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第2章 精霊王
19話 見えない道、遠のく道
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俺たちは(レギを残して)ギルドにやってきた。
とりあえず二人だけでも上級職へ、というわけなのだが。
「城下町のギルドっていつもこうなん…?」
入る前から違和感は感じいていたのだけど、いざ入ると中には冒険者はおらず、受付に一名のみであった。
「いや、普段なら活気があるのじゃが」
「とりあえず受付行くか…」
あれ?今日はもしかしてお休みでしたか?といった感じ。
なんだか申し訳ないような気になってしまう。
受付に近づき、俺は『そもそもやっているのか』を聞こうとしたのだが。
「なぁ、ウチら上級職になりに来たんやけど」
ローズは御構い無しだ、いい性格をしている。
「申し訳ないですが、当分の間転職は行うことが難しいかと…」
どういうことだ?それと、この静けさも気になる。
「昨今、外に出る魔物が徐々に減少しておりまして、納品する方がほとんどいないのです。
わずかに寄せられる依頼の方も、いつも朝一番に来られた冒険者様が持ってってしまわれたりで。
この時間になると、このところいつも…」
なるほど、依頼が無いんじゃギルドに来ても仕方ないわな。
で、何故転職も無理なんだ…?
「それで、原因を探るために上級職に、と半月ほど前に数人の騎士様たちがこちらに来られたもので。
水晶に残っている魔素は運営に必要な分を残して、ギリギリなのです」
そっかそっか、無理かー…。
『儂らの持っとる物も足しにはなるじゃろ』とピルスルが言う。
『まぁ…この際だ』と討伐素材などは一通り渡すことにしたのだ。
とりあえず狼の毛皮の残り、レアドロップの上質な毛皮、夜に多く出現していたアンデット系からは謎の包帯や腐った液体、ちなみにこれは取り出したら少し臭った…
牛や馬みたいな魔物から入手したお肉は取っておくとして、角や鬣は売却。
ウィスプ系は無視していたし、上位種も出てこなかった。
あとはカケラが約4000。
『さ、査定にお時間かかりますが宜しいでしょうか!』って受付のお姉さん。
「運用資金にあて…もがっ」
ピルスルの口を咄嗟に塞いだローズ。ナイス判断!
さすがに今の手持ちじゃ豪遊もできないし、楽しいショッピングも遠のいてしまう。
『じゃあまた後で顔を出すよ』なんて言って、ピルスルを引きずりながらギルドを後にするのだった。
「さて、じゃあどうする?ピルスル」
王城でミドに占ってもらったけど、イマイチ情報もなかったし。
とりあえずここでしか買えないような武器とか防具見たいよなーなんて思って、ワクワクしていたんだけど。
「お主ら…まぁ良い、ダンジョンに行ってみるか。四大精霊はいないが現状を把握するにはじゅうぶんじゃろうて」
「あ、いや、そうじゃなくて買い物とか…」
「そうだシュウよ、儂は詰所に寄ってくる、すぐに向かうから門で待っておれ」
「なんやせっかちやなぁ、ピルスルはんゎ…」
全くだ!
こっそり買い物行ってきてやろうかと思ったのだが、ここからでは反対方向だったし、仕方なく俺たちは門の前で待っていた。
門番の兵士からは『よぉ、爆弾魔ってお前か?城の地下で噂になってたぜ』だとよ。
なんなんだよ、この世界の門番たちは全員俺に恨みでもあんのか??
それからちょっとの間待っていると、ピルスルが歩いてきて【一つの瓶】を手渡された。
「これって…あの薬?」
「そうじゃ、一つもらっておいたので収納しておいてくれ」
間違って割ってしまっても困る、恐る恐るインベントリにしまいこんでいた。
じゃあ行くかってことで、近いところのダンジョンへと向かった。
徒歩5分、賢者の塔。
「ダンジョンって言うからもっと迷宮みたいなところだと思っていたのに、ここって灯台じゃなかったんだ…」
海の側に佇む灯台。夜も光は出していなかったけど何も疑っていなかった。
しかし近づいたらわかる、その大きさ。
外周200mトラックくらいのサイズ
それが天高く伸びている。
「【東京のシンボル】より高ぇ…1000mくらいあるんじゃね?」
「しゃーりーてんぷる?お主はたまによくわからん言葉を使うのぉ」
…なんだっけそれ?カクテルの名前だったよな?
