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喪女にそれは効く……ッ!
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「……まあ、俺の婚約事情についてはさておき、カルド殿下のことだ」
レイモンド王太子殿下が気を取り直すべく咳払いをしてから、そんなことを言った。
「カルド殿下は王宮へ向かわれるはずでしたよね? それがどうして学園に?」
私はお役御免ってことで学園に戻ったのに、カルド殿下が学園に来たでござる。
「ああ、それが……」
「クリステア嬢が学園に戻ったと聞いてな。クリステア嬢のような才女が籍を置くアデリア学園とはどのようなところなのか視察したいと申し出たのだ。幸い、レイモンド王太子殿下もノーマン殿も学生の身と聞いたのでちょうどよかった」
「は、はあ……そうなのですか」
レイモンド王太子殿下が説明しようとする前にカルド殿下が畳み掛けるようにして説明してきた。
てかね、お兄様たちがおまけみたいに言うのやめていただけます?
レイモンド王太子殿下が、てのが重要でしょうよ。
しかも私が才女とか、誰がそんなことを吹聴したの⁉︎
こちとら一時期、悪食令嬢の二つ名で通ってたポンコツ令嬢ですが⁉︎
……あ、自分で言ってて悲しくなってしまった。
一人落ち込んでいる私に構わずカルド殿下は話を続ける。
「それで頼み込んで学園に到着したところでクリステア嬢と遭遇したのだ。運命的だな!」
「いえそれは違うと思います」
「……つれないな」
「カルド殿下。今日は元々僕と会う予定があったのですよ」
そうそう。今日はお兄様とお話があるからサロン棟に来ただけで、基本的には校舎にいるか特別寮に引きこもって課題やったりごはん作ってたりするかだもんね、私。
あれ? 私、領地と変わらず引きこもり……?
だって、初期のアリシア様みたいに他の貴族のご令嬢からは遠巻きにされててお茶会とか招待されたりとかないし、交流がないからこっちからも招待しづらいし。
聖獣目当ての下心ありで私と交流を持とうとする人たちは黒銀や真白に威圧されてそもそも近寄れないし……(と、この前ルビィが教えてくれた)
そんな状況で私のことを才女なんて評価する人なんているわけが……あ。
心当たりに思わず隣を見ると、お兄様が「ね? テア」と微笑んでいた。
うう、お兄様。身内贔屓がすぎる……っ!
それにそんなにとろけそうな微笑みを向けるのはやめてくださいっ!
「……なんというか、ノーマン殿は妹を溺愛しているようだな」
カルド殿下が呆れたように私たちの様子を見て言った。
「でっ、溺愛⁉︎」
私にはとんと縁のない言葉に動揺してしまった。うわあ、顔が熱い……!
前世喪女に「溺愛」ワードは効く……っ!
「こいつの場合、溺愛と言うより、執着に近いように思えるんだが……」
「殿下、何かおっしゃいましたか?」
「イイエ、ナンニモ?」
……お兄様と殿下の間にひんやりと冷気が漂ったように感じたのは気のせい……だよね⁉︎
レイモンド王太子殿下の隣に座っているカルド殿下が若干引いてる様子なのは気のせいだよね?
執着……と言われれば、わからないでもないけど、それって、ヤンデr……いやいや、まさかお兄様にそんな属性があるわけないよね?
……ちょっぴり否定できないと思ってしまうのが辛い。
「ま、まあいい。せっかく再会できたのだから、クリステア嬢に学園を案内してもらいたいのだがどうだろう?」
「え? わ、私がですか?」
いや無理です。
入学して一年も経ってない上に学園でも引きこもってる私が学園内を案内とか無理ゲーですわよ?
それに、ここまで案内してきたレイモンド王太子殿下やお兄様をすっ飛ばして私が案内できるわけないじゃないですかヤダー!
「……カルド殿下、クリステアは入学して間もないため、学園内のことは詳しくありませんから。この後は引き続き僕たちが案内しますよ」
「その通り。それにクリステア嬢がカルド殿下を連れて案内をするなど、周囲に要らぬ誤解を招きかねないので承服しかねる」
お兄様とレイモンド王太子殿下に止められたカルド殿下は渋々引き下がったものの「詳しくないなら、クリステア嬢も改めて学園内を一緒に回ってはどうか」と食い下がられ、なぜか私も同行することになった。
どうしてこうなった……?
---------------------------
キリが悪かったので短いですが一旦切ります~!
