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1章 ダンジョンと少女
ダンジョン攻略①
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凍花がのほほんと荷馬車を眺めている頃、村にはちょっとしたトラブルが起きていた。
「またダンジョンの出現かよ。ったく……最近多いんじゃねえか?」
収穫祭の準備も進んでいるというのに、ギルドの奥の部屋では不穏な話題が絶えずにいる。
少し前に突如やってきた少女はダンジョンの奥で見つかった孤児らしく、その少女がいなくては村はすでに滅びていたかもしれない。
本来ならば変わったスキルをもった少女を王都に報告する必要はあるのだろう。
「またアレンさんに頼んでみますか?
サラさんは村周辺の魔物討伐で手一杯みたいですし荒くれゴンズに無茶をされても困るでしょ?」
「討伐? ……あぁレプロのことか。
確かに増えりゃあ農作物への被害はでかいが、別に今の時期はいいんじゃねえか?」
耳が長くピョコピョコと飛び回る魔物だが、寒くなる季節に大量発生は珍しい出来事である。
受付を任せている女、プリトはちょっとした異変でも調べて報告をあげる律儀な性格だ。
おかげで未然に防げた災害もあったが、その度に削られていくギルドの予算にギルド長の心境は非常に複雑であった。
「そっちはもういい、どうせエーテルの異常発生だろ。
ダンジョンは収穫祭終了まで様子見とする。あと、サラのやつに魔法で消費した分だけは補填しておいてやれ」
「承知いたしました。
では、ダンジョンの件はテバちゃんにでも伝えておきますね」
「いや、なんでだよ?」
放置しろと言っているのに、何故かプリトのやつはド新人冒険者を向かわせると言うのだ。
「だって言ってたじゃないですか?
あの子の実力は間違いない。機会があったらダンジョン調査でも頼んでみるかって」
プリトは悪びれもせずに淡々と述べる。
確かに言ったわけだが、それは少女の素性でも明かしてやれないかと独り言を言ったまでで、実力を認めたというつもりではなかった。
しかしながら、この短期間でランクを4まで上げオークの群れにも怯むことはなかった。
そんな少女がいるだろうか?
村のためを思って行動してくれる内は良いが、スライムやパンテラを生み出す謎の力をどう捉えて良いものか……
「まぁ……そうだな。
丁度いい機会だ。だが、コアへの手出しだけはしないように伝えておけ。
あとダンジョンまでは距離もあるらな、回復薬と携帯食を渡しておいてやれ。
……そうだ、テバちゃんのやつ切れ味の悪い短剣しか持ってないんだろう? 薮を抜けるにも刃物はちゃんとしたやつをーー」
ギルド長の指示は続くが、あまりに過保護な内容にプリトは笑いが堪えられずにいた。
「あははっ、いや流石に心配しすぎでしょ。
この間なんて依頼を失敗して落ち込んでた子に『痛い目をみるのも経験だ。何事も甘やかし過ぎはいかんからな』なんて偉そうに言ってたじゃん」
クスクスと笑うプリトに、ギルド長はバツが悪そうに頭を掻きむしる。
「ちっ、とにかく調査依頼とはいえ準備は怠るなって伝えておけ」
「承知しましたー。可愛いテバちゃんに怪我させたら大変ですもんね」
「てめぇ、本日付で肉体労働作業に異動させられたいみたいだな……」
「あはは。後でボルに挨拶しておきますよ」
そんな冗談を交えてはいたが、退室後すぐに依頼書の作成を行い、簡易的な地図と貸与されるナイフの準備がされていったのである。
「またダンジョンの出現かよ。ったく……最近多いんじゃねえか?」
収穫祭の準備も進んでいるというのに、ギルドの奥の部屋では不穏な話題が絶えずにいる。
少し前に突如やってきた少女はダンジョンの奥で見つかった孤児らしく、その少女がいなくては村はすでに滅びていたかもしれない。
本来ならば変わったスキルをもった少女を王都に報告する必要はあるのだろう。
「またアレンさんに頼んでみますか?
サラさんは村周辺の魔物討伐で手一杯みたいですし荒くれゴンズに無茶をされても困るでしょ?」
「討伐? ……あぁレプロのことか。
確かに増えりゃあ農作物への被害はでかいが、別に今の時期はいいんじゃねえか?」
耳が長くピョコピョコと飛び回る魔物だが、寒くなる季節に大量発生は珍しい出来事である。
受付を任せている女、プリトはちょっとした異変でも調べて報告をあげる律儀な性格だ。
おかげで未然に防げた災害もあったが、その度に削られていくギルドの予算にギルド長の心境は非常に複雑であった。
「そっちはもういい、どうせエーテルの異常発生だろ。
ダンジョンは収穫祭終了まで様子見とする。あと、サラのやつに魔法で消費した分だけは補填しておいてやれ」
「承知いたしました。
では、ダンジョンの件はテバちゃんにでも伝えておきますね」
「いや、なんでだよ?」
放置しろと言っているのに、何故かプリトのやつはド新人冒険者を向かわせると言うのだ。
「だって言ってたじゃないですか?
あの子の実力は間違いない。機会があったらダンジョン調査でも頼んでみるかって」
プリトは悪びれもせずに淡々と述べる。
確かに言ったわけだが、それは少女の素性でも明かしてやれないかと独り言を言ったまでで、実力を認めたというつもりではなかった。
しかしながら、この短期間でランクを4まで上げオークの群れにも怯むことはなかった。
そんな少女がいるだろうか?
村のためを思って行動してくれる内は良いが、スライムやパンテラを生み出す謎の力をどう捉えて良いものか……
「まぁ……そうだな。
丁度いい機会だ。だが、コアへの手出しだけはしないように伝えておけ。
あとダンジョンまでは距離もあるらな、回復薬と携帯食を渡しておいてやれ。
……そうだ、テバちゃんのやつ切れ味の悪い短剣しか持ってないんだろう? 薮を抜けるにも刃物はちゃんとしたやつをーー」
ギルド長の指示は続くが、あまりに過保護な内容にプリトは笑いが堪えられずにいた。
「あははっ、いや流石に心配しすぎでしょ。
この間なんて依頼を失敗して落ち込んでた子に『痛い目をみるのも経験だ。何事も甘やかし過ぎはいかんからな』なんて偉そうに言ってたじゃん」
クスクスと笑うプリトに、ギルド長はバツが悪そうに頭を掻きむしる。
「ちっ、とにかく調査依頼とはいえ準備は怠るなって伝えておけ」
「承知しましたー。可愛いテバちゃんに怪我させたら大変ですもんね」
「てめぇ、本日付で肉体労働作業に異動させられたいみたいだな……」
「あはは。後でボルに挨拶しておきますよ」
そんな冗談を交えてはいたが、退室後すぐに依頼書の作成を行い、簡易的な地図と貸与されるナイフの準備がされていったのである。
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