ともかく、街から見れば良い観光名所で、冒険者には恐れられる高く高くそびえ立つ塔。
その最上階には英雄の遺産が眠っていると信じられていた。
最近は魔物が出てこないという噂を聞いて、中に入る冒険者が多いのだそうだけれど。
「うむ、やはり魔物は存在せんか…」
「ま、まぁええんちゃう?お宝拾い放題やん」
だが残念ながらお宝もゼロだった、全て取られた後なのか、それも魔素の影響なのだろうか?
「ダンジョンの維持できうるギリギリまで吸い取られておる、といった感じか…」
ピルスルはその方法に憶えがあるといった風で、どうにもザワつきが抑えられないのだった。
4階まで登ったところで、行き止まりにぶつかる。
おかしい、外から見た感じでは4階どころではなく100階はありそうだったというのに。
「見えるかお主…」
「あ、久しぶりだなコレ…」
赤いスポットが見える、ローズは『?』だった。
ピルスルが手を伸ばすと急に壁が消える。
その壁だった向こうには、外が見えるのだった。4階とはいえかなり高い。
え?なに?登れってこと?
周りを見たのだけど、ハシゴのようなものも無くピルスルもローズも困惑していた。
「み…見えない足場…とか」
「試してみたければ止めぬぞ」
そーっと足を伸ばす………見つからない。
とにかくその足場のない景色に身震いが止まらなかった。そそくさと俺たちは街へと引き返すのだった。
しかしここの居酒屋は果実酒がうまい。
濃厚なチーズとよく合う、このサクサクしたクラッカーもピッタリだ。
魚介が新鮮だから塩漬けのサーモンや酢漬けの小鯛のような物まであってついつい呑み過ぎてしまう。
「なんか異世界って感じしないなぁ…」
「ん?なんか言うた?」
いやなんでもない…危うく異世界から来たことまで言いそうになってしまった。
しかしあの塔、どうやって登るんだろうな…?
「なぁ、ウチ思うんやけど…足場が見えないなら見えるようにできるんちゃう?」
「あ!」
…あぁそっか、別に足で試さなくても良かったのか。
よっしゃ明日こそ攻略と思っていたらピルスルが…『今日は魔物の状況見に行っただけじゃ、明日は別の場所に行くぞ』って。
そうでしたね、目的はそっちだったと思いますけど。
そうじゃないんだ、俺たちの目的は、な、ピルスル。
「「…買い物したいわぁ…」」
そう口を揃えてため息をついたのだった。
とりあえず二人だけでも上級職へ、というわけなのだが。
「城下町のギルドっていつもこうなん…?」
入る前から違和感は感じいていたのだけど、いざ入ると中には冒険者はおらず、受付に一名のみであった。
「いや、普段なら活気があるのじゃが」
「とりあえず受付行くか…」
あれ?今日はもしかしてお休みでしたか?といった感じ。
なんだか申し訳ないような気になってしまう。
受付に近づき、俺は『そもそもやっているのか』を聞こうとしたのだが。
「なぁ、ウチら上級職になりに来たんやけど」
ローズは御構い無しだ、いい性格をしている。
「申し訳ないですが、当分の間転職は行うことが難しいかと…」
どういうことだ?それと、この静けさも気になる。
「昨今、外に出る魔物が徐々に減少しておりまして、納品する方がほとんどいないのです。
わずかに寄せられる依頼の方も、いつも朝一番に来られた冒険者様が持ってってしまわれたりで。
この時間になると、このところいつも…」
なるほど、依頼が無いんじゃギルドに来ても仕方ないわな。
で、何故転職も無理なんだ…?
「それで、原因を探るために上級職に、と半月ほど前に数人の騎士様たちがこちらに来られたもので。
水晶に残っている魔素は運営に必要な分を残して、ギリギリなのです」
そっかそっか、無理かー…。
『儂らの持っとる物も足しにはなるじゃろ』とピルスルが言う。
『まぁ…この際だ』と討伐素材などは一通り渡すことにしたのだ。
とりあえず狼の毛皮の残り、レアドロップの上質な毛皮、夜に多く出現していたアンデット系からは謎の包帯や腐った液体、ちなみにこれは取り出したら少し臭った…
牛や馬みたいな魔物から入手したお肉は取っておくとして、角や鬣は売却。
ウィスプ系は無視していたし、上位種も出てこなかった。
あとはカケラが約4000。
『さ、査定にお時間かかりますが宜しいでしょうか!』って受付のお姉さん。
「運用資金にあて…もがっ」
ピルスルの口を咄嗟に塞いだローズ。ナイス判断!
