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第3章 消えた街
第15話 馬鹿者
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やはり地形が変わると魔物も随分と変わっているようである。
海に近いせいか、亀やヤドカリのように見える魔物が非常に多く見受けられたのだ。
「えっと……【ランドタートル】は非常に防御力の高い魔物です。好戦的ではないので危害を加えなければ放っておいても良いようですね。
あちらは同じ地属性の【モスハーミット】です。同じく非好戦的ですし食用にもなるそうです」
こんなときのレギのスキルは非常に役立つものである。
しかし最初に見た時は、ミドが『結構強い魔物の気配が』と言っていたのだが、どちらも向こうからは襲ってこないのであれば安心である。
ところどころ魔物に破壊されてはいるものの、ちゃんと街道が整備されているところから、物資の輸送にもしっかり使われているよう感じられる。
「どうする?」
「もちろん倒しましょう?」
別に魔物をどれだけ倒そうが、誰からも文句を言われることなどない。
もし言われるのであれば、それを生業としている冒険者の一部からであろうが、それでもこの業界では狩場を荒らされたなどと言う者はいなかった。
それほどに魔物というものは手強く厄介な存在に他ならなかったからである。
「ミドちゃん、シュウ、崖下にいっぱいおるで」
「本当だな、なんか魚みたいのも泳いでるし」
「じゃあ赤い矢ですね」
そう言って俺から矢を受け取ると、ミドは躊躇なく崖下にそれを射ち放った。
10発、20発……次第にミドも楽しくなってきたようで、次の矢、次の矢と催促をしてくる。
いくら何百もの矢をインベントリに収納してあるとはいえ、無闇矢鱈に使われては必要な時に困るかも知れない。
俺は、一本のエンチャントされた赤い矢を取り出す。いざという時の為にあらかじめ強化しておいた矢だ。
そこに再びエンチャントをかけ、ミドに手渡した。
「俺がスケルトンの軍勢を倒した時の矢だ。危険だから射つ前にだな……」
「えいっ!」
話を聞かずにミドはその矢を崖下に向かって放つ。
それはそれはごく自然に、流れるような一連の動作のごく一部として。
当然その矢は崖下に着弾し、大きな爆発を引き起こした。
俺がミドの腕を引っ張った時には、既に着弾していたと思う。驚いた表情で俺の方を向いたミドは最初何が起きたのかよくわかっていなかった。
「みんな伏せろ!!」
俺が今までに出したことのない声量で周りに命令する。
爆発は崖の上にもゆうに届く大きさであった。さらに上空、どれほどの爆発であったのだろうか……。
背中から感じられる熱気が首筋を焼き焦がすようであった。
しばらく動けずにいた。
俺が動けないものだから、覆い被さられたミドは身動き一つとれずにいるのだが、その目からはポロポロと大粒の涙を流していたのであった。
「シュウの馬鹿、信じられない」
うん、今回は本当に俺が悪かった。矢が勿体無いからという気持ちだけで、ろくに考えずに渡してしまった結果なのだから。
色々と皆からも小言を言われてしまったが、ともあれ全員無事なようでホッとしていたのも事実である。
「悪かったな、立てるか?」
「ん、ちょっと無理。まだ足が震えてるし」
皆も駆け寄ってきて、口を揃えてミドの心配をする。
だが、それで終わったわけではなかったのだ。
突如聞こえてくる岩の崩れる音。それは崖の下からであった。
一時は近付こうとした4人も地面に入った亀裂に二の足を踏んでしまう。
「ヤバイ!逃げるぞミド!」
「えっ?!嘘……いや、立てないよ!」
やむなく俺はミドを抱え上げる。だが、どんな軽装であれ装備を含めればかなりの重量である。
まともに動けるはずもなく、次第に亀裂は広がっていった。
「マズイな……だれかっミドの手を!」
間一髪でピルスルがミドの手を掴む。
既にこの時1メートル近く沈んだ地面から、俺は腕を伸ばし崩れ落ちる地肌から脱出しようと試みる。
わずか数センチ俺の腕が長ければ届いたかもしれない。
