いきなり魔界に呼び出された俺は、魔界一しょぼい村の主人になった!

Chiaki

文字の大きさ
4 / 9
第1章

#4 イカれたメンバーを紹介するぜ!

しおりを挟む
夢を見た。
俺の体が闇に侵食されて行く夢を。

夢の中の俺は裸だった。

真っ白な世界に浮いていて、
いるのは俺一人だけ。

ふと、左手に異変を感じ視線を送った。
指の先が黒く闇に染まっていて、その闇は徐々に上がってきた。

指先から手のひらへ。
手首、そして腕...

パニックになって叫んだ。

俺は夢を見ていた。

恐怖から目を開けると、ベッドの上にいた。

木製のベッドで葉っぱを敷いただけ。
とても寝心地がいいとは言えない簡素なベッド。

息は上がっていて、少しの間動けずにいた。

この部屋に響くのは俺の呼吸音と風で木々が揺れる音。

体中汗まみれ。
窓から入ってくる風が汗に当たって涼しかった。

「はぁ、はぁ、はぁ...気味悪い夢だ...はぁ...」

上半身を起こす。

夢では黒くなっていた左手を見る。

いつもの左手があった。

なぜか安心し大きなため息をつく。

気分を変えようと家の外に出た。

風が体に当たって気持ちがいい。
葉っぱが揺れカサカサ音をたてる。

「なんだったんだ。さっきの夢は」

所詮は夢。
思い出して考えても仕方ないってのはある。
ただ、普通の夢には思えなかった。
なにか不吉な事が起きるような気がした。

それをゴブリンたちに相談しようとも思ってないし、
追求しようとも思ってない。

ただ、今日見た夢を忘れることは当分できなさそうだ。


////////////////////////


この村ができて数日経った。

家の数は相変わらず3つと少ないが、この村は数日で多少変わった。

まず、農作を始めることにした。
農業に必要な道具は以前、見つけた馬車の残骸にあったのを拝借して使っている。

種はこの地に生えている作物で、コロロネと言う野菜。
味はじゃがいもに似ていて、食感は大根のような感触。
意外と美味しいのだ。
それに、マジモンのじゃがいもに似て栽培も簡単。

比較的早い段階で実が生ってくれるので、食糧難にはもってこいの野菜だ。

畑自体はそんなに大きくないが、様子をみて大きくしていく予定。


次に、剣と盾を持たせた3匹のゴブリンを斥候に任命した。
現在、北と北西に大きな街があるのを地図で確認している。
そこで今の村より更に南方角に向けて探索を始めた。

ここ数日での報告でわかった事が、

・この村より南に程よく進むと川がある。
・その川を西に進むと深そうな洞窟。
・村より南東の方角には古びた墓地がある。

の3つ。

川には俺も行って確認してきた。
水はきれいで飲料水として使えそうなので、今後定期的に水を汲みに来るとする。
川までは魔物もおらず安全なルートになっていたのもありがたい。

この川発見。飲料水として使える事から、村に井戸を作ろうかと検討している。
石灰を作るのがめんどくさいので今の所放置しているが...

そして深そうな洞窟だが、
まだ探索には及んでいない。

正確には行く時間がないってのが正解か。
今は村の発展と生活基盤を作ることに必死でな。
冒険どころじゃない。

墓地も然り。
まだ探索には行けていない。

一応、その2つに関しては、頂いた地図に追記しておいた。
コンパスもあるから迷うことはないだろうがね。

どれも3匹の斥候が頑張って調べてくれた事だ。
感謝している。

ちなみにこの3匹は息が合うのだろう。
連携を取って探索に勤しんでいるらしい。
徐々に探索の質も上がってきている。
ゴブリンの癖して。

どうもなれないことをやらすと絶望的に下手だが、
同じことを繰り返しやらせて慣らすことによって質が上がっていくらしい。

ゴブリンってそんなだっけ?
ここ数日のゴブリンを見て思ったわけだがな。

で、スライムだがあいつらは基本そこら辺をウロウロしている。
建築を手伝うわけでもなく、探索に加わるわけも、なく。
完全にこの村のマスコット的キャラクター兼毒の中和係になっていた。