年度末……そして新たな年度……会議……うっ。本業が色々と忙しくばたついております(´・ω・`)心に余裕が欲しい……っ!
いつもコメントやエール・いいねをポチッとありがとうございます( ´ ▽ ` )
執筆の励みになっております~!
レイモンド王太子殿下が気を取り直すべく咳払いをしてから、そんなことを言った。
「カルド殿下は王宮へ向かわれるはずでしたよね? それがどうして学園に?」
私はお役御免ってことで学園に戻ったのに、カルド殿下が学園に来たでござる。
「ああ、それが……」
「クリステア嬢が学園に戻ったと聞いてな。クリステア嬢のような才女が籍を置くアデリア学園とはどのようなところなのか視察したいと申し出たのだ。幸い、レイモンド王太子殿下もノーマン殿も学生の身と聞いたのでちょうどよかった」
「は、はあ……そうなのですか」
レイモンド王太子殿下が説明しようとする前にカルド殿下が畳み掛けるようにして説明してきた。
てかね、お兄様たちがおまけみたいに言うのやめていただけます?
レイモンド王太子殿下が、てのが重要でしょうよ。
しかも私が才女とか、誰がそんなことを吹聴したの⁉︎
こちとら一時期、悪食令嬢の二つ名で通ってたポンコツ令嬢ですが⁉︎
……あ、自分で言ってて悲しくなってしまった。
一人落ち込んでいる私に構わずカルド殿下は話を続ける。
「それで頼み込んで学園に到着したところでクリステア嬢と遭遇したのだ。運命的だな!」
「いえそれは違うと思います」
「……つれないな」
「カルド殿下。今日は元々僕と会う予定があったのですよ」
そうそう。今日はお兄様とお話があるからサロン棟に来ただけで、基本的には校舎にいるか特別寮に引きこもって課題やったりごはん作ってたりするかだもんね、私。
あれ? 私、領地と変わらず引きこもり……?
だって、初期のアリシア様みたいに他の貴族のご令嬢からは遠巻きにされててお茶会とか招待されたりとかないし、交流がないからこっちからも招待しづらいし。
聖獣目当ての下心ありで私と交流を持とうとする人たちは黒銀や真白に威圧されてそもそも近寄れないし……(と、この前ルビィが教えてくれた)
そんな状況で私のことを才女なんて評価する人なんているわけが……あ。
心当たりに思わず隣を見ると、お兄様が「ね? テア」と微笑んでいた。
うう、お兄様。身内贔屓がすぎる……っ!
それにそんなにとろけそうな微笑みを向けるのはやめてくださいっ!
「……なんというか、ノーマン殿は妹を溺愛しているようだな」
カルド殿下が呆れたように私たちの様子を見て言った。
「でっ、溺愛⁉︎」
私にはとんと縁のない言葉に動揺してしまった。うわあ、顔が熱い……!
前世喪女に「溺愛」ワードは効く……っ!
「こいつの場合、溺愛と言うより、執着に近いように思えるんだが……」
「殿下、何かおっしゃいましたか?」
「イイエ、ナンニモ?」
……お兄様と殿下の間にひんやりと冷気が漂ったように感じたのは気のせい……だよね⁉︎
レイモンド王太子殿下の隣に座っているカルド殿下が若干引いてる様子なのは気のせいだよね?
執着……と言われれば、わからないでもないけど、それって、ヤンデr……いやいや、まさかお兄様にそんな属性があるわけないよね?
……ちょっぴり否定できないと思ってしまうのが辛い。
「ま、まあいい。せっかく再会できたのだから、クリステア嬢に学園を案内してもらいたいのだがどうだろう?」
「え? わ、私がですか?」
いや無理です。
入学して一年も経ってない上に学園でも引きこもってる私が学園内を案内とか無理ゲーですわよ?
それに、ここまで案内してきたレイモンド王太子殿下やお兄様をすっ飛ばして私が案内できるわけないじゃないですかヤダー!
「……カルド殿下、クリステアは入学して間もないため、学園内のことは詳しくありませんから。この後は引き続き僕たちが案内しますよ」
「その通り。それにクリステア嬢がカルド殿下を連れて案内をするなど、周囲に要らぬ誤解を招きかねないので承服しかねる」
お兄様とレイモンド王太子殿下に止められたカルド殿下は渋々引き下がったものの「詳しくないなら、クリステア嬢も改めて学園内を一緒に回ってはどうか」と食い下がられ、なぜか私も同行することになった。
どうしてこうなった……?
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キリが悪かったので短いですが一旦切ります~!
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