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魔力は関係ないみたいです
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不思議なことが2つ起きていた。
一つは身体がやけに軽いこと。
まるでスキルの解放と共に身体能力が強化されたかのように。
今ならいくらでも走れそうだし、なんなら屋根までジャンプで届きそう、なんてことも思ってしまう。
そしてもう一つがステータスの変化。
素早さが上がらなかったのは身体が重く感じられていたせいなのか?
確かに少年時代にあれほど動けないことは無かったと思ってはいたが……
今では素早さの数値が一番高く、攻撃力も併せて上昇していた。
すごく試してみたい! とは思うものの……
結局、レイブンは僕に剣を教えてはくれないらしい。
まだ小さい子供には木刀ですら危険だと言うのだ。
まぁ当然といえば当然だと思う。
しかも、こちらは別に習わなくてもいいよと言ったのに、通うことになってしまった魔法学院初等部。
入学費用も安くはないだろうに、あの日から1週間もしないうちに、僕に内緒で決めてきたみたい。
ちょうど新入学の時期だったのもあったらしいけれど……
ちなみについ先日覚えたばかりのスキルはどうしているのかというと。
『うん……これはファ○タ……
こっちは野菜○活……』
ドリンクバーだから、色々な飲み物を出すことができるみたいだ。
確かに美味しいが、だからなんだというのだ……
それから数日、遂に入学する日がやってきた。
仰々しい式典などはなく、まぁ塾に入ったよーみたいな感覚だそうだ。
そんな学院に僕は半ば無理やり入れられてしまったのだが、どうやら入ったばかりの子供たちには魔力量を測定する『魔力テスト』なるものがあるらしい。
チャンスだと思った。
全く魔力を持たない僕が学院にいる理由は全く無いのだ。
父レイブンに見送られ、学院内の教室へと向かっていた。
しかしどこの世界にもヤンチャな子供はいるものだ。
「おいっ、お前見たことない奴だな。
ここは魔法学院だぞ? さっさと出て行った方がいいんじゃないか?」
僕よりも三つほど歳上だろうか?
小学生だと中学年くらいの3人組が、僕に声をかけてくる。
「あ、うん。
今日初めて来たんだ。これからよろしくね」
その挨拶で、僕が入学したのだと察したのだろう。
そこには、『マジかよ……』とちょっとだけ嫌そうにする三人組がいた。
ちなみに僕はよく覚えている。
この三人組、市場で魔法を見せびらかしていた少年たちだった。
僕がクロウだと名乗ると、少年たちはそれぞれ『ヤン』『バル』『クイナ』だと名乗った。
正直あまり良い印象とはいえなかったが、『俺が最年少だと思ったのになぁ……』と聞こえたものだから、その気持ちは理解できた。
すぐにニヤッとした表情も見せていたし、この少年達が既に魔法を使えることを僕は知っている。
マウントをとって偉そうにしたいのかな?
まぁ、僕の方が歳下だし、だからなんだという話ではあるのだけど。
「よーし、これで全員揃ったようだな。
今日から入学した君たちに魔法を教えるセキレイという。
歳は違うだろうが、君たちは全員同じ一年生だ」
教室では、先程のヤンバルクイナ三人組もいる。
なんだ、同じ一年生だったのか……
僕の思っていた学校のように、人数は多くない。
三人組を合わせても8人しかいなかった。
やはり、親から簡単に教えてもらうだけの人が多いのだと先生は言っていた。
生活魔法の枠を超えて、様々な魔法を学び、安全に行使するための学院。
中には魔力を制御しきれずに魔力暴走を起こしてしまう人もいるらしく、魔力を鍛えつつもそれを未然に防いでいくことが目的らしい。
だったら大丈夫だ。
僕には魔力などないからな。
遠い目をしながら、再びそんなことを思ってしまうのだった。
それはそうと、生徒は少女が2人、名前が『ツグミ』と『ヒガラ』。
少年がもう2人、『ヨタカ』と『カスイ』というらしい。
そんな自己紹介で全員の名前を覚えられるはずもなく、お嬢様のような装いのブロンドくるくる巻き髪『ヒガラ様』。
その横で大人しそうな感じの清楚系ストレートロング『ツグミちゃん』だけ記憶に残すことにした。
ヤンバルクイナも、誰がどの名前だったかいまいち記憶になかったくらいだ。
まぁ……おいおい覚えるだろう。
そして早速始まったのが魔力テスト。
水晶玉の光り方で得意な属性が判り、強く光れば魔力が高いと知ることができる。
いや、そんな事をしなくてもステータスで見れないものなのか?
