382 / 423
連載
そんな目で見ないで⁉︎
しおりを挟む
ランチの後は、午後の授業開始までにあまり時間がなかったこともあり、週末の出来事をざっくりと説明した。
「……晩餐会のメニューの引き継ぎをするだけのはずがどうしてそんなことに?」
セイが意味がわからんって顔で私を見ている。
うん、私もどうしてこうなった⁉︎ って思ってるよ……
「晩餐会を行う前に外交問題を解決した挙句むしろ優位に立っているのではありませんこと?」
アリシア様が呆れたように私を見て以下略。
ええまあ、不思議なことに……
おかしいな、晩餐会は数日後のはずなんですけどね?
「え、あの、もしかして、またうちの商会が忙しくなるフラグでは……?」
マリエルちゃんが顔を引き攣らせて以下略。
ごめんねマリエルちゃん……
お父様にはメイヤー商会ががっつり儲かるよう取り計らってもらうから!
「「「……」」」
三人とも、チベスナみたいな表情でこっち見るのやめてもらっていいですか⁉︎
自分でも説明してて嘘くさいなって自覚はあるんですよ!
「相変わらずお嬢がなにかすっと面白いことになるよなぁ」
「そうですわねぇ。結果的には悪いことにはならないのが不思議なくらいですわね」
白虎様と朱雀様が愉快そうに笑う。
いや、私としては穏やかで平凡な暮らしが一番だと思っているので面白いこととか望んでないのですが。
「主は多少おせっかいだったりうっかりしているがゆえに騒動に巻き込まれがちだからな。まあ、何事も主の不利益にならぬよう我が護ればいいことだ」
「くりすてあになにがあってもおれがまもるし、わるいやつがきたらぷちっとやっつけるからもんだいない」
黒銀と真白は基本的に私のことは全肯定だからね……
ていうか、黒銀ってばおせっかいとかうっかりとか何気にディスってないかな⁉︎
あと真白、ぷちっとって何⁉︎
物理でぷちっとしないでね⁉︎
最終的には「驚くことは驚いたけど、まあクリステアだからなぁ」って結論に達したのは解せぬ。
でも皆が「よく頑張ったね」って褒めてくれたのでよしとする。
褒められたらきっと伸びる子、クリステアです。
午後の授業には間に合うので、ミリアにサロン棟への連絡と荷物の整理を託して皆と特別寮を出た。
午後の授業は魔法薬の講義だった。
魔法薬は薬草を煮詰めたり魔力を加えたりと薬の目的に合わせたレシピ通りに加工をして作る。
私は薬草を刻んだり煮詰めたりは得意。
料理してるのと変わらないからね。
だけど、魔力を適量で注ぐのが苦手。
集中してないと、ついドバッと注ぎ込んでしまって、素材の方が耐えきれなくて効果がなくなったり半減したり、素材が良質で耐えうるものであれば逆に狙ったものより高い効果
の魔法薬が出来上がってしまう。
初めの頃より大分ましになってきたと思っていたけど、今日は魔力を注ぎすぎてしまって失敗ばかりしている。
「うーん、なんでだろ……」
いつもこのくらいかなって思っていたのより魔力が多めになっちゃうのよね。
「クリステアさん珍しいですね。最近は成功率上がってましたよね?」
マリエルちゃんが不思議そうに私の手元を見て言った。
「そうなのよね……」
いつものように朝ヨガで魔力循環の鍛錬をしていた時も、なんだか体内を巡る魔力の量が多かったような気がする。
おかしいな、まさか、また魔力過多になっちゃったとかじゃないわよね?
せっかく食の改善や魔力循環のトレーニングで魔力多めとはいえ普通の生活ができるようになったのに。
……ん? まって?
食の改善……て、あ!
「……チョコだ!」
「え? チョコ? あるんですか⁉︎」
マリエルちゃんがキョロキョロと私の机の上を探した。
さっき説明していた時も「チョコ⁉︎ えええいいなぁ食べたーい!」と反応してアリシア様に「マリエルさん? 媚薬を服用したいだなんてはしたないですわよ⁉︎」と真っ赤になってたしなめられたのを忘れたの?
巷ではエッチな気分になるヤバい薬として知られているのに机上に置いてるわけないじゃないの。
……インベントリ内にはあるけどね!
