聖女は傭兵と融合して最強唯一の魔法剣士になって好き勝手に生きる

ブレイブ31

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設立編

--第5章:死にかけの貴族2

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そこでふと閃いた。
山賊からこの二人を助ければ、明らかに絶大な感謝をされるだろう。そしておそらくだが、この二人はそこらの貴族ではない。騎士が10人も護衛していることもさることながら、彼女たちの身に纏っているドレスは明らかに豪奢で、他の貴族の服装をも凌いでいる。
だが、問題は山賊の数が20人もいることだ。今、不意打ちで仕掛ければ、5人は倒せる。しかし残り15人がいる。彼らは弱い者を蹂躙するだけの山賊だが、
こちらは見知らぬ敵とも戦ってきた経験がある。回復用のポーションも持っているので、ラッキーパンチでもなければ負けるはずがない。
とはいえ、このラッキーパンチが怖い。戦闘では不運がしばしば起こるものだ。例えば、血が目に入ったり、汗で剣がすっぽ抜けたりと、さまざまな理由で不利な状況が生まれる。無視できないリスクだ。
ふと、騎士の護衛がいる貴族をなぜ山賊がわざわざ狙ったのか、という疑問が浮かんだ。しかし今は、決断を迫られているため、その考えを振り払う。
よし、援軍が来たように見せかけて声を上げる、山賊どもも慌てて逃げ出すだろう。
頭の中で決断を下し、森の茂みから飛び出していく。素早く動き、一番後ろにいた背を向けた山賊の頭を立て続けに跳ね飛ばした。計算通りだ。最初の2人は簡単に仕留め、その後の3人も動揺から動きが鈍く、すぐに切り捨てて残り15人になった。
「な、なんだこの女は!」
貴婦人の目の前にいた体格の大きな男が大声で叫ぶ。間髪入れずに叫んだ。
「おい、こっちだ!ここに山賊どもがいるぞ!」
その声を聞き、山賊たちが動揺した。何人かが踵を返して逃げようとする体勢になる。想定通りだ。ニヤリと笑みが浮かべる。
「落ち着け!てめえら、逃げてどうするんだ!」
体格の大きな男が叫び、逃げかけていた山賊たちがこちらに向き直る。…あれ?なぜ逃げない?援軍が来たら数の優位が崩れるかもしれないのに、普通なら無謀な賭けはしないはずだ。
再び、先ほどの疑問が浮かびあがる。なぜ騎士を護衛につけた貴族を山賊が狙ったのか…どうやら襲わなければならない理由があるようだ。
だが、ここで引くわけにはいかない。さっき考えたように、決して勝てない相手ではない。自分は騎士とは違い軽装で素早く動けるし、火炎瓶や矢程度なら対処できる。多少のダメージは受けるだろうが、ポーションで治癒しつつ殲滅してやる。
援軍のフリが効かないとわかり、意を決して山賊に飛びかかった。敵の近接武器は斧だ、ボロボロだが重量はある。斧の攻撃をかいくぐり、一撃、二撃と山賊に叩き込んでいく。火炎瓶を投げてくる山賊もいたが、軽く避けて首を刎ねた。
矢を放ってきた山賊もいたが、無駄な動作が多く、矢もさほど速くないので、簡単に剣で撃ち落とし、間合いを詰めて仕留める。残り11人。次々と斧の攻撃をかわしながら攻撃を加え、残りは8人。
「いける!このまま一気に殲滅だ!」
そう思い、さらに踏み込んだ瞬間——
「ザクッ」
足に激痛が走る。足元には、小さな黒い棘がびっしりと突き出た茶色の板が隠れていた。足を突き刺され、動揺しながらも必死で罠から足を引き抜く。
初めて見る罠と激しい痛みに息が荒くなる。ポーションではここまでの傷を完全には治せないし、足を使って間合いを取りながら回復する余裕もない。くそ、山賊ごときに!
山賊を睨みつけるヴェルヴェットに、男が高笑いしながら言った。
「よく見たら上玉じゃねぇか。降参すれば命だけは助けてやるぞ?」
それを聞いて冷ややかに睨む。こっちは山賊仲間を殺しているんだ、命を助けるつもりなどないだろう。足に激痛を感じつつも、まだ勝機は捨てていない。
そこへ、マリアの声が頭に響く。
—セラフィム・ブレスを唱えて!
「セラフィム…ブレス?」
その言葉を口にした瞬間、突如として体が光に包まれる。見る見るうちに足の傷が癒え、痛みも和らいでいく。
「これは…」
驚くヴェルヴェット。山賊もまた、彼女の異変に驚いている。
「おい、なんだあの光…魔法なのか?剣士なのに…」
彼らが隙を見せた瞬間、罠を飛び交えて一気に間合いを詰め、次々と山賊を仕留めていく。最後に残ったのは、一番体格の大きな男だった。
「ま、待ってくれ!俺は頼まれただけだ!誓ってもうお前にもあの親子にも手を出さない!」
馬鹿馬鹿しい。今まで山賊の命乞いが聞くに値したことなど一度もない。
「だめだ、死ね」
閃光のような一閃が、男の首をはねた。
「はぁ、はぁ…」
どうにか勝てた。正直、癒しの力がなければ危なかった。二度とこんな愚かな真似はしないと心に決め、強い後悔と疲労を感じながら剣を収める。
すると、視線を感じて振り返ると、先ほどの貴族の親子がいた。
「ありがとうございます!あなた様は命の恩人です!」
「ありがとう、お姉さん!」
二人は涙を浮かべ、深く感謝を示してくる。
「礼は言葉だけでなく、金で頼む」
指で円を描きながら、当然のように謝礼金を要求する。
—あなたという人は…
マリアが呆れたように声を響かせるが、気にせず親子を見つめる。
「謝礼ですか…もちろんお支払いします。ただ、今は持ち合わせが少ないので、よければ私たちの屋敷までいらしていただけませんか?私たちも、このまま2人きりで帰るのは少々心もとないので…」
なるほど、つまり家に帰るまで警護をしてくれと頼んできているのだ。
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