だとすると、これはきっと転生した者限定なのだろう。
そういうことにしておいて、深く考えるのはよそうと思った。
「じゃあ次はクロウ君だね。
君はまだ5歳なんだって?
いやぁ、もう魔法に興味があるなんてねぇ~」
魔法は覚えるのが早ければ早いほど成長は早いらしい。
ただ、危険も伴うために入学のテストもあったから、実際に受かるのは10歳くらいから。
5歳でテストに受かるなんて、とセキレイ先生も僕の事を期待してしまうそうだ。
だけど、身長が低いからって脇を抱えて持ち上げられるのは恥ずかしいぞ先生……
そんな感じで水晶玉を前にして、僕は手を近づける。
緊張しないのかって?
だって結果は知っているのだもの、悩む必要も緊張する必要もないじゃないか。
「んー……いや、多分……そうだな、きっと…………水だろう。
クロウ君は水属性が得意だと思うぞ」
今すっごく悩んでたよね先生……
いいよ別に、全く光ってないんだからさ。
「よしっ、これで全員だな。
じゃあ早速だが、中庭に出て魔法の見学をしてもらおうと思う。
やはりまずは見て、興味関心を持つことが大事だからな!」
なるほど、それだったら僕も参加はしてみたい。
みんなが、どんな魔法を使うのかという興味はあるのだし。
「良かったね、水の適性って意外と少ないのよ。
大体が風か火の適性ばかりだし」
後ろに座っていたツグミが話しかけてくる。
『ありがとう』なんて返すけれど、正直ちょっと胸が痛い気もしなくはない。
「ちっ……」
ん……なにか舌打ちが聞こえた気がしたが。
あぁ……三人組の一番偉そうな子供か。
男六人女二人じゃバランス悪いもんな。
狙っているのなら優しくしてあげた方がいいぞ少年よ……
「水球!」
ちょうど中庭では、中等部の子供たちが魔法の訓練を行なっていた。
まぁ大体10歳から12歳くらいだろう。
高等部は別にあるらしく、学院内は教師とここにいる生徒で全員だそうだ。
40人×3クラスの6学年……が魔法を放つような場所も無さそうだし、妥当と言えば妥当……なんだろうな。
「すげぇー……あんなでっかい水球、初めて見たぜ……」
ヤン……でいいよな多分。
そうそう、素直に感心するのはいいことだと思うぞ。
「何言ってんだバル!
俺だって、本気を出したらあれくらいっ……」
あっ、こっちがヤンだったか。
そうそう、魔法を見せびらかしていたのはこの子だった気もする。
「どうだすごいだろう。
試しにお前たちも真似してみるか?」
魔力テストの結果を見る限り、いきなり暴走するようなことは考えられないそうだ。
時々、人よりも多い魔力を持つ者が出るから確認していたみたい。
先生が挑戦者を募ると、さっそく手を挙げて『やってみたい』と言い出す子供たち。
まぁこの中で最年少の僕が『子供たち』と言うのもどうかとは思うけど。
「初めてやるときは、『水流』だ。
川に水が流れているのを想像して、魔力で水を生み出すんだ」
僕たちに、そう説明していた先生。
さすがに、初めての魔法でうまくいく生徒は少ない。
ヤンバルクイナの三人組が、チョロチョロっと流れる水を生み出して、先生も褒めていたくらいである。
「ねぇ、クロウ君は水が得意なんだし。
きっと上手くいくんじゃない?」
ツグミさん……もしそうだとしても、あんなに光っていない水晶玉を見て、なぜそう言えるのでしょうか?