無情にも、崩れ落ちる崖の早さには敵うことなく、俺は皆の視界から消えさってしまったのだった。
海に近いせいか、亀やヤドカリのように見える魔物が非常に多く見受けられたのだ。
「えっと……【ランドタートル】は非常に防御力の高い魔物です。好戦的ではないので危害を加えなければ放っておいても良いようですね。
あちらは同じ地属性の【モスハーミット】です。同じく非好戦的ですし食用にもなるそうです」
こんなときのレギのスキルは非常に役立つものである。
しかし最初に見た時は、ミドが『結構強い魔物の気配が』と言っていたのだが、どちらも向こうからは襲ってこないのであれば安心である。
ところどころ魔物に破壊されてはいるものの、ちゃんと街道が整備されているところから、物資の輸送にもしっかり使われているよう感じられる。
「どうする?」
「もちろん倒しましょう?」
別に魔物をどれだけ倒そうが、誰からも文句を言われることなどない。
もし言われるのであれば、それを生業としている冒険者の一部からであろうが、それでもこの業界では狩場を荒らされたなどと言う者はいなかった。
それほどに魔物というものは手強く厄介な存在に他ならなかったからである。
「ミドちゃん、シュウ、崖下にいっぱいおるで」
「本当だな、なんか魚みたいのも泳いでるし」
「じゃあ赤い矢ですね」
そう言って俺から矢を受け取ると、ミドは躊躇なく崖下にそれを射ち放った。
10発、20発……次第にミドも楽しくなってきたようで、次の矢、次の矢と催促をしてくる。
いくら何百もの矢をインベントリに収納してあるとはいえ、無闇矢鱈に使われては必要な時に困るかも知れない。
俺は、一本のエンチャントされた赤い矢を取り出す。いざという時の為にあらかじめ強化しておいた矢だ。
そこに再びエンチャントをかけ、ミドに手渡した。
「俺がスケルトンの軍勢を倒した時の矢だ。危険だから射つ前にだな……」
「えいっ!」
話を聞かずにミドはその矢を崖下に向かって放つ。
それはそれはごく自然に、流れるような一連の動作のごく一部として。
当然その矢は崖下に着弾し、大きな爆発を引き起こした。
俺がミドの腕を引っ張った時には、既に着弾していたと思う。驚いた表情で俺の方を向いたミドは最初何が起きたのかよくわかっていなかった。
「みんな伏せろ!!」
俺が今までに出したことのない声量で周りに命令する。
爆発は崖の上にもゆうに届く大きさであった。さらに上空、どれほどの爆発であったのだろうか……。
背中から感じられる熱気が首筋を焼き焦がすようであった。
しばらく動けずにいた。
俺が動けないものだから、覆い被さられたミドは身動き一つとれずにいるのだが、その目からはポロポロと大粒の涙を流していたのであった。
「シュウの馬鹿、信じられない」
うん、今回は本当に俺が悪かった。矢が勿体無いからという気持ちだけで、ろくに考えずに渡してしまった結果なのだから。
色々と皆からも小言を言われてしまったが、ともあれ全員無事なようでホッとしていたのも事実である。
「悪かったな、立てるか?」
「ん、ちょっと無理。まだ足が震えてるし」
皆も駆け寄ってきて、口を揃えてミドの心配をする。
だが、それで終わったわけではなかったのだ。
突如聞こえてくる岩の崩れる音。それは崖の下からであった。
一時は近付こうとした4人も地面に入った亀裂に二の足を踏んでしまう。
「ヤバイ!逃げるぞミド!」
「えっ?!嘘……いや、立てないよ!」
やむなく俺はミドを抱え上げる。だが、どんな軽装であれ装備を含めればかなりの重量である。
まともに動けるはずもなく、次第に亀裂は広がっていった。
「マズイな……だれかっミドの手を!」
間一髪でピルスルがミドの手を掴む。
既にこの時1メートル近く沈んだ地面から、俺は腕を伸ばし崩れ落ちる地肌から脱出しようと試みる。
わずか数センチ俺の腕が長ければ届いたかもしれない。
無情にも、崩れ落ちる崖の早さには敵うことなく、俺は皆の視界から消えさってしまったのだった。
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