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連載
魔法学初級クラス
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翌日。私は一般教養の授業が免除されていることもあり、今日からいよいよ本格的に授業を受けることになる。
「ふんふふーん♪」
「主、今日は機嫌が良いのだな」
「くりすてあ、楽しそう」
鼻歌交じりで支度をしている私に、真白や黒銀が嬉しそうに尋ねる。
私の機嫌がいいと放出する魔力も心地よく感じるそうなので、きっと今の私の魔力は二人にとっていい感じなのだろう。
指摘の通りご機嫌な私は、支度の手を止めて二人に満面の笑顔を向けた。
「ええ、今日から魔法学の授業が始まるからね! 本当は初級魔法の座学や実習は免除されているのだけど、ずっと憧れていたから受けることにしたの」
「あこがれ?」
そう、前世のファンタジー小説で主人公が魔法学園で魔法の授業を受けたりしているのを読んでいた私として、学園で初めての魔法学の授業を受けてみたいと思うじゃない?
それに、皆がどの程度魔法が使えるのか見ておきたかったのよね。
私は魔力量が多いせいで魔力でゴリ押しした魔法を使いがちだから、平均値を知りたいっていうか……
自分が規格外って自覚はあるけれど非常識って言われるのは心外だから、普通はどれくらい使えるものなのか知っておかないとね!
……すでにもう手遅れな気がするけれど、今のうちに下方修正しておけば「なーんだ、あれはまぐれだったのかぁ」って思わせられるだろうし。
さすがに怖がられて遠巻きにされたりとかいう未来は避けたいよね……
「そうか。我らも同行してよいか?」
「だめ。皆が緊張して魔法が上手く使えなかったら大変だもの」
「ええ~だめなの?」
「ごめんね。もし二人が必要な時はちゃんと呼ぶから。そうだ、お昼は例のカフェテリアで和食セットを食べましょう? ね?」
わかりやすく落ち込んだ二人とランチの約束をしてから階下へ向かった。
「クリステア嬢、もう向かうのか?」
「ええ。今日はいい席を取りたくて」
最前列のど真ん中は先生の手元がよく見えるから確保したいところだけど、これから初めて学ぶ生徒たちの邪魔をするのも……と思うので、前方の壁際の席を確保しようと思っている。
そこなら目立たずに授業の様子を観察できると思うのよね。
「そうか。じゃあ俺も一緒に出よう。荷物を取ってくるから待っててくれ」
「わかったわ」
セイが階段を駆け上がるのを見送ってから、玄関の脇にある姿見で念のため身だしなみをチェックする。
今日もミリアに言われて袖口にレースを盛ったけれど、正直邪魔なのよね……
つけ外しできるようにしているからこっそり外しちゃいたいけど、着たままだと付け直せないのが難点なのよね。
もう少しボリュームを抑えたのをオーダーしようかな。
そんなことを考えている間に、セイが駆け足で戻ってきた。
「お待たせ。行こうか」
「ええ。マリエルさんもそろそろ待っていると思うわ」
特別寮を出て男子寮や女子寮のある方向へ向かうと、ちょうどマリエルちゃんが寮から出てくるところだった。
「おはようございます!」
「おはようございます、マリエルさん」
「おはよう」
マリエルちゃんが私の隣に来たところで教室へ向かう。今日はAクラスと合同で授業をうけるから、違う教室だ。
魔法学の教室は、いわゆる階段教室というやつで、教壇を中心に扇状になっていて、後方へ行くほど席が高くなっていた。
「わ、まだ早かったからか席が選び放題ですよ! クリステアさん、どこにします?」
マリエルちゃんがきょろきょろと教室を見渡している。
私は入ってすぐの最前列の席が空いているのを確認して荷物を置いた。
「私はここにするわ」
「えっそんなに端っこでいいんですか? 楽しみにしてましたよね?」
「ええ。私は全体の雰囲気を見たいだけだから端のほうがいいの」
「そうですかぁ……じゃあ、私はその隣にしようっと」
私が着席すると、マリエルちゃんはすかさず隣の席を確保した。
「じゃあ俺は後ろに……」
セイはそう言って私の後ろの席にスッと座った。
セイが魔法を使うところを見たことがないけれど、彼の魔力量を考えたら私と同様に魔力でゴリ押しタイプなのかもしれないわね。
「よっ! おはよう」
エイディー様が教室に入って早々私たちを見つけて、さっさとセイの隣に座ってしまった。
エイディー様の取り巻きらしい男子生徒たちは後方の席に座るつもりだったのだろう、エイディー様の行動に「えっ?」と戸惑う様子を見せたけれど、それぞれ目配せしあってからエイディー様の周りを囲むように席に着いた。
それから女生徒たちが入ってきたけれど、入口の近くに座る私を見つけてギョッとしてから、そそくさと反対側の壁際に席を陣取っていった。
え、そこまで避けなくても……と思ったけれど、背後の男子集団を思い出した。
あ、周りが男子だらけだからかな?