僕はやれやれと思いながら、魔法を使う真似をする。
「へっ、そんな魔力があるのかどうかもわからない奴にできるわけねーだろ。
時間の無駄だから、さっさと別のことをやろうぜ?」
僕もまだまだ子供だなと思う。
こんな子供に煽られたって、別に悔しくもなんともないのだけど……
ただ、以前は魔法が使えるんじゃないかと期待していた僕がいたものだから、それが叶わないと知った時は辛かったんだ。
「ねぇ、失敗するってわかってるなら、別に君に向けて放っても大丈夫だよね?」
「いやっ、魔法は人に……」
先生は僕の肩を掴み、止めようとする。
「いいぜっ! 失敗して恥をかくのはお前の方だからよっ」
先生の言葉を遮って、ヤンは自信満々な表情で僕の前に立っていた。
成功したところで水が出るだけだ。
怪我は無いだろうとは思うのだろう。
「アイスコーヒー!」
僕はヤンに向けて魔法を……否、ドリンクバーを放つ。
ぱしゃぁっと、口元あたりに黒い液体を飛ばしてやった。
「うぇっ……苦っ!
なんだよそれっ、ふざけんなよっ!」
誰が水魔法を使うと言った?
それに、コーヒーのシミは意外と落ちにくいのだ。
先生に連れられて着替えに行ったみたいだが、また言いがかりをつけてきたら濡らしてやろうとおもう。
今度は優しくしてあげてコーラでも飲んで貰おうかな?
炭酸と味にびっくりする姿が想像できてしまうじゃないか。
そんなことを思っていたのだけど、ヤンもすぐに戻ってきてすぐに授業は再開される。
もう着替えたのか……すごく早いな、きっとヤンには早着替えの才能があると思うぞ。
一つは身体がやけに軽いこと。
まるでスキルの解放と共に身体能力が強化されたかのように。
今ならいくらでも走れそうだし、なんなら屋根までジャンプで届きそう、なんてことも思ってしまう。
そしてもう一つがステータスの変化。
素早さが上がらなかったのは身体が重く感じられていたせいなのか?
確かに少年時代にあれほど動けないことは無かったと思ってはいたが……
今では素早さの数値が一番高く、攻撃力も併せて上昇していた。
すごく試してみたい! とは思うものの……
結局、レイブンは僕に剣を教えてはくれないらしい。
まだ小さい子供には木刀ですら危険だと言うのだ。
まぁ当然といえば当然だと思う。
しかも、こちらは別に習わなくてもいいよと言ったのに、通うことになってしまった魔法学院初等部。
入学費用も安くはないだろうに、あの日から1週間もしないうちに、僕に内緒で決めてきたみたい。
ちょうど新入学の時期だったのもあったらしいけれど……
ちなみについ先日覚えたばかりのスキルはどうしているのかというと。
『うん……これはファ○タ……
こっちは野菜○活……』
ドリンクバーだから、色々な飲み物を出すことができるみたいだ。
確かに美味しいが、だからなんだというのだ……
それから数日、遂に入学する日がやってきた。
仰々しい式典などはなく、まぁ塾に入ったよーみたいな感覚だそうだ。
そんな学院に僕は半ば無理やり入れられてしまったのだが、どうやら入ったばかりの子供たちには魔力量を測定する『魔力テスト』なるものがあるらしい。
チャンスだと思った。
全く魔力を持たない僕が学院にいる理由は全く無いのだ。
父レイブンに見送られ、学院内の教室へと向かっていた。
しかしどこの世界にもヤンチャな子供はいるものだ。
「おいっ、お前見たことない奴だな。
ここは魔法学院だぞ? さっさと出て行った方がいいんじゃないか?」
僕よりも三つほど歳上だろうか?
