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24、公爵家女当主のアイデア
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夕暮れの街を少し歩いたところで、こじんまりとした可愛い外観のお店に案内された。
内装もアンティーク家具がセンスよく使われた温かみのある店内となっている。
ミハイル様は慣れた様子で店員さんと注文のやりとりをしていた。
しばらくして出てきたお料理の数々は豪華すぎず、かといって質素でもなく、心を込めて作られたことがわかるとても美味しいものばかりだ。
私が一口ごとに感動する姿を見て、ミハイル様は満足そうに微笑んでいる。
こんなにおしゃれで素敵なお店を知っているなんてさすがミハイル様。
側で仕えるようになってから、ミハイル様はこまめに領地内の様々な場所に人知れず出向き視察を行なっていることに私は気づいていた。
街を歩いている様子から見ても、ミハイル様だとみんなわかった上で程よい距離感を取り、彼を歓迎しているようだった。
ミハイル様は常に自分の目で見て耳で聞き、領地の人々の生活が向上するよう身を砕いているんだ。
それが今日改めてよく理解できた。
だからきっと――――
「アリシアの口に合ったかな?」
「はい! とっても美味しいです」
応えると、ミハイル様は嬉しそうな笑顔を浮かべる。
「この領地では特別な製法で作られた小麦が自慢なんだ。このお店の小麦もそこから仕入れている」
「ふふ、公爵領はとても豊かで素敵な土地ですね」
私が言うと、ミハイル様は笑顔のあと少し声のトーンを落として続ける。
「ああ。ここに暮らす民にとってそうであってほしい。……まだまだ手が届かないところも多いが」
そうだよね。だからきっと――――
そんな、領民を思うミハイル様だからこそ、先ほどの男の子のような境遇の子供たちがいるという課題は避けて通れないだろう。
それはやっぱり辛いことだよね……。
「……みんなが幸せに過ごしていけるといいですね」
「そうだな。彼のような子供たちも安全に暮らしていけるようにするのが私の役目だ」
ミハイル様は切ない表情を浮かべながら言った。
え、彼って、さっきの男の子のこと……?
もしかして、全部バレてた……?!?!
「まだまだ課題は多い。これは我が公爵家の力不足だな」
そう言って、ミハイル様は顔に影を作る。
そんな姿を見ていたら、彼の苦しい胸中を思い切なくなった。
私も過去2度目の人生では大切な領地を預かる公爵家の主だったもの。
あの男の子と出会ってから、思い出していたことがある。
こういった問題にどう向き合うべきか。
過去世でも、よく考えていた。
そんな私の思いをなぜか感じ取ったのか、ミハイル様はふと真剣な瞳でこちらを見つめながら言う。
「アリシアならどうする?」
あ……私なんかがこんなこと言ってもいいのかな。
少し迷うが、ミハイル様の真摯な様子に私は口を開いた。
「あの……、平民が行けるアカデミアのようなシステムを作るのというのはどうでしょうか?」
「え……?」
「平民の子供たちを集めて、簡単なランチと教養を与える場を作るんです」
「ふむ」
「少し大きくなれば教わったことを元に働きに出られるし、食事も配給できて効率がいいですよね」
「ほう……」
「なによりも生活に張り合いが出ます。それは生きるために必要な活力となりますから!」
「確かにそうだな」
「きちんと働ける人材を育てることができれば、それは長い目で見ると領地の繁栄にも繋がっていくはずです」
それだけの投資をするには大変なお金と人が動くことになるだろう。
だが、ミハイル様なら国に働きかけて実現することも可能なはずだ。
「なるほど……それはいい考えだ!」
よかった!!
