手で触れた液体をお酒にする変な能力を手に入れだけどわりとなんとかなりそうです

水野(仮)

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血酒は人を狂わせる?

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「姉上の嫁ぎ先も龍王国から選ぶしかないのかな?」
「嫌よ、あの国はなんか汗臭そうだもの」
「あ、汗臭くなんかないです!」

ドラゴン娘の必死な抗議も姉上には通用しなかった。

「本当に汗臭くないからね! だから行かないとか言わないで!」
「言わないけど、なんでそんなに必死なの。逆に怪しくなるよ…」

姉上は王子とか王都の親族から婚約の誘いがある。
本人はこの地で森から来る魔物を倒す為に魔法の腕を磨いていたので王都住まいになる相手は対象外。
婚約を申し込んでくる相手は派閥争いや口喧嘩が好きで魔物被害を軽く考えてる連中ばかりで嫌になるそうだ。

学校で気の合う男性も居たそうだが彼は平民なので結婚は無理、家格が重要視される国だから仕方がない。
功績を立てて褒美に私を要求してくれたら行くんだけどねと言う姉はいつもよりちょっとだけ可愛かった。



「アレが今日泊まる街ね」
「結構大きいね」
「この国の首都だからねえ」

龍に乗って龍王国へ行くには5日ほど掛かるらしい。
休まず飛べは2日で行けるそうなのだが、そんなのは緊急事態の時くらいで普段は宿泊しながら移動なんだそうな。
馬車だと半月は掛かる距離を2日から5日で行けるんだから龍は凄いな。

「街に着いたら傭兵ギルドの解体場を借りましょう」
「龍王国についてからじゃダメなの?」
「私のマジックリングじゃ丸ごとだと明日には入らなくなりそうだからね。美味しいところだけ集めていきたいのよ」
「入らないなら無視すれば良いんじゃないの?」
「確実に狩れるのにそれは勿体無いじゃないの」

うちから出てこの街へ来るまでの間に大型の魔物を4匹ほど酒化して仕留めたんだ。
今後の為に俺の力を見せておいた方が良いと思ったので、空から見つけた大型の竜種と亀種、熊種と蛇種の成体を1匹ずつ殺してみせた。俺が触れただけで相手を殺せるのを知っていれば、馬鹿な力自慢を本気で遠ざけてくれると思って。
最初の1匹だけでも良かったのだけれど、俺からの結婚祝いにと思って追加で狩ってみた。近づいて触れるだけなので時間掛からないしね、気配を消して素早く近づく訓練をしてるから。

龍王国の姫だと言う身分を明かして明日の朝まで解体をしてくれと頼む。
全部するには時間が無いと断られたので解体に慣れてる傭兵に依頼を出した。それなりの額を提示したのが良かったのか、高ランクの人が参加してくれて朝までに解体出来るようだ。
無傷で大型魔獣を倒す実力を持つとは噂以上に龍王国はやばいと言う話になったらこっちの子がやったと彼女が普通に言ってしまい、隠す気だった俺としては仕方なく名乗り出て特殊な魔法を使えると答える。特殊な魔法より俺の家の名前に驚かれそして納得された。うちの家は他国でも有名らしい、そう言えば魔獣退治の依頼とかを他国から受けたりしたことが何度か有るな。

特殊魔法で魔獣の血が酒になってるので飲む気があるなら捨てないほうが良いかも知れません、味は保証しないけどと言ったら参加者の目力が変わった。
一気に酒化するように殺すとアルコール度数が強すぎてそのまま呑むには向かないので薄めることをお勧めしますと言ったら、試しにと参加者数人がそのまま一口飲んでむせた後に走って外に出かけ帰ってきたらドワーフが十数人居た。
解体依頼は一旦取り下げられ、依頼料がお金から魔獣4匹分の血を仕事量に応じて分配することになった。

街で夕食を取った後にギルドへ進捗状況を確認しに行ったら、解体は既に終わり血酒で酒盛りしていた。
解体中に酒の匂いを嗅ぎ続け、早く飲みたい一心で全員素早くそして血を漏らさないよう丁寧な解体をしたのだとか。
酒飲みって…。
解体が終わった肉で高級な部位を贈呈用に確保、それ以外は買い取ってもらう。買い取りに回す予定のものから何キロか抜いて解体場で飲んでる連中の酒の肴として渡してきた。
帰りも絶対寄ることをしっかりと約束させられた。
龍の酒が1番美味いから龍種を頼むとリクエストまでされた。

血酒を飲んだことないから味の違いとか知らないんだよな。
騎士団の人達は飲んでるみたいだけど、味の違いとか魔物リクエストとかないからそこまで美味しいものではないんじゃないかと思っている。
うちでは炭酸系リクエストが多いな、ドワーフは焼酎や蒸留したものか。

*****
☆主人公
この世界での酒の価値を正しく理解していないのでこの反応に戸惑っている。自分で生み出せるからでも有るし子供なので取引内容を知らされていないなど。
また、水属性魔法で出した水は時間が経つと消えるのに対し、酒魔法で出した物は時間が経っても消えないことについても軽く考えているところがある。


☆血酒
魔獣の血、その中でも龍種の血は魔力濃度高く、ポーションの素材になることもある高額買い取り素材なのでその酒は大気中の魔力を摂取して生きるこの世界の生物にはご馳走と言える。

領地の人達は他にも有るから強くリクエストしないだけで血酒は当然好きで有る。
本人がお酒を飲める年齢じゃないので前世のイメージで成分変わったからって血を飲むのはなぁ…と思っているので評価低い。

☆強い酒
この大陸では強い酒そのものがなく、それだけでもアル中は満足。
味の違いがわかる人は中でも龍種がお気に入り。
中にはあの嬢ちゃんが乗ってる龍はどんな味がするだろうなと不埒なことを考えている人も。

☆酒魔法で殺した魔物
素材を変質させる酒魔法で殺した場合、買い取り額が下がるか上がるかは謎で有る。
肉は問題無さそうなので通常の値段で買い取った。
ギルド確保分の血酒を錬金術ギルドに調査依頼を出しているが…。

☆龍王国の活動
龍王国は龍種愛護団体ではないので龍を殺す奴は許さないみたいなのはない。
龍は龍で龍種を食べることもあるし、龍帝国の人も龍種を食べる。

龍王国は人間種に龍の意思を伝えるようなところ。
人は龍のことを知り争うのを避けるようになる。
龍は特に何も変わらない。

☆人の感覚と龍の感覚
龍が突然襲って来て滅ぼされた都市が有った。
龍にとっては眠っている間に自分のナワバリを荒らした連中を掃除した程度のこと。
それを回避する為、龍王国の使者は龍の縄張りに住もうとしている人に注意喚起を行う。

龍にとって縄張りに住み着いた人間種は、家の中に入って来た害虫や害獣でしかなく目障りだから駆除しただけでしかない。
身体の大きさと生きる時間が異なるから仕方がない。
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