小学生だと中学年くらいの3人組が、僕に声をかけてくる。
「あ、うん。
今日初めて来たんだ。これからよろしくね」
その挨拶で、僕が入学したのだと察したのだろう。
そこには、『マジかよ……』とちょっとだけ嫌そうにする三人組がいた。
ちなみに僕はよく覚えている。
この三人組、市場で魔法を見せびらかしていた少年たちだった。
僕がクロウだと名乗ると、少年たちはそれぞれ『ヤン』『バル』『クイナ』だと名乗った。
正直あまり良い印象とはいえなかったが、『俺が最年少だと思ったのになぁ……』と聞こえたものだから、その気持ちは理解できた。
すぐにニヤッとした表情も見せていたし、この少年達が既に魔法を使えることを僕は知っている。
マウントをとって偉そうにしたいのかな?
まぁ、僕の方が歳下だし、だからなんだという話ではあるのだけど。
「よーし、これで全員揃ったようだな。
今日から入学した君たちに魔法を教えるセキレイという。
歳は違うだろうが、君たちは全員同じ一年生だ」
教室では、先程のヤンバルクイナ三人組もいる。
なんだ、同じ一年生だったのか……
僕の思っていた学校のように、人数は多くない。
三人組を合わせても8人しかいなかった。
やはり、親から簡単に教えてもらうだけの人が多いのだと先生は言っていた。
生活魔法の枠を超えて、様々な魔法を学び、安全に行使するための学院。
中には魔力を制御しきれずに魔力暴走を起こしてしまう人もいるらしく、魔力を鍛えつつもそれを未然に防いでいくことが目的らしい。
だったら大丈夫だ。
僕には魔力などないからな。
遠い目をしながら、再びそんなことを思ってしまうのだった。
それはそうと、生徒は少女が2人、名前が『ツグミ』と『ヒガラ』。
少年がもう2人、『ヨタカ』と『カスイ』というらしい。
そんな自己紹介で全員の名前を覚えられるはずもなく、お嬢様のような装いのブロンドくるくる巻き髪『ヒガラ様』。
その横で大人しそうな感じの清楚系ストレートロング『ツグミちゃん』だけ記憶に残すことにした。
ヤンバルクイナも、誰がどの名前だったかいまいち記憶になかったくらいだ。
まぁ……おいおい覚えるだろう。
そして早速始まったのが魔力テスト。
水晶玉の光り方で得意な属性が判り、強く光れば魔力が高いと知ることができる。
いや、そんな事をしなくてもステータスで見れないものなのか?
だとすると、これはきっと転生した者限定なのだろう。
そういうことにしておいて、深く考えるのはよそうと思った。
「じゃあ次はクロウ君だね。
君はまだ5歳なんだって?
いやぁ、もう魔法に興味があるなんてねぇ~」
魔法は覚えるのが早ければ早いほど成長は早いらしい。
ただ、危険も伴うために入学のテストもあったから、実際に受かるのは10歳くらいから。
5歳でテストに受かるなんて、とセキレイ先生も僕の事を期待してしまうそうだ。
だけど、身長が低いからって脇を抱えて持ち上げられるのは恥ずかしいぞ先生……
そんな感じで水晶玉を前にして、僕は手を近づける。
緊張しないのかって?
