17 / 60
設立編
—第9章:レオンの葛藤2
しおりを挟む
「喜んでもらえてよかったよ。これは私の故郷の街の酒なんだ。いつも常備してるから、飲みたくなったら言ってくれ」
それを聞いたヴェルヴェットは嬉しそうに、「また次も頼むよ!」と楽しげに応える。
「ところで、聖王国の傭兵はみんなヴェルヴェットのように強いのか?」
これは探りではなく、騎士として純粋に興味が湧いてしまった。
「いや、あたしぐらいの腕はそこまではいない。アナスタシアから聞いているかもしれないけど、かなり小さいころから命懸けで剣術を磨いてきたからね。そこら辺のやつらとは覚悟も年季も違う」
「ただ、聖王国は長年悪魔の軍勢の侵攻を一番受けてきた国だから。他の国より段違いに実戦経験があるとは思うわ」
確かにレオンもその話は知っている。聖王国は長年悪魔の侵攻を受け、それをすべて跳ね除けてきた。騎士や傭兵の貢献が高いこともよく知っているが、最近は大悪魔の侵攻で大打撃を受けたとも聞いていた。
「そうか。聖王国の者たちはとても強いのだな。ただ、最近大悪魔の侵攻を受けたと聞いたが、それは大丈夫だったのか?」
ヴェルヴェットの体がピクリと動く。やはり、その話は本当のようだ。
するとヴェルヴェットは持っていたグラスの酒を飲み干して答えた。
「ええ、本当よ。かなりの悪魔たちと大悪魔が攻めてきてわ。
だけど、悪魔たちはばっさばっさと切り捨てて、大悪魔も地平線の彼方までぶっ飛ばしてやったよ」
ヴェルヴェットはニカリと笑って答える。
大悪魔をぶっ飛ばしたというのは冗談だろうが、悪魔たちを倒して致命的な事態にはならなかったのだろうと察した。
「だから、大切な国は守れたし傭兵仲間たちも守れたわ。逃げ遅れた親子もなんとか助けられたし、たまには感謝されるのも悪くないかなって。
傭兵してると感謝されるってことは少ないしね。賃金を払ってるから当然だ、っていうやつも多いし、あたしもそれに対して何も思わないけどさ」
レオンはそこでピタリと動きが止まり、焦点も定まらなくなる。
<<だから大切な国は守れたし>>
その言葉が延々と頭の中で繰り返されている。
大切な国を守れた。大切な…守れた。
自分はどうだ。大切な主君を守れたのか?いや、守れていない。主君を守ったのは今目の前にいるヴェルヴェットだ。
親衛騎士長ともあろう者が醜態、恥さらし、無能。あげくの果てには助けてくれた恩人のヴェルヴェットを疑っている始末だ。本来の目的を忘れ、今まで考えないようにしていた自分の不甲斐なさに吐き気さえ催してくる。
「ん、どうしたの?」
ヴェルヴェットが少し心配そうに覗き込んでくる。吐き気がする。頭がくらくらする。最悪な体調で、探るような知恵も回らず、思ったことをそのまま言ってしまう。
「私は主君を守れなかった。ヴェルヴェットがいなければ、おそらく主君は殺されていただろう。
私は騎士失格だ…あなたは傭兵でありながら多くの人を、国を守り抜いた。それなのに私は…」
自然とぼろぼろと涙が流れ、項垂れる。言葉に出すことで感情の抑制が効かなくなったかのように、まるで子供のように涙を流し、体を震わせる。ヴェルヴェットはそれを見てギョッとした。
「え…あんた、どうしたの…」
大の大人の男がぼろぼろと涙を流して泣くところなど見たことがない。理由もわからない。さっきレオンは何と言った?確か、「主君を守れなかった」だったか。
主君を守るなどそもそも一人でできるものではない。傭兵だってそうだ。護衛の任務でもそれぞれ役割が決まっていて、それでも失敗するときはある。自分の役割をしっかりと果たしていれば文句を言われる筋合いはない。絶対に守れるなどということはありえない。
しかし、このレオンの状態を見てそれを言うべきか、それとも別の言葉が必要か判断できない。呆然と見ていて口だけがパクパクと動くがなにを言えずにいた。
—ヴェルヴェットさん、少し変わってもらえますか?