ミハイル様ならきっと実現してくれる。
なぜか私は確信した。
「聞き入れてくださって、ありがとうございます」
「ああ」
ミハイル様は優しく微笑んで相槌を打った。
「あなたの経験ならそれくらい考えるのはお手のものだろう。やはり聞いてみてよかった」
続けてぼそぼそと呟いているが、聞き取れない。
「えっ?」
「いや、ところでアリシアとこうして話すのは本当に久しぶりだな」
「そうですね」
確かに、マリーたちの策略もあってなかなかミハイル様に近づくことができなくなってしまったから。
「まあ僕自身、近頃は屋敷で落ち着いて執務する間もなかったので当たり前だな」
「お忙しいのですか?」
「ああ、あの夜会の日から本格的に爵位継承に向けて動き出しているんだ」
「!!」
そうだったのか!
だから沢山の貴族たちと積極的に交流していたのね。
それにしても私を紹介する必要はなかったような気もするけど……。
「父上はまだまだ譲る気はなさそうだが、僕は力が欲しいんだ」
「チカラ、ですか?」
「ああ、大切なものを守るために」
真剣で優しい表情に思わず胸が高鳴る。
う、ミハイル様の美貌は本当に心臓に悪いわ。
もう見慣れたつもりなのにちっとも慣れない。
なぜか顔が熱くなってくることに気づかないふりをして、私は目の前の美味しい食事に集中することにした。
ミハイル様は、ぱくぱくとひたすらご飯を食べる私を嬉しそうに見ながら他愛もない会話をして二人で店を後にした。
外に出ると辺りはすっかり暗くなって、空には星が輝き始めている。
馬車を止めている場所まで歩いていると、不意に声を掛けられた。
「ミハイル様?」
声のする方を見てみると、そこには護衛と侍女を連れたヴェルネ公爵令嬢が驚いた表情を浮かべて立っている。
「やっぱりミハイル様ですのね――」
顔を綻ばせ、そう言いながらこちらに近づいてくると、隣に立つ私の顔を見て顔を引き攣らせた。
「まあ……」
令嬢は一瞬声を詰まらせるが、すぐに気を取り直しミハイル様の傍に寄り、可愛らしく上目遣いで甘えた声を出す。
「こんな場所でお会いできるなんて運命的ですわね。よろしければお食事一緒にいかがです? この先のレストランは我が家の御用達なんですの」
うわ、堂々と男性を誘うなんてすごいご令嬢ね。
ミハイル様はあからさまに気分を害している。
「……悪いが今はアリシアとの大切な時間を過ごしている」
「あら、彼女はメイドだと伺いましたわ。ただのお付きの者なんでしょう?」
ミハイル様にそう言った後、私に向き直り侮蔑の表情を浮かべた。
「あの後、心あるお方達が教えてくれましたの。あなたの下賤なお立場をね」
すると、ミハイル様は途端に表情を変えた。
「ルリジオン子爵令嬢だ。ヴェルネ公爵家では貴族に対する礼儀作法を学ばせていないらしいな。失礼する」
ミハイル様は珍しく怒ったように冷たく言い放ち、私の手をぎゅっと握って早足で歩き出した。
私も引っ張られるような形で歩き出す。
え?どうしたの?
ミハイル様は怖い顔や冷たい物言いをすることはあっても、こんなに感情的になるのは珍しい。
慌てて振り返ると、ヴェルネ公爵令嬢が私を険しい形相で睨みつけているところだった。
彼女の美しさが、恐ろしさに拍車をかけている。
何あれ!めちゃくちゃ、怖いよ~!!