そうだ、そうだよきっと……
そう自分を慰めていたところに、アリシア様が入ってきた。
私の姿を見つけると、ふいっと顔を背けて他の女生徒たちがまとまっているスペースに向かった。
Aクラスに在籍しているアリシア様の取り巻きらしいご令嬢が、その中の席の一つを勧めていた。
「アリシア様の取り巻きのご令嬢のほとんどはAクラスらしいですから、あの辺りのご令嬢はそうみたいですね」
マリエルちゃんがコソッと耳打ちしてきた。
うーん、アリシア様に嫌われてるのは仕方ないとして、他の取り巻きのご令嬢もこんな調子だとマリエルちゃんが心配だわ。
寮で孤立したりしてないかしら……
「マリエルさ……」
「はい、授業を始めますから席について!」
マリエルちゃんに話を聞こうとしたタイミングで魔法学の先生が来てしまった。
しかたない、後で聞くことにしよう。
「僕は初級の魔法学を教えるトバイアスだ。……さて、今日から魔法学の授業が始まるわけだけど、ここにいる皆は特別クラスとAクラスに在籍している生徒たちだから、ある程度は魔法を使えると認識しているが、初級の授業は、基本からしっかりと指導していくからそのつもりで」
トバイアス先生はそう言って徐に後ろを向くと、黒板をカツカツと鳴らしながら魔法についての説明を書き始めた。
私たちはそれを見て急いで筆記用具を用意して書き写していく。
「まず魔法は属性というものがあり、その威力や発動に必要な魔力量に応じて初級、中級、上級などに分類され──」
魔法基本的な説明から始まり、属性魔法の発動条件や必要な魔力量など、駆け足で指導された。
図解とともに細かく説明を受けてかなり勉強になったわ。
マーレン師ってば、蘊蓄は長いけど、ここまで丁寧に教えてはくれなかったもの。
まあ、前世を思い出すまでは魔力を暴走させるばかりで楽しくなかったから逃げていたし、思い出したら思い出したでイメージ力と我流でポンポン魔法を使うようになったから、説明するのも面倒になったのかもしれないけど……
少ない魔力の運用の仕方や効率よく魔力を巡らせて魔法を発動しやすくする方法など、魔力量が多い私でもすごく参考になった。
「説明ばかりではつまらないだろから、そろそろ実際に魔法を発動させてみようか」
おお、待ってました!
「ええと、じゃあ……クリステア・エリスフィード嬢、前に出て」
「え?」
なんで私が指名されるの⁉︎
戸惑いながらも前に出ると、トバイアス先生がにこりと笑った。
「君の魔力量の多さはマーレン先生が保証してくれたよ。そもそも初級魔法は問題なく使えるそうだね。だから授業中は僕の助手をお願いするよ」
「え?」
「はい、じゃあ水球を出して」
「え?」
「え、じゃなくて。水魔法は使えるだろう。お手本として水球を出してみてくれ」
「は、はいっ」
先生に促されて慌てて水魔法を発動し、バスケットボールサイズの水球をイメージして空中に出した。
「おおっ!」
「すげー!」
……え? 水球って言ったよね?
「素晴らしい! 無詠唱でそれだけ大きな水球を出せるとは……! 君たちも中級に上がる前に詠唱付きでこれくらいは出せるようになるよう努力したまえ」
先生が興奮しながら言うと、教室内がザワついた。
「え……まじかよ」
「頑張ってもこれくらいが限度よねぇ?」
そう言った女生徒の手の動きを見ると野球ボールを手で覆うような仕草をしていた。
え、うそ。やりすぎた……⁉︎
---------------------------
コミカライズ版「転生令嬢は庶民の味に飢えている」24話公開されています!
新キャラが出てますよー!
「ふんふふーん♪」
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指摘の通りご機嫌な私は、支度の手を止めて二人に満面の笑顔を向けた。
「ええ、今日から魔法学の授業が始まるからね! 本当は初級魔法の座学や実習は免除されているのだけど、ずっと憧れていたから受けることにしたの」
「あこがれ?」
そう、前世のファンタジー小説で主人公が魔法学園で魔法の授業を受けたりしているのを読んでいた私として、学園で初めての魔法学の授業を受けてみたいと思うじゃない?
それに、皆がどの程度魔法が使えるのか見ておきたかったのよね。
私は魔力量が多いせいで魔力でゴリ押しした魔法を使いがちだから、平均値を知りたいっていうか……
自分が規格外って自覚はあるけれど非常識って言われるのは心外だから、普通はどれくらい使えるものなのか知っておかないとね!
