聖女は傭兵と融合して最強唯一の魔法剣士になって好き勝手に生きる

ブレイブ31

文字の大きさ
52 / 60
設立編

—第39章:3大貴族1

しおりを挟む
「次に、今回の作戦に深く関わることになる3大貴族を紹介する」

王の紹介により、3人の貴族が目の前に現れた。

一人は、いつもの大貴族フリードリッヒ・テクノバーグ。

「まずは大貴族フリードリッヒ・テクノバーグだ。彼は大都市テクノビレッジを治めている貴族で、主にメカストリア国全体のインフラに従事している、といってもお前はテクノバーグ家に厄介になっているようだから、説明するまでもないだろう」

一歩前に出てきたフリードリッヒは、「厄介になっているなどそんなことはない」と言いたげな顔をしているが、特に声に出して反対の意を言う場ではないことはわかっているので、そのままでいる。

「次にマルクス・アームスウォードだ。彼もまた大貴族で、主に大都市アームズフォージを治めている。メカストリア国全体の兵器生産に従事している」

一歩前に出てきた男は堂々と立っていた。

彼は強靭な体格を持つ戦士でもあり、精巧にデザインされた武器を模した重厚な鎧に身を包んでいる。その鎧は、金属の輝きと繊細な彫刻が施されており、まるで彼の存在自体が武器のように感じられる。

彼の髪は淡い金色で、力強い顎と整った顔立ちが特徴だ。顔には冷静さと決意が宿り、目は鋭く、その姿勢は、ただの武器生産者ではなく、国の安全を担う戦士としての自負を表しているかのようだ。

鎧の中には機械的な部品が組み込まれており、彼の存在はまるでこの国の防衛の象徴であるかのようだ。マルクスはまさにその名の通り、機械の国全体の武器生産に従事する大貴族として存在感を放っていた。

彼はこの場において、国の未来を支えるための力強い意志を持って立っている。その姿は、まるで鋼鉄の意志を持つ戦士のようで、見る者に強い印象を残していた。

マルクスは、ひざまづいたままのあたしを凝視している。本来であれば、マリアの美貌を持つ容姿をしているのだ。男ならこんな表情はしない。もっと穏やかに、美しいものを見るような目で見てくる。

しかしこの男は違った。これまでの戦いを繰り広げてきたからだろうか、まるで戦力の値踏みをするかのように鋭い目つきで凝視してきている。

しかしその目つきがあたしは気に入らなかった。傭兵同士であれば、そのような目つきで凝視してくるのは喧嘩を売っているようなものだからだ。あたしは同じく鋭い目つきでマルクスを睨み返す。

マルクスは若干驚いた様な表情を見せた。マリアの容姿で威圧するような睨みをしてくるとは思わなかったのだろう。このような目でみてくる理由は容易に想像ができる。きっとこの男は自分で見ないと信じないタイプの人間なのだろう。

こういうタイプは、特に戦闘に限っては多くいるのだ。何を感じ取ったのか「ふんっ」と鼻を鳴らし、マルクスは普通の目つきになる。認められなかったのか、値踏みが終わったからなのかはわからないが。

「最後にエリナ・オートメイアだ。彼女は機械の国全体の自動人形に従事している大貴族で、主に大都市オートマタスプリングスを治めている。メカストリア国全体の自動人形生産に従事している」

一歩前に出てきた女は、王の間に佇む優雅な貴族であった。彼女の姿は、その美しさと洗練された風格をもって周囲の目を惹きつける。流れるようなドレスは、白と青を基調にし、機械的な装飾がふんだんに施されている。特に、腰周りや裾にあしらわれた歯車の模様が彼女の地位と役割を象徴し、見事なまでに調和している。

エリナの長い金髪は優雅に流れ、顔立ちは整っており、その瞳は明るい光を湛え、何か思慮深いものを感じさせる。彼女の表情は柔らかく、優雅さの中に自信を秘めている。

機械的な装飾が施された豪華なネックレスが輝き、彼女の存在感をさらに引き立てる。王の間の高い天井の下で、エリナはまるでこの国の自動人形たちの守護者であるかのように、その優美な姿を堂々と示していた。彼女は機械の国の発展に欠かせない重要な役割を担っていることを、静かに、しかし確固たる自信で表現しているのだった。

自動人形は先ほどの2つと比べて少し特殊だ。オートメイア家だけはしっかりとインフラと軍事両方の仕事に従事している。ただし自動人形は高級品なので、一部の店や金持ちの家、軍事でも全体ではなく一部の仕事などに使われているそうだ。

3人の簡単な自己紹介が終わる。細かい説明をされないでも、あたしにはなんとなくだが感じ取れた。それぞれがそれぞれに類い稀ない才と努力をしてきたのだと、一瞥しただけで理解できる。そういうプレッシャーをひしひしと感じる。そこらにいる人間より明らかに雰囲気が違うのだ。

「この者たちが主戦力として大隊をそれぞれ受け持つ。ヴェルヴェットよ、お前は突撃部隊として1000人を与える。それらを指揮するといい。と言いたいところなのだが…」

1000人と聞いて驚愕する。あたしが1000人の隊長?そんな大勢を引きつれて戦争ができる自信はやはりない。そもそもその1000人というのは兵士なのだろうか。あたしは傭兵だ。そこまで兵士と交流があるわけでもない。やはり断ったほうがいいのではないか。脳裏に浮かぶが、王が言い淀んだ様子に気づき静かに続きを待つ。