◇◇◇
ヴェルネ公爵家御用達であるそのレストランの店内は、恐ろしいほどに張り詰めた空気が漂っていた。
ヴェルネ公爵家の侍女と護衛たちは令嬢の顔色を伺うようにそわそわしている。
「許せない……あの女……!!」
運ばれてきた豪華な食事に手もつけず、ワインをこくりと一口飲み込んだヴェルネ公爵令嬢は険しい表情で呟いた。
暫くの間、考えを巡らせていた令嬢はハッと思いついたように侍女へ告げる。
「ラバドゥーン公爵様に面会を申し込んで頂戴。公爵家に一大事が迫っているとね」
侍女は淑やかに頭を下げる。
「なんとしてでも、あの女をどうにかしないと」
ヴェルネ公爵令嬢はワイングラスを煽り、怒りを露わにして叩きつけるようにグラスを置いた。
内装もアンティーク家具がセンスよく使われた温かみのある店内となっている。
ミハイル様は慣れた様子で店員さんと注文のやりとりをしていた。
しばらくして出てきたお料理の数々は豪華すぎず、かといって質素でもなく、心を込めて作られたことがわかるとても美味しいものばかりだ。
私が一口ごとに感動する姿を見て、ミハイル様は満足そうに微笑んでいる。
こんなにおしゃれで素敵なお店を知っているなんてさすがミハイル様。
側で仕えるようになってから、ミハイル様はこまめに領地内の様々な場所に人知れず出向き視察を行なっていることに私は気づいていた。
街を歩いている様子から見ても、ミハイル様だとみんなわかった上で程よい距離感を取り、彼を歓迎しているようだった。
ミハイル様は常に自分の目で見て耳で聞き、領地の人々の生活が向上するよう身を砕いているんだ。
それが今日改めてよく理解できた。
だからきっと――――
「アリシアの口に合ったかな?」
「はい! とっても美味しいです」
応えると、ミハイル様は嬉しそうな笑顔を浮かべる。
「この領地では特別な製法で作られた小麦が自慢なんだ。このお店の小麦もそこから仕入れている」
「ふふ、公爵領はとても豊かで素敵な土地ですね」
私が言うと、ミハイル様は笑顔のあと少し声のトーンを落として続ける。
「ああ。ここに暮らす民にとってそうであってほしい。……まだまだ手が届かないところも多いが」
そうだよね。だからきっと――――
そんな、領民を思うミハイル様だからこそ、先ほどの男の子のような境遇の子供たちがいるという課題は避けて通れないだろう。
それはやっぱり辛いことだよね……。
「……みんなが幸せに過ごしていけるといいですね」
「そうだな。彼のような子供たちも安全に暮らしていけるようにするのが私の役目だ」
ミハイル様は切ない表情を浮かべながら言った。
え、彼って、さっきの男の子のこと……?
もしかして、全部バレてた……?!?!
「まだまだ課題は多い。これは我が公爵家の力不足だな」
そう言って、ミハイル様は顔に影を作る。
そんな姿を見ていたら、彼の苦しい胸中を思い切なくなった。
私も過去2度目の人生では大切な領地を預かる公爵家の主だったもの。
あの男の子と出会ってから、思い出していたことがある。
こういった問題にどう向き合うべきか。
過去世でも、よく考えていた。
そんな私の思いをなぜか感じ取ったのか、ミハイル様はふと真剣な瞳でこちらを見つめながら言う。
「アリシアならどうする?」
あ……私なんかがこんなこと言ってもいいのかな。
少し迷うが、ミハイル様の真摯な様子に私は口を開いた。
「あの……、平民が行けるアカデミアのようなシステムを作るのというのはどうでしょうか?」
「え……?」
「平民の子供たちを集めて、簡単なランチと教養を与える場を作るんです」
「ふむ」
「少し大きくなれば教わったことを元に働きに出られるし、食事も配給できて効率がいいですよね」
「ほう……」
「なによりも生活に張り合いが出ます。それは生きるために必要な活力となりますから!」
「確かにそうだな」
「きちんと働ける人材を育てることができれば、それは長い目で見ると領地の繁栄にも繋がっていくはずです」
それだけの投資をするには大変なお金と人が動くことになるだろう。
だが、ミハイル様なら国に働きかけて実現することも可能なはずだ。
「なるほど……それはいい考えだ!」
よかった!!