マリアの声が聞こえる。
確かにこの状況はあまりにも気まずい。できることなら今すぐ帰りたい。あぁ、ここがあたしの部屋だった。
—心の中で私とバトンタッチする風景を思ってください。そうすれば体の所有権を交換できます。もちろん、話が終わればまたすぐに戻りますので。
少し迷ったが、レオンの姿があまりにも哀れに見えたので、心の中でマリアとタッチを交わす光景を想像する。すぅ、と意識が小さくなる感覚を覚える。
目を開くと先ほどと同じようにレオンを見ているのだが、声を出そうとしてもレオンには届いていない。まるで分厚いガラスを一枚隔てられているような感覚だ。入れ替わったマリアはレオンの両手を掴んで、ぎゅっと握って答えた。
「レオンさん、あなたの行いを恥じる必要はありません」
涙を流しながらレオンは頭を上げ、マリアをゆっくり見る。
「しかし、私はその場にいなかったのです。
他の任務に就いていたとはいえ、主君を危険に晒してしまったのです」
レオンはかぶりを振って否定する。
続け様にマリアは応える。
「あなたがいなかったのは、主君の命に従ってのこと。あなたが忠誠を尽くしていたからこそ、別の任務に赴いていたのです。神はあなたの努力を見ておられます。あなたが守るべきだったものは失われていない。主君はあなたの忠誠を知っておられるでしょう」
涙で潤んだレオンの瞳がマリアを凝視する。
「主君を守ることは、ただその場にいることだけが全てではありません。あなたの心が常に主君に捧げられている限り、神もまたあなたを見守ってくださるはずです」
レオンはその言葉に一層涙をこぼし、深い慈愛に満ちたものを感じる。
まるで女神に言われているかのように、その言葉がストンと胸に落ちていく。
「ありがとうございます、女神様…」
—女神様・・?こいつはなにをいってるんだ?
心の中でヴェルヴェットがレオンの言動に呆気に取られる。
レオンは今日までの疲れと緊張で体の力が抜けていく。
まるで天国にいるかのような感覚に包まれる…
倒れそうになるレオンを抱きしめ、マリアは続ける。
「あなたは誰よりも忠実です。
その忠誠があなたを導いてきたこと、そしてこれからも導くでしょう。
だから、自らを責める必要はありません。あなたの献身は、きっと主君に届いています」
安堵とも取れるような表情になり、そして…レオンは深い眠りについた。
それを聞いたヴェルヴェットは嬉しそうに、「また次も頼むよ!」と楽しげに応える。
「ところで、聖王国の傭兵はみんなヴェルヴェットのように強いのか?」
これは探りではなく、騎士として純粋に興味が湧いてしまった。
「いや、あたしぐらいの腕はそこまではいない。アナスタシアから聞いているかもしれないけど、かなり小さいころから命懸けで剣術を磨いてきたからね。そこら辺のやつらとは覚悟も年季も違う」
「ただ、聖王国は長年悪魔の軍勢の侵攻を一番受けてきた国だから。他の国より段違いに実戦経験があるとは思うわ」
確かにレオンもその話は知っている。聖王国は長年悪魔の侵攻を受け、それをすべて跳ね除けてきた。騎士や傭兵の貢献が高いこともよく知っているが、最近は大悪魔の侵攻で大打撃を受けたとも聞いていた。
「そうか。聖王国の者たちはとても強いのだな。ただ、最近大悪魔の侵攻を受けたと聞いたが、それは大丈夫だったのか?」
ヴェルヴェットの体がピクリと動く。やはり、その話は本当のようだ。
するとヴェルヴェットは持っていたグラスの酒を飲み干して答えた。
「ええ、本当よ。かなりの悪魔たちと大悪魔が攻めてきてわ。
だけど、悪魔たちはばっさばっさと切り捨てて、大悪魔も地平線の彼方までぶっ飛ばしてやったよ」
ヴェルヴェットはニカリと笑って答える。
大悪魔をぶっ飛ばしたというのは冗談だろうが、悪魔たちを倒して致命的な事態にはならなかったのだろうと察した。
「だから、大切な国は守れたし傭兵仲間たちも守れたわ。逃げ遅れた親子もなんとか助けられたし、たまには感謝されるのも悪くないかなって。
傭兵してると感謝されるってことは少ないしね。賃金を払ってるから当然だ、っていうやつも多いし、あたしもそれに対して何も思わないけどさ」
レオンはそこでピタリと動きが止まり、焦点も定まらなくなる。
<<だから大切な国は守れたし>>
その言葉が延々と頭の中で繰り返されている。