「我が国の兵士を貸し与えようと思ったのだが、お前たちが来る前にこの話をしたところ、お前の部隊に志願したいという者たちが大量にいるのだ。兵士、騎士、傭兵、魔法使い、機械技師を問わずだ」

目を丸くした。なぜ志願者がここまで多いのか。しかしすぐに結論に辿り着く。今までの戦いの結果だと。自分を憧れて、崇拝して、信用しているという者たちということだ。これは今までの傭兵のときと同じだ。お互いを信じ、信じられる。そのような者たちだからこそ一緒に戦ってこれたのだ。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る

早見羽流@3/19書籍発売!
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」 解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。 そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。 彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。 (1話2500字程度、1章まで完結保証です)

僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた

黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。 その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。 曖昧なのには理由があった。 『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。 どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。 ※小説家になろうにも随時転載中。 レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。 それでも皆はレンが勇者だと思っていた。 突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。 はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。 ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。 ※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。

追放された【才能鑑定】スキル持ちの俺、Sランクの原石たちをプロデュースして最強へ

黒崎隼人
ファンタジー
人事コンサルタントの相馬司が転生した異世界で得たのは、人の才能を見抜く【才能鑑定】スキル。しかし自身の戦闘能力はゼロ! 「魔力もない無能」と貴族主義の宮廷魔術師団から追放されてしまう。 だが、それは新たな伝説の始まりだった! 「俺は、ダイヤの原石を磨き上げるプロデューサーになる!」 前世の知識を武器に、司は酒場で燻る剣士、森に引きこもるエルフなど、才能を秘めた「ワケあり」な逸材たちを発掘。彼らの才能を的確に見抜き、最高の育成プランで最強パーティーへと育て上げる! 「あいつは本物だ!」「司さんについていけば間違いない!」 仲間からの絶対的な信頼を背に、司がプロデュースしたパーティーは瞬く間に成り上がっていく。 一方、司を追放した宮廷魔術師たちは才能の壁にぶつかり、没落の一途を辿っていた。そして王国を揺るがす戦乱の時、彼らは思い知ることになる。自分たちが切り捨てた男が、歴史に名を刻む本物の英雄だったということを! 無能と蔑まれた男が、知略と育成術で世界を変える! 爽快・育成ファンタジー、堂々開幕!

冤罪で殺された聖女、生まれ変わって自由に生きる

みおな
恋愛
聖女。 女神から選ばれし、世界にたった一人の存在。 本来なら、誰からも尊ばれ大切に扱われる存在である聖女ルディアは、婚約者である王太子から冤罪をかけられ処刑されてしまう。 愛し子の死に、女神はルディアの時間を巻き戻す。 記憶を持ったまま聖女認定の前に戻ったルディアは、聖女にならず自由に生きる道を選択する。

「魔道具の燃料でしかない」と言われた聖女が追い出されたので、結界は消えます

七辻ゆゆ
ファンタジー
聖女ミュゼの仕事は魔道具に力を注ぐだけだ。そうして国を覆う大結界が発動している。 「ルーチェは魔道具に力を注げる上、癒やしの力まで持っている、まさに聖女だ。燃料でしかない平民のおまえとは比べようもない」 そう言われて、ミュゼは城を追い出された。 しかし城から出たことのなかったミュゼが外の世界に恐怖した結果、自力で結界を張れるようになっていた。 そしてミュゼが力を注がなくなった大結界は力を失い……

収納魔法を極めた魔術師ですが、勇者パーティを追放されました。ところで俺の追放理由って “どれ” ですか?

木塚麻弥
ファンタジー
収納魔法を活かして勇者パーティーの荷物持ちをしていたケイトはある日、パーティーを追放されてしまった。 追放される理由はよく分からなかった。 彼はパーティーを追放されても文句の言えない理由を無数に抱えていたからだ。 結局どれが本当の追放理由なのかはよく分からなかったが、勇者から追放すると強く言われたのでケイトはそれに従う。 しかし彼は、追放されてもなお仲間たちのことが好きだった。 たった四人で強大な魔王軍に立ち向かおうとするかつての仲間たち。 ケイトは彼らを失いたくなかった。 勇者たちとまた一緒に食事がしたかった。 しばらくひとりで悩んでいたケイトは気づいてしまう。 「追放されたってことは、俺の行動を制限する奴もいないってことだよな?」 これは収納魔法しか使えない魔術師が、仲間のために陰で奮闘する物語。

だから聖女はいなくなった

澤谷弥(さわたに わたる)
ファンタジー
「聖女ラティアーナよ。君との婚約を破棄することをここに宣言する」 レオンクル王国の王太子であるキンバリーが婚約破棄を告げた相手は聖女ラティアーナである。 彼女はその婚約破棄を黙って受け入れた。さらに彼女は、新たにキンバリーと婚約したアイニスに聖女の証である首飾りを手渡すと姿を消した。 だが、ラティアーナがいなくなってから彼女のありがたみに気づいたキンバリーだが、すでにその姿はどこにもない。 キンバリーの弟であるサディアスが、兄のためにもラティアーナを探し始める。だが、彼女を探していくうちに、なぜ彼女がキンバリーとの婚約破棄を受け入れ、聖女という地位を退いたのかの理由を知る――。 ※7万字程度の中編です。

処理中です...