ミハイル様ならきっと実現してくれる。
なぜか私は確信した。
「聞き入れてくださって、ありがとうございます」
「ああ」
ミハイル様は優しく微笑んで相槌を打った。
「あなたの経験ならそれくらい考えるのはお手のものだろう。やはり聞いてみてよかった」
続けてぼそぼそと呟いているが、聞き取れない。
「えっ?」
「いや、ところでアリシアとこうして話すのは本当に久しぶりだな」
「そうですね」
確かに、マリーたちの策略もあってなかなかミハイル様に近づくことができなくなってしまったから。
「まあ僕自身、近頃は屋敷で落ち着いて執務する間もなかったので当たり前だな」
「お忙しいのですか?」
「ああ、あの夜会の日から本格的に爵位継承に向けて動き出しているんだ」
「!!」
そうだったのか!
だから沢山の貴族たちと積極的に交流していたのね。
それにしても私を紹介する必要はなかったような気もするけど……。
「父上はまだまだ譲る気はなさそうだが、僕は力が欲しいんだ」
「チカラ、ですか?」
「ああ、大切なものを守るために」
真剣で優しい表情に思わず胸が高鳴る。
う、ミハイル様の美貌は本当に心臓に悪いわ。
もう見慣れたつもりなのにちっとも慣れない。
なぜか顔が熱くなってくることに気づかないふりをして、私は目の前の美味しい食事に集中することにした。
ミハイル様は、ぱくぱくとひたすらご飯を食べる私を嬉しそうに見ながら他愛もない会話をして二人で店を後にした。
外に出ると辺りはすっかり暗くなって、空には星が輝き始めている。
馬車を止めている場所まで歩いていると、不意に声を掛けられた。
「ミハイル様?」
声のする方を見てみると、そこには護衛と侍女を連れたヴェルネ公爵令嬢が驚いた表情を浮かべて立っている。
「やっぱりミハイル様ですのね――」
顔を綻ばせ、そう言いながらこちらに近づいてくると、隣に立つ私の顔を見て顔を引き攣らせた。
「まあ……」
令嬢は一瞬声を詰まらせるが、すぐに気を取り直しミハイル様の傍に寄り、可愛らしく上目遣いで甘えた声を出す。
「こんな場所でお会いできるなんて運命的ですわね。よろしければお食事一緒にいかがです? この先のレストランは我が家の御用達なんですの」
うわ、堂々と男性を誘うなんてすごいご令嬢ね。
ミハイル様はあからさまに気分を害している。
「……悪いが今はアリシアとの大切な時間を過ごしている」
「あら、彼女はメイドだと伺いましたわ。ただのお付きの者なんでしょう?」
ミハイル様にそう言った後、私に向き直り侮蔑の表情を浮かべた。
「あの後、心あるお方達が教えてくれましたの。あなたの下賤なお立場をね」
すると、ミハイル様は途端に表情を変えた。
「ルリジオン子爵令嬢だ。ヴェルネ公爵家では貴族に対する礼儀作法を学ばせていないらしいな。失礼する」
ミハイル様は珍しく怒ったように冷たく言い放ち、私の手をぎゅっと握って早足で歩き出した。
私も引っ張られるような形で歩き出す。
え?どうしたの?
ミハイル様は怖い顔や冷たい物言いをすることはあっても、こんなに感情的になるのは珍しい。
慌てて振り返ると、ヴェルネ公爵令嬢が私を険しい形相で睨みつけているところだった。
彼女の美しさが、恐ろしさに拍車をかけている。
何あれ!めちゃくちゃ、怖いよ~!!
◇◇◇
ヴェルネ公爵家御用達であるそのレストランの店内は、恐ろしいほどに張り詰めた空気が漂っていた。
ヴェルネ公爵家の侍女と護衛たちは令嬢の顔色を伺うようにそわそわしている。
「許せない……あの女……!!」
運ばれてきた豪華な食事に手もつけず、ワインをこくりと一口飲み込んだヴェルネ公爵令嬢は険しい表情で呟いた。
暫くの間、考えを巡らせていた令嬢はハッと思いついたように侍女へ告げる。
「ラバドゥーン公爵様に面会を申し込んで頂戴。公爵家に一大事が迫っているとね」
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