……すでにもう手遅れな気がするけれど、今のうちに下方修正しておけば「なーんだ、あれはまぐれだったのかぁ」って思わせられるだろうし。
さすがに怖がられて遠巻きにされたりとかいう未来は避けたいよね……
「そうか。我らも同行してよいか?」
「だめ。皆が緊張して魔法が上手く使えなかったら大変だもの」
「ええ~だめなの?」
「ごめんね。もし二人が必要な時はちゃんと呼ぶから。そうだ、お昼は例のカフェテリアで和食セットを食べましょう? ね?」
わかりやすく落ち込んだ二人とランチの約束をしてから階下へ向かった。
「クリステア嬢、もう向かうのか?」
「ええ。今日はいい席を取りたくて」
最前列のど真ん中は先生の手元がよく見えるから確保したいところだけど、これから初めて学ぶ生徒たちの邪魔をするのも……と思うので、前方の壁際の席を確保しようと思っている。
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「そうか。じゃあ俺も一緒に出よう。荷物を取ってくるから待っててくれ」
「わかったわ」
セイが階段を駆け上がるのを見送ってから、玄関の脇にある姿見で念のため身だしなみをチェックする。
今日もミリアに言われて袖口にレースを盛ったけれど、正直邪魔なのよね……
つけ外しできるようにしているからこっそり外しちゃいたいけど、着たままだと付け直せないのが難点なのよね。
もう少しボリュームを抑えたのをオーダーしようかな。
そんなことを考えている間に、セイが駆け足で戻ってきた。
「お待たせ。行こうか」
「ええ。マリエルさんもそろそろ待っていると思うわ」
特別寮を出て男子寮や女子寮のある方向へ向かうと、ちょうどマリエルちゃんが寮から出てくるところだった。
「おはようございます!」
「おはようございます、マリエルさん」
「おはよう」
マリエルちゃんが私の隣に来たところで教室へ向かう。今日はAクラスと合同で授業をうけるから、違う教室だ。
魔法学の教室は、いわゆる階段教室というやつで、教壇を中心に扇状になっていて、後方へ行くほど席が高くなっていた。
「わ、まだ早かったからか席が選び放題ですよ! クリステアさん、どこにします?」
マリエルちゃんがきょろきょろと教室を見渡している。
私は入ってすぐの最前列の席が空いているのを確認して荷物を置いた。
「私はここにするわ」
「えっそんなに端っこでいいんですか? 楽しみにしてましたよね?」
「ええ。私は全体の雰囲気を見たいだけだから端のほうがいいの」
「そうですかぁ……じゃあ、私はその隣にしようっと」
私が着席すると、マリエルちゃんはすかさず隣の席を確保した。
「じゃあ俺は後ろに……」
セイはそう言って私の後ろの席にスッと座った。
セイが魔法を使うところを見たことがないけれど、彼の魔力量を考えたら私と同様に魔力でゴリ押しタイプなのかもしれないわね。
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エイディー様が教室に入って早々私たちを見つけて、さっさとセイの隣に座ってしまった。
エイディー様の取り巻きらしい男子生徒たちは後方の席に座るつもりだったのだろう、エイディー様の行動に「えっ?」と戸惑う様子を見せたけれど、それぞれ目配せしあってからエイディー様の周りを囲むように席に着いた。
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え、そこまで避けなくても……と思ったけれど、背後の男子集団を思い出した。
あ、周りが男子だらけだからかな?
そうだ、そうだよきっと……
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トバイアス先生はそう言って徐に後ろを向くと、黒板をカツカツと鳴らしながら魔法についての説明を書き始めた。
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「説明ばかりではつまらないだろから、そろそろ実際に魔法を発動させてみようか」
おお、待ってました!
「ええと、じゃあ……クリステア・エリスフィード嬢、前に出て」
「え?」
なんで私が指名されるの⁉︎
戸惑いながらも前に出ると、トバイアス先生がにこりと笑った。
「君の魔力量の多さはマーレン先生が保証してくれたよ。そもそも初級魔法は問題なく使えるそうだね。だから授業中は僕の助手をお願いするよ」
「え?」
「はい、じゃあ水球を出して」
「え?」
「え、じゃなくて。水魔法は使えるだろう。お手本として水球を出してみてくれ」
「は、はいっ」
先生に促されて慌てて水魔法を発動し、バスケットボールサイズの水球をイメージして空中に出した。
「おおっ!」
「すげー!」
……え? 水球って言ったよね?
「素晴らしい! 無詠唱でそれだけ大きな水球を出せるとは……! 君たちも中級に上がる前に詠唱付きでこれくらいは出せるようになるよう努力したまえ」
先生が興奮しながら言うと、教室内がザワついた。
「え……まじかよ」
「頑張ってもこれくらいが限度よねぇ?」
そう言った女生徒の手の動きを見ると野球ボールを手で覆うような仕草をしていた。
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新キャラが出てますよー!
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