「ないに決まってるでしょ。あのね、私も試食したけど私は特に影響を感じてなかったのよ。でも、今の自分の状況を鑑みるに全く影響がなかったわけじゃなさそうだなって思ったのよ」
「ふえ? どういうことです?」
「今失敗したのは魔力の注ぎ過ぎが原因だと思うのだけど、いつも通りに注いだつもりだったのよ。でも、いつもより魔力が増加しているみたいで多めに注がれてしまったようなの。私はどうやら効きが悪いのかそれに気づいてなかったみたい」
「え? ク、クリステアさん、今媚薬が効いちゃってるってことですか?」
私の説明にマリエルちゃんがヒソヒソと聞いてきた。
「なに変なこと言ってるのよ⁉︎ あのね、魔力量が上がる効能があるって言ったでしょう? 私は耐性があるのかどうかわからないけど僅かに効果があるのかもってこと」
「あ、そっちですか……遅効性の媚薬とか、シチュエーションとして美味しいなと思って……」
マリエルちゃんは、なんだぁ……みたいな反応で私を見た。
いや何だシチュエーションって。
「クリステア君……今の話、詳しく聞かせてもらえるかな?」
「え? ……あ、先生……」
やば、聞かれてた⁉︎
---------------------------
いつもコメントやエール・いいねをポチッとありがとうございます( ´ ▽ ` )
執筆の励みになっております~!
うへへ~( ´ ω ` )
「……晩餐会のメニューの引き継ぎをするだけのはずがどうしてそんなことに?」
セイが意味がわからんって顔で私を見ている。
うん、私もどうしてこうなった⁉︎ って思ってるよ……
「晩餐会を行う前に外交問題を解決した挙句むしろ優位に立っているのではありませんこと?」
アリシア様が呆れたように私を見て以下略。
ええまあ、不思議なことに……
おかしいな、晩餐会は数日後のはずなんですけどね?
「え、あの、もしかして、またうちの商会が忙しくなるフラグでは……?」
マリエルちゃんが顔を引き攣らせて以下略。
ごめんねマリエルちゃん……
お父様にはメイヤー商会ががっつり儲かるよう取り計らってもらうから!
「「「……」」」
三人とも、チベスナみたいな表情でこっち見るのやめてもらっていいですか⁉︎
自分でも説明してて嘘くさいなって自覚はあるんですよ!
「相変わらずお嬢がなにかすっと面白いことになるよなぁ」
「そうですわねぇ。結果的には悪いことにはならないのが不思議なくらいですわね」
白虎様と朱雀様が愉快そうに笑う。
いや、私としては穏やかで平凡な暮らしが一番だと思っているので面白いこととか望んでないのですが。
「主は多少おせっかいだったりうっかりしているがゆえに騒動に巻き込まれがちだからな。まあ、何事も主の不利益にならぬよう我が護ればいいことだ」
「くりすてあになにがあってもおれがまもるし、わるいやつがきたらぷちっとやっつけるからもんだいない」
黒銀と真白は基本的に私のことは全肯定だからね……
ていうか、黒銀ってばおせっかいとかうっかりとか何気にディスってないかな⁉︎
あと真白、ぷちっとって何⁉︎
物理でぷちっとしないでね⁉︎
最終的には「驚くことは驚いたけど、まあクリステアだからなぁ」って結論に達したのは解せぬ。
でも皆が「よく頑張ったね」って褒めてくれたのでよしとする。
褒められたらきっと伸びる子、クリステアです。
午後の授業には間に合うので、ミリアにサロン棟への連絡と荷物の整理を託して皆と特別寮を出た。
午後の授業は魔法薬の講義だった。
魔法薬は薬草を煮詰めたり魔力を加えたりと薬の目的に合わせたレシピ通りに加工をして作る。
私は薬草を刻んだり煮詰めたりは得意。
料理してるのと変わらないからね。
だけど、魔力を適量で注ぐのが苦手。
集中してないと、ついドバッと注ぎ込んでしまって、素材の方が耐えきれなくて効果がなくなったり半減したり、素材が良質で耐えうるものであれば逆に狙ったものより高い効果
の魔法薬が出来上がってしまう。
初めの頃より大分ましになってきたと思っていたけど、今日は魔力を注ぎすぎてしまって失敗ばかりしている。
「うーん、なんでだろ……」
いつもこのくらいかなって思っていたのより魔力が多めになっちゃうのよね。
「クリステアさん珍しいですね。最近は成功率上がってましたよね?」
マリエルちゃんが不思議そうに私の手元を見て言った。
「そうなのよね……」
いつものように朝ヨガで魔力循環の鍛錬をしていた時も、なんだか体内を巡る魔力の量が多かったような気がする。
おかしいな、まさか、また魔力過多になっちゃったとかじゃないわよね?