大切な国を守れた。大切な…守れた。
自分はどうだ。大切な主君を守れたのか?いや、守れていない。主君を守ったのは今目の前にいるヴェルヴェットだ。
親衛騎士長ともあろう者が醜態、恥さらし、無能。あげくの果てには助けてくれた恩人のヴェルヴェットを疑っている始末だ。本来の目的を忘れ、今まで考えないようにしていた自分の不甲斐なさに吐き気さえ催してくる。
「ん、どうしたの?」
ヴェルヴェットが少し心配そうに覗き込んでくる。吐き気がする。頭がくらくらする。最悪な体調で、探るような知恵も回らず、思ったことをそのまま言ってしまう。
「私は主君を守れなかった。ヴェルヴェットがいなければ、おそらく主君は殺されていただろう。
私は騎士失格だ…あなたは傭兵でありながら多くの人を、国を守り抜いた。それなのに私は…」
自然とぼろぼろと涙が流れ、項垂れる。言葉に出すことで感情の抑制が効かなくなったかのように、まるで子供のように涙を流し、体を震わせる。ヴェルヴェットはそれを見てギョッとした。
「え…あんた、どうしたの…」
大の大人の男がぼろぼろと涙を流して泣くところなど見たことがない。理由もわからない。さっきレオンは何と言った?確か、「主君を守れなかった」だったか。
主君を守るなどそもそも一人でできるものではない。傭兵だってそうだ。護衛の任務でもそれぞれ役割が決まっていて、それでも失敗するときはある。自分の役割をしっかりと果たしていれば文句を言われる筋合いはない。絶対に守れるなどということはありえない。
しかし、このレオンの状態を見てそれを言うべきか、それとも別の言葉が必要か判断できない。呆然と見ていて口だけがパクパクと動くがなにを言えずにいた。
—ヴェルヴェットさん、少し変わってもらえますか?
マリアの声が聞こえる。
確かにこの状況はあまりにも気まずい。できることなら今すぐ帰りたい。あぁ、ここがあたしの部屋だった。
—心の中で私とバトンタッチする風景を思ってください。そうすれば体の所有権を交換できます。もちろん、話が終わればまたすぐに戻りますので。
少し迷ったが、レオンの姿があまりにも哀れに見えたので、心の中でマリアとタッチを交わす光景を想像する。すぅ、と意識が小さくなる感覚を覚える。
目を開くと先ほどと同じようにレオンを見ているのだが、声を出そうとしてもレオンには届いていない。まるで分厚いガラスを一枚隔てられているような感覚だ。入れ替わったマリアはレオンの両手を掴んで、ぎゅっと握って答えた。
「レオンさん、あなたの行いを恥じる必要はありません」
涙を流しながらレオンは頭を上げ、マリアをゆっくり見る。
「しかし、私はその場にいなかったのです。
他の任務に就いていたとはいえ、主君を危険に晒してしまったのです」
レオンはかぶりを振って否定する。
続け様にマリアは応える。
「あなたがいなかったのは、主君の命に従ってのこと。あなたが忠誠を尽くしていたからこそ、別の任務に赴いていたのです。神はあなたの努力を見ておられます。あなたが守るべきだったものは失われていない。主君はあなたの忠誠を知っておられるでしょう」
涙で潤んだレオンの瞳がマリアを凝視する。
「主君を守ることは、ただその場にいることだけが全てではありません。あなたの心が常に主君に捧げられている限り、神もまたあなたを見守ってくださるはずです」
レオンはその言葉に一層涙をこぼし、深い慈愛に満ちたものを感じる。
まるで女神に言われているかのように、その言葉がストンと胸に落ちていく。
「ありがとうございます、女神様…」
—女神様・・?こいつはなにをいってるんだ?
心の中でヴェルヴェットがレオンの言動に呆気に取られる。
レオンは今日までの疲れと緊張で体の力が抜けていく。
まるで天国にいるかのような感覚に包まれる…
倒れそうになるレオンを抱きしめ、マリアは続ける。
「あなたは誰よりも忠実です。
その忠誠があなたを導いてきたこと、そしてこれからも導くでしょう。
だから、自らを責める必要はありません。あなたの献身は、きっと主君に届いています」
安堵とも取れるような表情になり、そして…レオンは深い眠りについた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る
早見羽流@3/19書籍発売!