だって結果は知っているのだもの、悩む必要も緊張する必要もないじゃないか。
「んー……いや、多分……そうだな、きっと…………水だろう。
クロウ君は水属性が得意だと思うぞ」
今すっごく悩んでたよね先生……
いいよ別に、全く光ってないんだからさ。
「よしっ、これで全員だな。
じゃあ早速だが、中庭に出て魔法の見学をしてもらおうと思う。
やはりまずは見て、興味関心を持つことが大事だからな!」
なるほど、それだったら僕も参加はしてみたい。
みんなが、どんな魔法を使うのかという興味はあるのだし。
「良かったね、水の適性って意外と少ないのよ。
大体が風か火の適性ばかりだし」
後ろに座っていたツグミが話しかけてくる。
『ありがとう』なんて返すけれど、正直ちょっと胸が痛い気もしなくはない。
「ちっ……」
ん……なにか舌打ちが聞こえた気がしたが。
あぁ……三人組の一番偉そうな子供か。
男六人女二人じゃバランス悪いもんな。
狙っているのなら優しくしてあげた方がいいぞ少年よ……
「水球!」
ちょうど中庭では、中等部の子供たちが魔法の訓練を行なっていた。
まぁ大体10歳から12歳くらいだろう。
高等部は別にあるらしく、学院内は教師とここにいる生徒で全員だそうだ。
40人×3クラスの6学年……が魔法を放つような場所も無さそうだし、妥当と言えば妥当……なんだろうな。
「すげぇー……あんなでっかい水球、初めて見たぜ……」
ヤン……でいいよな多分。
そうそう、素直に感心するのはいいことだと思うぞ。
「何言ってんだバル!
俺だって、本気を出したらあれくらいっ……」
あっ、こっちがヤンだったか。
そうそう、魔法を見せびらかしていたのはこの子だった気もする。
「どうだすごいだろう。
試しにお前たちも真似してみるか?」
魔力テストの結果を見る限り、いきなり暴走するようなことは考えられないそうだ。
時々、人よりも多い魔力を持つ者が出るから確認していたみたい。
先生が挑戦者を募ると、さっそく手を挙げて『やってみたい』と言い出す子供たち。
まぁこの中で最年少の僕が『子供たち』と言うのもどうかとは思うけど。
「初めてやるときは、『水流』だ。
川に水が流れているのを想像して、魔力で水を生み出すんだ」
僕たちに、そう説明していた先生。
さすがに、初めての魔法でうまくいく生徒は少ない。
ヤンバルクイナの三人組が、チョロチョロっと流れる水を生み出して、先生も褒めていたくらいである。
「ねぇ、クロウ君は水が得意なんだし。
きっと上手くいくんじゃない?」
ツグミさん……もしそうだとしても、あんなに光っていない水晶玉を見て、なぜそう言えるのでしょうか?
僕はやれやれと思いながら、魔法を使う真似をする。
「へっ、そんな魔力があるのかどうかもわからない奴にできるわけねーだろ。
時間の無駄だから、さっさと別のことをやろうぜ?」
僕もまだまだ子供だなと思う。
こんな子供に煽られたって、別に悔しくもなんともないのだけど……
ただ、以前は魔法が使えるんじゃないかと期待していた僕がいたものだから、それが叶わないと知った時は辛かったんだ。
「ねぇ、失敗するってわかってるなら、別に君に向けて放っても大丈夫だよね?」
「いやっ、魔法は人に……」
先生は僕の肩を掴み、止めようとする。
「いいぜっ! 失敗して恥をかくのはお前の方だからよっ」
先生の言葉を遮って、ヤンは自信満々な表情で僕の前に立っていた。
成功したところで水が出るだけだ。
怪我は無いだろうとは思うのだろう。
「アイスコーヒー!」
僕はヤンに向けて魔法を……否、ドリンクバーを放つ。
ぱしゃぁっと、口元あたりに黒い液体を飛ばしてやった。
「うぇっ……苦っ!
なんだよそれっ、ふざけんなよっ!」
誰が水魔法を使うと言った?
それに、コーヒーのシミは意外と落ちにくいのだ。
先生に連れられて着替えに行ったみたいだが、また言いがかりをつけてきたら濡らしてやろうとおもう。
今度は優しくしてあげてコーラでも飲んで貰おうかな?
炭酸と味にびっくりする姿が想像できてしまうじゃないか。
そんなことを思っていたのだけど、ヤンもすぐに戻ってきてすぐに授業は再開される。
もう着替えたのか……すごく早いな、きっとヤンには早着替えの才能があると思うぞ。
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