せっかく食の改善や魔力循環のトレーニングで魔力多めとはいえ普通の生活ができるようになったのに。
……ん? まって?
食の改善……て、あ!
「……チョコだ!」
「え? チョコ? あるんですか⁉︎」
マリエルちゃんがキョロキョロと私の机の上を探した。
さっき説明していた時も「チョコ⁉︎ えええいいなぁ食べたーい!」と反応してアリシア様に「マリエルさん? 媚薬を服用したいだなんてはしたないですわよ⁉︎」と真っ赤になってたしなめられたのを忘れたの?
巷ではエッチな気分になるヤバい薬として知られているのに机上に置いてるわけないじゃないの。
……インベントリ内にはあるけどね!
「ないに決まってるでしょ。あのね、私も試食したけど私は特に影響を感じてなかったのよ。でも、今の自分の状況を鑑みるに全く影響がなかったわけじゃなさそうだなって思ったのよ」
「ふえ? どういうことです?」
「今失敗したのは魔力の注ぎ過ぎが原因だと思うのだけど、いつも通りに注いだつもりだったのよ。でも、いつもより魔力が増加しているみたいで多めに注がれてしまったようなの。私はどうやら効きが悪いのかそれに気づいてなかったみたい」
「え? ク、クリステアさん、今媚薬が効いちゃってるってことですか?」
私の説明にマリエルちゃんがヒソヒソと聞いてきた。
「なに変なこと言ってるのよ⁉︎ あのね、魔力量が上がる効能があるって言ったでしょう? 私は耐性があるのかどうかわからないけど僅かに効果があるのかもってこと」
「あ、そっちですか……遅効性の媚薬とか、シチュエーションとして美味しいなと思って……」
マリエルちゃんは、なんだぁ……みたいな反応で私を見た。
いや何だシチュエーションって。
「クリステア君……今の話、詳しく聞かせてもらえるかな?」
「え? ……あ、先生……」
やば、聞かれてた⁉︎
---------------------------
いつもコメントやエール・いいねをポチッとありがとうございます( ´ ▽ ` )
執筆の励みになっております~!
うへへ~( ´ ω ` )
1,506
あなたにおすすめの小説
婚約破棄された令嬢が記憶を消され、それを望んだ王子は後悔することになりました
kieiku
恋愛
「では、記憶消去の魔法を執行します」
王子に婚約破棄された公爵令嬢は、王子妃教育の知識を消し去るため、10歳以降の記憶を奪われることになった。そして記憶を失い、退行した令嬢の言葉が王子を後悔に突き落とす。
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
夫が妹を第二夫人に迎えたので、英雄の妻の座を捨てます。
Nao*
恋愛
夫が英雄の称号を授かり、私は英雄の妻となった。
そして英雄は、何でも一つ願いを叶える事が出来る。
そんな夫が願ったのは、私の妹を第二夫人に迎えると言う信じられないものだった。
これまで夫の為に祈りを捧げて来たと言うのに、私は彼に手酷く裏切られたのだ──。
(1万字以上と少し長いので、短編集とは別にしてあります。)
【完結・全3話】不細工だと捨てられましたが、貴方の代わりに呪いを受けていました。もう代わりは辞めます。呪いの処理はご自身で!
酒本 アズサ
恋愛
「お前のような不細工な婚約者がいるなんて恥ずかしいんだよ。今頃婚約破棄の書状がお前の家に届いているだろうさ」
年頃の男女が集められた王家主催のお茶会でそう言ったのは、幼い頃からの婚約者セザール様。
確かに私は見た目がよくない、血色は悪く、肌も髪もかさついている上、目も落ちくぼんでみっともない。
だけどこれはあの日呪われたセザール様を助けたい一心で、身代わりになる魔導具を使った結果なのに。
当時は私に申し訳なさそうにしながらも感謝していたのに、時と共に忘れてしまわれたのですね。
結局婚約破棄されてしまった私は、抱き続けていた恋心と共に身代わりの魔導具も捨てます。
当然呪いは本来の標的に向かいますからね?
日に日に本来の美しさを取り戻す私とは対照的に、セザール様は……。
恩を忘れた愚かな婚約者には同情しません!
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。