、太鼓の達人の曲なのだよ？」
「うん！知ってるよ！」

即答！
知ってるなら尚更やめてほしい。

「俺は太鼓の達人できないって言わなかったっけ？」
「・・・」
一瞬黙った。

もしや、諦めてくれるのでは？

「・・・」
「えー、すぐる、おにーちゃんにやってほしいなー。」

上目遣いで俺を見る優ちゃん。
あざとさに脳天をブチ抜かれる俺。


…この状態、かなりヤバくないか？
あっち系の扉が開きかかったぞ。

「なんのはなし～？」
るんがUFOキャッチャーから帰ってきた。
今までのやり取りを一部始終話すと、、、

「え？、、何でやってあげないの？」
え？
なんで？
やりたくないから。

音ゲーで優勝してるのに、
何故音ゲーで恥をかかなければいけない？

（なにデレてんの？早くしなよ。）
水華が追い討ちをかける。

しかもデレてねーし。
まじで心の中見られんの嫌なんだけど…！


————数分後。
…結局、『!!!カオスタイム!!!』をやる事になってしまった。

なんと言ったって『!!!カオスタイム!!!』だぞ。
一見簡単そうな譜面だが、
「カッ」が途中でくる感じがどうも俺には合わない。
元より、太鼓の達人は苦手なんだよ。

（何をグズグズ言ってるんですか？早くして下さい。）
それが出来ないんだよ！
と言うか何度も言うけど、かなり毒舌になったなぁ！？
俺は悲しいぞ！

（アレですよ。イケメンと付き合って性格がクソだったって感じです。）
いや、そのまま訳しちゃうと俺の性格クソって事になるんだけど…？

（違うんですか？）
ズサっ！
い、今。お前さんの言葉が刺さる音がしたぞ。
会話する度にダメージ受けるとか冗談じゃない。


やっとの思いでダメージ回復を図る。
俺は渋々、太鼓の達人の台に体を向けた。

慣れ行きで太鼓をする事になってしまったが、
ど、どうすればいいんですか？

しかも『!!!カオスタイム!!!』とか、、、
簡単に出来るものではない。
んー、どうしたもんかな…。

…と悩んでいたの時だった。
水華の口からとんでもない言葉が出たのだった。


（どんちゃんを叩いて、こ○すんです！）
水華は “ファイト！” のポーズでこちらを見ている。

………いや、“ファイト！”じゃないからね？
余りにも衝撃すぎて放心してたわ！

本当に、、、
今のは絶対天使が言っていい言葉じゃないと思うのは俺だけ？

てか、かっちゃんは？

（かっちゃんも殺っちゃって下さい。）
おーおー。
もう『殺る』って言っちゃってるし。


……作者！太鼓の達人に何の恨みがあるんだ？！
なんと俺はどんちゃんとかっちゃんを殺ることになってしまっただろうが！
ったくもう！

あーもう～やんなっちゃうよ～！
有名人（？）は全員、無茶振りしてもいいってわけじゃないからな？

リュックの中からマイバチを取り出す。
ん？何でバチ持ってるか？
何故、今日持っているかと言うとそれは昨夜に遡る…。

———昨夜。
実は夢の中で、太鼓の達人をしていたのだった。
それは本当の悪夢。

『幽玄の乱』
『infinite Rebellion』
『第六天魔王』
などと言った名高いボス曲を延々とやらされる。

って言う悪夢だ。

だから本当に無意識のうちに入れてたんだろう。



…まぁ、
こうなったからにはやらない手はない。




さあ！試合開始ショウタイムだ！