さすがに今の手持ちじゃ豪遊もできないし、楽しいショッピングも遠のいてしまう。
『じゃあまた後で顔を出すよ』なんて言って、ピルスルを引きずりながらギルドを後にするのだった。
「さて、じゃあどうする?ピルスル」
王城でミドに占ってもらったけど、イマイチ情報もなかったし。
とりあえずここでしか買えないような武器とか防具見たいよなーなんて思って、ワクワクしていたんだけど。
「お主ら…まぁ良い、ダンジョンに行ってみるか。四大精霊はいないが現状を把握するにはじゅうぶんじゃろうて」
「あ、いや、そうじゃなくて買い物とか…」
「そうだシュウよ、儂は詰所に寄ってくる、すぐに向かうから門で待っておれ」
「なんやせっかちやなぁ、ピルスルはんゎ…」
全くだ!
こっそり買い物行ってきてやろうかと思ったのだが、ここからでは反対方向だったし、仕方なく俺たちは門の前で待っていた。
門番の兵士からは『よぉ、爆弾魔ってお前か?城の地下で噂になってたぜ』だとよ。
なんなんだよ、この世界の門番たちは全員俺に恨みでもあんのか??
それからちょっとの間待っていると、ピルスルが歩いてきて【一つの瓶】を手渡された。
「これって…あの薬?」
「そうじゃ、一つもらっておいたので収納しておいてくれ」
間違って割ってしまっても困る、恐る恐るインベントリにしまいこんでいた。
じゃあ行くかってことで、近いところのダンジョンへと向かった。
徒歩5分、賢者の塔。
「ダンジョンって言うからもっと迷宮みたいなところだと思っていたのに、ここって灯台じゃなかったんだ…」
海の側に佇む灯台。夜も光は出していなかったけど何も疑っていなかった。
しかし近づいたらわかる、その大きさ。
外周200mトラックくらいのサイズ
それが天高く伸びている。
「【東京のシンボル】より高ぇ…1000mくらいあるんじゃね?」
「しゃーりーてんぷる?お主はたまによくわからん言葉を使うのぉ」
…なんだっけそれ?カクテルの名前だったよな?
ともかく、街から見れば良い観光名所で、冒険者には恐れられる高く高くそびえ立つ塔。
その最上階には英雄の遺産が眠っていると信じられていた。
最近は魔物が出てこないという噂を聞いて、中に入る冒険者が多いのだそうだけれど。
「うむ、やはり魔物は存在せんか…」
「ま、まぁええんちゃう?お宝拾い放題やん」
だが残念ながらお宝もゼロだった、全て取られた後なのか、それも魔素の影響なのだろうか?
「ダンジョンの維持できうるギリギリまで吸い取られておる、といった感じか…」
ピルスルはその方法に憶えがあるといった風で、どうにもザワつきが抑えられないのだった。
4階まで登ったところで、行き止まりにぶつかる。
おかしい、外から見た感じでは4階どころではなく100階はありそうだったというのに。
「見えるかお主…」
「あ、久しぶりだなコレ…」
赤いスポットが見える、ローズは『?』だった。
ピルスルが手を伸ばすと急に壁が消える。
その壁だった向こうには、外が見えるのだった。4階とはいえかなり高い。
え?なに?登れってこと?
周りを見たのだけど、ハシゴのようなものも無くピルスルもローズも困惑していた。
「み…見えない足場…とか」
「試してみたければ止めぬぞ」
そーっと足を伸ばす………見つからない。
とにかくその足場のない景色に身震いが止まらなかった。そそくさと俺たちは街へと引き返すのだった。
しかしここの居酒屋は果実酒がうまい。
濃厚なチーズとよく合う、このサクサクしたクラッカーもピッタリだ。
魚介が新鮮だから塩漬けのサーモンや酢漬けの小鯛のような物まであってついつい呑み過ぎてしまう。
「なんか異世界って感じしないなぁ…」
「ん?なんか言うた?」
いやなんでもない…危うく異世界から来たことまで言いそうになってしまった。
しかしあの塔、どうやって登るんだろうな…?
「なぁ、ウチ思うんやけど…足場が見えないなら見えるようにできるんちゃう?」
「あ!」
…あぁそっか、別に足で試さなくても良かったのか。
よっしゃ明日こそ攻略と思っていたらピルスルが…『今日は魔物の状況見に行っただけじゃ、明日は別の場所に行くぞ』って。
そうでしたね、目的はそっちだったと思いますけど。
そうじゃないんだ、俺たちの目的は、な、ピルスル。
「「…買い物したいわぁ…」」
そう口を揃えてため息をついたのだった。
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