まぁでもこいつらも賢いもんでね。
ウロウロはしているが、村からは出ない。
どこからが村でどこからが外の世界なのかわかってるのかね。

ちなみに寝る時はスーピーいびきをかくのですぐわかる。
家の中で寝るときもあれば、外で寝るときもある。

基本こいつらは放置しとけばいい。
飯もそこら辺の葉っぱ食ってるみたいだしな。

そんなことより問題はこれだ。

拾った魔導書。
定期的に中を見て、わかるところを探しているんだが、まったくない。
本当に何を書いてるのかさっぱり。
まずはこの世界の文字を勉強する必要があるみたいだ。

まぁなんだかんだこの村での自給自足は軌道に乗ってきた様子だ。
ゴブリンたちの狩りもそこそこ上達してきたところだ。



家の中で地図を開き今後の拠点開拓をどこにしようか考えていたら、1匹のゴブリンが入ってきた。

なんでもスライムの様子がおかしいとの事。

気になって一緒に外へ出て、様子のおかしいスライムの元へ駆け寄る。

「おい、大丈夫か?お前」

スライムに声をかけたがプルプルと震えるだけ。

よく様子がおかしいって分かったな。
俺にはいつもの状態と何が違うのかまったくわからん…

周りにいたゴブリン達もそわそわしている。

「体調悪いのか?」

「どっか痛いのか?」

何回か声を掛けていると、プルプル震えていたスライムの動きがピタッと止まった。

「お、おい…どうしたんだ?」

するとスライムの中から気泡がたくさん出てきた。
ぶくぶくぶくと音を立てて始めるスライム。

だ、大丈夫かお前!溶けて無くなるんじゃないのか!?

周りのゴブリンもやべぇ!なんかぶくぶくしてる!って顔でうろうろし出した。

スライムをよく見ると、徐々に色が変色。
気付くと紫色に変化した。

「な、なんだこれ…」

驚いているとスライムはまたプルプルし出した。

「な、何…?進化したのか…?」

しかも、心なしか他のスライムより一回り大きくなった気がする。

紫色になったスライムはご機嫌なのか、いつもよりプルプルさせてどっか行ってしまった。

なんと、スライムが進化したのだ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

30歳の英雄王は転生勇者を拾い無双に育てます

蒼井青龍
ファンタジー
山奥の小屋でのんびり暮らしていた 英雄王のライに、現世から転生してきた赤ん坊を立派な無双勇者に育て世界を魔王族から守る 英雄譚

ゲームの悪役パパに転生したけど、勇者になる息子が親離れしないので完全に詰んでる

街風
ファンタジー
「お前を追放する!」 ゲームの悪役貴族に転生したルドルフは、シナリオ通りに息子のハイネ(後に世界を救う勇者)を追放した。 しかし、前世では子煩悩な父親だったルドルフのこれまでの人生は、ゲームのシナリオに大きく影響を与えていた。旅にでるはずだった勇者は旅に出ず、悪人になる人は善人になっていた。勇者でもないただの中年ルドルフは魔人から世界を救えるのか。

異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました

雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。 気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。 剣も魔法も使えないユウにできるのは、 子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。 ……のはずが、なぜか料理や家事といった 日常のことだけが、やたらとうまくいく。 無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。 個性豊かな子供たちに囲まれて、 ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。 やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、 孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。 戦わない、争わない。 ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。 ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、 やさしい異世界孤児院ファンタジー。

魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。

カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。 だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、 ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。 国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。 そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。

【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました

放浪人
恋愛
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。 だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。 「彼女は可哀想なんだ」 「この子を跡取りにする」 そして人前で、平然と言い放つ。 ――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」 その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。 「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」

存在感のない聖女が姿を消した後 [完]

風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは 永く仕えた国を捨てた。 何故って? それは新たに現れた聖女が ヒロインだったから。 ディアターナは いつの日からか新聖女と比べられ 人々の心が離れていった事を悟った。 もう私の役目は終わったわ… 神託を受けたディアターナは 手紙を残して消えた。 残された国は天災に見舞われ てしまった。 しかし聖女は戻る事はなかった。 ディアターナは西帝国にて 初代聖女のコリーアンナに出会い 運命を切り開いて 自分自身の幸せをみつけるのだった。

処理中です...