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」
解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。
そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。
彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。
(1話2500字程度、1章まで完結保証です)
僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた
黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。
その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。
曖昧なのには理由があった。
『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。
どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。
※小説家になろうにも随時転載中。
レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。
それでも皆はレンが勇者だと思っていた。
突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。
はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。
ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。
※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。
「魔道具の燃料でしかない」と言われた聖女が追い出されたので、結界は消えます
七辻ゆゆ
ファンタジー
聖女ミュゼの仕事は魔道具に力を注ぐだけだ。そうして国を覆う大結界が発動している。
「ルーチェは魔道具に力を注げる上、癒やしの力まで持っている、まさに聖女だ。燃料でしかない平民のおまえとは比べようもない」
そう言われて、ミュゼは城を追い出された。
しかし城から出たことのなかったミュゼが外の世界に恐怖した結果、自力で結界を張れるようになっていた。
そしてミュゼが力を注がなくなった大結界は力を失い……
冤罪で殺された聖女、生まれ変わって自由に生きる
みおな
恋愛
聖女。
女神から選ばれし、世界にたった一人の存在。
本来なら、誰からも尊ばれ大切に扱われる存在である聖女ルディアは、婚約者である王太子から冤罪をかけられ処刑されてしまう。
愛し子の死に、女神はルディアの時間を巻き戻す。
記憶を持ったまま聖女認定の前に戻ったルディアは、聖女にならず自由に生きる道を選択する。
追放された【才能鑑定】スキル持ちの俺、Sランクの原石たちをプロデュースして最強へ
黒崎隼人
ファンタジー
人事コンサルタントの相馬司が転生した異世界で得たのは、人の才能を見抜く【才能鑑定】スキル。しかし自身の戦闘能力はゼロ!
「魔力もない無能」と貴族主義の宮廷魔術師団から追放されてしまう。
だが、それは新たな伝説の始まりだった!
「俺は、ダイヤの原石を磨き上げるプロデューサーになる!」
前世の知識を武器に、司は酒場で燻る剣士、森に引きこもるエルフなど、才能を秘めた「ワケあり」な逸材たちを発掘。彼らの才能を的確に見抜き、最高の育成プランで最強パーティーへと育て上げる!
「あいつは本物だ!」「司さんについていけば間違いない!」
仲間からの絶対的な信頼を背に、司がプロデュースしたパーティーは瞬く間に成り上がっていく。
一方、司を追放した宮廷魔術師たちは才能の壁にぶつかり、没落の一途を辿っていた。そして王国を揺るがす戦乱の時、彼らは思い知ることになる。自分たちが切り捨てた男が、歴史に名を刻む本物の英雄だったということを!
無能と蔑まれた男が、知略と育成術で世界を変える! 爽快・育成ファンタジー、堂々開幕!
収納魔法を極めた魔術師ですが、勇者パーティを追放されました。ところで俺の追放理由って “どれ” ですか?
木塚麻弥
ファンタジー
収納魔法を活かして勇者パーティーの荷物持ちをしていたケイトはある日、パーティーを追放されてしまった。
追放される理由はよく分からなかった。
彼はパーティーを追放されても文句の言えない理由を無数に抱えていたからだ。
結局どれが本当の追放理由なのかはよく分からなかったが、勇者から追放すると強く言われたのでケイトはそれに従う。
しかし彼は、追放されてもなお仲間たちのことが好きだった。
たった四人で強大な魔王軍に立ち向かおうとするかつての仲間たち。
ケイトは彼らを失いたくなかった。
勇者たちとまた一緒に食事がしたかった。
しばらくひとりで悩んでいたケイトは気づいてしまう。
「追放されたってことは、俺の行動を制限する奴もいないってことだよな?」
これは収納魔法しか使えない魔術師が、仲間のために陰で奮闘する物語。
だから聖女はいなくなった
澤谷弥(さわたに わたる)
ファンタジー
「聖女ラティアーナよ。君との婚約を破棄することをここに宣言する」
レオンクル王国の王太子であるキンバリーが婚約破棄を告げた相手は聖女ラティアーナである。
彼女はその婚約破棄を黙って受け入れた。さらに彼女は、新たにキンバリーと婚約したアイニスに聖女の証である首飾りを手渡すと姿を消した。
だが、ラティアーナがいなくなってから彼女のありがたみに気づいたキンバリーだが、すでにその姿はどこにもない。
キンバリーの弟であるサディアスが、兄のためにもラティアーナを探し始める。だが、彼女を探していくうちに、なぜ彼女がキンバリーとの婚約破棄を受け入れ、聖女という地位を退いたのかの理由を知る――。
※7万字程度の中編です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる