隠しスキルを手に入れた俺のうぬ惚れ人生

紅柄ねこ(Bengara Neko)

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第3章 消えた街

第11話 消えた街②

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「2人とも、エーテルだ」
 俺はインベントリから2本の回復薬を取り出し2人に渡す。

「ごめんなさい、全然効果が無かったわ」
「俺のインベントリにある武器で次々と攻撃してみるか?」
「いえ、それだと接近しなきゃいけないですし、もしかしたらその武器も取り込まれてしまいますわ」
 インベントリに収納されている多くの武器。
 とは言っても獣系からの武器のドロップは少ないので大した量ではない。

「水竜の剣のように特殊な力があれば良いんだがな」
「そんな都合の良い武器は聞いたことがありませんわよ」
 白狼やハーピーの技や武器化でどうにかならないかとも思ったのだが、こちらも意味はなかったようである。
 ハーピーは弓となったが、全く扱ったことのないレギでは、まともに矢を射ることもできないでいた。

 ハーピーの睡眠や魅了の技も意味をなさない。スライムは、その体力の低さから『最弱』と言われるのだが、こと状態異常に関しては何一つ効果を成さないのである。
 万策尽きた俺たちはひたすらスライムの監視を行なっていた。

「しかし全く動かなくなったな」
「夜なのに周りに魔物もおらんってのも変やと思うんよ」
 いくら弱い魔物しか出ない場所でも夜になれば魔物は増えるはずなのだ。
 それが、ただ討伐されていないだけなのか、なにかの影響によるものなのかは分からないが。
 1匹もいないというのは状況としてありえない事なのだ。ではないが。

 何時間こうしていたであろうか?一度【ひかりの洞窟】までレギが様子を確認しに行き、戻ってきた頃には夜が明け始めていたのだった。
 そして衝撃の事実を耳にする。
 『リキングバウトはスライムによって消滅した』と。

 皆が無事ひかりの洞窟に避難していたのは幸いである。
 ソフィアが突如現れ、故意に魔素の暴走を引き起こす。それによって周りの魔素は瞬時に失われてしまった。
「だから魔物が出現しなくなったわけか…」
「じゃあ、この辺り一帯がリキングバウトやったって事?」
「そうみたいです……」

 その場の空気はなんとも言えないものになっていた。俺たちは街を守ろうとダンジョンに向かったのだ。
 それが、戻るまでの間にソフィアによって潰されてしまった。

「ソフィアはスライムに力を与えて去ったそうです。
 周りのスライムを倒した際のものも全てそのスライムが呑み込んだと言うことで、そういったエネルギーを求め動いているのだろうと言っていました。
 それで、避難している方達とこれからの事をどうするかって話し合っているそうです」
 やはりスライムは周りの、おそらく魔素を求め動いているのだろう。
 今は動かなくても、どうにかここで始末してしまいたい。

 朝を迎え地面を良く見れば、確かに戦闘したような跡と、這いずりまわったスライムの跡が残されている。
 タルや瓦の破片も落ちており、ここに何かが有ったことが伺える。
 ピルスル達は、この大きなスライムを中心に立ち回りながら周囲のスライムを退治していたようで、スライムの這った跡は円を描くようになって刻み込まれていたのであった。

「そうですわ!」
 なにかを閃いたようで、ミドがローズに矢のエンチャントをお願いする。
 風のエンチャントを何本かの矢にエンチャントしていくローズ。おそらくその矢で爆散する方向を変えようと言うのであろうか……。
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