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何をすればいいのです?
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同じ冒険者なら、と思ったのだけどヤヨイは『一緒には行けない』と言う。
やらなければならないことがあるから、と言っていたのだが、それが何かまでは教えてくれなかった。
「元気だって分かっただけで十分だ。
それに、アイツにだって他にも男はいるだろうよ。
俺といるのが辛いって言ってたんだしよ」
うーん……ちょっと意味は違う気がするが、フロックスがそう言うのならいいか。
この街にいることも分かったのだし、会えなくなったわけではないのだしね。
「ほなら、ウチは街に戻るわ。
必要な素材も十分集まったさかいな」
「そっか、色々とありがとう。
ちなみにー……ヤヨイって関西人?」
喋り方が、そしてなんだかサバサバした感じでそう思えてくる。
フロックスたちは『なんだそれ?』状態だけど、僕は気になって仕方なかった。
「あー……やっぱり同じ転生者やと気になるもんなんやな。
ちゃうねん、時々昔のことを思い出してしもてなぁ。
前の自分を隠そう思て、エセ関西弁つこてんねや」
これだったらゲームしてるような気分にもなれるやんと。
そんなことは考えた事もなかった。
僕の場合は過去を思い出すばかり。
懐郷、不安、そんな事を想うばかりで、何をしようとしているのか。
きっとヤヨイは前を向いて生きているのだなぁなんてことを思ってしまう。
正しいかどうかなんてことは、関係なく。
ただ、僕もまた何かをするべきではないのかと思わされたのだった……
「フロックスはこの街に残らないの?」
ヤヨイがいると分かったのだから、当然気持ちはそちらに行っているだろうと思った。
「いや、俺はクロウの保護者だからな。
それにアイツも街を移動しないとは言ってないだろ。
旅の途中でまたひょっこりと顔を合わすかもしれんじゃないか」
まぁ、そんな事はきっと無いのだろう。
だけどそうか……これから僕は何をなせばいいのだろうか。
カナリー、レイブン、そして学院のみんなに再会し……あぁそうだ、女神に文句を言わねば。
ヤヨイと別れた僕たちは、再び情報を探して彷徨い歩く。
諦めが悪い?
そうかもしれない。だって僕は何度でも面接で落とされてきた男なのだから。
クロウ5歳、見失いかけた目標を改めて感じた瞬間であった。
【次話より数年後を想定、しばらく投稿を休みます】
やらなければならないことがあるから、と言っていたのだが、それが何かまでは教えてくれなかった。
「元気だって分かっただけで十分だ。
それに、アイツにだって他にも男はいるだろうよ。
俺といるのが辛いって言ってたんだしよ」
うーん……ちょっと意味は違う気がするが、フロックスがそう言うのならいいか。
この街にいることも分かったのだし、会えなくなったわけではないのだしね。
「ほなら、ウチは街に戻るわ。
必要な素材も十分集まったさかいな」
「そっか、色々とありがとう。
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喋り方が、そしてなんだかサバサバした感じでそう思えてくる。
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ちゃうねん、時々昔のことを思い出してしもてなぁ。
前の自分を隠そう思て、エセ関西弁つこてんねや」
これだったらゲームしてるような気分にもなれるやんと。
そんなことは考えた事もなかった。
僕の場合は過去を思い出すばかり。
懐郷、不安、そんな事を想うばかりで、何をしようとしているのか。
きっとヤヨイは前を向いて生きているのだなぁなんてことを思ってしまう。
正しいかどうかなんてことは、関係なく。
ただ、僕もまた何かをするべきではないのかと思わされたのだった……
「フロックスはこの街に残らないの?」
ヤヨイがいると分かったのだから、当然気持ちはそちらに行っているだろうと思った。
「いや、俺はクロウの保護者だからな。
それにアイツも街を移動しないとは言ってないだろ。
旅の途中でまたひょっこりと顔を合わすかもしれんじゃないか」
まぁ、そんな事はきっと無いのだろう。
だけどそうか……これから僕は何をなせばいいのだろうか。
カナリー、レイブン、そして学院のみんなに再会し……あぁそうだ、女神に文句を言わねば。
ヤヨイと別れた僕たちは、再び情報を探して彷徨い歩く。
諦めが悪い?
そうかもしれない。だって僕は何度でも面接で落とされてきた男なのだから。
クロウ5歳、見失いかけた目標を改めて感じた瞬間であった。
【次話より数年後を想定、しばらく投稿を休みます】
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