聖女は傭兵と融合して最強唯一の魔法剣士になって好き勝手に生きる

ブレイブ31

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設立編

—第43章:激闘の開始

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出発してから日が暮れてきた。走りっぱなしでようやく聖王国が見えてきた。

過去に記憶している聖王国の姿が異様に黒く見える。

「こ…これは」

レオンが驚愕している。そう、異様に黒く見える正体は悪魔たちが城に群がっているのだ。

それは想像以上の数であった。しかし幸いなことに街のほうはそこまで黒い色に染まっていない。おそらく悪魔が王城を落とすことを優先しているのだろう。

「突っ込むぞ!」

アモンが叫び、アクセルを踏み込みスピードを上げる。ぐんぐん聖王国まで近づいていく。走っている間に完全に日没となっていた。

「お前ら、照明弾を放てー!」

アモンの声に続くように大砲をギアカーの紛い物として作ったギア台車に大砲を乗せ、照明弾部隊から次々と矢継ぎ早で照明弾が打ち込まれる。打ち込まれた弾が空中で爆発する。それと同時にあたり一面が非常に明るくなり、取り憑いている悪魔たちの姿が露わになる。

「大砲部隊!照準を間違えるなよ、打てー!」

次に攻撃用の大砲を所持している大砲部隊が次々に打ち出す。放たれた大砲は、次々に城の外でたのむろしている悪魔たちを撃墜していく。

「ひゃはははは!くそ悪魔ども、皆殺しだ!」

自分たちの車からも大砲が発射される、アモンが異常に楽しそうにしている。いったいどれほど悪魔たちに恨みがあるのだろうか。しかし、殺されかけた相手だ。アモンに殺されても仕方がないだろう。

「おー、すごいわね…」

なんとなく言葉だけは聞いていたが、実際に見るのとでは全く内容が違った。この照明弾とかいうものはリオが開発したものだ。いや、照明弾自体は元々あったのだが光量や有効時間が今より非常に短かったので、リオが改良を加えたとのことだ。

また、大砲の照準についてもより正確にできるように特製のスコープを搭載しているとのことだ。つくづく天才だと確信する。

「自動人形部隊!近接部隊!いくぞー!」

アモンが機械仕掛けの斧を持ち、叫びながら身を乗り出して指示を出す。

アモンと同じくレオンも剣を抜き、今にも出撃しようと身を乗り出して言ってくる。

「ヴェルヴェット、いってくるぞ。マリアを。いや、お前自身も絶対死ぬなよ!」

—レオン…どうかご無事で。

「ふん、誰に言ってるのよ。それより自分の身を案じなさい。

マリアもどうか無事に帰ってきてって言ってるんだから、もし死んだらあたしがぶっ殺すわよ。」

それを聞いてレオンが「これが終わったらマリアに言葉の勉強をしてもらうんだな」と皮肉げに笑みを浮かべながら言い、飛び降りて戦地に走っていく。

「ヴェルヴェット」

アモンが声をかけてくる。

「あんたもさっさと行きなさいよ。レオンを守ってあげてよね。少なくとも防御はあんたのが明らかに強いんだから。

悪魔は人間と比べて皮膚が非常に硬い、もちろんそれでも大怪我を負えば即戦場に復帰できるわけではないが、そういう意味では人間よりはるかに強靭な肉体を持っているのだ。

「やばくなったら俺様のところに来いよ、守ってやるからな。」

ふと、想像してなかった言葉に耳を疑う。

「は、はぁ?なんであたしが、あんたのところに行くのよ!」

「お前はあんまり頭がよくないからよ、熱くなったらきっと冷静な判断がつかなくなるだろう。

その時は俺様の事を、今俺が言った事を思い出せ。いいか、必ず俺のところへ来い。それにお前が死んだら俺様も死んじまうんだからな。」

ハッと思い出す。そういえば契約の時に確かにそう言っていた。

「そういえばそうだったわね、何もわからずにいきなり死んだんじゃさすがにかわいそうね。

わかったわ、まずくなったらあんたのところへ戻るから必ず守りなさいよね。」

「生意気な女だ、まぁいいさ。了解だヴェルヴェット」

すると顔を近づけて額と額を合わせてくる。顔と顔が非常に近くなる。

「な…なにをやっているの…?」

「さぁな?じゃ、行ってくるぜ!」

そのままアモンがギアカーから飛び降りてレオンに続いて走っていく。

額に手をやる。先ほどの行為はわからないがアモンの額の温かさを感じる。しかしその開いた手をぎゅっと強く握る。今はそんな事を考えている時ではない。

「悪魔どもは皆殺しだ!」

勢いよく立ち上がり、残っている部隊にも全軍突撃の命令を下す。

照明弾の明かりがついている中、天使の羽を具現化して王城の天辺まで一気に上昇する。そこには大量の悪魔たちが飛び回っていた。

「すごい数ね、これじゃ王城の聖王国にいる人達は…」

王城の様子を見ると、まだ金属がぶつかり合う音が響き渡っていた。しかしその数がそこまで多くはない。城の中にも悪魔たちの姿が見える。もうこれは陥落寸前と言っていいだろう。
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